- はじめに
- 手順1: チャットの目標とビジネス目標の整合
- 手順2:カスタマーエクスペリエンスとチャット件数の管理
- 手順3: スタッフ要件の決定
- 手順4: エージェントのトレーニング
- 手順5: チャットワークフローの作成
- 手順6: 成功指標の監視とチャットの導入
主要成功指標を手に入れたら、今度はカスタマーエクスペリエンスについて考えてみましょう。 Webサイトでチャットを提供する場所、時間、方法を管理して、最適なユーザーエクスペリエンスを提供してください。 これはCSATに影響を与えるだけでなく、チャット件数にも影響を与える可能性があります。
平均的なWebページでは、訪問者100人あたり5~15件のチャットを受け取ります。 ただし、この数字は次のようなさまざまな要因に影響を受ける可能性があります。
- チャットウィジェットの場所(チャットの場所)
- チャットにアクセスした人数(チャットアクセス)
- 利用できる時間の長さ(チャットのタイミング)
- チャットがプロアクティブ(能動的)かリアクティブ(受動的)か(チャットのインタラクション)
チャットの場所
通常、チャットウィジェットの場所はチャットの目標に即していなければなりません。
- ほとんどのeコマースサイトでは、セールスコンバージョンはチェックアウトページで行われます。 コンバージョン率を上げ、カート放棄率を減らしたい場合は、このページにウィジェットを追加してください。
- モバイルゲーミングアプリを提供し、CSATが重要な企業の場合は、Mobile Chat SDKを使って、アプリにチャットを組み込むことを検討してください。
- 同様に、SaaSプロバイダの場合、顧客は通常自分の製品試用体験に基づいて購入を決めるため、試用者にチャットサポートを提供するのが断然賢明です。
ただし、通常、チャットの導入初日に見込みのあるすべての顧客接点に展開するのは、賢明とは言えません。チャットの件数は予測不可能なため、熟練したチャットエージェントがいないと、顧客の不満につながります。初期チャット件数を管理するには、まずいくつかの主要ページ(チェックアウト、メインサポートページ、FAQなど)にチャットを展開してから、他のページへ拡大していくことをお勧めします。
時間単位および日単位で受け取るチャット件数を監視して、必要なエージェント数を決め、最後にチャットを取り扱うワークフローを微調整します。 すべての設定が終わったら、さらに多くのページに展開できます。
チャットを追加するために必要な作業は、Zendesk Chat埋め込みコードを(サイト全体に追加するのではなく)特定のページに追加することだけです。 実現方法については、開発チームと相談してください。
ウィジェットを配置する場所を決めたら、デザインをカスタマイズしてブランドおよびWebサイトの表示スタイルを補完することを検討してください。 顧客は優れたデザインを享受するようになり、質の高い経験を期待しています。
チャットアクセス
Webサイトを訪れるあらゆる顧客にチャットサポートを提供することは、最初は難しいことのように思われるかもしれません。チャットを管理できるようにするために、サポートを制限することをお勧めします。制限方法の1つとして、いくつかの基準に基づいて、チャットアクセスを特定の顧客に制限することができます。
たとえば、アクセス制限のあるページの向こう側にチャットウィジェットを置いて、VIP顧客だけがアクセスできるようにします。これにより、受け取るチャットを最小限にし、顧客にVIPステータスへのアップグレードを勧めることもできます。
サポート対象となる顧客がわからない場合は、さまざまな顧客グループ(見込み顧客と有料顧客など)に対して試験導入することをお勧めします。
チャットアクセスを制限することは最初はよいアイデアとなるかもしれませんが、将来的に売上げが限定される可能性があります。チャットは見込み客を選別し、取引を成立させ、問題を抱えている顧客を救済するための優れたツールです。チャットが小さなグループにのみ制限されていれば、大きなチャンスを逃す可能性があります。
チャットのタイミング
最初に、Webサイトでライブチャットを有効にする時間数を制限してください。 経験的には、平日1日平均8時間(午前9時から午後5時など)に固定するのが適切です。 これにより、チャットを管理可能なレベルに抑えることができるため、Zendesk Chatのスタッフを8時間配備するだけですみます。 これらの時間外にエージェントがオンラインにならないようにするために、アクセスを制限する営業時間を設定できます。
