- チケットのライフサイクル全体での各ステータスの平均時間はどのくらいか。
- チケットが、各サポートグループにとどまっていた時間はどのくらいか。
この記事の例では、Zendesk Supportで発生する更新やイベントの詳細を格納するUpdates historyデータセットを使用しています。
この記事では、次のトピックについて説明します。
必要条件
スキルレベル:中級者
所要時間:20分
- Zendesk Explore ProfessionalまたはEnterprise
- 編集者または管理者レベルの権限(「ユーザーへのExploreアクセス権限の付与」を参照)
- Zendesk Supportのチケットデータ
チケットのライフサイクルを通じて、チケットが各ステータスにある平均時間を計算する
このレポートでは、解決済みチケットがそのライフサイクルにおいて、各チケットステータスに費やした平均時間を確認できます。
レポートを作成するには
- Exploreで、レポート()アイコンをクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Support」>「Support - 更新履歴」を選択し、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから、「経過時間 (時間) - フィールド変更」を展開し、以下のメトリックを選択します。
- 新しいステータスでの経過時間 (時間)
- オープンステータスでの経過時間 (時間)
- 保留中ステータスでの経過時間 (時間)
各メトリックを追加したら、追加したメトリックをクリックし、集計方法をAVGに変更します。これにより、すべての返り値の平均が表示されます。完了したら、「適用」をクリックします。
ヒント:また、チケットの「待機中」ステータスを有効にした場合、「待機中ステータスでの経過時間(時間)」メトリックを追加できます。 - 表示タイプ()メニューから、「テーブル」を選択します。
Exploreに、完成したレポートが表示されます。
チケットが1つのサポートグループにとどまっていた時間を計算する
このレポートでは、「Support Group 1」という名前のサポートグループにチケットがとどまっていた時間を示すユーザー定義メトリックを作成します。このメトリックは、単独で使用することも、他のデフォルトのメトリックやユーザー定義メトリックと共に使用することもできます。グループ名はExploreのフィールド変更属性にIDとして保存されるため、簡単ではありませんが、まずグループのIDを検出する方法を学習しましょう。
このレポートは、チケットが他のグループに移動される前のグループ内での経過時間を測定します。チケットが解決されるまでにグループ内にあった経過時間は含まれません。
グループのID番号を見つける
レポートのメトリックを作成する前に、Zendesk Supportの「Support Group 1」グループのグループIDを見つける必要があります。
グループIDを見つけるには
- Webブラウザで、subdomain.zendesk.com/api/v2/groups.jsonに移動します。
(subdomainの部分は実際のZendeskのサブドメイン名に置き換えてください)
グループIDを含む、すべてのグループの情報をJSON形式で表示するページが表示されます。ブラウザにJSON Viewer拡張機能をインストールすることで、結果を読みやすくすることができます(たとえば、Chromeでは、Chrome WebストアでJSON Viewerを検索します)。
カスタムメトリックを作成する
ここで、指定したグループにチケットが割り当てられてからの経過時間を表示するカスタムメトリックを作成します。手順を開始する前に、前の手順でメモしておいたグループIDを用意してください。
カスタムメトリックを作成するには
- Exploreで、レポート()アイコンをクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Support」>「Support - 更新履歴」を選択し、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- 計算メニュー()で、「標準ユーザー定義メトリック」をクリックします。
- 「標準ユーザー定義メトリック」ページで、メトリックに名前を付けます(例:「Time spent in group」など)。
- 「式」フィールドに、以下の式をコピーして貼り付けます。「Group ID number」というテキストを、前の手順でメモしておいたグループID番号に置き換えます。
IF ([Changes - Field name]="group_id") AND ([Changes - Previous value]="Group ID number") THEN VALUE(Field changes time (min))/60 ENDIF
ヒント: 英語以外の言語で作業している場合は、こちらの記事を参照して、自分の言語でExploreの式を入力する際の参考にしてください。レポートでこのメトリックを使用する場合にサポートされる集計方法は、SUM、AVG、MIN、MAX、MEDです。
以下の画面のようなページになります。
- 操作を完了したら、「保存」をクリックします。レポートを開いたままにして、次の手順に進みます。
