Zendeskの目標は、操作しやすくカスタマイズが簡単で、拡張しやすいソフトウェアを通じて、企業とカスタマーとの間により緊密な関係を築くことです。この目標の実現には、何よりもまず、Zendesk Supportのスムースな運用と、絶え間なく変化するお客様のニーズに合わせて拡張するサービスの提供が不可欠です。
お客様の成長とニーズの変化に合わせて、テクノロジもパフォーマンスと信頼性の需要を満たせるように拡張しなければなりません。Zendesk Supportは、エンタープライズ規模の運用、業界標準を上回るテクノロジアーキテクチャを前提に、お客様のビジネスの将来を見据えて構築されています。以下に、テクニカルアーキテクチャの概要図を示します。以降に、図の各部について説明します。
冗長構成の分散環境
Zendesk Supportでは、完全に冗長構成の自動化された分散環境を使用しています。この環境は、地理的に離れたデータセンターと、アプリケーションの複数の自律型インスタンスから構成されます。
世界中のお客様に高いパフォーマンスを確実に提供するために、Zendesk Supportは複数のデータセンターを世界各地で運用しています。各データセンターは、お客様のためにキャパシティを増強し、遅延を低減しています。データセンターの場所機能では希望するデータセンターの場所を選択することができます。
ポッドアーキテクチャ設計
1個以上のポッドで構成されるデータセンターです。ポッドアーキテクチャには、よりスピーディなプロビジョニング、ユーザーによるカスタマイズ性、向上したスケーラビリティといったメリットがあり、最大の柔軟性を実現しています。新しいZendesk Supportのお客様は、いずれかのデータセンターの特定のポッドに割り当てられます。各ポッドには、他のポッドに依存せずにZendesk Supportを運用するために必要なすべてのリソースが含まれています。具体的には、アプリケーションサーバー、Webサーバー、データベースサーバー、そしてメール処理やレポートなどの作業に対応するリソースなどです。
各ポッドには、複数のデータベースクラスタが含まれます。各クラスタは、メインデータベースサーバーと、メインサーバーを継続的にミラーリングする2個のセカンダリデータベースサーバーから構成されます。メインデータベースサーバーに予期しない障害が発生した場合、一方のスペアサーバーが直ちに引き継ぎます。このように、バックアップサーバーシステムが自動化されているため、ダウンタイムの可能性を大幅に低減しています。
ポッドの移動
標準的なネットワーク管理の一環として、ポッドの移動は定期的に発生します。これは、IPアドレスの許可リストやファイアウォールの設定に影響を与える可能性があります。Zendesk APIを使用して、Zendesk製品用の最新のパブリックIPアドレスのリストを取得できます。詳細については、「ファイアウォールとZendeskを共存させるための設定」を参照してください。
共有データベース設計
この構成では、データベースクラスタの基本構成単位として、小型の論理データベースであるシャードを使用します。シャードアーキテクチャでは、物理データベースクラスタおよびポッド間の負荷を再調整できます。Zendesk Supportでは数百台のシャードを世界各地のデータベースクラスタに分散しています。各シャードが、一定数のカスタマーをサポートしています。サポートするカスタマー数は、カスタマーが生成するデータ量に応じて異なります。大容量のキャパシティを必要とするカスタマーについては、そのカスタマー専用に1個のシャードまたはデータベースクラスタを割り当てることもあります。