旧バージョンのChatから拡張エクスペリエンスにアップグレードする前に、アカウントにいくつかの変更を加える必要があります。これらの変更は、旧バージョンのChatアカウントでは分離されているが新しい構成で共有されることになるChatおよびSupportの一部のデータを統合するために、必ず行う必要があります。
この記事では、旧バージョンのChatアカウントを拡張エクスペリエンスにアップグレードするためにお客様が準備する必要のある手順について説明します。
拡張Chatエクスペリエンスへのアップグレードをお客様にお願いする理由については、「Chatアカウントの拡張エクスペリエンスへのアップグレード」をご覧ください。
この記事では、次のトピックについて説明します。
- エージェントのメールアドレスが正しいか確認する
- IP制限の設定を確認する
- Chat専任エージェントをSAMLプロバイダーに追加する(ProfessionalおよびEnterpriseのみ)
- 統合したWeb Widgetに更新する(推奨)
Zendeskは、実施日の少なくとも21日前に、アップグレードの予定日と時刻をご連絡いたします。実施当日は、1〜4時間の間、Chat機能をご利用いただけません。Support機能にはダウンタイムは発生しません。
アップグレード完了の通知が届きましたら、「旧バージョンのChatからの拡張エクスペリエンスへのアップグレードの実施」の手順に従って操作してください。
エージェントのメールアドレスが正しいか確認する
拡張したChatエクスペリエンスでは、共有Supportチャネルを通じてChat機能が利用可能になるため、各エージェントはChatとSupportとで同じメールアドレスを使用する必要があります。
多くのお客様の場合、既に正しいメールアドレスが設定されているか、特に何もする必要がないようエージェントアカウントが構成されています。それ以外のお客様は、アップグレード前にエージェントアカウントでいくつかの簡単な変更を行なう必要があるかもしれません。
次の設定シナリオを参照し、エージェントがアカウントの変更を行なう必要があるかどうかを判断してください。
このセクションのすべてのシナリオで、管理者は各エージェントの設定が正しいことを確認する必要があります。
- エージェントはChat専任、Support専任、またはChatとSupportの両方ですか?
- ChatアカウントとSupportアカウントは正しくリンクされていますか?
エージェントのメール設定を確認するには
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ChatのTeam、Professional、Enterpriseプランのお客様は、確認ウィザードによって各エージェントの確認プロセスに案内されます。ウィザードに、更新して確認するための関連する設定オプションが表示されます。
- Chatダッシュボードにサインインし、「設定」>「エージェント」>「レビューが必要」の順にクリックします。
- エージェント名をクリックします。
- エージェントタイプを選択します。
- チャット専任エージェント:情報があらかじめ入力されています。
- ChatおよびSupportエージェント:このChatエージェントと統合する相手先のSupportエージェントを選択します。
- 「確認」をクリックします。
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Liteをご利用の場合、以下のシナリオの指示に従って、必要に応じてこれらの設定を手動で更新および確認できます。詳細については、「(旧バージョンのChat)エージェントと部署の作成」を参照してください。
- シナリオ1:エージェントがSupportとChatで同じメールアドレスを使用している場合
- シナリオ2:エージェントがChat専任の場合
- シナリオ3:エージェントがSupport専任の場合
- シナリオ4:エージェントがSupportとChatのそれぞれで別のメールアドレスを使用している場合
シナリオ1:エージェントがSupportとChatとで同じメールアドレスを使用している場合
例:エージェント1は、ChatチャネルおよびSupportチャネル経由で届くカスタマーサポートリクエストを処理しています。エージェント1はChatとSupportに別々にログインしますが、ログイン時に使用するメールアドレスは同じです。
Zendeskが行なう作業:同じメールアドレスを使用してChatアカウントとSupportアカウントを自動的に識別し、それらを統合します。
管理者が行う必要のある作業:エージェントの設定が正しいかどうか確認し、必要に応じて更新します。
エージェントが行なう必要のある作業:エージェントはSupportメールアドレスとSupportパスワードを使用してサインインします。
シナリオ2:エージェントがChat専任の場合
例:エージェント2は、Chat経由で届いたカスタマーリクエストのみを処理します。Zendesk Supportにユーザープロフィールはありません。
Zendeskが行なう作業: 既存のメールアドレスとエージェントエイリアスを使用して、アップグレードされたアカウントでSupport側に新しいエージェントIDを自動的に作成します。
管理者が行う必要のある作業:エージェントの設定が正しいかどうか確認し、必要に応じて更新します。
エージェントが行なう必要のある作業:アップグレードが完了すると、エージェントは新しいパスワードを設定するためのメールを受け取ります。メール内のリンクをクリックし、指示に従ってパスワードをリセットする必要があります。
シナリオ3:エージェントがSupport専任の場合
例:エージェント3は、Support経由で届いたカスタマーリクエストのみを処理します。Zendesk Chatにユーザープロフィールはありません。
Zendeskが行なう作業:エージェントのメールアドレスとユーザーIDを、アップグレードされたアカウントに移動します。
管理者が行う必要のある作業:エージェントの設定が正しいかどうか確認し、必要に応じて更新します。
エージェントが行なう必要のある作業:エージェントは、現行のメールアドレスとパスワードを使用して、アップグレードされたアカウントにサインインします。
シナリオ4:エージェントがSupportとChatそれぞれで別のメールアドレスを使用している場合