カスタムメトリックをレポートで使用する
ここで、先ほど作成したカスタムメトリックを使用して、Support 1 groupにチケットがとどまっていた時間についてのレポートを作成します。以前に作成したレポート、またはSupport:Updates historyデータセットを使用する新しいレポートで、次の手順を実行します。
カスタムメトリックをレポートで使用するには
- 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから「ユーザー定義メトリック」>「Time spent in group」を選択し、「適用」をクリックします。Exploreは、チケットがSupport 1グループにとどまっていた合計時間を表示します。メトリック集計方法をMED、またはその他のサポートされる任意の値に設定します。
- 「列」パネルで「追加」をクリックします。
- 属性のリストから、「時間 - チケット更新」>「更新 - 年」および「時間 - チケット更新」>「更新 - 月」を選択します。
- 表示タイプ()を「縦棒」に設定します。各チケットがSupport 1 groupにとどまっていた時間を示すグラフが表示されます。
- 操作を完了したら、「保存」をクリックします。
チケットが複数のサポートグループにとどまっていた時間を計算する
このレポートでは、チケットが以前に割り当てられていたグループを示すユーザー定義属性を作成します。そして、この属性を、既定のフィールドの変更時間メトリックと共に使用して、チケットが各グループにあった時間を計算します。
始めるには、照会したいグループのID番号が必要です。ID番号を調べるには、この記事の「グループのID番号を見つける」を参照してください。
カスタム属性を作成する
最初に、リストしたグループにチケットが割り当てられているかどうかを確認するカスタム属性を作成します。割り当てられている場合、グループ名が返されます。手順を開始する前に、前の手順でメモしておいたグループIDを用意してください。
カスタム属性を作成するには
- Exploreで、レポート()アイコンをクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Support」>「Support - Updates history」を選択し、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- 計算メニュー()で、「標準ユーザー定義属性」をクリックします。
- 「標準ユーザー定義属性」ページで、属性に名前を付けます(例:「Previous group」など)。
- 「式」フィールドに、以下の式をコピーして貼り付けます。例のグループIDを、前の手順でメモしておいたグループID番号に置き換えます。次に、グループ名をグループIDに対応する名前に置き換えます。
IF ([Changes - Previous value]="24120932") THEN "Dev Team" ELIF ([Changes - Previous value]="24935531") THEN "Sales" ELIF ([Changes - Previous value]="24072451") THEN "Support" ENDIF
この例より多くのグループをチェックしたい場合は、グループごとに新しいELIF行を追加します。
以下の画面のようなページになります。
- 操作を完了したら、「保存」をクリックします。
カスタム属性をレポートで使用する
ここで、先ほど作成したカスタム属性を使用して、各グループにチケットがとどまっていた時間についてのレポートを作成します。Support: Updates historyデータセットを使用する新しいレポートで、次の手順を実行します。
レポートを作成するには
- 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから、「経過時間 (時間) - フィールド変更」>「フィールドの変更間隔 (時間)」を選択し、「適用」をクリックします。
- 「メトリック」パネルで、上で追加したメトリックをクリックし、集計方法を「AVG」に変更します。
- 「列」パネルで「追加」をクリックします。
- 属性のリストから「時間 - チケット更新」>「更新 - 月」を選択し、「適用」をクリックします。
- 「行」パネルで、「追加」をクリックします。
- 属性のリストから、「ユーザー定義属性」>「Previous group」を選択します。
- 表示タイプメニュー()で、「縦棒」を選択します。
- グラフ設定メニュー()で、「グラフ」を選択します。
- 「グラフ」メニューで、「積み上げ」をチェックします。これにより、選択した各グループの結果が同じ縦棒グラフに表示されます。
最終的な結果は次の例のようになります。
チケットが最後のサポートグループに残っている時間を計算する
チケットが最後のグループに残っている時間を計算するには、標準ユーザー定義属性を作成して 、最後にグループに割り当てられた時間を特定します。次に、DATE_DIFF()関数 を使用して標準ユーザー定義メトリックを作成し、メトリックを計算します。
最後のグループ割り当てを取得する属性を作成する
- レポートで、計算メニュー(」)をクリックし、「標準ユーザー定義属性」を選択します。
- 属性に、「最終のグループ割り当て」などの説明的な名前を付けます。
