- 共通の問題を見つけます。「ユーザーは必ずXで苦労する。」
- よく聞かれる質問(FAQ)を見つけます。「Yに関して頻繁に問い合わせがある。」
- 多数のカスタマーに影響を与える既知の問題を見つけます。「貴社のWebサイトは、モバイルデバイスで正しく機能しません。」
- 時間がかかり過ぎるという問題を見つけます。「セットアップに30分かかる。」
チケットデータを分析してカスタマーの問題を調べる
ナレッジベースの作成に際して重要なのは、チケットを調べて、共通の問題やカスタマーが苦労している点を見つけることです。これはまさに手作業のプロセスです。チケットに記録されているデータについて検討し、コンテンツを必要とする領域を決めるためにデータを利用する方法を考えてください。
- チケットをカテゴリに分類する。チケットを分類する方法は、チケット内で収集している情報に基づいて決まります。理想としては、「説明」というカスタムフィールドを使用して、問題ごとに分類したいところです。次に、インサイトレポートを作成して、主なチケットカテゴリと課題を確認します。
- チケットの分類を詳しく検討して、よくある問題を見つける。チケットをカテゴリ別に整理した後、チケット件数が最も多いカテゴリを詳しく調べて、発生頻度の高い共通の問題を見つけるためのビューを作成しましょう。
- ドキュメント化する内容を決める。見つかった問題を記録する追跡用ドキュメントを作成し、ドキュメント化する内容を決め、コンテンツ作成の優先順位を設定します。
チケットをカテゴリに分類する
チケットデータを分析してナレッジベースのコンテンツのニーズを把握するには、まずチケットをカテゴリに分類します。
チケットのカテゴリは、チケットで収集しているデータによって異なります。追加の情報を収集するために設定したカスタムフィールドに目を通します。運が良ければ、カスタマーや製品、問題に関する有用なデータが収集されています。理想的なシナリオは、問題に応じてチケットを簡単にカテゴリに分類できるよう、それぞれのチケットに主な問題に関するデータが記録されていることです。
たとえば、製品が複数ある場合(ゲームABC、ゲームXYZなど)や、ユーザーセグメントが複数がある場合(初心者、専門家、開発者など)に、それらの項目用のカスタムフィールドがあるかもしれません。または、「描画ツール」や「エクスポート」など、問題に関連した機能を選択するためのカスタマーフィールドがある場合もあります。
Zendeskでは、「複数ブランド」や「Salesforce」など、共通のチケットトピックが含まれる「説明」と呼ばれるカスタムフィールドを用意しています。エージェントはこのフィールドを使用して、チケットごとに問題を示します。また、エージェントがチケットの処理に費やす時間をトラッキングする「処理時間」と呼ばれるカスタムフィールドも用意しています。「説明」と「処理時間」を比較することにより、エージェントにとって処理に長い時間がかかるトピックを特定します。次に、それらのトピックを詳しく調べて、ナレッジベースでドキュメント化できる共通の問題を見つけることができます。
チケットの量と問題の件数により、統計的に有意な問題の分布を収集するのに必要な時間が決まります。新しいカスタムフィールドを用いたチケットを500件収集して詳しく検討します。一部のカテゴリの件数が少なく見える場合(チケットが30件未満)には、チケット数が500~1,000件程度になるまで、少し待つ必要があるかもしれません。また、件数の少ないこれらのカテゴリが本当に必要かどうかを検討してください(カスタムフィールドのオプションを再考した方がよいかもしれません)。
現在、チケットをカテゴリに分類するデータを収集していない場合、エージェントが各チケットに問題を明示できるようにカスタムフィールドを設定します(「チケットおよびサポートリクエストフォームにカスタムフィールドを追加する方法」を参照)。設定が完了すれば、このカスタムフィールドをExploreレポートで使用できるようになります。
データを詳しく調べて、特定の問題を見つける
チケットをカテゴリに分類したら、主要なカテゴリそれぞれを詳しく調べて、固有の共通の問題を見つけます。これを行うには、カテゴリごとにビューを作成します。多数のカテゴリがある場合は、チケットの数が最も多いカテゴリから始めるとよいかもしれません。
チケットの件名にさっと目を通すことで繰り返し発生する問題を見つけられるかもしれませんが、詳細を特定するには、チケット全体を読んで詳しく調べる必要があるでしょう。これは手作業のプロセスになります。
チケットカテゴリのビューを作成するには
- 管理センターで、サイドバーにある
