ルックアップリレーションシップフィールドは、チケット、ユーザー、組織、およびカスタムオブジェクトの間のリレーションシップを確立するために使用できるカスタムフィールドです。
Zendesk APIを使用して、ルックアップリレーションデータを取得することができます。たとえば、特定のサポートマネージャーに関連付けられているすべてのチケットのリストを要求できます。詳しくは、開発者向けドキュメントの「 Retrieving lookup relationship data with API」を参照してください。
ルックアップリレーションシップフィールドの概要
ルックアップリレーションシップフィールドは、Zendeskでユーザーや組織、チケット、カスタムオブジェクトに追加できるカスタムフィールドの一種です。ルックアップリレーションシップフィールドを追加すると、チームメンバーはそのフィールドを使用して、他のユーザーや組織、チケット、またはカスタムオブジェクトとの関係を確立できます。
ルックアップリレーションシップフィールドは、チケットフォーム、ユーザープロフィール、組織の各ページ、およびカスタムオブジェクトのスキーマに追加することができます。このフィールドを使用して、エージェントはZendeskアカウントのユーザー、組織、チケットまたはカスタムオブジェクトレコードのリストを検索して選択することができます。
ビジネスニーズに合わせて、クリエイティブにルックアップフィールドを使用することができます。たとえば、「マネージャー」というルックアップフィールドを作成し、そのルックアップフィールドをアカウントのユーザーに関連付け、そのフィールドをチケットフォームに追加することができます。エージェントがチケットでこのフィールドを使用して、組織のユーザーのリストからマネージャーを選択することができます。
このセクションでは、次のトピックについて説明します。
カスタムフィールドの概要
ルックアップリレーションフィールドは、Zendeskアカウント内のユーザー、組織、チケット、またはカスタムオブジェクトレコードのリストを検索して、リストからそれらの項目を選択できるカスタムフィールドです。次の例は、チケットのルックアップリレーションフィールドを表しています。チームメンバーがフィールドをクリックすると、フィールドに自動入力されたオプションのリストが表示されます。他のドロップダウンカスタムフィールドとは異なり、自分でオプションを定義する必要はありません。ただし、フィールドを定義する際に表示するオプションをフィルタリングすることはできます。
カスタムオブジェクトを参照するチケットのルックアップリレーションシップでレコードを選択すると、チケット内でレコードの詳細情報をプレビューできます。
ユーザー、組織、またはカスタムオブジェクトのルックアップリレーションシップフィールドでレコードを選択した後、フィールド名をクリックするとレコードの詳細を表示できます。
Zendeskインターフェイスでは、ルックアップリレーションフィールドを以下のページに追加できます。
- チケットまたはヘルプセンターのサポートリクエストフォーム
- ユーザープロフィールページ
- 組織ページ
- カスタムオブジェクト
これらのページは、リレーションシップのソースオブジェクトになりうるオブジェクトです。たとえば、ユーザープロフィールページに表示されるユーザーは、別のユーザーや組織、チケット、またはカスタムオブジェクトとリレーションシップのあるソースオブジェクトになることができます。ルックアップリレーションシップフィールドでは、リレーションシップの相手のオブジェクト(「関連するオブジェクト」とも呼ばれる)を選択することができます。
ルックアップリレーションフィールドを条件付きにすることで、特定の状況下でのみエージェントに表示されるようにすることができます。詳しくは「条件設定チケットフィールドの作成」および「カスタムオブジェクトレコードへのエージェントのアクセス権の設定」を参照してください。
リレーションシップの概要
ルックアップリレーションシップは、次のように表現できます。
ソースオブジェクト → 関連するオブジェクト
ソースオブジェクトは、ルックアップリレーションシップフィールド(およびその他のフィールド)を含むZendeskオブジェクトです。ユーザー、組織、チケット、またはカスタムオブジェクトのいずれかになります。関連するオブジェクトは、ルックアップリレーションシップフィールドによって指定されたオブジェクトです。これもまた、ユーザー、組織、チケット、またはカスタムオブジェクトのいずれかになります。旧バージョンカスタムオブジェクトとのルックアップリレーションシップは、サポートされていません。
ルックアップリレーションシップは、ユーザー、組織、チケット、またはカスタムオブジェクトと、別のユーザー、組織、チケット、またはカスタムオブジェクトとの任意の組み合わせです。
ソースチケットと関連するユーザーの間にリレーションシップを作成する場合、チケットレコードはユーザーを識別するルックアップリレーションシップフィールドを持つことになります。しかし、相手側のユーザーレコードは、チケットを識別するフィールドを持ちません。フィールドの代わりに、ユーザーレコードには、チケットとそれに関連する他のすべてのソースオブジェクトをリストする「リレーション」タブがあります。
各ソースオブジェクトは、1つの関連するオブジェクトにのみ関連付けることができます。ただし、1つの関連するオブジェクトを、複数のソースオブジェクトに関連付けることは可能です。たとえば、組織ルックアップリレーションシップフィールドをユーザーに追加した後、複数のユーザーと1つの組織との間に複数のリレーションシップを確立することができます。以下に例を示します。
- ユーザー1 - 組織A
- ユーザー2 - 組織A
- ユーザー3 - 組織A
- ...