- 「式」フィールドに、以下を入力します。
IF ([Changes - Field name]="group_id")
THEN DATE_LAST_FIX([Update - Timestamp], [Update ticket ID], [Changes - Field name]) ENDIF
チケットがグループに割り当てられていた時間を計算するメトリックを作成する
- レポートで、計算メニュー(」)をクリックし、「 標準ユーザー定義メトリック」を選択します。
- メトリックに、「解決までの最終グループ割り当て」などのわかりやすい名前を付けます。
- 「式」フィールドに、以下を入力します。
DATE_DIFF([Ticket solved - Timestamp], [Last group assignment], "nb_of_minutes" )
属性とメトリックをレポートに追加する
- 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックし、上記で作成したメトリックを選択します(この例では「Last group assignment to resolution(解決までの最終グループ割り当て))。
-
メトリック集計方法を「AVG」に変更します。
- 「行」パネルで、「追加」をクリックし、「チケットID」と「チケットグループ」を選択します。
- 「フィルター」パネルで、「追加」をクリックし、上記で作成した属性を選択します(この例では、Last group assignment(最終グループの割り当て))。
- (オプション)レポートの見栄えをよくするには、「最終更新を取得」属性をクリックし、「NULL」値を除外し、「解決済み」と「終了」ステータスのみを含めます。詳細については、「フィルター」パネルの属性でフィルターする」を参照してください。
カスタムチケットフィールドの経過時間を計算する
カスタムチケットフィールド値の経過時間に関するレポートは、チケットがサポートグループにとどまっていた時間の計算と概念が非常に似ています。ここでの重要な違いは、適切な結果を返すために、カスタムメトリックの式で使用する特定の値を見つける必要がある点です。
たとえば、「Beginner Support」、「Intermediate Support」、「Advanced Support」という値を持つ、「Type of Support」というカスタムチケットフィールドを作成したとします。あなたは、Advanced Supportの値が適用されたチケットに費やされた時間についてレポートしたいと考えています。
まず、「Type of Support」フィールドのIDを見つけ、そのIDを使用して、カスタムメトリック式で使用できる「Advanced Support」の値を見つけます。
特定のチケットフィールド値を見つける
これらの手順は、「グループのID番号を見つける」の手順と似ています。ただし、ここではグループのIDを見つけるのではなく、カスタムチケットフィールドのIDを見つけ、レポートしたい特定のチケットフィールドの値を見つけます。
チケットフィールドIDを見つけるには
- 管理センターで、サイドバーにあるオブジェクトとルールアイコン()をクリックし、「チケット」>「フィールド」を選択します。
- 「フィールドID」列で、カスタムチケットフィールド(この例では、「Type of Support」)のID番号を見つけます。このID番号は、次の手順で必要になるのでメモしておきます。
チケットフィールドの値を検索するには
-
Webブラウザで、subdomain.zendesk.com/api/v2/ticket_fields/<ticket field ID>に移動します。
(subdomainは自社のZendeskのサブドメイン名に置き換え、<ticket field ID>は前の手順でメモしておいたID番号に置き換えます。)
この例では、次のように表示されます。
- “id”:360048826392,
- “name”:“Advanced Support”,
- “raw_name”:“Advanced”,
- “value”: “advanced_support”,
- “default”: false
カスタムメトリックの式で使用する値は、“advanced_support”です。
代わりに「Advanced Support」を使用した場合、式は理論上有効ですが、結果は返されません。
カスタムメトリックを作成しレポートで使用する
例に従って、Advanced Support値が設定されたチケットに費やされた時間を確認します。そのための式は、次のようになります。
IF ([Changes - Field name]="Type of Support")
AND ([Changes - Previous value] = "advanced_support")
THEN VALUE(Field changes time (min))
ENDIF
詳細な手順については、この記事の前半の「カスタムメトリックを作成する」を参照してください。
最後の手順では、カスタムメトリックを使用してレポートを作成します。手順については、「カスタムメトリックをレポートで使用する」を参照してください。
次のステップ
Updates historyデータセットで使用できるメトリックと属性の詳細については、「Zendesk Supportのメトリックと属性」を参照してください。