メールは、エンドユーザーがZendesk Supportにチケットを送信し、問題が解決するまでエージェントとやりとりするための手段の1つです。
メールワークフローの仕組みは次のとおりです。
- エンドユーザーがサポートアドレス宛にメールを送ると、そのメールをもとにチケットが作成されます。
- Zendesk Support内でエージェントがチケットを更新するたびに、通知メールがエンドユーザーに送られます。
- 届いた通知メールにエンドユーザーが返信すると、返信内容がコメントとしてチケットに追加されます。
- ユーザーとエージェントのやりとりは、問題が解決されるまで続きます。
エンドユーザーとZendesk Supportの間のメールを使ったやりとりを管理するには、さまざまな方法があります。ここでは、そのうちのいくつかの方法についての概要と、参考になる情報へのリンクを紹介します。
別のメールアドレスを使用してチケットを作成する
Zendesk Supportアカウントを作成すると、デフォルトでサポート用のメールアドレスが1つ作成されます。このシステム生成によるサポートアドレスは、support@<myaccount>.zendesk.comとなりますが、ただし、他のサポートアドレスを追加することで、チケットの送信先として別のメールアドレスを提示することもできます。
このセクションでは、別のメールアドレスを使用する方法について簡単に説明します。
別のZendeskメールアドレスでサポートリクエストを受け付ける
サポートアドレスはsupport@<myaccount>.zendesk.comとして作成されますが、別のアドレスを作成して、リクエストの送信先アドレスとしてユーザーに提示することもできます。このアドレスの「support」の部分は、何でもかまいません。以下はその例です。
状況によってメールアドレスを使い分けることで、サポートリクエストを受け付けたメールアドレスに基づいて、チケットを管理し、追跡できるようになります。たとえば、sales@myaccount.zendesk.comにエンドユーザーからのサポートリクエストが届いた場合に、作成されたチケットを営業チームに直接割り当てるトリガを作成できます。また、リクエストを受け付けたメールアドレスごとにビューやレポートを作成してチケットを追跡することもできます。
Zendeskドメイン内に作成できるメールアドレスの数に制限はありません。Zendeskの「サポートアドレス」として使用するZendeskメールアドレスをそれぞれ追加します。詳細については、「チケットの送信先となるサポートアドレスの追加」を参照してください。
サポートリクエストを専用の外部メールアドレスで受け付ける
Zendeskの外部のメールアドレス経由でのサポートリクエストの受け付けにも対応しています。myaccount.zendesk.com以外のメールドメインでサポートリクエストを既に受け付けている場合、またはこれから受け付ける場合、外部アドレスで受信したメールをZendeskドメインのアドレスに転送できます。たとえば、サポートリクエストをsupport@mycompany.zendesk.comではなく、support@mycompany.comで受信することができます。
これを行うには、外部メールアドレスで受信したメールを、Zendeskアカウントの対応するメールアドレスに転送する必要があります。たとえば、help@mycompany.comで受信したメールを、help@myaccount.zendesk.comに転送します。
メールアドレスごとにメールを管理する必要がない場合には、個々の外部サポートアドレス宛に届いたメールすべてを、Zendeskドメインの同じ1つのメールアドレスに転送することもできます。
さらに、転送を設定する際には、外部メールアドレスをZendeskのサポートアドレスとして追加する必要があります。また、SPFレコードを編集または作成して、自社のメールサーバーの代理でZendeskにメールを送信させることもできます。
ワイルドカードのメールアドレスでサポートリクエストを受け付ける
ワイルドカードメールを有効にすると、正確なサポートアドレスがわからなくても、Zendeskの各種サポートアドレスのどれか1つにメールを送信できるようになります。このオプションはサポートアドレスの代わりに(または併用して)利用できます。
たとえば、次のようなメールのパターンをZendeskアカウントの設定で明示的に宣言する必要はありません。
つまり、メールアドレスの多少の違いは受け入れられます。たとえば、エンドユーザーがサポートアドレスのスペルを間違った場合(biling@myaccount.zendesk.comなど)でも、そのメールは受け付けられ、チケットが作成されます。
ワイルドカードのメールアドレスは、デフォルトのサポートアドレスを返信元アドレスとして使用します。したがって、所定のサポートアドレス以外のZendesk Supportメールアドレス宛に送信されたメールについては、返信元アドレスとしてデフォルトのサポートアドレスが使用されます。
ワイルドカードのメールアドレスを有効にするには
- 管理センターで、サイドバーにあるチャネルアイコン(
)をクリックし、「Talkとメール」>「メール」を選択します。
- 「ワイルドカードを含むメールを許可する」で「有効にする」をクリックします。
Gmailの受信トレイからメールをインポートする