チャット提供時間を決める際は、必ずピーク時間帯を監視してください。 当社の調査によれば、 午前10時から午後3時までがピーク時間帯で、全体の50%を超えるチャットがこの時間帯に発生しています。さらに、チャットの大部分は平日に発生し、特に月曜日と火曜日に集中しています。 チャットは電話と違って1対多のやり取りになるため、忙しい時間帯にチャットを提供するとすぐに顧客の待ち時間が長くなります。
複数の国にまたがって業務が拡大するにつれて、サポート時間の延長が必要になる場合があります。 そのような場合は、再び営業時間を使用して複数のスケジュールを作成するか、単純にライブチャットを24時間有効にします。
チャットのインタラクション(リアクティブとプロアクティブ)
エージェントはリアクティブまたはプロアクティブの2種類の方法で顧客とやり取りができます。リアクティブなチャットは顧客がチャットウィジェットをクリックしてチャットを開始し、エージェントがそれに対応する場合に発生します。これに対してプロアクティブなチャットでは、エージェントは事前定義の基準に基づいて顧客をチャットに招待できます。
プロアクティブなチャットでは、事前に特定の条件を選択しておけば自動的に顧客に働きかけるため、手作業で顧客をふるい分ける必要がありません。
Forresterの最近の調査では、米国のオンラインショッピングの顧客の44%がオンラインでの調査中または購入中にチャットの招待を受けることを好むことが判明しました。 ページ上で迷っている顧客はプロアクティブなサポートの恩恵を受けるため、これは当然の結果です。
トリガを使って、Zendesk Chatにプロアクティブなチャットを設定できます。 たとえば、Googleアナリティクスを使用してドロップオフが発生している主な場所を監視している場合、プロアクティブに訪問者に働きかけて引き留めるトリガを作成できます。 初回の訪問者のほとんどがおよそ50秒でページを離れるなら、45秒目にチャットで能動的に話しかけると良いでしょう。
同様に、チェックアウトページに顧客が数分止まると自動的に「何かお困りですか」と尋ねるトリガを作成することもできます。このようにして、プロアクティブなチャットで顧客に購入を促し、カート放棄率を減らすことができます。
プロアクティブなチャットを使用すると、受け取るチャット件数が大幅に増えることに注意してください。なぜなら、それぞれの顧客にサポートが必要かどうかを尋ねると、多くの顧客はそれに返答するので、エージェントはサポートを提供しなければならないからです(そうしないと、顧客が不満を抱えたままになるリスクがあります)。これまでにチャット導入の経験がない場合は、プロアクティブなチャットを導入する前にリアクティブなチャットから始めることをお勧めします。
チャットの場所、アクセス、タイミング、および種類についての決定がチャット件数全体に影響を及ぼします。 サイトのトラフィックが多い場合、すべてのページにチャットを展開し、プロアクティブなチャットを有効にして1人のエージェントだけで対応するのは適切ではありません。 そのようにすると、1人のエージェントの負担が大きくなり過ぎ、怒った顧客が大勢生まれます。
ゆっくりとした展開を計画し、チャットの会話記録とCSATを監視してください。
その他の検討事項
Webサイトにチャットを導入するときに、以下のことを検討してください。
- 現在、顧客はどのようにしてサポートにアクセスしているか? その体験を向上させるにはどうすればいいか?
- チャットを導入した経験があるか?
- セールスコンバージョンはどこで発生しているか? 顧客の購入決定に影響を与えるものは何か?
- 購入プロセスのどこにギャップがあるか? 簡単にチャットにアクセスできるようにすることで、このギャップを埋められるか?
- チャットサポートの対象顧客グループがわかっているか?
- 現在、有料利用の顧客に階層型サポートを提供しているか? 購入見込みのある顧客、つまりログインしている顧客にのみチャットを提供したいと考えているか?
- 販売地域はローカル、グローバル、特定地域のみのいずれか?
- 一日のうちで、メールチケットまたは電話コールの件数が最も多い時間帯を把握しているか?
- グローバルなサポートチームがあるか、つまり、多数の専任のチームが各地域をサポートしているか? あるいは、中央の場所から全員にサポートを提供しているか?
- 顧客にリアルタイムのチャットによるやり取りを必要とする明らかな特徴があるか?
次のステップ: 手順3: スタッフ要件の決定