このブラッシュアップセッションでは、エージェントの生産性について、次の点を詳しく説明します。
Sylviana Hoはカスタマーサクセスエグゼクティブであり、Zendeskの初期のカスタマーサクセスチームメンバーの1人です。以前、成長著しいテクノロジ企業に在職していたHoさんは、テクノロジーおよびカスタマーサポートでの豊富な経験を背景に、お客様のZendeskの最適化を支援しています。
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エージェントの生産性
カスタマーサポートは簡単な仕事ではありません。エージェントは、効果と効率の追求と、顧客の問題と全体的な経験の考慮の必要性との間で、微妙なバランスをとるという課題に直面しています。
このブラッシュアップセッションでは、Zendeskのエージェントの生産性を最適化し、測定しながら、最高の顧客体験を提供します。
このセッションは4つのセクションに分かれており、Zendeskを向上させるためのヒントとベストプラクティスを紹介し、バランスをとるためのエージェントの負荷を軽減するためのレポートを作成します。エージェントの生産性を向上させる最適化は、チームのコスト削減につながり、結果的に組織の運用コストを削減できます。
パート1:ビジネスルール、マクロ、およびキーボードショートカット
トリガと自動化
ビジネスルールは、トリガと自動化によって構成されます。ビジネスルールはいわば、物事を動かし続けるためにZendesk本体を通過する血流であり、多くの繰り返し作業を減らすことができます。トリガは、チケットの作成または更新直後に実行されるイベントベースの条件であり、自動化は時間ベースの条件です。トリガや自動化を使用してエージェントの効率を向上させる方法は無数にあります。以下はその例です。
トリガの場合:
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チャネルごとにチケットを自動的に割り当てる - 特定のチャネルを担当する専用のチームまたはエージェントがいる場合、顧客がその特定のチャネルから書き込むたびにそのグループまたはエージェントに自動的にチケットを割り当てるトリガを作成できます。これにより、エージェントがチケットをやりとりすることによる手作業や潜在的なエラーがなくなります。
*デフォルトのトリガ「グループへの通知 - 割り当て」を無効にした場合は、「通知:グループにメールを送信」にアクションを追加する必要があります。
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テキストまたはチケットフィールドによるチケットの自動割り当て - 特定の問題を処理するために特定のチームまたはTier 2サポートが必要な場合は、フォーム内のテキストまたは選択されたカスタムフィールドに基づいてこれらのチケットを自動的に割り当てるトリガーを作成できます(カスタムフィールドについての情報は、パート2をチェックしてください)。
*デフォルトのトリガ「グループへの通知 - 割り当て」を無効にした場合は、「通知:グループにメールを送信(割り当てられたグループ)」にアクションを追加する必要があります。
自動化の場合:
- 「作成されてからの時間数」条件で、特定のタグを使用して重要なチケットをエスカレートすることができます。
「作成されてからの時間数」を使用して、新しいチケットが未割り当てのまま一定時間経過したときにチームに通知することができます。
チケットが更新されないままオープン状態でX時間経過したときに、割り当てられたエージェントまたはチームに通知することができます。なお、ここでは営業時間を考慮に入れるために「担当者が更新してからの時間数(営業時間)」を使っています。
保留中のチケットが更新されていない(つまり、まだエージェントに応答していない)場合は、所定の時間数または所定の日数が経過した後で顧客に通知できます。この自動化では、「保留中になってからの時間数」**と「更新されてからの時間数**」の条件を使用します。
* これらのチケットを追跡するためのタグ(notify_3days)を追加することに注目してください。これらのチケットを追跡し、所定の期間返信がなかった場合に「解決済み」としてマークする2番目の自動化を構築できます。
組織に適したビジネスルールをインテリジェントに設定することで、エージェントは時間とエネルギーを節約し、本当に重要なチケットに注力することができます。
マクロ
もう1つの自動化機能、マクロを使用することで、エージェントごとに各チケットの処理時間を数秒間削減できます。ささいな削減のように聞こえるかもしれませんが、チケットの全体量を考えると、相当な金額の節約になります。ぜひ、このセクションの内容をしっかり学習してください。マクロは、1つのボタンをクリックするだけで回答を追加し、チケットのプロパティを更新するなどの一連のアクションを実行します。
同じ問題について多数の顧客からチケットが送られてきて、全員が同じ回答を必要としているとしましょう。エージェントに各チケットに対して同じ回答を手動で書き出させたり、Wordからコピー/貼り付けしたりする代わりに、マクロに自動で回答処理をさせることができます。子のマクロは、回答を追加し、チケットフィールドを変更して、エージェントに特定のステータスでチケットを送信するように促します。より具体的な例として、エンドユーザーがアカウントにアクセスできない現象に、マクロを使用して対応します。弊社のサポートチームでは、マクロを使用して、チケットを保留中のステータスに設定しつつ、パスワードのリセットを通じてエンドユーザーにアクセス手順を案内しています。