リレーションシップは、チケットフォーム、ユーザープロフィール、組織、およびカスタムオブジェクトレコードの詳細の各ページで確認することができます。
また、Zendesk APIを使用して、特定の関連するオブジェクトに関連付けられたユーザーや組織、チケット、またはカスタムオブジェクトレコードのリストを取得することもできます。たとえば、特定のサポートマネージャーに関連付けられているすべてのチケットのリストを要求できます。詳しくは、開発者向けドキュメントの「 Retrieving lookup relationship data with API」を参照してください。
ルックアップリレーションシップフィールドの値によるレコード検索はサポートされていません。
例
ルックアップリレーションシップフィールドを使用して、Zendesk Support内にリレーションシップの複雑なエコシステムを構築する方法はたくさんあります。これらのカスタムフィールドの使用方法を検討する際に役立つ例を以下に紹介します。
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あなたは運送会社の管理者であり、荷主、ドライバー、および受取人をチケットに関連付ける必要があるとします。フィルターされた3つのルックアップリレーションシップフィールドをチケットに追加します。「ドライバー」という名前のユーザーフィールド、「荷主」という名前の組織フィールド、「受取人」という名前の別の組織フィールドです。
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あなたの会社が、企業間取引(B2B)の領域で、多くの企業と取引をしているとします。これらの企業間との関係を追跡する必要があります。組織ルックアップリレーションシップフィールドを使用して、これらのリレーションシップを作成および追跡することにしました。たとえば、「パートナー」フィールド、2番目に「子会社」フィールド、3番目に「競合企業」フィールドという名前のフィールドを作成します。
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上の例とは異なるB2Bシナリオで、各アカウントマネージャーが各顧客企業の主要なステークホルダーとやりとりしているとします。ステークホルダーとアカウントマネージャーの間の関係を確立するために、「アカウントマネージャー」という名前のユーザールックアップリレーションシップフィールドを作成します。
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チームのだれかが対応できない場合に備えて、チームメンバーの緊急連絡先を指定したいとします。このようなユーザー間の関係を作成するために、「緊急連絡先」という名前のユーザールックアップフィールドを使用することにしました。より複雑なユースケースでは、ユーザーごとにバックアップの優先順位を設定するために、ユーザーフィールド(「バックアップ1」、「バックアップ2」)を追加できます。
ルックアップリレーションシップフィールドを追加する
チケット、ユーザー、組織は、それぞれ最大10個のアクティブなルックアップリレーションシップフィールドを持つことができます。カスタムオブジェクトには、カスタムオブジェクトごとのルックアップリレーションシップにプランベースの制限があります。追加したフィールドは、Zendeskインターフェイスのページ上に表示されます。
Zendesk APIを使用して、ルックアップリレーションフィールドを作成することもできます。APIリファレンスドキュメントの「ルックアップリレーションシップ」を参照してください。
ルックアップリレーションフィールドを削除する場合、フィールド内のデータは保存されません。データを保存して置く場合は、フィールドを削除するのではなく、非アクティブにします。
ルックアップリレーションシップフィールドを作成するには
- まず、ユーザー、組織、チケット、またはカスタムオブジェクトにカスタムフィールドを追加し、カスタムフィールドのタイプとして「ルックアップリレーション」を選択します。詳細については、後述の以下の各セクションを参照してください。
- カスタムフィールドをチケットおよびサポートリクエストフォームに追加する方法
- ユーザープロフィールへのカスタムフィールドの追加
- 組織プロフィールへのカスタムフィールドの追加
- カスタムフィールドでカスタムオブジェクトのスキーマを定義する
以下に例を示します。