ZendeskをGmailの受信トレイに接続して、GmailからのメールをZendesk Supportのチケットに自動的に変換することができます。この機能を有効にすると、Gmailの受信トレイに新着メールがあるかどうか、Zendeskによって5分おきに確認が行われます。
また、この機能を使用すると、GmailアドレスがZendeskのサポートアドレスとして自動的に追加されます。手動で追加する必要はありません。
詳細については、「Gmail受信トレイでの自動チケット作成の有効化」を参照してください。
返信の送信者情報を変更する
チケットの送信先としてユーザーに提示できるメールアドレスの数に制限はありません。(「チケットの送信先となるサポートアドレスの追加」を参照)。どのサポートアドレスで受信しても、メールはすべてチケットになります。返信メールの送信者情報は、元のメールの送信先アドレスと一致します。
返信メールの送信元情報は、フレンドリ名、ユーザー名、ドメイン名の3つの部分で構成されます。
フレンドリ名は、サポートアドレスの名前です(省略可)。ユーザー名(@の前に来る文字列)は、メールの送信先のサポートアドレスから取得されます。ドメインはサブドメイン(自社のアカウント名とZendeskドメインまたは外部メールドメイン)の組み合わせで構成されます。
エンドユーザーとZendeskとの間でのメールのやりとりに使用されるメールアドレスには3つのタイプがあります。
メールアドレス | 説明 |
---|---|
送信先 | サポートリクエストの送信先のメールアドレスです(例:support@myaccount.zendesk.com)。 |
返信元 | エンドユーザーがZendeskから受け取ったメールに「差出人」アドレスとして表示される送信者情報です。 |
返信先 | エンドユーザーがZendeskから受け取ったメールに返信するときに表示される送信者情報です。エンドユーザーからの返信には、次の例のようにチケットIDが含まれます。
サポートアドレスの名前 <support+id#@myaccount.zendesk.com> メモ:zendesk.com以外のメールドメインを使用している場合は、チケットIDは含まれません。
|
カスタムメール返信を有効にしたり、送信するメール通知にエージェントの名前を表示するように設定すると、Zendeskから受け取る返信メールの送信元アドレスに表示される送信者の情報(返信元メールアドレス)が変わります。また、エンドユーザーがZendeskから受け取ったメールに返信するときに表示される送信者情報(返信先メールアドレス)にも影響します。
名前入りメール返信
カスタムメール返信を有効にすると、返信元アドレスにエージェントの名前が追加されます。「名前入りメール返信の有効化」を参照してください。
返信元アドレス | 返信先アドレス |
---|---|
Claire Grenier(サポートアドレスの名前)<support@myaccount.zendesk.com> | サポートアドレスの名前 <support+id#@myaccount.zendesk.com> |
Claire Grenier(サポートアドレスの名前)<support@mycompany.com> | サポートアドレスの名前 <support@mycompany.com> |
エージェントの表示名
ProfessionalおよびEnterpriseのZendeskでは、エージェントの表示名を作成して、その表示名でエンドユーザーとやりとりすることができます。カスタムメール返信が有効になっている場合は、エージェントの表示名がエージェントの実際の名前よりも優先されます。「エージェントのエイリアスの追加」を参照してください。
返信元アドレス | 返信先アドレス |
---|---|
Senhora Claire(サポートアドレスの名前)<support@myaccount.zendesk.com> | サポートアドレスの名前 <support+id#@myaccount.zendesk.com> |
Senhora Claire(サポートアドレスの名前)<support@mycompany.com> | サポートアドレスの名前 <support@mycompany.com> |
受信メールとチケットを対応付けるしくみについて
チケットへの参照は、返信メールの以下の箇所に追加されます。
- メールヘッダー:チケットへの参照。
- メール本文:チケットへの非表示の参照。
- 返信先メールアドレス:チケットID(アドレスにZendeskのドメインを使用している場合)。以下はその例です。
MondoCam Support <support+id1910@mondocam.zendesk.com>
外部ドメインのメールを使用している場合、返信先メールアドレスにチケットIDは含まれません。
署名を返信に追加する
各エージェントの署名をチケットコメントやメール通知に追加することができます。これは、エージェント設定ページでデフォルトとして設定されます。プレースホルダを使用して、エージェントが自分のプロフィールに追加する署名を挿入します。エージェントの署名には、名前、サポートグループの名前、連絡先情報などのテキストを含めることができます。
たとえば、すべてのエージェントの署名に定型の文言と会社の住所の書式を含めたい場合などに、Zendesk用の署名テンプレートを作成することもできます。
詳細については、「エージェントの署名の追加」を参照してください。
メールのデザインを変更する
