Zendeskタイムトラッキングアプリを使用して、サポートマネージャーは、チケット内ですべてのカスタマーサービスのやりとりに実際に費やした時間を把握することができます。このアプリは、各チケット更新に費やされた時間を追跡し、チケットと一緒に保存します。Exploreを使用して、この情報を格納するユーザー定義メトリックを作成し、それを使用してレポートを生成できます。この記事では、カスタムの時間追跡メトリックを設定し、3つのサンプルレポートを生成する方法を説明します。
この記事では、次のトピックについて説明します。
分析方法の選択
他のSupportチケットデータと同様に、タイムトラッキングアプリのデータを分析するには2つの方法があります。
チケット処理時間
1つ目の方法は、チケットごとの処理時間を調べることです。チケットの大半が同じエージェントによって処理される場合に、エージェントのパフォーマンスを分析したり、特定のエンドユーザーや組織のサポートにチームが費やした時間をレポートしたりするために使用できます。
この方法を選択した場合、レポートを作成する最適な場所は「Support:Tickets」データセットです。それには、「合計処理時間(秒)」に基づいて、シンプルなユーザー定義メトリックを2つ作成し、それらをネイティブの時間メトリックとともに使用して、チケットごとの処理時間に関するレポートを作成します。
この戦略をサポートするために作成できるメトリックは、次のとおりです。
- チケット処理時間(分)
- チケット処理時間(時)
更新処理時間
2つ目の方法は、更新ごとの処理時間を調べることです。エージェントのパフォーマンスに関するレポートを作成するには最適な方法であり、同じチケットが複数のエージェントによって処理される複雑なワークフローに適しています。
この方法では、「変更 - 前の値」属性と「変更 - 新しい値」属性に格納されているデータに基づいて、ユーザー定義メトリックとレポートを「 Support:Updates history」データセットに作成する必要があります。NUMBER()関数を使用して、テキスト属性値を数値に変換できます。
この戦略をサポートするために作成できるメトリックは、次のとおりです。
- 更新処理時間(分)
- 更新処理時間(時)
メトリックを作成する
ユーザー定義メトリックを初めて作成する場合は、「基本的なユーザー定義メトリックと属性の作成」を参照してください。
メトリックを作成するには
次の一般的な手順を繰り返して、各カスタムメトリックを作成します。「メトリックの構成」のセクションを参照して、それぞれの作成に必要な情報を確認してください。
- Exploreで、レポート(
)アイコンをクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Support」をクリックし、作成するメトリックに適切なデータセット(更新処理メトリックの場合はUpdates history、チケット処理メトリックの場合は Tickets)を選択し、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- 計算メニュー(
)で、「標準ユーザー定義メトリック」をクリックします。
- 「標準ユーザー定義メトリック」ページで、以下のリストからユーザー定義メトリックの名前を入力します。たとえば、「更新処理時間(分)」と入力します。
- 「式」フィールドに、必要な式を入力するか、メトリックの設定セクションからコピーして貼り付けます。以下の例は、更新処理時間(分)のメトリックです。
IF ([Changes - Field name] = "Total time spent (sec)")
THEN
IF ([Changes - Previous value]=NULL OR [Changes - Previous value]="")
THEN NUMBER([Changes - New value])/60
ELIF (REGEXP_MATCH([Changes - New value], "[0-9]+") AND REGEXP_MATCH([Changes - Previous value], "[0-9]+"))
THEN(NUMBER([Changes - New value])-NUMBER([Changes - Previous value]))/60
ENDIF
ENDIFメモ:ユーザープロフィールが英語以外の言語に設定されている場合、この記事の数式は機能しません。Exploreのユーザープロフィールが英語以外の言語に設定されている場合は、 「数式を英語から別の言語に変換する方法」の記事の指示に従って数式が有効になるようにしてください。 - ユーザープロフィールの言語が英語でない場合は、式の属性名を使用言語の属性に置き換えます。 たとえば、ドイツ語の式は次のようになります。
- 操作を完了したら、「保存」をクリックします。
- 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- 属性のリストから「ユーザー定義メトリック」フォルダを展開し、ユーザー定義メトリックを見つけて、横にあるペンアイコンをクリックします。
- 「標準ユーザー定義メトリック」ページの「オプション」メニューから、「表示可能な集計方法を編集」を選択します。
-
メトリックのデフォルトの表示可能な集計方法を設定します。 「更新処理時間(分)」メトリックを作成する場合、集計方法メニューは次のようになります。
