カスタム解決ステータスは、粒度の細かい実用的なインサイトを引き出せるよう分析能力を高め、AIエージェントのパフォーマンスを、より正確かつ透明性高く追跡できるようにします。
たとえば、どれだけの会話がエスカレーションで終わったのか、解決に至らず途中で離脱したケースはどのくらいあるのか、自己解決の案内や手順を伝えたもののフローを完了しなかったケースはどれほどあるのか、といった点を把握できます。
これらの問いに対する答えが得られれば、どの会話が課題を抱えているのか、どの会話から有益な示唆が得られるのかを可視化でき、最適な体験のために会話フローを見直すことが可能になります。
この記事では、次のトピックについて説明します。
解決とは
以下の表で、利用可能なカスタム解決のステータスについて説明します。
| カスタム解決のステータス | 定義 |
| 未定義 | カスタム解決ステータスで終了しなかったAIエージェント会話(多くの場合、会話からのドロップオフまたはユースケースにカスタム解決ステータスがなかったことが原因)。 |
| 情報提供済み | カスタマーにガイダンスを提供したAIエージェントの会話。詳細については、「情報提供済みステータスを使用する」を参照してください。 |
| 解決済み | 有意な解決で終了し、カスタマーから追加の質問がなかったAIエージェント会話。 |
| 未解決 |
問題に対して回答がなかった、または問題が解決されなかったAIエージェント会話。 |
| エージェントにエスカレーション済み |
人間のエージェントあてにエスカレーションされたAIエージェント会話。このステータスは、会話フローが「エージェントに転送」または「カスタムエスカレーション」のオプションが設定されたダイアログ内の「エスカレーション」ブロックに到達すると自動的に設定されます。 |
| メールでエスカレーション済み |
メールチケットに変換されたAIエージェント会話。このステータスは、会話フローが「メールを送る」オプションが設定されたダイアログ内の「エスカレーション」ブロックに到達すると自動的に設定されます。 |
カスタム解決のステータスを設定する
対話ビルダーでは、各メッセージブロックに適用可能なステータスを追加できます。これにより、ユーザーに通知されたかどうか、問い合わせが解決済みか未解決か、またはエスカレーションされたかを視覚的に示すことができます。会話の最終的な解決状況は、あとから会話ログで確認できます。
カスタム解決ステータスを設定するには
- 「目的」または「テンプレート返信」に移動します。
- ステータスを適用したいブロックを選択します。
- 詳細タブで、「解決」までスクロールし、ドロップダウンから適切なステータスを選択します。

- 「下書きを保存」または「公開」を押して変更を保存します。
重要な点として、各ブロックに関連付けられるカスタム解決ステータスは1つだけです。ユーザーがそのブロックを通過した時点で、そのカスタム解決ステータスが適用されます。選択したブロックを通過した後は、新しい解決ステータスが設定されない限り、会話の解決ステータスはそのまま維持されます。したがって、以降のブロックすべてに、同一の解決ステータスを一つひとつ設定する必要はありません。
推奨事項
解決ステータスの体系化
オンボーディングで学んだ会話ファンネルモデルを踏まえ、「情報提供 → 解決可否の確認 → 回答に応じた解決/未解決ステータスの反映 → 未解決またはプロセス起因のエスカレーションが必要な場合は、エスカレーション種別に応じたステータス設定」という段階的な流れで進める想定です。

「情報提供済み」ステータスの使用
「情報提供済み」ステータスは、顧客が自分自身で状況に対処できるような情報をこちらがメッセージで提供したときに使用します。また、「不良箇所の写真を送ってください」「請求書番号を教えてください」など、AIエージェントが会話を前進させるために必要な情報を提示し、顧客が後から戻ってくる前提のメッセージにも使用します。このようにしておけば、たとえ顧客がその場でチャットから離脱しても(情報を取りに行くためなど)、AIエージェントがプロセスを前進させる重要な情報を提供したと見なすことができます。
「情報提供済み」ステータスを使用すべきでないケース
言語の切り替えだけを行った場合は使いません。これは「実質的な目的処理」が発生していないためです。
ソリューションによっては、「解決策がない」ということを伝えるだけの場面で、「情報提供済み」ステータスを使うべきでない場合もあります。
「未解決」ステータスはどのように使用するか
「未解決」ステータスは、解決確認やフィードバックのフローの一部として使用し、ユーザーが満足したか、あるいは役に立たない回答だったかを示します。これにより、エスカレーション前に離脱したユーザーの把握や、改善余地のある会話の流れを特定しやすくなり、会話ログでのレビューが効率化されます。
このステータスを最初の(既定の)カスタム解決ステータスとしては使用しないことをおすすめします。そうすると、チャットを途中離脱したユーザーまで含まれてしまい、本当に未解決/不満のあるユーザーと単なる離脱ユーザーの切り分けが手作業中心になってしまうためです。
分析における解決ステータス
カスタム解決ステータスのレポート方法については、「分析ダッシュボードでの高度なAIエージェントのパフォーマンスの分析」を参照してください。
会話ログにおける解決ステータス
会話ログ内では、テーブル下部のトグル(切り替えボタン)を使用して、AIエージェントが対応した会話か、エスカレーションされた会話かを切り替えて表示できます。

特定のステータスで会話を絞り込むには、「フィルターを追加」をクリックし、「解決」セクションに進んで、対象としたいステータスを選択します。

よくある質問(FAQ)
独自のステータスを作成できますか?
今後、追加してほしいステータスについてフィードバックを募集します。共通ニーズが高く全員に提供できるものは標準機能として追加し、グループ固有で必要と判断されるものについては、ユーザーが設定できるカスタム解決ステータスを導入します。
ご希望のステータスがございましたら、カスタマーサポート担当までお知らせください。
最後に設定されたステータスを削除する設定は可能ですか?
いいえ、最後に設定されたステータスは常に残ります。そのため、会話の全フローにステータスを含めることをお勧めします。そうすることで、進行中のフローに基づいて新しいステータスが割り当てられます。
会話が遷移するすべてのステータスを見ることができますか?
現在、会話ステータスのプログレスバーは表示されず、分析と会話ログには最新のステータスのみが表示されます。今後は会話のステータス遷移(フロー)を可視化するプログレスバーの追加を予定しており、長めのやりとりや複数の目的の会話で特に効果を発揮します。
条件分岐ロジックでカスタム解決ステータスを使用できますか?
はい、lastResolution というシステムパラメータがあり、Undefined、Informed、Resolved、Not Resolved、Escalated To Agent、Escalated via Email 次の値に基づいて分離できます。