Guideではユーザーの検索クエリの目的と文脈に基づいて、可能な限り正確な検索結果を生成する方法として、セマンティック検索を利用し始めています。セマンティック検索は、キーワードと文字通りの一致を見つける検索方法とは異なり、検索クエリの意味を捉え、エンドユーザーやエージェントが使用する正確なキーワードを事前に知らなくてもコンテンツを検索して見つけ出すようにします。
セマンティック検索が有効になっているかどうかを見分ける方法と、実装計画の概要については、「セマンティック検索の実装計画について」を参照してください。
セマンティック検索について
セマンティック検索は、人工知能(AI)を使用して、検索クエリで使用される言語の完全な意味と目的を、人間が行うのと同様に処理して理解します。具体的には、機械学習(ML)と自然言語処理(NLP)の技術を組み合わせて、検索クエリを送信するユーザーの目的を検索エンジンが理解できるようにします。ユーザーが使用するキーワードに関係なく、実際に探しているものを理解することで、検索エンジンは最も関連性の高い結果を返し、ランク付けすることができます。
たとえば、セマンティック検索では、エンドユーザーやエージェントは、最良の結果を得るためにどのキーワードを使うか悩む必要はなく、自然言語で質問することができます。新人エージェントは、クエリに使用する最適なキーワードやキーワードの順序を考えなくても、「Guideを使い始めるにはどうすればよいですか?」と尋ねるだけで良いのです。セマンティック検索を使えば、自分にとって意味のある質問の仕方をしても、最も関連性の高い記事が結果の上位に表示されます。
セマンティック検索の仕組み
Guideの検索は、クエリとコンテンツ(記事、コミュニティ投稿、外部レコードなど)との間のキーワードマッチにこれまで依存してきました。しかし、それはクエリの「意味」、つまりセマンティクスを捉えるものではありませんでした。一方、セマンティック検索は、検索クエリとコンテンツの内容を理解するために自然言語処理を導入しています。これにより、検索エンジンは、他の方法では見逃される複雑なパターンを特定することができます。多くの場合、セマンティック検索は、クエリとインデックスされたコンテンツの間に強い単語の結びつきがない場合でも、関連性のある結果を見つけることが可能です。
言語モデルに基づいて、セマンティック検索はクエリとヘルプセンターの記事をベクトル(数値表現)に変換し、それらの間の距離を測定することができます。ベクトル空間において近接している記事は、言語モデルによって類似性があるものとみなされます。言語モデルは、多くのテキスト例で訓練され、これらの例を通じて、テキストの意味を正確に解釈する方法を学習しています。
セマンティック検索では、検索エンジンは、意味的に強いマッチングの関連性を高めます。これにより、検索クエリの目的と文脈に基づいた最も関連性の高いコンテンツが、検索結果の上位に押し上げられます。検索が実行されるたびに、検索結果はキーワードの一致に基づくだけでなく、意味上の関連性によってブーストされてランク付けされます。
Guideでセマンティック検索を使用して検索結果の精度を上げる方法
セマンティック検索は、ヘルプセンターの訪問者が自分の好きな言葉で検索できる、より直感的な検索方法です。セマンティック検索がGuideに導入されて以来、平均相互ランク(MRR)やクリックスルー率(CTR)などの検索精度の指標が向上していることが確認されました。具体的には、英語のZendeskヘルプセンターを対象としたセマンティック検索の最初の反復で、MRRが平均7%向上することがわかりました。クリックを伴う検索が増えていることも観察されました。
検索の関連性を高め、最も関連性の高い結果を上位に表示することで、セマンティック検索は以下のようなヘルプセンターの改善効果を生み出します。
- エンドユーザーは、探している情報をより簡単に見つけることができ、ヘルプセンターのチケットをさらに削減することができます。
- エージェントは、より迅速に答えを見つけることができるため、より効率的な対応が可能になります。
セマンティック検索に対する影響の度合いは、エンドユーザーの検索行動によって異なります。セマンティック検索は、長い検索クエリに対して特に良い効果をもたらしますが、あらゆるタイプの検索において関連性を向上させます。