- 次に示すように、ユーザー定義メトリックの作成を続行します。
メトリックの構成
メトリック名:チケット処理時間(分)
このメトリックは、「Support:Tickets」データセット内に作成されます。チケットごとにエージェントが費やした時間を分単位で返します。
次の式をコピーして、標準ユーザー定義メトリックの式フィールドに貼り付けます。
VALUE(Total time spent (sec))/60
このメトリックをレポートで使用する場合にサポートされる集計方法:SUM、AVG、MIN、MAX、MED
メトリック名:チケット処理時間(時)
このメトリックは、「Support:Tickets」データセット内に作成されます。チケットごとにエージェントが費やした時間を、時間単位で返します。
次の式をコピーして、標準ユーザー定義メトリックの式フィールドに貼り付けます。
VALUE(Total time spent (sec))/60/60
このメトリックをレポートで使用する場合にサポートされる集計方法:SUM、AVG、MIN、MAX、MED
メトリック名:更新処理時間(分)
このメトリックは、「Support:Updates Historyデータセット内に作成されます。チケット更新ごとにエージェントが費やした時間を分単位で返します。
次の式をコピーして、標準ユーザー定義メトリックの式フィールドに貼り付けます。
IF ([Changes - Field name] = "Total time spent (sec)")
THEN
IF ([Changes - Previous value]=NULL OR [Changes - Previous value]="")
THEN NUMBER([Changes - New value])/60
ELIF (REGEXP_MATCH([Changes - New value], "[0-9]+") AND REGEXP_MATCH([Changes - Previous value], "[0-9]+"))
THEN(NUMBER([Changes - New value])-NUMBER([Changes - Previous value]))/60
ENDIF
ENDIF
このメトリックをレポートで使用する場合にサポートされる集計方法:SUM、AVG、MIN、MAX、MED
メトリック名:更新処理時間(時)
このメトリックは、「Support:Updates Historyデータセット内に作成されます。チケット更新ごとにエージェントが費やした時間を、時間単位で返します。
次の式をコピーして、標準ユーザー定義メトリックの式フィールドに貼り付けます。
IF ([Changes - Field name] = "Total time spent (sec)")
THEN
IF ([Changes - Previous value]=NULL OR [Changes - Previous value]="")
THEN NUMBER([Changes - New value])/60/60
ELIF (REGEXP_MATCH([Changes - New value], "[0-9]+") AND REGEXP_MATCH([Changes - Previous value], "[0-9]+"))
THEN(NUMBER([Changes - New value])-NUMBER([Changes - Previous value]))/60/60
ENDIF
ENDIF
このメトリックをレポートで使用する場合にサポートされる集計方法:SUM、AVG、MIN、MAX、MED
例1:チケットID別チケット処理時間
この例では、処理時間といくつかの追加属性を含むチケットのリストを作成します。
開始する前に、前述のカスタムメトリックが作成済みであることを確認します。
- Exploreで、レポート(
)アイコンをクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Support」>「Support - Tickets」をクリックし、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- ここで、作成したメトリックを追加します。「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから「ユーザー定義メトリック」>「チケット処理時間(分)」を選択し、「適用」をクリックします。
- 「行」パネルで、メトリックに対してレポートする属性を追加します。「追加」をクリックします。
- 属性のリストにある「チケット」を開き、「チケットID」を選択します。
- 「担当者」を展開し、「担当者名」を選択します。
- 「リクエスタ」を展開し、「リクエスタ名」を選択します。
- 「タイムスタンプ - チケット解決日時」を展開し、「チケット解決日時 - 日付」を選択します。
- 「タイムスタンプ - チケット解決日時」をクリックし、「日付範囲」をクリックしていずれかの期間を選択します。
- 表示メニュー(
)で、「表」を選択します。
例2:月別・組織別チケット処理時間
この例では、合計チケット処理時間と平均チケット処理時間を月別および組織別に示すグラフを作成します。
開始する前に、前述のカスタムメトリックが作成済みであることを確認します。
- Zendesk Exploreで、レポート(
)アイコンをクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Support」>「Support - Tickets」をクリックし、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- ここで、作成したメトリックを追加します。「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから、「ユーザー定義メトリック」を選択し、「SUM(チケット処理時間(時)) 」および「AVG(チケット処理時間(分))」を選択して「適用」をクリックします。
- 表示メニュー(
)で、「折れ線」を選択します。
- 前の手順で追加した「AVG(チケット処理時間(分))」をクリックして、「2軸」を選択します。
- 「列」パネルで、メトリックに対してレポートする属性を追加します。「追加」をクリックします。
- 属性のリストから、「タイムスタンプ - チケットの作成日時」>「チケット作成日時 - 年」および「チケット作成日時 - 月」を選択し、「適用」をクリックします。
- 「チケット作成日時 - 月」、「日付範囲」の順にクリックし、期間を選択します。
- 「行」パネルで、行セレクタに含める属性を追加します。「追加」をクリックします。
- 属性のリストから「チケット組織」>「チケット組織名」を選択し、「適用」をクリックします。
- 「チケット組織名」をクリックし、参照する組織を選択します。
- グラフの色やラベルなどは、グラフ設定メニュー(
)で調整することができます。
次のようなグラフが表示されます。
例3:エージェント別の更新処理時間
この例では、平均処理時間ランキングの上位10人のエージェントを示すグラフを生成します。
開始する前に、前述のカスタムメトリックが作成済みであることを確認します。
- Zendesk Exploreで、レポート(
)アイコンをクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Support」>「Support - Updates history」を選択し、「新規レポート」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- ここで、作成したメトリックを追加します。「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから「ユーザー定義メトリック」>「AVG(更新処理時間(分))」を選択し、「適用」をクリックします。
- 「列」パネルで、メトリックに対してレポートする属性を追加します。「追加」をクリックします。
- 属性のリストから「更新者」>「更新者 - 名前」を選択し、「適用」をクリックします。
- 「フィルター」パネルで、結果を絞り込む属性を追加します。「追加」をクリックします。
- 属性のリストから「更新者」>「更新者 - ロール」を選択し、「適用」をクリックします。
- 前の手順で追加した「更新者 - ロール」属性をクリックし、メニューから「管理者」および「エージェント」を選択します。
- 「フィルター」パネルで、「追加」をクリックします。
- 属性のリストから「タイムスタンプ - チケット更新日時」>「更新日時 - 日」を選択し、「適用」をクリックします。
- 前の手順で追加した「更新日時 - 日」フィルターをクリックして、「日付範囲」をクリックし、表示する期間を選択します。
- 表示メニュー(
)で、「棒」を選択します。
- 上位10人のユーザーだけを表示するには、結果操作メニュー(
)で「トップ/ボトム」をクリックします。「トップ/ボトム」ページで、「トップ」を選択し、数値を「10」に設定します。
- グラフ設定メニュー(
)で、色、ラベル、およびその他のカスタマイズを調整します。
グラフの外観は次のようなものになります。
3 コメント
ExploreをLegacyプランで使用しています。
プロフィールの言語を英語にしても、[Changes - Field name]が見つからないため、日本語環境の式の属性名がわからず、集計を行うことが出来ません。日本語環境の対応する属性名をお教えてください。
https://support.zendesk.com/hc/ja/articles/4408827693594#topic_zdl_flq_4y
なお、使用するデータセットは「Support-チケット」ではなく、「Support-更新履歴」であることにご注意ください。
早速のご返答ありがとうございます。以下の通り上手くいきました。
FAQの翻訳とと日本語UIの翻訳が微妙に一致しないことがあり、全体を把握するのにはとても助かるのですが。不一致の変換がちょっとややこしいですね。
この件に関してはプロフィールを英語にして、英語のヘルプを頭から見ながら作ってしまうほうがスムーズかもしれないですね。
IF ([変更 - フィールド名] = "Total time spent (sec)")
THEN
IF ([変更 - 前の値]=NULL OR [変更 - 前の値]="")
THEN NUMBER([変更 - 新しい値])/60
ELIF (REGEXP_MATCH([変更 - 新しい値], "[0-9]+") AND REGEXP_MATCH([変更 - 前の値], "[0-9]+"))
THEN(NUMBER([変更 - 新しい値])-NUMBER([変更 - 前の値]))/60
ENDIF
ENDIF
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