- はじめに
- 手順1: チャットの目標とビジネス目標の整合
- 手順2: カスタマーエクスペリエンスとチャット件数の管理
- 手順3: スタッフ要件の決定
- 手順4: エージェントのトレーニング
- 手順5:チャットワークフローの作成
- 手順6: 成功指標の監視とチャットの導入
ほとんどの企業ではチャットによるサポートだけではなく、メール、ソーシャルメディア、ヘルプフォーラム、FAQ、電話によるサポートも提供しています。
複数のチャネルにわたってサポートを提供することは容易ではありませんが、顧客に最高のエクスペリエンスを提供したいと考える企業にとっては重要なことです。たとえば、Facebook上で顧客から出荷ポリシーについての問い合わせがあった場合、単に質問に答えるだけでなく、答えと一緒にFAQ上のページへのリンクも示せば、さらに効果的かもしれません。おそらく、顧客には関連する質問が多数あるため、FAQセクションを案内することにより、一度にすべての質問に答えることができます。
これによりCSATが上がるだけでなく、全体的なチャット件数が減り、顧客にすばやく対応できるようになります。このようにしてチケットの作成を抑えるプロセスを導入することは、チャットチャネルを成功させるために重要なことです。
適切なサポートツールを見つける
Zendesk Supportでは、1つのダッシュボードからすべてのチャネルのステータスを監視します。
Supportプラットフォームは以下の操作をより簡単にします。
- 顧客への応答(チケットの作成)
- セルフサービスの答えの提供(ヘルプセンター)
- 積極的に働きかける
ChatはZendesk Supportにシームレスに組み込まれているため、エージェントはチャット、電話による通話、メール、ソーシャルメディアメッセージへの対応を簡単に切り替えることができます。
ワークフローの作成
Chatと適切に連動するサポートスイートを選択したら、以下のことを解決するワークフローを設定しましょう。
- 顧客の安定したサポートエクスペリエンス
- 信頼できるエスカレーションパス
- エージェントの割り当てプラン
- リアルタイムのチャネルの管理と監視
顧客のサポートエクスペリエンス
調査によれば、オンラインショッピング客の83%が購入を決める際にサポートを必要としていることがわかっています。 つまり、何らかの形でサポートを提供しない企業は、最大で顧客基盤の4分の3を失うことになります。
しかし、顧客が好みのチャネルを使って、好きなときに企業とつながることができれば、満足度が上がります。 顧客が望む連絡方法を予測し、その方法を提供できることが大切です。
Zendeskを使えば、メール、電話、ソーシャルメディア、チャットによるサポート、さらにはナレッジベースやコミュニティを設定できます。
訪問者がWebサイトにアクセスすると、Web Widgetからのあいさつを受け、ショッピング体験を中断することなく、チャットの開始、ヘルプセンターへのアクセス、サポートへのメール送信を促されます。
このシームレスなサポートエクスペリエンスにより、顧客は望みどおりのサポートを受けることができます。
エスカレーションパス
たいていの場合、チャットエージェントは顧客の問題を1回で解決することが期待されます。 しかし、エージェントにソリューションを提供する知識、経験、時間がない場合があります。 そのような場合は、エスカレーションプランを立てておくと良いです。
Zendesk ChatとZendesk Supportを利用すれば、チャット中またはチャット後にチャットチケットを簡単に別のエージェントに割り当てることができます。2番目のエージェントは、メールなどを使って顧客と直接やり取りして、顧客の問題を解決できます。
エスカレーションの主なメリットとして次の3つがあります。
- 最も適格なエージェントが問題を処理する
- 最前線のチャットエージェントが時間を割いて、複数の顧客をサポートできる
- サポートプロセスの不備を簡単に見つけて解決できる
エージェントの割り当てプラン
マルチチャネルのカスタマーサービスを提供することは企業のサポート戦略の要となります。 場合によっては、エージェントがすべてに対応することはできないため、エージェントをチャネルに割り当てるプランが設定されていることが重要になります。
チャネルの割り当てには、2つの方法があります。共有モデルでは、エージェントは一部または全部のチャネルを同時に処理します。専任モデルでは、エージェントは1つのチャネルに集中しています。
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専任モデル: いずれの方法にも一長一短がありますが、一般には、組織に10人以上のエージェントがいる場合は、専任モデルを使用することをお勧めします。この形式では、エージェントは1つのチャネルの顧客に集中します。たとえば、チャットエージェントはシフト中、チャット顧客にのみ対応します。
このモデルでは、エージェントは1つのチャネルを確実に理解し、顧客をサポートする最も効果的な方法を見つけることができます。さらに、専任モデルではサポートチームをより効果的にスケーリングできます。
