カスタムのメトリックや属性を作成してレポートで使用し、必要とするビジネスデータのみを表示することができます。これを行うためには、数式の記述方法を学ぶ必要があります。式を使用すると、データの比較や計算、処理ができるほか、条件を評価することも可能です。
式について詳しくは、「式の記述関連のリソース」を参照してください。
Exploreの式の概要
式は一般に次の2つの部分から構成されます。
- メトリックと属性:お使いのZendeskの情報を格納します
- 関数:これらのメトリックや属性に対して操作を実行します
Exploreの式は左から右に読み取られ、演算の数学的順序に従います。式には複数の文を含めることができ、各文には、検索するデータを定義するために使用するメトリック、属性、および関数の組み合わせが含まれます。
式内では、IF/THENなどの関数は、多くの場合、代数と同様にかっこ ()
内に含まれているため、式の残りの部分には影響しません。式に関数が1つしかない場合は、かっこは必要ありません。
メトリック名と属性名は、角かっこ[]
で囲みます。テキスト文字列として表されるメトリックと属性の値は引用符で囲まれ、値と正確に一致する必要があります。たとえば、"End-user"と"end user"は異なる値です。(式の属性値の詳細については、「Exploreの式で使用する属性値を見つけるにはどうすればよいですか?」を参照してください。)演算子は、属性の名前と値を接続したり、追加の計算を実行したりするために使用します。
これをまとめると、シンプルな式は次のようになります。
式を作成する
Exploreの式がメトリック、属性、および関数で構成されていることを理解したうえで、上記の例の式を作成する方法を学習します。
式の論理を書き出しておくと、式を作成するときや、必要な関数を判断するうえで役立ちます。このケースでは、式の流れは、「チケットチャネルがメールの場合に、チケットIDを表示する」というものです。 この処理の内容が最終的に作成する式のそれと非常に似通っていることが後でわかります。
メールチャネル経由で受け取ったチケットを表示する式を作成するには
- Exploreで、レポートを新規作成するか、既存のレポートを開いて編集します。
- 「計算」メニュー()を開きます。重要:2人の編集者が同じデータセットで異なるレポートを作成または編集している場合、最初にレポートを開いた編集者だけが「計算」メニューにアクセスできます。もう一人の編集者には、「このリソースは、次のユーザーが現在編集中のためロックされています:<ユーザー名>」というメッセージが表示されます。最初の編集者がレポートを閉じると、次の編集者が「計算」メニューにアクセスできるようになります。
- 「標準ユーザー定義属性」をクリックします。新しい空の属性が開きます。
- 「メールで受け取ったチケット」などのように、属性の名前を入力します。
- 式ウィンドウに式を入力します。式を入力する方法は数多くありますが、ここでは「関数」で、「追加」をクリックします。
- 「IF THEN ELSE Conditional」式を探します。検索ボックスで「フィルター」をクリックして「論理」のカテゴリで値を絞り込むか、リストをスクロールして必要な関数を探します。
- 「IF THEN ELSE Conditional」式の隣にある「+」をクリックします。
Exploreがテンプレートの「IF THEN ELSE」の式をウィンドウに追加します。(「_」の文字で始まり)青色で式内に示された値はプレースホルダです。これは、実際に使用する値に置き換える必要があります。
ヒント:上記の式では、「」で始まるエラーメッセージが表示されています。式に問題があり、式のどの部分に問題があるのかを示しています。この時点では、エラーは無視できます。エラーが表示されるのは、式がまだプレースホルダを使用しているからです。 - 次に、_boolean_conditionを、テストをするExploreの属性と置き換えます。「_boolean_condition」をハイライトし、「フィールド」メニューから「チケットチャネル」を選択するか、式を直接上書きして属性を追加します。
- 次に、残りの条件を追加します。「メール」の文字列を検索するには、既存の条件にその文字列を追加します。
式は、「IF ([チケットチャネル]="メール") THEN _value_if_true ELSE _value_if_false ENDIF」のようになっているはずです。
