一般的な使用方法では、メールは非認証メッセージ配信プロトコルです。つまり、送信されたメールが意図された受信者に届くという保証はありません。メール配信は、リレーサーバーにより実行されるという前提に基づいています。また、一旦リレーサーバーによりメールの配信が承諾された場合は、メールが宛先に届かない原因がいくつか挙げられます。
状況によって、サーバーにより配信できないという旨が記載された「配信不能」メール(配信エラーメール)と呼ばれるメールが送信されます。多くのサーバーでは、スパムの可能性があるメールに内部処理に関する情報を提供しない取り組みの一環として、この配信不能メールを提供しません。
スパムメールの増加で、より多くのISPがメール配信に関して厳しい制限を設けたり、大量のスパムのフィルタリングに注力せざるをえなくなっています。このことにより、スパムではない正規メールを全て送信元に届け、効率的にスパム処理を行うことが難しくなっています。幸いにも、これらのシステムは自動修正することができ、スパム処理という難しい対応に役立つ手順があります。個人のプロバイダとアメリカ連邦取引委員会では、スパムによる影響を軽減する取り組みが行われています。しかしながら、コミュニケーションプロトコルとしてのメール特性により、問題が起こる可能性が非常に高いことが現状です。
以下では、Zendesk Supportのメール配信に関する一般的な問題についてご説明します。
この記事では、次のセクションについて説明します。
特定のドメインまたはユーザーへのメール送信の際に起こる問題
メールが特定のドメインに配信されない場合は、スパムとしてブロックされている可能性が高いと考えられます。受信者のサーバー設定により、一時停止中のキューで配信不能メール(配信エラーメール)通知を受信できない可能性があります。これは、サーバーにより組織内で未承認メールの送信が行われていることが検出された場合、サーバーはメールを一時停止、ブロック、またはスパム/ゴミ箱フォルダに転送し、送信元に通知しないためです。もし通知すれば送信元は別の方法でメール送信をしようとするでしょう。
SPFまたはDKIMレコードを設定する
Zendesk Supportによる代理メール送信では、ご自身のドメインDNSレコードの一部としてSPFレコードを作成することが最善策です。これにより、当社に対してお客様の代わりにメールを代理送信する権限が与えられます。ドメイン外のIPから送信されたメールが別のサーバーにより受信される際、確認のため受信元に通知され、処理を承認するためのチェックが実行されます。SPFレコードにより、受信元のサーバーへこの送信のスパムスコアを下げるよう促されます。この送信については、ユーザー自身が認識しており、ユーザーはZendesk Supportにユーザーの代理として対応することを求めているからです。
これが難解な点となる可能性があります。ある会社のメンバーの受信トレイにはメールが承認・受信される一方で、別のメンバーでのメール受信では承認されない場合があります。これは、会社のサーバー内に認証連鎖とセキュリティ設定があるためです。例えば、CEOへ連絡が取れる可能性は、さまざまなベンダーや取引先からのメールが予測されるマーケティング部門のメンバーに連絡を取る場合と同じではありません。
SPFレコードを受信する代替策として、DKIMがあります。このプロトコルは、非常に類似したロールを実行しますが、異なる点は送信メールに暗号化されたキーが備わることです。暗号化キーの半分がご自身のドメインにより提供されます。キーが一致すると、メール受信が承認されやすくなるため、メールが受信元に正常に届く可能性が高まります。
無料オンラインメールサービスを利用する
Gmail、Yahoo、MSNなどの無料オンラインメールサービスのいずれかに送信するときに、この方程式の変数が追加されます。トラフィック量が非常に多いため、単独で認証されたドメインからメールが届いたときとは、スパムフィルターを別々に調整する必要があります。これらのメールサービスでは、スパム対応が上手に行われていますが、受信トレイに表示されるはずのメールがスパム/ゴミ箱フォルダに分類されていることも少なくありません。これは、手軽に修正できます。ユーザーが「迷惑メール/スパムではない」ボタンをクリックすることで、受信トレイにメールを分類させ、使用しているサービスに、この送信者からのメールを受け取ることを希望する旨のメッセージが送信されます。
Zendeskのサーバーがブロックされた場合
滅多に起こることではありませんが、Zendeskのサーバーがブロックされることがまれにあります。この原因は数多くありますが、当社のオペレーションチームは、あらゆるリストサービス(RBL、SORBS、DNSBlなど)に関する情報検索に常に関心を持っています。当社のメール配信サーバーを使用するサブドメインが数多くあるため、ときに悪用される可能性があります。多くの場合、意図的ではありませんが、Zendesk Supportを本来の用途以外(例えばアウトバウンドマーケティングキャンペーンなど)で利用しようとする時でも、一時的にスパムとしてリストされる可能性があります。
例えば、あるアカウントから新しい機能や製品に関する一斉送信メールがカスタマーに送信されたとします。1000通のメールが送信され、受信者のうち10人がそのメール受信を希望せず、「迷惑メール」ボタンをクリックすれば、IPがリストに挙げられ、他のアカウントにもメール配信の問題が起こる可能性が高くなります。こうした評価は動的であり長く続くものではありません。また、はるかに多くの正規メールが送受信されています。しかし、支障を来す可能性もあるため、当社のオペレーションチームで調査したいところです。
配信不能メール(配信エラーメール)通知を受信した場合
これはどなたにでも起こりますので、慌てる必要はありません。配信不能メールでその原因を手軽に見つけることができます。
最初はこれらを読んで把握するのが難しいかもしれませんが、配信不能メールの問題の原因を探るポイントはいくつかだけですので、繰り返し行ううちに簡単になってきます。
- 通知が作成されたサーバー元は?
