ヘルプセンターには、コンテンツの検索を最適化できる独自の検索機能がありますが、カスタマーはほかの検索ツールを使ってコンテンツを特定する場合もあります。この点を考慮することが重要です。検索エンジンの最適化(SEO)は、カスタマーの自己解決をサポートするうえで役に立ちます。これを行えば、カスタマーは、Googleなどの検索エンジンで簡単にコンテンツを見つけられるようになります。ヘルプセンターのコンテンツを検索結果のなかに適切に配置できるようになるのです。
検索エンジンは多くの場合、それ自体のアルゴリズムを簡単に調整することができます。そのため、SEOに求められる要件は常に変化することになりますが、問題ありません。ヘルプセンターを構築すれば、コンテンツが常にSEOの最新のベストプラクティスを利用するようになります。
この記事では、検索エンジン向けにヘルプセンターを最適化する方法を説明します。また、ヘルプセンターをカスタマーにとって役立つものにし、Googleなどの広く利用されている検索エンジンの検索結果でコンテンツを上位に表示させるために、ヘルプセンターをどのように構築すべきか、この点についてもご理解いただけます。
この記事では、次のトピックについて説明します。
SEOを利用したサポートを行うヘルプセンターを設計する
SEOは、コンテンツ、リンク、構造という3つの柱として捉えることができます。それぞれの柱が強固なものとなるようヘルプセンターを設計すれば、SEOで満足のいく結果が得られます。
ここでは、以下のトピックについて説明します。
ヘルプセンターで利用するSEOの柱1:コンテンツ
コンテンツはほとんどの場合、文字で書かれたテキストとして定義されますが、画像や動画、添付ファイルなどを含むこともあります。まずは、ヘルプセンターのコンテンツの管理を行いましょう。そのためには、コンテンツの利用方法や更新の方法、コンテンツの質、コンテンツの配置場所を考慮することが重要です。
メタ説明タグ
ヘルプセンターのナレッジベース(KB)の記事やコミュニティの投稿には、記事や投稿の最初の140文字を囲む形で自動的にメタ説明タグが挿入されます。ヘルプセンターでは、KBのカテゴリやセクション、コミュニティのトピックを要約する目的でこのタグを使用します。
メタ説明文には、Webページの内容が簡潔に説明されています。メタ説明文は通常、検索エンジンの検索結果ページでページのプレビュースニペットを表示するために使用されます。
ヘルプセンターで利用するSEOの柱2:リンク
リンクには、内部リンクと外部リンクがあります。たとえば、あるページを参照して、コメントを行うことを考えてみましょう。そのページを参照してコメントを残すユーザー(ドメイン)が多いほど、検索エンジンは、参照されたページの内容を信頼するようになります。
ヘルプセンターのURL構造は、Googleなどの検索エンジンがコンテンツにたどりつきやすくなるよう、シンプルでわかりやすいものになっています。ヘルプセンターのURLには、次のようなIDとスラグがあります。
https://[domain]/hc/en-us/articles/[id]-[slug]
つまり、人にも検索エンジンにも判読できるようになっており、タイトルや記事を変更しても、つながりが切れないようになっています。以下はその例です。
https://support.zendesk.com/hc/en-us/articles/203691506-Lesson-5-Business-Rules
ヘルプセンターのあらゆる階層にたどりつけるよう階層リンクが用意され、フローも自然になっているため、サイトマップがなくても、移動が容易です。
ヘルプセンターで利用するSEOの柱3:構造
構造では、クローリング、インデックス化、サイトアーキテクチャといった技術領域を扱います。
ここでは、以下のトピックについて説明します。
コンテンツの重複
コンテンツが重複していると、検索エンジンのページのランキングに混乱が生じる可能性があります。検索エンジンがページの選択を誤ることもあり、そのため、ページによってはランキングが低下します。サイトの構成を適切なものとし、コンテンツの重複を避けるのはもちろんですが、ヘルプセンターでは、Canonical URLタグを使用して、コンテンツの重複の影響を最低限に抑えています。
正規化というプロセスが使用されており、このプロセスでは、選択対象のURLが複数存在した場合に最良のURLを選択するようになっています。Canonical URLタグは、WebページのHTMLヘッダーに埋め込まれる、ページレベルのメタタグです。どのURLが表示するページの正規バージョンであるのかを検索エンジンに伝えます。検索エンジンのインデックスから重複コンテンツを除外し、複数あるページを「正規化された」1つのページにまとめることをその目的としています。詳しくは、Googleの記事「Use canonical URLs(Canonical URLの使用)」を参照してください。
Alternate hreflang
ヘルプセンターでは、クローラが言語セレクタの影響を受けて混乱しないよう、ホームページ、セクションページ、カテゴリページ、記事ページの各ページにhreflangタグを使用しています。hreflangタグ(rel="alternate" hreflang="x"とも呼ばれる)は、特定のページで使用している言語を検索エンジンに伝えて、その言語で検索を行っているユーザーに検索エンジンが最も有用性の高い検索結果を提示できるようにします。
たとえば、ヘルプセンターの英語記事のドイツ語版を作製した場合、ドイツ語版には、hreflang=“de”のタグが付きます。これにより、ドイツのIPアドレスを使用して検索が行われ、ドイツ語のページが表示されます。詳しくは、Googleの記事「Use hreflang for language and regional URLs(言語および地域別URLの対応におけるhreflangの使用)」を参照してください。
テンポラリーリダイレクト
ヘルプセンターでは、302の使用を最小限に抑えています。302は一時的な転送に使用するHTTPのステータスコードで、リクエスタを自動的に別の場所に転送します。Googleは、リクエスタの転送元と転送先の両方のページにインデックスを付与します。つまり、複数のページにインデックスが付与されることになります。