例:エージェント4は、ChatチャネルおよびSupportチャネル経由で届くカスタマーサポートリクエストを処理します。エージェントはChatとSupportに別々にログインし、1つのメールアドレス(chat.agent.4@youraccount.com
)を使用してChatにログインし、別のメールアドレス(support.agent.4@youraccount.com
)を使用してSupportにログインします。
管理者が行う必要のある作業:このカテゴリに分類されるエージェントを特定し、それらのエージェントのChatメールアドレスに関連付けられたメールアドレスを更新してSupportのメールアドレスと同じものにします。この作業は、エージェント情報を確認するときに行なうことができます。
エージェントが行なう必要のある作業:移行後に、エージェントはSupportの認証情報を使用して、アップグレードされたアカウントにサインインします。
IP制限の設定を確認する
エージェントのメールIDと同様に、拡張エクスペリエンスにアップグレードする前に、ChatとSupportのIP制限の設定を確認し、必要に応じて変更する必要があります。
拡張エクスペリエンスにアカウントがアップグレードされると、SupportのIP制限がChat機能に適用されます。スムーズな移行を確実にするために、アップグレード実施日の前に以下のタスクを完了する必要があります。
メモ:ChatまたはSupportアカウントでIP制限を使用していない場合は、これらのタスクをスキップできます。IP制限を使用しているかどうか不明な場合は、以下の手順に従ってください。
IP制限の設定を確認し、変更するには
- Chatダッシュボードにログインし、「設定」>「アカウント」の順に選択して、「セキュリティ」タブをクリックします。
- 制限リストにリストアップされているIPアドレスをメモします。これらが、ChatダッシュボードとアカウントページにアクセスできるIPアドレスです。
- 一番上のメニューバーでZendesk製品アイコン(
)をクリックし、「管理センター」を選択します。
- 左側のサイドバーにあるセキュリティアイコン(
)をクリックし、「詳細」をクリックします。
- 「IP制限」タブをクリックします。「許可するIP範囲」リストに含まれるIPアドレスをメモします。これらは、アカウントのアップグレード後に、ChatなどのZendesk製品にアクセスできるIPアドレスです。
- ChatのIPリストのIPアドレスが、SupportのIPリストに含まれていることを確認してください。
- IPアドレスをSupportのIPリストに追加した場合は、「保存」をクリックします。
Chat専任エージェントをSAMLプロバイダーに追加する(ProfessionalおよびEnterpriseのみ)
SupportアカウントでSAML認証を有効にしている場合は、Chat専任エージェントが拡張エクスペリエンスにサインインする前に、それらのエージェントにSAML認証を割り当てる必要があります。詳細については、「SAML SSOをユーザーに割り当てる」を参照してください。
統合したWeb Widgetに更新する(推奨)
アップグレード実施時によりスムーズなエクスペリエンスを顧客に提供するには、プロアクティブにChatサービスを統合された新しいWeb Widgetに更新できます。
アップグレードの前に、ヘルプセンターまたはWebサイトの統合されたWeb Widgetに移動することで、エージェントのワークフローとカスタマーエクスペリエンスへの影響を最小限に抑えることができます。
統合Web Widgetへの更新プロセスは、WebサイトまたはヘルプセンターにChatがどのように実装されているかによって異なります。
Web Widgetスニペットを既に使用している場合:
アカウントをアップグレードしても、エンドユーザーのChatエクスペリエンスに影響はありません。アカウントは既に最新のWeb Widgetエクスペリエンスを使用しています。
旧バージョンのChat(Zopim)スニペットを使用している場合:
ご使用のアカウントは、スニペットを更新することなく、新しいWeb Widgetエクスペリエンスに自動的に切り替わります。
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アカウントの切り替え時にWeb Widgetを既にセットアップしている場合、Web Widgetエクスペリエンスには既存の設定が反映されます。
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アカウントの切り替え時にWeb Widgetをセットアップしていない場合、最新のChatの統合エクスペリエンスが有効になっているWeb Widgetが自動的に作成されます。
この変更を行うと、ChatのUIと機能に以下のような変更が加えられます。
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Chatのルックアンドフィールが若干変更されます。
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Chat APIの大部分は引き続き動作しますが、一部の Javascript APIは動作しなくなります。最も重要なことですが、従来の「setNotes」または「appendNotes」APIを使用している場合、ワークフローへの影響を軽減する方法については、「setNotesからappendNotes APIへの移行」を参照してください。
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Web Widgetで複数のチャネル(ヘルプセンター、Support、Talk)が有効になっており、特定のページでChatのみを機能させる場合、Javascript APIのSuppressを使用して、それらのページでChatを除く他のチャネルを非表示にできます。詳細については、「Web WidgetをChat専用にする」を参照してください。
Chat以外のWeb Widgetでの各種チャネル構成について詳しくは、「Web Widgetでコンポーネントを設定する方法」を参照してください。
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