みなさん、こんにちは!

今回、カスタマーの注文をZendeskで受け付けるためのワークフローを作成したので、みなさんにご紹介したいと思います。当社ではさまざまな理由からCRMを廃止したばかりで、まだERPシステムに移行する準備ができていません。さらに、営業チームと受注処理の間のギャップを埋める必要がありました。Zendeskは、社内外の多くのシステムに徐々に浸透してきているので、Zendeskで注文を処理することが当然の流れのように思えました。

Zendeskを使うと、社員や当社のカスタマーに対して、サポートリクエストや注文のリクエストを一元的に表示できるので、注文プロセスの過程でカスタマーに多くの情報を伝えることができます。このシステムを導入して以来、ワークフローを効率化することでターンアラウンドタイムを短縮し、複数のプラットフォームに分散していたときよりもはるかに迅速にフルフィルメントの問題を明らかにすることができました。

Zendesk Enterpriseプランを利用していますが、ヘルプセンターはアクティブにしていません。

注意:当社では、Zendesk Enterpriseプランを利用していますが、ヘルプセンターはアクティブにしていません。以下に述べる機能の中には、Enterpriseでしか利用できないものもありますが、ぜひご自分の組織を見直して、導入できるものがないか確認してみてください。当社ではポータルをさまざまな方法で活用しているため、コストのかかる複数のシステムをZendesk Enterpriseプランひとつに置き換えることで、実際に年間3万ドル以上節約することができました。

ステップ1:プロセスの計画

わたしは視覚的に考えるタイプなので、ワークフローを紙に描き、どのようなプロセスが必要とされ、どのような問題が発生しうるかを調べてみました。このワークフローをたどりつつ、ビュー、トリガ、自動化、マクロを追加する必要がある場所を確認できます。確認しながらメモを取ることで、プロセスの構築を開始する際に、これらの機能を追加する必要がある場所や、どのような形にする必要があるかを覚えておくことができます。

当社のワークフローは以下のようになっています。

ステップ2:カスタマーによる注文の入力方法を決定する

当社の取引先はBtoBの販売代理店で、注文書をメールで送ってきます。しかし、あなたのカスタマーはオンラインの注文フォームを希望するかもしれませんし、オンラインでもメールでも注文できればと考えているかもしれません。どちらも可能です!自分のビジネスに適している方法を採用すればいいだけです。唯一の違いは、エンドユーザーに注文フォームを提供するかどうかです。(詳細は後述します!)

ステップ3:新しいチケットフィールドとフォームを作成する

当社のカスタマーは注文書をメールで送ってくるため、チケットフォームはエージェントだけが使用し、トリガを使って当社の受注メールアドレスに関連付けるようにしています。オンライン注文フォームを作成する場合は、「エンドユーザー用のフォーム名」チェックボックスを選択して、フォームがエンドユーザーに見られるようにする必要があります。

エンドユーザーからどのような情報を収集する必要があるかを決め、必要に応じて新しいチケットフィールドを作成します。当社のフォームには次のようなフィールドがあります(隣の括弧の中はフィールドタイプです)。

  • 発注番号 [テキスト]
  • 受注番号 [テキスト]
  • 出荷日 [日付]
  • 会社/住所* [テキスト]
  • 注文の詳細** [複数行テキスト]
  • 合計金額 [10進数]
  • 配送方法 [ドロップダウン]
  • 運送費請求先 [ドロップダウン]

*会社/住所:ここでは通常の意味での「会社」は考えていません。また、通常の会社情報用には、組織フィールドを使用しています。当社のカスタマーには、通常、配送先が複数ありますが、配送先の住所を確認することよりも、注文プロセスの確認で正しい配送先に配送されていることを素早く確認できることのほうが重要です。わたしは会社フィールドに情報を入力する際、会社と場所を簡単に参照できるように、「ABC会社 - アーリントン」というフォーマットを使用しています。ただし、各カスタマーの配送先住所が1つしかない1対1の取引については、注文プロセス確認用に、配送先住所用のカスタム組織フィールドを作成することを検討してください。