このモデルの短所は、エージェントが顧客の問題をよく理解していないことがよくあり、結局は複雑な問い合わせをエスカレーションすることになることです。その結果、エージェントが開発するスキルセットが浅くなる可能性があります。 -
共有モデル: 共有モデルでは、エージェントは最も注意が必要なチャネルで作業し、他のチャネルが忙しくなるとそのチャネルに切り替えることが期待されます。たとえば、共有エージェントは1日の作業をメールサポートで始めて、チャットの受信が増え始めると、チャットへの対応に切り替えます。
このモデルの長所はエージェントが時間を最大限に活用して、常に顧客の問い合わせを解決することです。しかし、エージェントがほとんど予告なしに複数のチャネルを効率的に切り替えることができるようになるには、高度なトレーニングを受ける必要があります。
リアルタイムのチャネルの管理と監視
エスカレーションパスとチャネル割り当てプランは、ブラックフライデーセールスのような取引量の多い期間中はなくなる可能性があります。 カスタマーサービスのレベルが低下しないようにするには、常にサポート基準を監視するマネージャがいることが重要です。 監視 を利用して、サポートチームのマネージャは、受信チャットの待ち呼のサイズ、平均待機時間、全体的なエージェントのチャット負荷、およびCSATスコアの概要を把握することができます。
このダッシュボードを使って、サポートマネージャは顧客がこれまで受けていたのと同じ品質のサポートを引き続き受けられるようにするために迅速に判断を下すことができます。たとえば、チャットの待ち呼が増大し、待機時間が長くなっていることにサポートマネージャが気付くと、別のチャネルからエージェントを引き抜いて、チャットで顧客への対応を開始するように依頼します。
Zendesk Chatのネイティブ機能
Chatはチャットの管理を簡単にする多数の機能を提供します。
- ショートカットまたは「定型文の回答」を使用して、あいさつ、さまざま言語による問い合わせ、よくある質問への応答、ヘルプセンターへのリンクを作成できます。 ショートカットを使えば、エージェントはより迅速に質問に回答し、ブランドの一貫性を維持することができます。
- 部署は、場所(国)、製品、ブランド、ビジネスユニット(請求、サポート)、またはスキルレベルに基づいてエージェントを区分するのに役立ちます。 これにより、最も知識の豊富なエージェントが特定の問い合わせを処理することが保証されます。
- トリガは、顧客に積極的に働きかけ、コンバージョンを増やす優れた方法です。 トリガを使って、所定の条件を満たすと実行されるアクションを自動作成できます。 たとえば、トリガを作成して、あなたのWebサイトの特定のページで立ち往生してしまった訪問者を助けることができます。
- チャットの評価を使って、顧客はチャット中に肯定的/否定的な評価を残すことができます。 これによりCSATおよびエージェントのパフォーマンスを測定できます。
- 分析により、チャットとエージェントのアクティビティの概要を知ることができます。 これを利用して、顧客とのチャットをトラッキングし、チームの効率を上げることができます。
- チャットの転送では、受信チャットを自動的にアクティブなエージェントに割り当てることができます。 これにより、顧客は迅速なサポートを受けることができ、エージェントの負担が大きくなり過ぎず、チームマネージャは件数を管理できます。
- 監視は、マネージャがすばやく理解できるチャットの概要およびCSAT指標を提供します。 これにより、チャット件数、訪問者のエクスペリエンス、エージェントのパフォーマンスに関する有用なデータを提供して、短期の労働力管理判断を可能にします。
- 高負荷ダッシュボードは、何千人もの同時訪問者がある組織にとっては有用です。 受信チャットと現在対応中の訪問者のみが表示されます。 その他の訪問者は非表示のままです。
- REST APIは、チャット、エージェント、訪問者データを使用して、サードパーティのアプリにエクスポートできます。 このデータを使用して、独自のレポートおよびモニターツールを作成できます。
その他の検討事項
ワークフローを微調整するときに、以下のことに注意してください。
- サポートを提供する(提供を計画する)チャネルは?
- サポート提供について顧客からどのようなフィードバックがあるか?
- サポート予算はどれくらいか? 効果的にスタッフを配置できるチャネル数はどれくらいか?
- 顧客にどのような種類のエクスぺリンスを提供するか?
- 顧客に使用するサポートチャネルを選択するオプションを提供するか? あるいは、最初にチャットを提供し、エスカレーション用に電話サポートのみ提供するか?
- チャットサポートを提供するのは誰か? 専任のチャットチームがあるか、それとも既存のメールチームがメールとチャットの両方をサポートするのか?
- エージェントとサポートマネージャにはどれくらいの経験があるか? 彼らは複数のチャネルを管理できるか?
次のステップ:手順6: 成功指標の監視とチャットの導入