- 送信先のメールアドレスは?
- 受信したSMTPエラーコードは?
- 返された.emlファイルはあるか?もしあるなら、ファイルの内容は何か?
- レポートサーバーがZendesk(上記例のように「送信元:アドレス」にzdsys.comが含まれている)であれば、当社による送信メールが受信されなかったという旨のメール通知である可能性が高くなります。
- Zendeskとは異なるサーバーから受信した場合は、この配信不能メールがお客様の外部のサポートアドレスを通して送信され、Zendesk Supportに転送された可能性があります。自動化されたメールであるため、一時停止キュー内にあるはずです。原因はZendeskに関係ないかもしれませんが、返されたメッセージの結果として、サポートアドレス(例:support@yourcompany.com)の受信トレイに受信されます。
- 受信先のメールアドレスが存在しない場合は、同じ結果になります。これは、システム入力時にタイプミスがあったか、またはスパマーがオンラインの「リクエストを送信」フォームを悪用した結果である可能性があります。これは、スパムを管理する方法の概要を説明した記事です。もう一方のタイプミスに関しては、あらゆるオンラインツールを使用してメールアドレスを認証できます。先ほどリンクした記事がお勧めです。その回答で掲載されている情報が、問題解決のヒントになる可能性があります。
- SMTPエラーコードとは、5つのカテゴリ(100-500)のうち1つの3桁コードで、ハイフンの後に小数点で区切られた3つの数字が続きます。それぞれの数字が、エラーの原因の解決のヒントになることがあります。また、一般的なエラーのカテゴリもあります。500、550、551、および544はすべて永続的/致命的なエラーです。つまり、中継サーバーにより拒否され、再実行されません。このシステムの概要が記載されているのがRFC 3463です。上記例の550-5.5.1では、3つの数字([種類].[エラーの要因].[詳細])が表示されています。種類は2:成功、4:一時的なエラー、5:永続的な/致命的なエラーです。一般的には、4と5のみが配信不能メールの通知として表示されています。
- 返された.emlファイルが、送信に失敗した原因を把握するのに役立つ可能性があります。これは、通常Zendeskサーバーからの配信不能メールが原因で発生します。また、これを使用して問題が起こっているチケットを特定できます。メールアドレスの修正が必要な場合は上記が起こる可能性が高くなり、更新が行われれば、別の送信通知が行われます。
同じメールから複数の配信不能メールが受信されることも珍しくありません。これにより、実際より問題が広範に及んでいるように見えるかもしれません。一時停止キューに表示される順序でメールを確認し、受信者に関するメモを保存することが役立ちます。これが予期せぬ問題の解消となる可能性があります。
以下では、上記で紹介したメール承認リンクからの送信例をご覧いただけます。(こちらは先ほどのサイトに類似している別のサイトです)
テストドメインを使用した結果ですので、ドメインは実在しているのですが、メールアドレスは存在しません。よくある結果は、ユーザー不明(メールアドレスが不明)、ホストが不明(ドメインが存在しない)、メールが配信されない(おそらくサーバーが停止している)などの情報が表示されます。
ご自身のメールアドレスでテストを行えば、結果が青色で表示されます。もしそうでない場合は、メール管理者またはプロバイダにご相談ください。
スパムとして検出された場合
スパム検出は、お客様の受信メールに影響します。スパム検出システムの閾値(しきい値)のうちの一つが、受信メールの内容により超過したということです。送信元またはリレーされたIPか、署名ファイル内の不審なリンクが原因で起こる可能性があります。
メールがスパムではないと思われる場合は、GmailまたはHotmailで「スパム/迷惑メールではない」ボタンをクリックするのと同様に、一時停止キューからメールを回復させることでCloudmarkに通知メッセージが送信されます。初めは結果が現れないかもしれませんが、システムが自己学習であるため、やがてメールが正常に受信されるようになるはずです(送信主が持続的に過度な送信操作を行なっていない限り)。
これは、メールが一時停止される例の一つに過ぎません。メールが一時停止されるもう一つの一般的な原因は、受信メールが自動化されたものとして検出されることです。このプロセスに関する記事を参考にすることをお勧めします。
この記事により、メール配信に影響するプロセスや疑問解決のお役に立てば幸いです。上記で紹介した方法で解決できない場合、またはこれら以外に原因があると思われる場合は、Zendeskカスタマーサポートにご連絡ください。当社が問題の解決に尽力いたします。
0 コメント
サインインしてコメントを残してください。