メールでのやりとりはすべてカスタマイズ可能なテンプレートを使用して行われます。テンプレートはHTMLとテキストの両方です。自社のブランド設定に合わせて、テンプレートをカスタマイズできます。また、言い回しや表現も細かく変更することができます。
この例では、ヘッダーのグラフィックをHTMLテンプレートに追加し、カラーを変更しています。
メールテンプレートのカスタマイズについては、「メールテンプレートのカスタマイズ」を参照してください。
自動送信メールを管理する
一定の条件下で通知メールを自動送信するトリガや自動化などのビジネスルールを作成できます。メールも自動的に生成されます。
ビジネスルールによって生成されたメールを変更する
- リクエスタへの通知 - リクエスト受信
- リクエスタへの通知 - コメント更新
注意:Zendeskのメールフローのしくみを理解せずに、これらのルールを削除することはしないでください。Zendeskのメールワークフローは、このルールに依存しています。
メール通知は通常、チケットの更新やチケットの解決など、ワークフローの各段階で生成されます。ビジネスルールには、多数のメール通知が含まれます。
メールの内容を変更したり、追加のルールを作成することはできます。詳細については、以下の記事を参照してください。
システム生成の登録確認メッセージを変更する
サポートリクエストを送信したいユーザーにユーザー登録を求めるようにZendeskを設定した場合、ユーザー登録を求める確認メールがシステムからエンドユーザーに届きます。管理者は、この確認メールのテキストを「カスタマー」の設定ページで変更できます。
ヘルプセンターやWebポータルへの登録とログインをエンドユーザーに求めない場合は、エンドユーザーに確認メールが送られることはありません。「Zendesk Supportで誰でもチケットを送信できるようにする方法」を参照してください。
エンドユーザーが、ヘルプセンターの「アカウント登録」リンクから登録した場合、やはり登録確認メールが届きます。
登録確認メールとメールアドレス確認メールの更新について詳しくは、「エンドユーザーアカウントメールをカスタマイズする」を参照してください。
着信メールをブロックする
特定のメールはデフォルトで一時停止または拒否されます。また、メールを使ったチケットの作成をだれに許可するかを制御できます。
一時停止または拒否されたメール
Zendeskでは、迷惑メールフィルターを使用して、Zendeskが偽のチケットであふれるのを防ぎます。迷惑メールは検出されて、一時停止中のチケットのキューに入れられるか、または完全に拒絶されます(迷惑メールである可能性が高い場合)。
また、一定の受け入れ条件に適合しない場合、メールが一時停止されることもあります。一時停止中のチケットのキューは、ビューリストに表示されるシステム生成のビューです。メールを確認して、正規のチケットとして受け入れるか、迷惑メールとして拒否することができます。
詳細については、「一時停止中のチケットとスパムの管理」を参照してください。
メールからチケットを作成できるメンバーを管理する
メールを使ったチケットの作成を特定のユーザーに対して禁止するには、それらのユーザーのメールドメインまたはメールアドレスをブロックリストに追加します。ブロックリストに追加されたユーザーからのメールは一時停止されるか、完全に拒否されます。ブロックリストに例外を適用したい場合は、例外メールアドレスを許可リストに追加します。この設定は、制限付きのZendeskの場合に行います。詳細については、「許可リストとブロックリストを使用したZendeskへのアクセスの管理」を参照してください。
非公開のZendeskを設定することもできます。このタイプのZendeskでは、管理者がZendeskアカウントに追加したユーザー以外はサポートリクエストを送信できません。詳細については、「登録ユーザーのみにチケットの送信を許可する方法」を参照してください。
メールリクエストによって作成されたユーザーアカウントを管理する
公開のZendeskでは、ユーザーが初めてリクエストを送信したときに、そのユーザーのアカウントが作成され、メールアドレスがそのアカウントに登録されます。次に、同じユーザーが別のメールアドレスを使用して別のリクエストを送信すると、新たにアカウントがもう1つ作成されてしまいます。このような場合には、新しいアカウントを最初のアカウントに統合することができます。詳細については、以下のトピックを参照してください。
ユーザーは自分のアカウントに複数のメールアドレスを登録できます。プライマリメールアドレスは、すべてのメール通知に使用されます。それ以外のメールアドレスは、サポートリクエストを(誤操作でまたは意図的に)送信する場合に使用できます。いずれかのメールアドレスからリクエストが送信されても、そのユーザーのアカウントからのものと認識されます。
メールのリクエスタを組織に割り当てる
未登録のユーザーがメールを使ってサポートリクエストを初めて作成したり、Zendeskにユーザー登録したりする場合、メールドメインに基づいて自動的に組織に追加されるようにすることができます。これは、「ユーザーマッピング」と呼ばれ、管理者は組織の設定を編集することによって、このマッピングを設定できます。
詳細については、「メールドメインに基づいて自動的にユーザーを組織に追加する」を参照してください。
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