チーム全体に共通のマクロを作成することも、ワークフローが多少異なる場合は個々のエージェントが個人用のマクロを作成することもできます。また、プレースホルダを利用してマクロをさらに便利に活用することをお勧めします。コミュニティフォーラムからの素晴らしいヒントについては、このフォーラムでマクロに関する投稿をご覧ください。
キーボードショートカット
最後に、キーボードショートカットを紹介したいと思います。多くの人がキーボードショートカットの威力を軽く見ており、マイナーな機能だと考えていますが、実はマウスの操作を減らすことでチケットの処理時間を節約できるのです。手をキーボードに置いたままで、チケットに対して任意の操作を実行できます。
私のお気に入りは、3つのキーをタップするだけでチケットのステータスを送信および更新できるホットキーです。
キーボードショートカットの全リストを見るには、Zendeskの右上隅にある自分のプロフィール写真に移動して、「キーボードショートカット」を選択してください。ここから、キーボードショートカットを有効にしたり、手元での参照用にリストをPDFとしてダウンロードすることができます。
パート2:顧客の問題に関する情報の事前収集
チケットに応答する前に、顧客の問題を具体的に把握できていたら、エージェントにとってこれほど便利なことはありません。これは、やりとりの回数を減らすだけでなく、チケットを解決して顧客にポジティブな体験を提供するために必要なすべての情報を事前に用意しておくことで、エージェントの負担を軽くします。
これは、カスタムチケットフィールドを使用して実現できます(この機能はすべてのプランで利用可能ですが、データをレポーティングに利用できるのはProfessionalとEnterpriseの顧客のみです)。カスタムチケットフィールドはカスタマイズ可能なチケットフィールドで、より多くの情報を顧客やエージェントから収集するために作成します。このフィールドはエージェントだけに表示することも、エージェントとエンドユーザーの両方に表示することもできます。(プロからのヒント:ユーザーフィールドと組織フィールドを別々に定義することで、ユーザーフィールドと組織フィールドそれぞれにカスタムチケットフィールドを使用して、より豊富な顧客情報と会社情報をZendeskに格納できます。)
エージェントの生産性向上のために、エンドユーザー用のカスタムチケットフィールドを使用する方法を重点的に説明します。問題を自由形式で入力するオープンエンドの問い合わせフォームの場合、顧客が重要な情報を入力し忘れることがあるため、代わりに、特定の情報を必要とするカスタムチケットフィールドを作成します。
たとえば、問題が発生している製品の製造元やモデル番号が必要な場合や、質問や問題が関係する部署(一般的な質問、請求、財務など)を知る必要があるとします。これらの情報はすべて、顧客がサポートチームに連絡することを決めた瞬間から収集可能になります。問題を解決するために必要な基本情報を待つ必要はありません。すべての情報は、エージェント側が何もしなくても、チケットとともに収集できます。
利用可能なカスタマーフィールドには豊富な種類があり、こちらでそのすべてをご覧いただけます。可能な限りドロップダウンリストとチェックボックスを使用することをお勧めします。自動化やマクロ、トリガ、ビューだけでなく、最も重要なレポートでも使用できるタグを生成できるからです。
Enterpriseユーザーおよび新しいZendeskユーザーの方は、チケットフォームと条件設定フィールドという2つの優れた機能を利用できます。この2つは、チケットによる情報の事前収集というコンセプトをより深く追求しています。チケットフォームを使用すると、固有のカスタムチケットフィールドのセットを表示するサポートリクエストフォームを複製作成できます。それらを使用して、必要なすべての情報が収集されたチケットを、適切なエージェントに渡すことができます。条件設定フィールドアプリを使用すると、顧客が選択した内容に基づいて、チケットフィールドを表示または非表示にすることができます。
パート3:Zendeskアプリケーション
2015年の新年の抱負をまだ作成していないなら、新しいZendeskへの移行をリストに追加してください。インターフェイスが更新され使いやすくなっただけではありません。新しいZendeskは、エージェントの経験と効率性を重視して構築されています。新しいZendeskでは、「Play」ボタンを押すだけで、他のエージェントが対応中のチケットを自動的にスキップしながら、その他のチケットをすばやく確認できます。また、アプリとヘルプセンターも大きく改善されています。
Zendeskアプリは、200個を超える構築済みのインテグレーションを提供します。これらのアプリは、Zendeskの機能を拡張します。アプリのインストールは簡単かつシームレスに実行でき、すばやく完了します。目的のインテグレーションがアプリ・マーケットプレイスで見つからない場合は、Developer Centerにアクセスし、ガイダンスを入手して独自のアプリを作成することもできます。
