- はじめに
- 手順1: チャットの目標とビジネス目標の整合
- 手順2: カスタマーエクスペリエンスとチャット件数の管理
- 手順3:スタッフ要件の決定
- 手順4: エージェントのトレーニング
- 手順5: チャットワークフローの作成
- 手順6: 成功指標の監視とチャットの導入
前のセクションでは、チャット件数に影響を与える可能性があるユーザーエクスペリエンス要因について説明しました。 チャットエクスペリエンスを設計するときに、サポートチームに必要なチャットエージェント数も検討することもできます。
エージェント数の計算
組織ごとに独自のサポート要件があり、そのためスタッフのニーズも異なります。計算をより簡単にするために、サポートチームに必要なエージェント数を決めるときに検討しなければならない問題をいくつか簡単にまとめました。
チャット提供時間中に予測されるWebサイト訪問者数はどれくらいか? |
[Webサイト訪問者数] |
チャットはリアクティブかプロアクティブか? |
[チャットの種類] |
Webサイトで1日何時間チャットを提供するか? |
[チャット提供時間] |
エージェントが1回のチャットに費やす時間(分)をどれくらいに設定するか? |
[平均チャット時間] |
1人のエージェントが同時に応対できるチャット数は何件か? |
[同時チャット件数] |
上の各質問に答えることで、Webサイトに必要なエージェント数を決めることができます。 たとえば、この基準をOmni Wearという会社の例に当てはめてみましょう。
- Webサイト訪問者数: 10,000
- チャットの種類: リアクティブ
- チャット提供時間: 8時間
- 平均チャット時間: 12分
- 同時チャット件数: 4
これに基づいて、次のように推測できます。
- Omni Wear社では、1日に1,000チャットを受信します(リアクティブなチャットで控え目に見積もって、Webサイト訪問者の10%)
- 同社では1時間に125件のチャットに対応します(1日1000チャットを提供時間の8時間で割る)
- このためOmni Wear社には6.25人のエージェントが必要です(25人のエージェントが1時間あたり125件のチャットを解決できます(12分で1件のチャットを解決)。 一度に4件のチャットに応対する場合は、6.25人のエージェントでその数を解決できます)
上の式は単なる目安であり、エージェントの休憩時間、勤務時間のシフト、大きく異なる顧客の要件などは計算に含まれていません。
Webサイトに必要なエージェントの人数を決めるために、staffing calculator(スタッフ数計算表)に自分の答えを入力してください。
スタッフ数のニーズを設定したら、待機時間とCSATを継続的に監視して、最適な数字であることを確認してください。 1エージェントあたりのチャット件数が増え、待機時間が増えるにつれて、ライブチャットのCSATが下落する傾向があります。
高度なスタッフ配置モデルの作成
staffing calculatorと上の式で必要なエージェントのおおよその数を求めることができますが、最終的な数字は組織およびビジネス目標によって異なります。 エージェントの数を決めるときに注意すべきことが他にもいくつかあります。
チャットの目標は?
全体的なサポートコストを減らすことが目標である場合、当然、エージェントの数を減らしたいと思うでしょう。あるいは、CSATを向上させることが目標である場合は、エージェントひとりあたりの応対する顧客の数を少なくすることをお勧めします。
製品の複雑さおよび予測される問い合わせは?
複雑な製品には、より多くの顧客サポートが必要です。エージェントが顧客に対応する時間が長くなる可能性があり、これにより平均チャット時間が増加します。顧客が応対を待つ時間が長くなりすぎないようにするには、エージェントを増やすことを検討してください。
最もチャット件数が多い時間帯はいつか?
ピーク時間帯、件数の少ない時間帯に必要なチャットエージェント数をよりよく理解するには、最も忙しい日の時間ごとのトラフィックを分析し、一日を通して受信するチャット件数を見積もってください。この件数を各エージェントがこれらの時間帯に処理できるチャットの件数で割ります。
エージェントの熟練度は?
これまでにチャットの経験がないエージェントは一度に1、2件のアクティブなチャットにしか対応できませんが、熟練したエージェントであれば簡単に4~6件のチャットに対応できます。エージェント全員がチャットの初心者である場合は、同時に対応するチャットの件数を減らす必要があるかもしれません。これは、スタッフ数の検討に影響を与える可能性があります。
チケットの解決にどれくらい時間がかかるか?
大部分のチケットがワンタッチで(メールにより15分以内で)解決できる場合、これらのチケットはチャットではさらに短い時間で解決できます。最優先のチケットをメールで解決するエージェントが10人いるとした場合、これらの問い合わせは専任のチャットエージェントなら10人以下で解決できます。
エージェントに複数のチャネルをサポートさせるか?
エージェントがチャットとチャット以外のチャネルを切り替えてサポートを行う場合、専任のチャットエージェントに比べて処理できるチャット件数が少なくなる可能性があります。
チャット転送を使用するか?
チャット転送が有効になっている場合、受信チャットリクエストはすべて自動的にエージェントに転送されます。 これにより、必ずすべてのエージェントが同じ数のチャットを受け取ります。 この機能を有効にすれば、各エージェントが応対するチャット件数の計算がはるかに容易になります。
次のステップ: 手順4: エージェントのトレーニング