自動化はトリガに似ています。どちらも、条件やアクションを定義することで、チケットのプロパティを修正したり、必要な場合に電子メール通知をカスタマーやエージェントに送信したりすることができます。ただし、自動化は、チケットが作成または更新された後すぐにではなく、チケットのプロパティが設定または更新された後、時間イベントが発生したときに実行されるという点でトリガとは異なります。
すべての自動化は、すべての終了していないチケットに対して、1時間ごとに実行されます。自動化は、条件に一致したすべてのチケットに対して実行または適用されます。
自動化の作成と管理の詳細については、「時間ベースのイベントと自動化を使用したワークフローの効率化」を参照してください。デフォルトの自動化の一覧については、「Supportのデフォルトの自動化の概要」を参照してください。
自動化に関する基本事項
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自動化は時間を基準としており、チケットが作成または更新された直後ではなく、時間イベントが発生したときにアクションを実行します。
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自動化は1時間ごとに実行されますが、必ずしも毎時正時に実行されるとは限りません。自動化は1時間中のいずれかの時点で開始されます。
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自動化は、常に、1時間ごとに同じ開始時刻から実行されます。
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自動化は、終了したチケットには実行または適用されません。
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自動化には、一度だけ真になる条件、または条件の少なくとも1つを無効化するアクションが含まれている必要があります。これらが含まれていないと、自動化の実行が無限ループに陥ります。
自動化の概要
自動化はワークフローの管理に役立ちます。また、エスカレーションの必要な未解決チケットについて自動化を使って注意を促すことで、パフォーマンスとカスタマー満足度の向上を期待できます。
- 担当のチケットが未解決のまま所定の時間が経過した場合に、その旨をエージェントに通知する
- 新しいチケットが未割り当てのまま所定の時間が経過した場合に、その旨をエージェントグループに通知する
- 保留中のチケットをリクエスタが最後に更新した後、所定の時間が経過したら、その旨を担当のエージェントに通知する
- チケットが「解決済み」に設定された後、所定の日数が経過したらチケットを終了する
- 一定期間更新されていない「中断」しているチケットを見つける
- 営業時間外に追加されたチケットコメントに、遅延通知を送信する(トリガと自動化の併用については、「Setting up a time delayed comment(時間外のコメントを設定する)」を参照してください。)
- 緊急のチケットが48時間以上放置されている場合にSMSテキストメッセージを送信する(ターゲットと自動化の併用については、「自動化およびトリガでターゲットを使用する」を参照してください。)
これらの一般的な用途の一例として、Zendeskには以下のような自動化があります。
この自動化は、チケットが解決されてから96時間後にチケットを終了します(96時間は、解決済みになったチケットを終了するまで、最低限サポートに残しておく期間のベストプラクティスです)。この自動化が実行されると、この条件を満たすチケットがすべて終了となります。終了アクションは、以下のようになります。
チケットを終了すると、それ以降そのチケットは編集できなくなり、自動化の影響も受けなくなります。
また、この例には、「自動化には条件をキャンセルするアクションを含める必要がある」という自動化の重要なルールも示されています。「ステータスが解決済み」という条件は、「ステータスが終了済み」というアクションによってキャンセルされます。キャンセルアクションが含まれない場合、自動化は無限ループとなり、起動を繰り返します。これは、ステータスが「解決済み(終了ではない)」のままとなり、条件の基準に一致し続けるためです。
自動化が確実に1回だけ実行されるようにする
自動化は、条件が満たされたかどうか、1時間ごとにチェックします。そのため、自動化には以下のどちらかが必ず含まれている必要があります。
- 条件の1つを無効化するアクション
- 1回のみ真となる条件
無効化にするアクションまたは1回だけ真となる条件のどちらも含まれていない場合、修正されない限り条件が一致し続けるため、自動化は無限ループとなって実行され続けます。