**注文の詳細:このフィールドには、ドロップダウンから正規表現まで、さまざまなフィールドタイプを使用できます。ヘルプセンターを有効にしている場合は、条件設定フィールドアプリを使用して、複数の商品の注文に対応するために新しいフィールドを追加することもできます。繰り返しになりますが、自分の組織に適しているかどうかを基準に選んでください。

ヒント:注文フォーム専用にまったく新しいフィールドを作成するのではなく、既存のフィールドを再利用できないか検討してみましょう。先に挙げた「会社」フィールドは、一般的な問い合わせフォームから再利用したものです。同じような目的のために別のフィールドを作る必要はありませんでした。別のフォームのフィールドを再利用する場合は、フィールド表示の設定と入力必須の設定を両方でのフォームで同じであることを確認してください。

ステップ4:ユーザーデータ

わたしは、Zendeskポータルの他のどのアプリケーションよりも、ユーザーデータと組織データやフィールドを注文プロセスで利用しています。これらの機能があるからこそ、ポータルをCRMデータの中心的なハブにすることができるのです。

以下のカスタムフィールドをユーザーセクションと組織セクションに追加しました。
  • 標準的なCRMデータ(例:請求先住所、アカウントオーナー、販売チャネルなど)
  • 支払い期日
  • 価格表(「価格」と呼ばれる複数行のカスタムフィールド内に、製品とそれに対応する原価を並べて表示しています。)
  • 運送費アカウント情報(一部のカスタマーは、ご自身の配送アカウント番号の使用を希望されています。)
  • 特別な準備作業(一部のカスタマーには特別なラベリング/キッティング要件があります。)

ユーザー情報アプリ

まだお持ちでない方は、ぜひこのアプリをエージェントのサイドバーに追加することをお勧めします。このアプリでは、ユーザーデータと組織データを組み合わせて設定を調整し、2つのセクションを切り替えることなくカスタマーのスナップショットをすばやく表示できます。わたしは、一番見やすいように、このアプリをサイドバーの一番上に置いています。

ヒント:また、注文を入力するカスタマーには「購入者」タグを追加し、「購入者」のカスタマーリストを作成して、Mailchimpインテグレーションを使用して簡単にメッセージを表示して送信できるようにしています。

ステップ5:注文グループを作成する

当社のポータルでは、外部のカスタマーサービスから内部のITサポートまで、すべてを扱っています。そのため、すべてを部門に分けて管理できるように、各チームのワークフローに合わせてグループとビューを作成しています。フォームと同様に、各ビューに表示される列は、それぞれのグループに関連する情報によって異なります。

「注文」グループを作成し、注文プロセスに関与するすべてのエージェントを追加します。機密保持のため、当社のポータルでは、エージェントは自分のグループに割り当てられたビューしか見ることができないように設定されています。エージェントの設定を確認して、エージェントが必要とする情報だけがエージェントに表示されるようにしましょう。

ステップ6:ビューを作成する

ここからが、事前に作成しておいたプロセスフローチャートが真価を発揮する場面です。当社のプロセスには6つのビューがあります。
  • 未確定の注文ビュー
  • 緊急の未確定の注文ビュー
  • 承認済み注文ビュー(処理待ち)
  • 処理済み注文ビュー(出荷待ち)
  • 待機中の注文ビュー
  • フルフィルメントエスカレーション用ビュー
ヒント:表示したい情報(価格や商品など)に基づいて各ビュー内の列をカスタマイズしました。ビューをエクスポートしてクイックレポートを作成することもできるので、新しいビューを作成するときに表示されるデフォルトの値ではなく、必要な情報を使用して列をカスタマイズしておくと便利です。

私は各ビューを区別するためにタグを多数使用しており、マクロとトリガを組み合わせて、注文の進行に合わせてタグを追加/削除しています(ただし、「エスカレーション」と「保留」のタグは、エージェントがこれらのチケットに手動で追加しています)。