- 手順1からリンクされている記事を参考にして、「表示名」、「フィールドキー」、「説明」を設定します。
- ルックアップリレーションシップフィールドにリストアップする関連するオブジェクトを選択します。
これは、チケット、ユーザー、組織、カスタムオブジェクトの名前のいずれかになります。たとえば、関連するオブジェクトとして「ユーザー」を選択すると、ルックアップリレーションシップフィールドにはZendeskユーザーのリストが表示されます。
- 「フィルターを追加」をクリックして、1つまたは複数のフィルターを定義し、フィールドに表示されるオプションの数を減らします。
フィルターとして使用できるタグやカスタムフィールドの数に制限はありません。詳しくは「フィールドのオプションをフィルターする」を参照してください。
- 「保存」をクリックします。
フィールドのオプションをフィルターする
お使いのアカウントには、何千、何百万件ものチケット、ユーザー、組織、およびカスタムオブジェクトのレコードがあるかもしれません。ほとんどの場合、ルックアップリレーションフィールドのオプションとして使用するには、プリセットのレコードのサブセットが必要になります。たとえば、アカウントマネージャーであるユーザーのみをリストアップしたいとします。
標準オブジェクトを参照するすべてのルックアップリレーションフィールドで、タグによって関連オブジェクトのレコードをフィルタリングすることができます。たとえば、アカウントマネージャーであるユーザーのみをリストアップするには、アカウントマネージャーのユーザープロフィールに「アカウントマネージャー」タグを追加し、ルックアップリレーションシップフィールドに対して「 Tags | Contain at least one of the following
| account_manager
」というフィルター条件を定義します。これはカスタムオブジェクトを参照するルックアップフィールドでは不可能です。
- チケットを参照するルックアップフィールドには、「ステータス」、「タイプ」、「優先度」、「担当者」、「リクエスタ」、「フォーム」、「組織」、「チャネル」などの追加のデフォルトフィルターがあります。
- ユーザーを参照するルックアップフィールドでは、追加のロールフィルターを使用できます。
- 他のオブジェクトを参照するチケットルックアップリレーションシップフィールドでは、チケットの現在のユーザー、担当者、リクエスタ、および組織に基づく追加のフィルターを使用して、ルックアップフィールド内で選択可能なオブジェクトレコードを動的に制限できます。
ルックアップリレーションシップフィールドは、関連するオブジェクトに追加された他のカスタムフィールドによるフィルタリングもサポートしています。たとえば、ユーザープロフィールに「セキュリティクリアランス」というカスタムチェックボックスフィールドを追加していた場合、ルックアップリレーションシップフィールドを追加したときに、「セキュリティクリアランス」フィールドがフィルターオプションとして表示されます。このフィールドについて、「Security
Clearance | Is | Checked
」というフィルター条件を定義できます。
フィルターは、いつでも変更することができます。フィルターを変更しても、ルックアップリレーションシップフィールド内で以前に選択された値には影響しません。
詳しくは「カスタムフィールドについて」および「トリガの条件文を作成する」を参照してください。
ルックアップリレーションシップを表示する
レコード間のリレーションシップを確立することは、複雑なデータモデルを構築するうえで重要です。しかし、Zendesk内でそれらのリレーションシップを確認し、操作することも重要です。各ユーザープロフィール、組織、カスタムオブジェクトのレコードには、関連レコードのリストが表示されます。チケットの場合、関連レコードはチケットフィールド内の値として表示されます。
リレーションシップフィールドをクリックすると、関連レコードの情報がSupportの新しいタブに表示されます。
ユーザーおよび組織に関連するレコードを表示する
Zendesk Supportのチームメンバー、エンドユーザー、組織の各プロフィールには、関連するすべてのソースオブジェクトを一覧表示する「リレーション」タブがあります。タブの情報は、ソースオブジェクトの種類(チケット、組織、ユーザー、またはカスタムオブジェクト)と特定のルックアップフィールドによってグループ化されています。
