トリガの使用に際しては、別のトリガに含まれるアクションを元に戻したり変更するトリガがないか、注意する必要があります。たとえば、リクエスタの所属企業に基づいてチケットを割り当てるトリガを作成したとします。このトリガの仕組みは非常にシンプルです。特定の企業にタグを追加しておき、その企業のユーザーからサポートリクエストが届いたときに、タグがチケットに追加されるようにします。
企業の例:銀行1
企業の例:銀行2
上記のどちらかの銀行のユーザーからチケットが届いたときには常に、該当するタグがそのチケットに追加されます。
次に、「acme」タグと「orange」タグをトリガで使用し、これらのチケットを適切なグループに割り当てます。たとえば、この2つの銀行からのチケットを、「レベル2サポート」グループに割り当てるとします。
トリガが実行されると、グループが割り当てられます。
一方、メール経由で受け取ったチケットを「レベル1サポート」グループに割り当てる、別のトリガがあるとします。以下はそのトリガの例です。
ここでの問題は、2つのトリガ間に意図しない競合が発生したことです。1個目のトリガは、これらの銀行から届いたチケットを「レベル2サポート」グループに割り当てます。チケットに「acme」タグか「orange」タグが含まれているからです。そして、2個目のトリガが、グループを「レベル1サポート」グループに変更します。もちろん、意図された挙動は、これらの銀行から届いたチケットを自動的に「レベル2サポート」グループに割り当てることです。
この競合が発生したのは、チケットは一度に1つのグループにしか割り当てられないのに、2個のアクティブなトリガが、異なる条件に基づいて異なる2つのグループに対して割り当てを行っているためです。
トリガは上から順に処理されるため、「トリガ」ページでのトリガの並び順は非常に重要です。この例のトリガリストでは、「銀行のお客様のチケットをレベル2サポートに割り当てる」トリガが「メール経由で届いたチケットをレベル1サポートに割り当てる」トリガより前にリストされているため、グループの割り当てもそれに従って行われています。この例では、2個のトリガの順序を逆にすれば、競合が解決されます。
この例の要点は、トリガ間に競合を発生させず、ワークフローを期待どおりに動作させるには、Zendeskのすべてのトリガに目を配ることがどれほど重要かを示すことです。トリガの順序の問題を解決するには、トリガを並べ替えるだけで済む場合もありますが、トリガの変更や非アクティブ化が必要になる場合もあります。
一巡して話を元に戻すと、互いに競合させることなく、両トリガの所定の動作を実現するには、少し違うアプローチをとる必要があります。ゴールは、2つの銀行以外のお客様からメール経由で届いたチケットをレベル1グループに割り当て、2つの銀行のお客様から届いたチケットをレベル2サポートグループに割り当てることです。これを実現するには、引き続き2つのトリガが必要ですが、レベル1のトリガに、リクエスタの組織のタグが2つの銀行のどちらでもないこと(レベル2のトリガで使用される「acme」でも「orange」でもないこと)を確認する条件を追加する必要があります。
1番目のトリガは、2番目のトリガよりも前に実行される必要があります。1番目のトリガは、メール経由で届いたチケットに銀行のタグ(「acme」または「organge」)が付いていない場合に、そのチケットをレベル1サポートグループに割り当てます。次に、2番目のトリガ(1番目のトリガの後に実行される)で、銀行のお客様からのチケットを、作成時に自動的にチケットに追加された組織タグに基づいて、レベル2グループに割り当てます。
以下は、現在のトリガの順序を示すZendesk内の「トリガ」ページの例です。
上記の例により、複数のトリガが互いにどのように影響するかについて、十分にご理解いただけたでしょうか。また、トリガの作成時にほかのすべてのトリガを視野に入れること、実行時のトリガの順番を考慮すること、特定のチケットに対して実行される特別な条件を常に設定することの重要性についても、ご理解いただけたでしょうか。
多数のトリガと大量のチケットを取り扱う場合、トリガの作成方法における非効率性が、チケットの処理速度とエージェントの効率性に影響を与えることがあります。
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