ワークスペースをクリックし、「エージェントツール」>「ビュー」を選択します。
- 「ビューを追加」をクリックします。
- 「次のすべての条件を満たす」で、特定の問題のタグが付いたチケットを表示する条件を追加します。
- 「タグ」を選択し、「少なくとも次の1つを含む」を選択して、「説明」フィールドの問題に関連付けられているタグの1つを入力します。
- 「+」(プラス)をクリックして、「ステータス」および「より小さい 終了」を選択します。メモ:終了したチケットも見直す場合、別のビューを作成できます。同じビュー内で、すべてのステータスのすべてのチケットを表示することはできません。
- 条件をテストするには、「上記の条件に対する一致をプレビュー」を選択します。
- フォーマットオプションを設定します。
- 「対象」セクションで、「自分のみ」を選択して、これを個人ビューにします。
- 「ビューの作成」をクリックします。
これで、このカテゴリを詳しく調べて、ナレッジベースでドキュメント化の対象となりうる固有の問題を探す準備ができました。
ドキュメント化する内容を決める
チケットの分析で見つかった繰り返し発生する問題を追跡するシステムを確立します。
調査を手伝ってもらう他のユーザーとGoogleドキュメントやスプレッドシートを共有すると、作業がはかどるでしょう。後で、ナレッジベースに項目を追加するときに、このドキュメントをトラッキングシートとして使用し更新できます。また、コンテンツの作成担当者を決めるために使用することもできます。
特定の問題についてビューでチケットを詳しく調べると、共通の問題と見込んでいたものが実際にはそれほどでもなく、ドキュメント化の対象にならないと判明することがあります。また、繰り返し発生する問題であっても、カスタマーの環境に変数が多すぎるために、ドキュメント化に向かない場合もあります。スプレッドシートは、必要に応じて問題を追加および削除することで、分析段階を通して充実します。
他の情報源を参照して、カスタマーの問題を調べる
チケットは、カスタマー共通の問題を見つけたり、ナレッジベースに含める内容を判断するための最高のリソースですが、あまり時間がかからず、分析も不要な他の貴重なリソースも見過ごさないでください。チケット以外に、以下に示すようなリソースも検討に値します。
よく使われるマクロを見直す
チケットに対する共通の回答をマクロで処理している場合、最もよく使われるマクロに目を通した方がよいでしょう。カスタマーが共通して苦労している点が見つかるはずです。さらに、こういったマクロで処理している問題をドキュメント化することで、チケット(特によく使われるマクロが対応しているチケット)を減らすことができます。
- 管理センターで、サイドバーの「
ワークスペース」をクリックし、「エージェントツール」>「マクロ」を選択します。
- 「過去7日間の使用回数順に並べ替え」(または、必要に応じて、過去24時間)を選択します。
- 最もよく使われるマクロのリストを見直して、問題を見つけます。
最もよく使われるタグを検討する
チケットに付けられたタグも、チケットをカテゴリに分類し、共通の問題を見つけるのに役立ちます。ドロップダウンのカスタムフィールドで設定されるタグの分析については既に説明しました。他のタグを使用して、共通の問題を突き止めることもできます。
タグクラウドを参照して、過去30日間にチケットに最も多く適用された100個のタグについて検討します。詳しく検討した方がよさそうな別のカテゴリや問題について、アイデアが浮かぶかもしれません。
または、ドキュメント化の必要な項目に手作業でタグを付けている場合は、それらのタグを見直すことで、重要な項目を見つけることができます。しかし、ドキュメント候補のトピックへのタグ付けはまだ始めていないかもしれないですね。
Zendeskでは、社内のナレッジベースを準備するときに、カスタムフィールドで設定したタグを使用しました。さらに、別の方法でもドキュメント化する必要のあるトピックを見つけられるように、doc_neededのタグを手作業で付けることを計画しています。
- 管理センターで、サイドバーの「
オブジェクトとルール」をクリックし、「チケット」>「タグ」を選択します。
既存のコンテンツを見直す
既存のコンテンツを見落とさないでください。既存のコンテンツは、問題の特定とナレッジベースの充実に役立つもう1つの情報源になりえます。ほとんどの場合、既存のコンテンツはそのまま使用でき、ほぼ編集なしでナレッジベースに格納できます。
たとえば、以下のシナリオを検討してみましょう。
