
メールの使い方ガイドのパート3とパート4では、送信メール通知をカスタマイズして管理する方法と、よくあるメールチャネルの問題を理解して対処する方法を学習します。
サポートリクエストの受け付けに使用するメールアドレスを選択する
Zendesk Supportアカウントを作成すると、デフォルトでサポートアドレスが1つ作成されます。このシステムサポートアドレスはsupport@myaccount.zendesk.comです(myaccountには、お使いのZendesk Supportアカウントの名前が入ります)。ただし、他のサポートアドレスを追加したり、外部のメールシステムからZendesk Supportアカウントにメールを転送することで、チケットを送信するための代替メールアドレスをユーザーに提供することができます。
サポートリクエストは、複数のメールアドレスで同時に受け取ることができます。Zendesk Supportでサポートリクエストを受け取るために使用するメールアドレスは、「サポートアドレス」と呼ばれます。複数のサポートアドレスを使用する場合、そのうちの1つがデフォルトのサポートアドレスとして設定されます。
サポートアドレスを使用してサポートリクエストを受け取るために使用するメールアドレスをカスタマイズする場合、以下のことができます。
メールアドレスの各要素の説明
サポートメールアドレスをカスタマイズする方法を説明する前に、メールアドレスの要素について簡単におさらいしましょう。
表示名(Zendesk Supportでは単に「名前」と呼ばれます)はオプションで、通常は会社や組織の名称です。ユーザー名(技術的には「ローカルパート」と呼ばれます)は、@の前の部分です。ドメインは、Zendesk Supportドメインまたは外部ドメインのいずれかになります。次のセクションで、これらを変更する方法について説明します。
デフォルトのサポートメールアドレスのユーザー名を変更する
次のように、メールのユーザー名を変更するだけで、新しいサポートメールアドレスを簡単に作成できます。
状況によってメールアドレスを使い分けることで、サポートリクエストを受け付けたメールアドレスに基づいて、チケットを管理し、追跡できるようになります。たとえば、sales@myaccount.zendesk.comにエンドユーザーからのサポートリクエストが届いた場合に、作成されたチケットを営業チームに直接割り当てるトリガを作成できます。また、リクエストを受け付けたメールアドレスごとにビューやレポートを作成してチケットを追跡することもできます。
Zendesk Supportでは、シンプルなウィザードを使用して、新しいサポートメールアドレスを作成できます。詳細については、「Zendeskのメールアドレスをサポートアドレスに使用する」を参照してください。
任意のユーザー名を有効なサポートメールアドレスにする
また、ユーザー名に変化を持たせて、有効なサポートアドレスとして認識させることもできます。たとえば、サポートアドレスのスペルが間違っていても(biling@myaccount.zendesk.comなど)、そのメールは受け付けられ、チケットが作成されます。このタイプのバリエーションは「ワイルドカード」と呼ばれます。
受信メールのサポートアドレスの間違いに対処する方法として、上記の例のようにワイルドカードがあります。不正確なアドレスでメールが届くと、デフォルトのサポートアドレスで置き換えられます。なお、ビジネスルールでワイルドカードアドレスを使用することはできません。
送られてくるサポートリクエストでワイルドカードを有効にするには、「ワイルドカードのメールアドレスでサポートリクエストを受け付ける」を参照してください。
Zendesk Supportのメールドメインの代わりに外部メールドメインを使用する
また、外部のメールドメインをZendesk Supportのサポートメールアドレスとして追加することもできます。外部のメールアカウント(Gmailなど)に届いたすべてのメールをZendesk Supportに転送することができます。カスタマーは、Zendesk Supportを導入する前に使用していたメールアドレスを引き続き使用することができます。この場合、メールの「宛先」や「返信元」のアドレスに「Zendesk」という文字列は含まれません。
- まず、Zendesk Supportの外部でメールアカウントを設定し、メール転送を設定する必要があります(「受け付けたメールをZendesk Supportに転送する方法」を参照)。
- 転送設定が完了したら、Zendesk Supportに外部のメールサポートアドレスを新規に作成します(「外部サポートアドレスを追加する」を参照)。
- 最後に、SPF(Sender Policy Framework)レコードを追加して、自社のメールサーバーに代わってZendeskがメールを送信できるようにする必要があります(「自社のメールドメインを使用してメールをZendeskから代理送信する方法」を参照)。
エージェントのメール転送とリダイレクトについて
外部メールシステムのサポートメールアドレスを設定することで、カスタマーからのメールをZendesk Supportアカウントに自動的に転送することができます(「外部サポートアドレスを追加する」を参照)また、サポートアドレスとして追加されていないメールアドレスに届く可能性のある一時的なサポートリクエストについては、転送を手動で行うこともできます。それには、そのようなメールを転送するか、リダイレクトします。