各ビューの設定を次に示します。なお、この設定は、それぞれの会社のプロセスによって異なります。

未確定の注文ビュー

次のすべての条件を満たす:
  • チケットグループ | = | 注文
  • チケット担当者 | = | {{Orders Agent}}
  • オープンになってからの時間数 | より少ない | 24
以下の任意の条件を満たす:
  • チケットのステータス | = | 新規
  • チケットのステータス | = | オープン
表示可能な列
  • リクエスト日
  • リクエスタ
  • 組織
  • 件名

緊急の未確定の注文ビュー

リクエストがこのキューに入ると、注文の承認を担当するエージェントに通知するトリガが設定されます。

次のすべての条件を満たす:
  • チケットグループ | = | 注文
  • チケットのステータス | より少ない | 解決済み
  • チケットのステータス | ≠ | 待機中
  • チケット担当者 | = | {{Orders Agent}}
  • オープンになってからの時間数 | (カレンダー時間)より大きい | 24
表示可能な列
  • リクエスト日
  • リクエスタ
  • 組織
  • 件名

承認済み注文ビュー(処理待ち)

次のすべての条件を満たす:
  • チケットグループ | = | 注文
  • チケット担当者 | = | {{Orders Agent}}
  • チケットのステータス | ≠ | 保留中
  • チケットタグ | 次のいずれも含まない | onhold:need.more.info, open order / order_ready / order_ready_to_process

表示可能な列

  • リクエスト日
  • リクエスタ
  • 会社名
  • 注文書番号
  • 注文の詳細
  • 合計金額

処理済み注文ビュー(出荷待ち)

次のすべての条件を満たす:
  • チケットグループ | = | 注文
  • チケットのステータスが「待機中」である
  • チケットタグ | 次のいずれも含まない | onhold:need.more.info
  • チケットタグ | 少なくとも次の1つを含む | processed_order
  • チケット担当者 | = | {{Orders Agent}}
表示可能な列
  • 注文番号
  • リクエスト日
  • リクエスタ
  • 会社名
  • 注文書番号
  • 注文の詳細
  • 合計金額

待機中の注文ビュー

次のすべての条件を満たす:
  • チケットグループ | = | 注文
  • チケットのステータスが「待機中」である
  • チケットタグ | 少なくとも次の1つを含む | on hold:need.more.info
表示可能な列
  • 注文番号
  • リクエスト日
  • リクエスタ
  • 組織
  • 注文書番号
  • 注文の詳細
  • 合計金額

フルフィルメントエスカレーション用ビュー

注文通知に問題があるとカスタマーから報告があった場合、チケットにフルフィルメントエスカレーションのタグを付け、指定された担当者に割り当てることで、これらの問題が他の注文のキューに埋もれないようにしています。このタグを追加することで、すべてのエスカレーションを1か所に集めて迅速に解決することができます。

次のすべての条件を満たす:
  • チケットグループ | = | 注文
  • チケット担当者 | = | {{Orders Agent}}
  • チケットのステータス | より少ない | 解決済み
  • チケットタグ | 少なくとも次の1つを含む | fulfillment_escalation

表示可能な列

  • リクエスト日
  • 組織
  • リクエスタ
  • 注文番号
  • 注文書番号
  • 件名

ステップ7:トリガを作成する

ここから、注文を実際にZendeskで処理します。少なくとも1つのトリガを作成して、注文をサポートキューに入れるのではなく、直接プロセスに入れるようにします。当社では、次のように設定しました。

これらの条件を満たす:
  • チケット = 作成された
  • チケットのステータス | ≠ | 解決済み
  • チケットの受信アドレス...:orders@innovolt.com
    メモ:サポートアドレスを使用して、Zendeskポータルを通じて、注文やその他すべてのタスクが適切にルーティングされるようにします。
これらのアクションを実行:
  • チケットグループ:注文
  • チケット担当者:{{Orders Agent}}
  • チケットフォーム:注文フォーム
  • タグを追加:open_order
  • チケットの出荷方法:陸送
  • チケットの運送費請求先:先払い
    メモ:この2つは最もよく選択されるオプションであるため、指定する時間を省けます。
  • 通知:ユーザー(リクエスタ)にメールを送信
  • メールの件名:注文を受け付けました
  • メールの本文:

    注文を受け付けいたしました。誠にありがとうございました。

    今後の流れをご説明します。

    ご注文は2営業日以内に処理されます。ご注文の処理が完了した時点で確認書をお送りし、商品が出荷されましたら追跡番号をお知らせいたします。

    ご不明な点はございましたら、

    http://innovolt.info/submit-request

    ご注文内容を確認または変更するには、このメールに返信いただくか、下記のリンクをクリックしてください。

    {{ticket.link}}

    {{ticket.public_comments_formatted}}

ステップ8:マクロを作成する

各ステップの最後に使用するマクロを3つ設定しています。
  • 注文承認用マクロ
  • カスタマー宛の注文プロセス確認マクロ
  • 出荷済みマクロ
ヒント:当社では部門やユースケースごとに異なるマクロを用意していますが、私はそれらを2つの方法で整理しています。1つは、マクロをすべてのエージェントが利用できるようにするのではなく、グループに割り当てる方法、もう1つは、コロンを使ってマクロをカテゴリ別に整理する方法です。上記のマクロはすべて、「注文 :: [マクロタイトル]」で始まるため、マクロメニューでグループ化されて表示されます。

注文承認用マクロ

  • チケットグループ:注文
  • チケット担当者 | = | {{Orders Agent}}
  • チケットのコメントモード:プライベート
  • チケットのコメント/説明:「この注文の処理を進めてください」
  • チケットからタグを削除:open_order
  • チケットにタグを追加:order_ready_to_process

カスタマー宛の注文プロセス確認マクロ

このマクロでは、カスタムフィールドのプレースホルダを利用しています。

  • チケットのステータス:待機中
  • チケット担当者:{{Orders Agent}}
  • チケットにタグを追加:processed_order
  • チケットからタグを削除:order_ready_to_process
  • チケットに件名をセット:「お客様の最新のInnovoltへのご注文を注文書番号 {{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}} として受け付けました」
  • チケットのコメント/説明:

    こんにちは、{{ticket.requester.first_name}}様

    ------

    お客様の最新のInnovoltへのご注文を**注文書番号

    {{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}} ** として受け付けました。

    **Innovolt注文番号 INVTW{{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}}**

    **出荷先: {{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}**

    **注文の詳細 {{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}}**

    **合計金額:${{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}}**

    **出荷方法:{{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}} ({{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}})**

    *ご注文の品が出荷されましたら、出荷のご案内と追跡番号をお知らせいたします*

    ------

    ご注文を確認または変更するには、[こちらをクリック]({{ticket.link}}) してください。

    Innovoltをお買い上げいただき、ありがとうございました。

    今後ともInnovoltをよろしくお願いいたします。

    {{current_user.name}} ”

出荷済みマクロ

  • チケットのステータス:解決済み
  • チケットからタグを削除:processed_order
  • チケットにタグを追加:shipped_order
  • チケットのコメントモード:プライベート
  • チケットのコメント/説明:"この注文は{{ticket.ticket_field_option_title_XXXXXXXX}}日に出荷されました"(カスタムプレースホルダに出荷日が入ります)

レポーティング

Zendeskによる注文処理のもう一つのメリットは、Exploreを設定すれば、Zendeskで処理した注文に基づいて毎月の販売状況をレポートできる点です。そのためには、数値のカスタムフィールドを集計できるレポート(必要に応じてダッシュボードも)を作成します。次の記事では、Exploreを自社のニーズに合わせて活用するためのヒントが紹介されています。

  • ダッシュボードの作成
  • カスタムフィールドを使用したレポーティング
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