一般に無効化される条件の例は、「チケットの優先度」条件です。チケットの優先度条件は、通常、「作成されてからの時間数」と組み合わせて使用されます。たとえば、チケットの優先度が「普通」(「チケット: 優先度」>「=」>「普通」)の場合、優先度を「高」(「チケット: 優先度」>「高」)または別の優先度に変更するアクションを含めることで、条件は無効化されます。
1回だけ「真」となる条件の例は、「オープンになってからの時間数」条件です。この条件は、無効化アクションを必要としません。たとえば、チケットがオープンになってからの時間数が4時間の場合(「チケット: 作成されてからの時間数」>「=」>「4」)、この条件は、1回めのチェックでのみ「真」になります。次回のチェックでは、オープンになってから5時間が経過しているため、この条件は「偽」となります。
条件をキャンセルするには、タグを追加するやり方が簡単です。自動化はタグをチェックし、そのタグが付いていない場合、そのタグをチケットに追加し、アクションを実行します(通知を送信するなど)。タグがチケットに付いていれば、自動化がそのアクションを再び実行することはありません。
自動化を実行する状況について
自動化は1時間ごとに実行されますが、必ずしも正時に実行されるわけではありません。自動化は、1時間内のいずれかの時点で開始されます。たとえば、正時から5分過ぎ、または38分過ぎに開始されるかもしれません。自動化は、常に、1時間ごとに同じ開始時刻から実行されます。
自動化は毎時同じ時刻に開始されますが、適用されるのはずっと後になることもあります。自動化を実行するのにかかる時間は、処理する自動化の数やチケットの件数に応じて異なります。自動化は、開始時刻から1時間後に(終了時刻の1時間後ではなく)再び実行されます。
各自動化は、毎時最大1,000件のチケットを処理できます。自動化の条件を満たすチケットが1,000件を超える場合、最初の1時間で1,000件のチケットが処理されます。残りのチケットは、引き続き条件を満たしていれば、次の1時間に処理され、残りはまた次の1時間に処理されます。すべてのチケットが処理されるまで、1時間ごとに処理を繰り返します。自動化のジョブが非常に大きい場合、小さいジョブだったら最初の1時間で完了するはずの処理に、数時間要する場合があります。
自動化が適用される状況について
自動化は1時間ごとに実行され、条件に一致したチケットに対して適用されます。自動化が起動され条件が満たされると、各自動化が起動されます。つまり、チケットに対してアクションが実行されます。つまり、サイクル中に自動化が起動するたびにチケットが更新されているため、すべての自動化が同じ状態のチケットを参照するわけではありません。1つの自動化のアクションが、同じ時間枠の別の自動化のアクションに影響を与えることがあります。
- 自動化#1:ステータスが48時間以上「保留中」の場合、担当者に通知する
- 自動化#2:ステータスが48時間以上「保留中」の場合、優先度を「高」に変更する
- 自動化#3:優先度が「高」の場合、エスカレーショングループに通知する
自動化が起動し、順番に適用されます(条件が満たされた場合)。48時間以上保留になっているチケットがある場合、自動化が49時間目に実行されると、自動化#1が起動し適用された後で、自動化#2が起動し適用されます。自動化#2が起動すると、チケットが更新され、優先度が「高」になります。つまり、自動化#3が起動すると、条件が満たされ、自動化#3が実行されます。
- 自動化の実行時にアクションが実行される例について検討してみましょう。午前10時15分に更新されたチケットが、メール通知を送信する自動化の条件を満たしているとしましょう。この自動化が午前11時10分に実行される場合、条件が満たされてから55分経過するまで通知は送信されません。ただし、この自動化が午前10時20分に実行される場合、条件が満たされてから5分後に通知が送信されます。
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時間ベースの「~してからの時間数」条件の例をみてみましょう。時間ベースの条件は、所定の時間内に、または一定の最少時間が経過してから、満たされる必要があります。イベントが発生してから自動化が初めて実行される時点が、「ゼロ」時間としてカウントされます(1時間未満であるため)。チケットが解決されてから2時間後にアクションを実行する自動化があり、チケットが午前9時15分に解決されたとします。その後の経過を以下に示します。
- 自動化が午前10時10分に実行された場合、チケットが解決してから55分しか経過していないため、自動化は適用されません。
- 自動化は午前11時10分に再び実行されます。チケットが解決してから1時間と55分が経過していますが、自動化では1時間とカウントされます(2時間未満であるため)。
- 自動化は午後12時10分に再び実行されます。チケットが解決してから2時間55分経過しているので、自動化では2時間とカウントされます。つまり、条件は満たされたので、自動化が適用され、チケットが更新されます。
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