- 非公式のドキュメント:サポートエージェントは通常、共通の問題や対策を思い出すのに役立つ「チートシート」(非公式のドキュメント)を持っています。このようなチートシートはWord文書やGoogleドキュメンなどの形式で作成されていることもあります。このようなドキュメントは、非公式のドキュメント作成プロセスで共有されたり、プロセスの一部となっていることもあります。非公式なチートシートについて把握していない場合は、必ずエージェントに問い合わせてください。
- マクロ:既知の問題や回避策を扱っているマクロも優れたリソースになります。そのようなマクロの内容をナレッジベースのトピックの作成に利用してください。多くの場合、簡単に作成できます。
- ヘルプコンテンツ:ヘルプドキュメントがある場合、ヘルプのトピックを確認し、問題を発生させたりユーザーの混乱を招くおそれのある機能を見直します。そのような項目は事前にドキュメント化しておきます。ドキュメントには、その機能における既知の問題や一般的な回避策、ヒントを必ず記載してください。
コミュニティの声に耳を傾ける
エージェントの内部コミュニティやカスタマーの外部コミュニティの声に耳を傾けるようにします。コミュニティは、カスタマーに共通の問題や苦労している点について直接意見を聞くことのできるすばらしい手段です。
-
エージェントに問い合わせる。エージェントはおそらく、共通の問題や苦労している点、ドキュメントに必要な内容を正確に教えてくれます。必ず、エージェントに会って、必要なドキュメントへのフィードバックを求めてください。
エージェントとのミーティングがナレッジベース管理の標準プロセスに組み込まれるのが理想的です。エージェントチームから新しいドキュメントの提案を募り、可能な場合はコンテンツ作成にも協力してもらってください。
-
コミュニティでのユーザーの発言をチェックする。よくある問題や、エンドユーザーが苦労している点を把握する際に、コミュニティはよい情報源となります。
最も活発なスレッドをチェックして、わかりづらい機能についてのコメントがないか調べます。カスタマーのコメントが集中している機能があれば、操作を失敗しやすい箇所である可能性があり、ドキュメント化した方がよいかもしれません。また、何を探すべきかがわかっていれば、検索することもできます。たとえば、気になる問題があって、カスタマーがそれをコミュニティで議論する頻度を見たい場合や、チケット分析から(または直観的に)引き出した結論を検証したい場合などです。
-
ソーシャルメディアをチェックする。カスタマーがいるあらゆる場所にアクセスして、発言内容をチェックします。よくある問題について話題に上ることがあるかもしれません。
1件のコメント
Tina Desprez
Thanks for the article. While I appreciate the advise in <Drilling-down to find specific issues> this was something that Content Cues did well. My team doesn't have staffing or time to perform this process manually and I suspect there are other teams using Zendesk in the same situation. Not sure what usage data was reviewed to decide on deprecation but it seems counterproductive to deprecate a perfectly useful AI tool that can only be replicated via timely, exhausting manual review of ten of thousands of tickets. I understand that there will be some forthcoming data points to support the deprecation of the Content Cues functionality, but honestly, that wasn't what was ideal about it. Aside from exporting ticket data and running it through an external AI tool, there sadly isn't anything in Zendesk to replace the utility of Content Cues.
0
サインインしてコメントを残してください。