- 次に、条件がTrueの場合に行う操作を追加します。このケースでは、チケットのIDを返す操作を追加します。_value_if_trueを[チケットID]に置き換えます。「[チケットID]」と入力すると、Exploreが自動的に入力の候補を示してくれます。必要なメトリックや属性が表示されたら、改行キーを押してそのまま入力を確定します。
- テンプレートのチケットには、「ELSE」句があります。この句を使用すると、最初の条件がTrueでない場合に適用する代替のアクションを指定できます。このケースではこのアクションは必要ないので、「ELSE _value_if_false」を削除します。
- これで式の入力が確定しました。特に問題が無ければ、以下のような画面が表示されます。エラーメッセージが無くなり緑のチェックマークに置き換わっている点にも注目してください。これは、式が有効であることを示しています。
- 最後に「保存」をクリックします。作成した属性は、同じデータセットを使用しているExploreのレポートであれば、どのレポートでも使用できます。属性を確認するには、いずれかの属性パネルで「追加」をクリックし、「ユーザー定義属性」を展開します。
式にメトリックと属性を追加する
Exploreで記述した式ではほとんどの場合、現在利用しているデータセットのメトリックか属性を使用します。上記の例では、「チケットチャネル」属性を使用しましたが、選択できる属性が他にも多数あります。
最初のうちはこれらのメトリックや属性を使用することに臆するかもしれませんが、ほとんどの場合、それらには内容を説明する名前が付けられているので、必要なものをすぐに見つけられるようになります。また、基本的なレポートをExploreで作成してみれば、さまざまなメトリックや属性を使ってできることが詳しく理解できます。
使用できるメトリックと属性の詳細なリストについては、「Exploreデータセットの概要」を参照してください。
式にメトリックや属性を追加するには
- Exploreの式ウィンドウで、「フィールドを選択」をクリックします。
- リストをスクロールするか、必要とするメトリックや属性の名前を最初の数文字入力してリストをフィルタリングします。
- 目的のメトリックまたは属性をクリックすると、それが式に追加されます。このケースでは、チケットIDが選択されます。チケットIDがバケット([])で囲まれている点に注意してください。
バケットで囲むことによって、その中身がメトリックや属性であることをExploreに示します。メトリックや属性を入力する別の方法として、それらの名前を直接タイプして入力する方法があります。Exploreはバケットを識別し、選択すべき適切な値の候補を示します。
集計方法をメトリックや属性に追加する場合は、最初のバケットの前のテキストを「COUNT[チケットID]」のように大文字で入力します。
式に関数を追加する
式に関数を追加するには、「関数」で「追加」をクリックするか、関数の名前を入力します。メトリックや属性とともに、入力した関数の候補がExploreの自動補完機能によって表示されます。
「追加」をクリックすると、関数ウィンドウが開きます。このウィンドウは、作成する計算された要素に適用できる関数が不明な場合に便利です。ウィンドウ内のすべての関数には、関数の目的について簡単な説明が含まれています。すべての関数のリストとその例を数多くご用意しています。「Exploreの関数のリファレンス」をご覧ください。
特定の関数を探す場合、関数を検索したり、関数のタイプでフィルタリングしたりすることができます。
- 関数ウィンドウで、「フィルター」をクリックします。
- カテゴリ名を直接入力するか、ドロップダウンリストからカテゴリを選択します。
- フィルターを削除するには、カテゴリ名の横にある「x」をクリックします。
式にコメントを追加する
式にコメントを追加して、その動作を説明することができます。これは、他のユーザーと式を共同で作成する場合や、式を作成した理由を自分用にメモしておく場合に便利です。
式にコメントを追加するには
- 式内でコメントを挿入する位置を見つけます。
- スラッシュとアスタリスク(/*)を入力し、コメントを入力してから、アスタリスクとスラッシュ(*/)を入力します。
警告:「フォーマット」をクリックすると、すべてのコメントが削除されます。「フォーマット」をクリックしてコメントを元に戻したい場合は、パネルの外側のどこかをクリックし、変更を保存せずにパネルを閉じてください。