このワークフローの例は、Zendesk Supportの機能を活用して価値のあるサービスを重要なカスタマーに提供する方法を示します。この例を参考にして、自分のアカウントでワークフローの管理をはじめてみましょう。
このレシピは、複数の組織をカスタマーに割り当てることでワークフローを管理します。この方法がアカウントで許可されていない場合は、カスタムの組織フィールドとチケットタグを使用して、同様のワークフローを管理できます。詳細については、「ワークフローレシピ:トリガを使用して重要なカスタマーからのリクエストを処理する方法(カスタム組織フィールド)」を参照してください。
この例では、以下について学習します。
ワークフローの目標
たとえば、会社の売上の40%がVIPカスタマーによるものだとします。Zendeskを使用すれば、VIPカスタマーからのサポートリクエストの優先順位を上げ、迅速に処理して、カスタマー満足度を維持できるようにすることができます。
VIPカスタマーを処理する特別なエージェントグループを作成する
グループはエージェントをまとめたものです。グループ化することで、管理者はエージェントの特別なスキルに基づいてエージェントへのチケットの割り当てを管理しやすくなります。VIPカスタマーからのチケットについては、チームのシニアエージェントに割り当てるのが最適です。
グループを作成するには
- 管理センターで、サイドバーのメンバーアイコン()をクリックし、「チーム」>「グループ」を選択します。
- 「グループを追加」をクリックします。
- グループ名を入力します。ここでは、グループに「VIP Triage」という名前を付けます。
- このグループに追加するエージェントを選択します。重要なカスタマーの対応に最適なシニアエージェントを選択します。
- 「グループを作成」をクリックします。
組織を使用して重要なカスタマーを特定する
組織とは、エンドユーザーを特定の属性ごとにまとめたものです。組織を使用して、社内または部門内のユーザーをグループ化できます。デフォルトでは、ユーザーは単一の組織にのみ所属できますが、Zendeskのプランでサポートされている場合は、ユーザーに対して複数の組織を有効にし、VIPカスタマーを識別する特別な組織を作成できます。
以下の手順で行います。
複数の組織を有効にする
ユーザーの複数組織への所属を有効にするには
- 管理センターで、サイドバーのメンバーアイコン()をクリックし、「設定」>「エンドユーザー」を選択します。
- 「ユーザーに複数の組織に属することを許可する」を有効にします。
- 「タブを保存」をクリックします。
VIP組織を作成する
組織を作成するには
- Supportで、サイドバーにある組織アイコン()をクリックします。
- 「組織を追加」をクリックします。
- 組織の名前を「名前」フィールドに入力します。ここでは、この組織に「VIP Customers」という名前を付けます。
- 各VIPカスタマーのメールドメインを、スペースで区切って入力します。
ここで入力したメールドメインに属するユーザーは、初回のリクエストを送信したとき、または初めて登録したときに、そのメールドメインに対応付けられている組織に自動的に組み入れられます。
複数の組織に同じドメインを追加した場合、ユーザーは、アルファベット順に並べた場合に先頭になる組織にのみ自動的にマッピングされます。詳しくは「メールドメインに基づいて自動的にユーザーを組織に追加する」を参照してください。
- 「保存」をクリックします。
メールドメインを指定せずに、まず新しい組織を作成し、後からVIPカスタマーを1つずつ手動で追加する方法でもかまいません。
シニアエージェントがVIPカスタマーに割り当てられるようにする
即座に応答するトリガを追加する
トリガは、チケットの作成または更新直後に実行される、管理者が定義したビジネスルールです。グループと組織を設定したら、VIPカスタマーからチケットが届くとすぐに返信し、チケットに高い優先度を設定するトリガを作成します。
トリガを追加するには
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「トリガ」を選択します。
- 「トリガを追加」をクリックします。
- 次のトリガ情報を入力します。
トリガの名前と説明:
トリガの条件:
トリガのアクション:
- トリガの名前、説明、条件、アクションの追加が完了したら、「作成」をクリックします。
このトリガでは、以下の条件がすべて満たされると、
- 新しいチケットが作成された
- チケットの作成者がVIPカスタマーの組織に属している
- まだチケットが解決されていない
次のアクションが実行されます。
- メール通知がチケットリクエスタに送信される。以下の例を参照のこと。
- チケットの優先度が高に設定される。
以下に、チケットを送信したVIPカスタマーに送信されるメール通知の例を示します。チケットはVIP Triageグループに割り当てられており、チケットの優先度は高です。
VIPチケットのステータスを監視するビューを作成する
ビューは、定義された基準に基づいてチケットを動的に分類するものです。ビューを使用することで、自分やチームが注意が必要なチケットを判断し、その判断に基づいて計画を立てるのに役立ちます。VIPチケットの進捗状況を監視するには、共有ビューを作成して、チームの他のメンバーとともにチケットステータスを監視できるようにします。
ビューを作成するには
- 管理センターで、サイドバーにある ワークスペースをクリックし、「エージェントツール」>「ビュー」を選択します。
- 「ビューを追加」をクリックします。
- ビューに次の情報を入力します。このVIP Triageビューには、VIP Customers組織のメンバーの未解決チケットも表示されます。
- ビュー条件をテストするには、「上記の条件に対する一致をプレビュー」をクリックして、ビューに表示されるチケットを確認します。
- ビューに表示される表の列をカスタマイズするには、「フォーマットオプション」セクションまでスクロールします。
- VIPカスタマーのチケットが最後に更新された日時をすばやく確認したいので、「最終更新」の列を「表に含まれていない列」のリストから「テーブルに含まれている列」のリストにドラッグします。
- すべてのエージェントがビューを利用できることを確認してください。
- 「ビューの作成」をクリックします。
ビューを作成したら、サイドバーにあるビューアイコン()をクリックし、「VIP Triage」を選択してVIPチケットのステータスを表示できます。このビューには、チケットの最新の更新日時が含まれます。
自動化で確実にチケットをフォローアップする
チケットワークフローをスムーズに管理できるよう、重要なチケットがタイムリーに割り当てられなかった場合に、自動的に通知がエージェントに届くようにできます。この場合には、トリガではなく自動化を使用して通知を送信します。
トリガは、チケットが作成または更新されるたびに起動されるイベントベースのビジネスルールです。自動化は、経過時間に基づいてアカウントでアクションを実行する時間ベースのビジネスルールです。
自動化を追加するには
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「自動化」を選択します。
- 「自動化を追加」をクリックします。
- 以下の自動化情報を入力します。
自動化のタイトルと条件:
自動化のアクション:
- 自動化のタイトル、条件、およびアクションの追加が完了したら、「自動化の作成」をクリックします。
この自動化では、以下の4つの条件がすべて満たされると、
- チケットがVIPグループに送信された
- チケットの優先度は高
- チケットが作成されたのは2営業時間以上前
- チケットにはエージェントがまだ割り当てられていない
次のアクションが実行されます。
- VIP Triageグループのすべてのメンバーにメール通知が送信される以下の例を参照のこと。
- チケットの優先度が「高」から「緊急」に変更される
以下に、自動化条件が満たされたときにVIP Triageグループのメンバーに送信されるメール通知の例を示します。チケットの優先度は緊急に変更されています。
自動化には他にも、一定期間経過してもチケットが解決されなかった場合にエージェントに通知する機能や、詳細な情報提供を求めるエージェントからのリクエストに応答していないカスタマーに穏やかに催促する機能などがあります。自動化の詳細については、利用可能なデフォルトのZendesk自動化については、「自動化とそのしくみについて」を参照してください。