エージェントの負荷を軽くするために特別に構築された、特におすすめしたい(無料の)アプリは、次のとおりです。
- ユーザー情報 - チケットのすぐ脇に顧客情報とチケット履歴を表示し、エージェントが問題の全体像を把握できるようにより多くのコンテキストを提供します。これにより、情報を探すために膨大な追跡を行うことなく、エージェントは相手の状況を考慮した適切な応答を行えるようになります。
- タイムトラッキング - タイムトラッキングアプリは、エージェントが各チケットに費やした時間をキャプチャします。これにより、複雑なチケットや時間のかかるチケットを送信している顧客を特定できるため、チームのパフォーマンスおよびサポート業務の管理が容易になります。このアプリの最良の部分は、インサイトの活用です。タイムトラッキングデータに基づいてレポートを作成することで、情報に基づく意思決定を行なってワークフローを最適化することが可能になります。
- 記事検索 - ヘルプセンターを自動的に検索し、関連する記事をエージェントのインターフェイスに表示することで、リンクされた記事をチケットの回答にすばやくドラッグアンドドロップできます。
最後に、Zendeskの顧客であるGrouponによるZendeskアプリに関する高い評価を紹介します。「Grouponのエージェントは、アプリの導入により、チケット1件あたり平均で約40%の時間を節約しています。目覚ましい効率化です。」 - Groupic UK オペレーションマネージャー、Dominic Pasta氏
ヘルプセンター - 考え方は、空港でのセルフチェックインと同じです。顧客がナレッジベース記事やコミュニティフォーラムなどの各種サポートオプションを使って自分自身で答えを見つけることで、セルフサービスによる問題解決を可能にします。答えが見つからない場合は、顧客はいつでもチケットを送信できます。
顧客向けである場合は特に、ナレッジベースには正しい情報が含まれているものと期待されます。ナレッジベースは常に最新状態に保つようにしてください。これを実現するために、サポートチームからのクラウドソーシング、または専任のヘルプセンターコンテンツマネージャの採用が必要になる場合があります。記事は、社内からも外部からもアクセスできるようにすることができます。そうすることで、顧客とエージェントが同じ記事にアクセスできます。ただし、その他のコンテンツの閲覧は、ロールに基づきます。ポリシーと手順が記載されたエージェント以外はアクセスできない内部記事を作成することをお勧めします。これは、新しいエージェントのオンボーディングに要する時間を最短化するのに役立ちます。
新しいZendeskへの移行によるメリットについて詳しくは、同僚による以前のブラッシュアップシリーズ記事「まだ以前のZendeskを使ってるの?(英語)」を参照してください。.
パート4 - 生産性の測定
これまでに、エージェントの生産性向上のヒントとベストプラクティスについて述べました。次は、エージェントの生産性を測定するさまざまな方法について説明します。生産性の測定は、ワークフローの機能強化と同じように重要です。数字は嘘をつかないため、データの利用方法によっては、人員配置やワークフローの変更、組織の変更などの事例を構築するのに役立ちます。以下は、測定を開始するのに役立つ測定基準の例です。
- エージェントごとのチケット数(日/週/月) - エージェントごとのチケット数を追跡することは、作業負荷がチームに均等に分散されているかどうかを測定し、上位のパフォーマーが誰であるかを判断する簡単で効果的な方法です。この情報から得られる洞察により、チケットボリュームに基づく人員配置やトレーニング、およびナレッジベース記事の作成/更新に関する意思決定を行うことができます。
- エージェントごとのチャネル別チケット数 - エージェントごとのチケット数の追跡と同様に、チャネル別にチケット数を測定すると、チャネルごとのボリュームを確認するのに役立ちます。特定のチャネルに対するエージェントの増員の必要性や、特定のチャネルのチケット量を減らす方法の検討など、対策が必要な問題を検出できます。
- タイムトラッキングアプリの測定基準 - このアプリは費やした時間を自動的に記録しますが、チームの時間管理を分析するには、インサイトでカスタムの測定基準とレポートをいくつか作成する必要があります。各やりとりで実際にかかった時間を総合的に把握するには、合計使用時間、チケットごとの平均使用時間、および更新ごとの平均使用時間を追跡する必要があります。(これらのレポートの詳細およびレシピについては、上記のリンクをクリックしてください)。
- ワンタッチチケット - 1回のやりとりで解決されるチケットです。ワンタッチチケットは、いわばチケットのスラムダンクで、セルフサービスで解決できる可能性があると考えています。ワンタッチチケットは、多ければ多いほど良い指標です。必ず追跡してください。
エージェントの生産性を最適化する良い方法をご存知でしたら、ぜひお知らせください。顧客体験を重視つつ、エージェントの効率化を図るために、どのような機能を使用していますか?
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