管理者は、エージェントがサポートアドレスにメールを転送して、元の送信者の代わりにチケットを作成できるようにすることができます。それには、エージェントのメール転送オプションを有効にする必要があります(「Zendesk Supportのエージェント転送オプションを有効にする」を参照)。また、エージェントは、転送メール内に簡単なテキストコマンドを指定することで、メールの元の送信者をリクエスタとして設定することもできます(「転送メールでリクエスタを指定する」を参照)。
もう1つの選択肢は、メールを受信したメールアプリケーションを使用して、メールをリダイレクトする方法です。たとえば、Microsoft Exchangeでは、「アクション」>「このメッセージを再送」コマンドを使用してメールメッセージをリダイレクトできます。メールのリダイレクトについて詳しくは、「メールをリダイレクトする」を参照してください。
受信メールによってチケットリクエスタが設定されるしくみについて
メールの本文は、チケットリクエスタを特定するために使用するものではありません。Zendeskは、メールヘッダーの情報を使用してチケットのリクエスタを特定します。具体的には、主に「reply-to:」ヘッダーのフラグを使用します。「reply-to:」ヘッダーが存在しない場合は、代わりに「from:」を使用します。この機能はシステムにハードコードされており、変更することはできません。
エージェントは、メールAPIの#requester構文を使用して、チケットのリクエスタを設定することができます。詳細については「メールAPIを使用して受信トレイからチケットのプロパティを更新する方法」を参照してください。
メールのスレッド化について詳しくは「新規受信メールで既存のチケットが更新されてしまう理由」および「チケットのスレッド化に関する問題」を参照してください。
受信メールとチケットを対応付けるしくみについて
前述のように、Zendesk Supportのチケットは、スレッドでのメールのやりとりに似ています。スレッドを同じチケットの一部としてまとめておくには、送信メール通知と受信メール通知の両方に埋め込まれた参照を使用します。たとえば、カスタマーがメール通知に返信すると、その返信メールにチケットへの参照が追加されます。この参照を使用して、Zendesk Supportでは、受信メールと当該のチケットが対応付けられます。
- カスタマーからの返信には、In-Reply-ToおよびReferencesを使用するチケット参照がメールヘッダー内に含まれる。
メモ:受信した任意のメールについて、ソース(ヘッダーを含む)を表示することができます(「受信したメールのHTMLと元のソースを表示する方法」を参照)。
- メール本文には、チケットへの非表示の参照が含まれる。
- 返信先メールアドレスには、チケットIDが含まれる(Zendeskドメインのアドレスを使用している場合)。以下はその例です。
- MondoCamサポート<support+id1910@mondocam.zendesk.com>
メールでのやりとりが開始され、チケット参照がスレッドに埋め込まれると、その後のやりとりのメールはすべてそのチケットに結び付けられます。何らかの理由で、そのメールスレッドから新しいチケットを作成する場合は、メールメッセージの内容をコピーして新しいメールメッセージを作成する必要があります。メールスレッドを他のサポートメールアドレスの1つに転送すると、埋め込まれたチケット参照により、元のチケットに関連付けられます。
迷惑メールのフィルタリングとチケットの一時停止
Zendeskでは、迷惑メールフィルターを使用して、Zendesk Supportアカウントが偽のチケットであふれるのを防ぎます。迷惑メールである可能性が高い場合、迷惑メールはキャッチされ、一時停止中のチケットのキューに入れられるか、または完全に拒否されます(その場合、表示されることはありません)。
なお、迷惑メールのフィルタリングは完全ではないため、正規のサポートリクエストが一時停止中のチケットキューに入れられる可能性があり、注意が必要です。そのような場合には、手動でチケットキューからサポートリクエストを取り出してください。一部の受信メールが一時停止中のチケットキューに入れられてしまう原因について詳しくは、「「スパムとして検出」とは」を参照してください。
一時停止中のキューに入れられたチケットはすべて、システム生成ビューにリストされます。このビューは、一時停止されたチケットが初めて作成されたときに、ビューのリストに表示されます。このビューを使用して、メールを確認し、正規のチケットとして受け入れるか、迷惑メールとして拒否することができます。
詳細については、「一時停止中のチケットとスパムの管理」を参照してください。
メールからチケットを作成できるメンバーを管理する
偽のチケットや不要なチケットを防ぐもう1つの方法として、特定のユーザーまたはユーザーグループに対して、メールでのチケット作成を禁止するやり方があります。これを行うには、メールドメインまたは個別のメールアドレスをブラックリストに追加します。これにより、そのドメインまたはアドレスからのメールは一時停止または完全に拒否されます(一時停止中のチケットビューにリストされることもありません)。
ブラックリストで例外を許可することもできます。たとえば、ブラックリストに登録されたメールドメイン内の特定のユーザーが、そのメールドメインを介してサポートリクエストを送信することが許可されている場合、そのユーザーのメールアドレスをホワイトリストに追加します。詳細については、「ホワイトリストとブラックリストを使用したZendeskへのアクセスの管理」を参照してください。