検索ランキングは、処理の速度やWebサイトのパフォーマンスの影響を受けることがあり、このため、ヘルプセンターでは、パフォーマンスに関する定期的な作業を行っており、キャッシュ機能の活用や冗長性の排除、コードの最適化によりページやエレメントの読み込み時間を短縮しています。
HTTPSの常時使用
2014年8月にGoogleは、検索のランキングシグナルとして今後HTTPSを使用すると発表しました。ヘルプセンターでは、暗号化されたセキュアな接続が確保されるよう、常にHTTPSを使用しています。
モバイルフレンドリー
2015年4月にGoogleは、モバイルフレンドリーであることを今後、検索のランキングシグナルとして使用すると発表しました。これによってユーザーは、モバイルデバイスに最適化された、関連性のある質の高い検索結果が得られるようになります。ヘルプセンターを使用すると、モバイルサイトの併設やカスタムのレスポンシブテーマの作成よってコンテンツをモバイル対応にすることができます。
自動XMLサイトマップ
標準のヘルプセンターの構造でも、ブレッドクラムによる明確なマーキングで、検索エンジンがページを正確にインデックス付けできるようになっていますが、XMLサイトマップの導入により、ヘルプセンターの構造に関係なく、すべてのページで検索エンジンが表示されるようになりました。
XMLサイトマップは、Google検索ページなどの検索エンジンがヘルプセンターのナレッジベースでページを見つけるのに役立ちます。これにより、ユーザーは検索時にカテゴリやセクション、記事を見つけることができますが、これらのページの個々のランキングには影響しません。サイトマップにはコミュニティのコンテンツは含まれません。
サイトマップは自動的に有効になり、新しいコンテンツで2時間ごとに更新され、検索エンジンに最新のコンテンツが確実に提供されます。サイトマップへは、ヘルプセンターのrobots.txtファイルを使用して、検索エンジンのクローラからアクセスできます。ヘルプセンターでサインインを要求する場合、サイトマップは自動生成されません。Webクローラーは、非公開型ヘルプセンターおよびアクセス制限付きヘルプセンターにはアクセスできません。
ヘルプセンターのXMLサイトマップは、subdomain.zendesk.com/hc/sitemap.xmlで見ることができます。
検索エンジン向けにヘルプセンターを最適化する
ヘルプセンターとそのコンテンツを検索のために最適化する場合、ヘルプセンターの検索機能だけでなく、広く使用されている検索エンジンについても、その基本的な仕組みを頭に入れておくことが重要です。検索結果を向上させて、質問の回答を見つけやすくするには、さまざまなやり方があります。
検索の最適化のためのベストプラクティス
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質の高いオリジナルのコンテンツを作成しましょう。サイトのコンテンツは、高品質で特徴のある独自のものにする必要があります。そうすることで、ユーザーのページの滞在時間が長くなり、記事へのリンク件数も増える傾向にあります。また、ヘルプセンターのGoogleランキングも向上します。
ページの内容を正確に伝える短いタイトルを記事に付けます。大量に出回っているような内容の記事や、ほかのサイトから集めた情報を投稿するのはやめましょう。訪問者のユーザーエクスペリエンスを高めることを第一に考えてコンテンツを作成するようにします。ほかの記事にリンクを行う場合は、リンク先の内容を正しく伝えるようにしましょう。標準のヘルプセンターのテーマを使用していない場合は、リンクをわかりやすく表示するようにします。
- ユーザーエクスペリエンスを高めましょう。ヘルプセンターの見栄えを整え、簡単に移動ができるものにします。
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記事のタイトルや本文に同義語やキーワードを目立たないように含めるようにしましょう。同義語やキーワードはラベルとして記事に追加することもできます。検索の重み付けは記事のタイトルの比重を最も多くし、ラベルはやや少なめにして、本文の比重を一番少なくします。
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キーワードをやたらと詰め込むのはやめましょう。Googleのランキングに悪影響を与えることがあります。Googleでは、文脈に合ったキーワードを適切に使用した、情報量の多い有用なコンテンツを作成するように推奨しています。Googleの記事「キーワードの乱用」を参照してください。
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ホワイトスペースを活用してワードラベルを複数作成します。アンダースコアとスペースは、ヘルプセンターの検索では互換性がありません。ほとんどのユーザーはアンダースコアを使って検索をしないため、両方のタイプのラベルを使うようお勧めします。
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記事の内容を正確に表しているタイトルを選択します。タイトルは、検索結果内でもっとも目立つ情報です。多くの場合、タイトルが、リンクをクリックして内容を見るかどうかを決める判断材料として使用されます。
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コンテンツを宣伝します。サイトの評価とGoogleランキングを高める、有用で品質の高いコンテンツをハイライトします。
たとえば、重要なコンテンツを新たに追加した場合、ヘルプセンターのホームページで告知します。マイナーな更新や追加情報については、告知しないようにします。わずらわしい情報が増えるだけで、ユーザーはX(旧Twitter)フィードでその企業の告知をオフにしてしまうかもしれません。
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数値を精査します。Googleアナリティクスを活用して、訪問者やコンテンツについての情報を集め分析しましょう。たとえば、直帰率を特定し、まずは検索の最適化の効果を測定します。詳しくは「ヘルプセンターでのGoogleアナリティクスの有効化」を参照してください。