以下のチームメンバーのプロフィールの例では、チケットに「Driver」という名前のルックアップリレーションシップフィールドがあります。「Driver」フィールドでAnnie Porterが選択されると、そのチケットは、彼女のチームメンバープロフィールの「リレーション」タブに表示されます。これは、ソースオブジェクトのタイプ、チケット、およびルックアップフィールド名「Driver」によってグループ化されています。
「リレーション」タブは、ヘルプセンターのユーザープロフィールには表示されません。
チケットに関するレコードを表示する
チケット内で、ルックアップリレーションシップフィールドは、チケットフィールドパネルの他のフィールドのように表示されます。
組織、ユーザー、または他のチケットを参照しているルックアップフィールドの場合、フィールドをクリックすると、Supportの新しいタブにレコードが表示されます。ルックアップフィールドがカスタムオブジェクトを参照している場合、作業中のチケットを離れずに、コンテキストパネル内にレコードの情報を表示することができます。詳しくは「チケット内の関連オブジェクトレコードの操作」を参照してください。
カスタムオブジェクトに関連するレコードを表示する
ユーザーや組織と同様に、カスタムオブジェクトレコードの情報を表示すると、左側にオブジェクトのすべてのフィールドのすべての値が表示され、右側にソースオブジェクトのタイプでグループ化された関連レコードのリストが表示されます。
アイコン | ソースオブジェクト |
---|---|
カスタムオブジェクト | |
組織 | |
ユーザー | |
チケット |
以下の例は、カスタムオブジェクトProjectのレコード256の詳細です。プロジェクト256の具体的な詳細に加えて、このプロジェクトは、Projectオブジェクトを参照する「Project Code」という名前のチケット()のルックアップリレーションシップフィールドを介して、3つのチケットに関連していることもわかります。
トリガおよびビューでルックアップリレーションシップフィールドを使用する
ルックアップリレーションシップフィールドは、トリガおよびビューを定義するのに役立ちます。
トリガやビューに条件を追加するとき、オプションのリストにルックアップリレーションシップフィールドも表示されます。次の例では、トリガの最初の条件は、「Support Manager」という名前のユーザールックアップリレーションシップフィールドです。このトリガは、Jennifer Hansonという名前のサポートマネージャーに関連付けられているチケットに対してのみ起動します。
ルックアップリレーションシップフィールドは、トリガのアクションでも使用することができます。次の例では、トリガの起動時にアクションが、「Company Organization」という名前の組織ルックアップリレーションシップフィールドの値を「Northwest Region」に設定します。
ルックアップフィールドで指定されたレコード名をトリガ条件やアクションで使用することに加えて、条件やアクション内で関連レコードのフィールドを参照することもできます。たとえば、「Software」というカスタムオブジェクトを参照する「Software requested」というチケットルックアップリレーションシップのフィールドがある場合、「Software requested」ルックアップフィールドを使用して、ルックアップフィールド内で選択されたレコードに対して条件やアクションを作成できます。つまり、レコードが存在するかしないか、レコード名が特定の値に設定されているかどうかなどの条件を設定できます。また、チケットに関連するレコード内で他のフィールドを参照することもできます。たとえば、チケットに関連するレコード内で「Approval required」チェックボックスが選択されているかどうかを確認できます。トリガでカスタムオブジェクトを参照するルックアップリレーションシップフィールドを使用する方法について詳しくは、「トリガでのカスタムオブジェクトの使用」を参照してください。
プレースホルダを使用して、ルックアップリレーションフィールドの参照レコードに関する情報を取得することもできます。これは、他のチケット、ユーザー(リクエスタ)、組織を参照するルックアップフィールドに当てはまります。IDは、ルックアップフィールドで指定されたユーザーにチケットを割り当てたり、ルックアップフィールドで指定されたユーザーのマネージャーに承認が必要であることを通知したりするなど、APIリクエストで使用できます。