非公開型のZendeskを設定することもできます。このタイプのZendeskでは、管理者がZendesk Supportアカウントに追加したユーザー以外はサポートリクエストを送信できません。詳細については、「登録ユーザーのみにチケットの送信を許可する方法」を参照してください。
このようなアクセス制限をZendesk Supportアカウントに設定すると、「制限付きアカウント」が作成されます。詳しくは、「エンドユーザーのZendesk Supportへのアクセスおよびサインイン方法の設定」を参照してください。
メールリクエストによって作成されたユーザーアカウントを管理する
サポートしているすべてのカスタマーは、Zendesk Supportのユーザーアカウントを持ちます。Zendesk Supportアカウントへのアクセスを制限または閉鎖しない限り、お客様の最初のサポートリクエストをメールで受け取ると、新しいユーザーアカウントが作成されます(メールアドレスが一時停止中であったり拒否されている場合を除く)。カスタマーのユーザーアカウントは、すべてのサポートリクエストを追跡し、連絡先情報と、それらのユーザーとのやりとりの過程で収集されたすべてのデータを含みます。
ほとんどの人は複数のメールアドレスを使用しているため、既存のカスタマーが未登録のメールアドレスを使用してサポートリクエストを送ってくることがあります。この場合、別のユーザーアカウントが新しく作成されます。カスタマーのアカウントを重複させないようにするには、新しく作成したアカウントをカスタマーの既存のユーザーアカウントに統合します(「重複するユーザーアカウントの統合」を参照)。
複数のメールアドレスを使用するには、ユーザーアカウントに第二、第三のメールアドレスを追加で登録しておきます。カスタマーポータル経由でカスタマーにユーザーアカウントへのアクセスを許可している場合、カスタマー自身が他のメールアドレスを追加できます。なお、カスタマーポータルはZendesk Guideを使って提供できます。カスタマーは、自分のプロフィールを表示して編集することができます。
メールアドレスの1つがプライマリメールアドレスとして設定されていて、その他の連絡先メールアドレスがプロフィールに追加されている場合、その他のメールアドレスからのサポートリクエストはそれぞれのユーザーアカウントに転送されます。カスタマーへのすべての送信メール通知は、プライマリメールアドレスを使用します。
メールのリクエスタを組織に割り当てる
カスタマーからメールで初めてサポートリクエストを受け取り、そのカスタマーのユーザーアカウントが作成される際に、メールドメインに基づいてカスタマーを組織に割り当てることができます。たとえば、カスタマーを勤務先企業に基づいて分類する場合、勤務先企業はメールドメインで見分けることができます。これは「ユーザーマッピング」と呼ばれ、管理者は組織の設定を編集することで、これを設定できます。
詳細については、「メールドメインに基づいて自動的にユーザーを組織に追加する」を参照してください。
受信したメール内のリッチコンテンツを無効にする
デフォルトでは、Zendesk Supportは、HTMLベースのメールメッセージに含まれるリッチコンテンツの書式設定を使用します(太字、斜体、下線、表など)。リッチコンテンツはチケット内に保持され、表示されます。必要に応じて、プレーンテキスト版のメールメッセージを使用することもできます。詳細については、「受信したメールでリッチコンテンツを無効にする方法」を参照してください。
エンドユーザーの言語が検出されるしくみ
Zendesk Supportでは、カスタマーの言語を特定し、その言語で返信するためのさまざまな方法を提供しています。言語設定は、ユーザープロフィールに含まれています(Zendesk Supportアカウントに既に登録済みのユーザーの場合)。また、新規カスタマーからメールサポートリクエストが届いた場合、メールから言語を検出します。詳細については、「Zendesk Supportのロケールと言語の設定」および「メールメッセージによるエンドユーザーの言語の検出」を参照してください。
第三者をCCに追加してサポートの会話に引き入れる
サポートの会話は、サポートを必要とするカスタマーと、担当エージェントとの間だけで交わされるとは限りません。第三者を参加させたり、第三者に会話の内容を知らせることも可能です。
エージェントおよび登録済みのカスタマー、サインイン済みのカスタマーは、チケットのCCに追加できます。CCに追加されたエージェント全員が、チケットの更新に関するメール通知を受け取ります。また、CCに追加されたチケットに新しいパブリックコメントやプライベートコメントが追加されたときにも通知を受け取ります。CCに追加されたカスタマーは、パブリックチケットの更新およびパブリックコメントの追加時を知らせるメール通知のみを受け取ります。
第三者をCCに追加する場合には制限があり、受信者の数が増えるために煩雑さも伴います。第三者のCCについて詳しくは、「CCのアクセス許可と通知の設定」を参照してください。
また、チケットコメントの本文に@mentionを使用することで、チケットに他の人を含めることもできます(リッチテキストの書式設定が有効になっている必要があります)。詳しくは、「チケットに他のユーザーを追加する方法」を参照してください。
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