会話ボットを構築したら、回答を追加して、ボットの動作を定義することができます。
これらの回答に従って、会話ボットは、Web WidgetやモバイルSDKからのカスタマーの質問に対して最適な対応を行うしくみになっています。それぞれの回答は、カスタマーが尋ねる可能性のある1つの質問に対応しています。カスタマーの質問の表現が異なっても理解できるように、ボットをトレーニングすることができます。ゼロから独自の回答を作成することも、既定の回答テンプレートを利用することもできます。
この記事では、回答の作成とトレーニング方法、そしてボットからエンドユーザーへの最初のメッセージの設定方法についてについて説明します。
この記事では、次のトピックについて説明します。
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会話ボット用の回答を作成する
回答は、会話ボットの編集ページの「回答」タブからボットに追加できます。回答をリストに追加した順番が、カスタマーに提示する回答の順番に影響することはありません。
会話ボットには、最大で2,000ステップと500の回答を含めることができます。これらのステップは、複数の回答に分散させることも、1つの回答にまとめることも可能です。
現在、プレースホルダは会話ボットでは使用できません。
このセクションでは、次の2つの回答の作成方法について説明します。
独自の回答を作成する
空の回答フローから始めて、ゼロから独自の回答を作成することができます。
会話ボットに回答を作成するには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、「回答を作成」をクリックします。
- 「独自の回答を作成」をクリックして、「次へ」をクリックします。
- 「回答の名前」に入力します。「パスワードのリセット」、「返金のリクエスト」、「人間と話す」などのように、回答が対処する問題について簡潔かつ明確な表現で説明する必要があります。次に、「次へ」をクリックします。
- 「トレーニング用の表現」に入力します。これらの表現により、カスタマーがどのような情報を求めているかを評価し、理解できるようにボットをトレーニングします。詳しくは、後述の「ボットをトレーニングする」を参照してください。
リストの一番下にある「質問を追加」をクリックして、表現を最大100個追加できます。
「高度なAI」アドオンをお持ちの場合は、表現をトレーニングする代わりに目的を使用することができます。詳細については、「会話ボットでAIを利用した目的を使用する方法」を参照してください。
- 「次へ」をクリックします。回答がボットビルダーで開き、ボットの回答を構築することができます。
- 「ステップを追加」をクリックし、回答の最初のステップを作成します。回答に追加できるステップについては、「回答ステップのタイプについて」を参照してください。
- 必要に応じて、回答に新しいステップを追加します。回答には、少なくとも1つのステップを追加する必要があります。
- 「プレビューする」をクリックすると、回答がエンドユーザーにどのように表示されるかを確認できます。
- 表示された回答に問題がなければ、「完了」をクリックします。
ボットの編集ページに戻り、別の回答の追加や、既存の回答の編集、標準応答の設定、またはボットの公開などを行うことができます。
テンプレートから回答を作成する
「回答を作成」ページには、回答の作成に役立つテンプレートが多数用意されています。これらのテンプレートが提供する一般的な回答のトピックと構成の例を利用して、独自の回答を作成することができます。各テンプレートにはフルセットの回答フレームワークが用意されていますが、ほとんどの場合、公開する前に営業時間やAPIの詳細などの情報を追加する必要があります。
回答テンプレートを使用するには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、「回答を作成」をクリックします。
- 表示したいテンプレートまたは回答のベースにしたいテンプレートをクリックします。
- 「次へ」をクリックします。回答がボットビルダーに表示されます。
- 必要に応じて回答を変更します。回答作成のステップごとに完成度をチェックし、自社のビジネスコミュニケーションのトーンに合わせてパーソナライズされているかどうか確認することをお勧めします。
- 「完了」をクリックして、回答リストに追加します。回答の構成を確認するだけで変更を加えない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンをクリックして、「回答を作成」ページに戻ります。
標準の応答を設定する
「動作」タブは展開可能ないくつかのセクションで構成され、そこでデフォルトのボット応答を定義できます。
これらの応答は、必要に応じてオンまたはオフにしたり、カスタマイズすることもできます。
これらの設定は自動的に保存されますが、ボットを公開または再公開するまで、カスタマーには表示されません。
このページには、以下の応答オプションがあります。
- 会話の開始:メッセージングの会話が開始されたときのボットの最初の応答。
- ボットが説明を必要とする場合:カスタマーのコメントに一致する回答を決定できない場合のデフォルトの応答。
- 質問に対応するインテントが複数ある場合:複数の答えに一致するコメントへのボットの応答。
- 関連する回答がない場合:カスタマーのコメントに一致する回答が1つもない場合のボットの応答。
会話の開始
Web WidgetまたはモバイルSDKでカスタマーが最初にメッセージングの会話を始めると、最初のチャット開始のメッセージが返されます。
チャット開始のメッセージには次の2種類があります。
標準のチャット開始のメッセージを設定する
デフォルトでは、ボットは基本的なチャット開始のメッセージと推奨される回答(担当者に連絡)で設定されています。
チャット開始のメッセージを更新したり、回答を追加・削除したり(最大10個まで)、そのままにしたりすることができます。ここで選択された回答は、選択肢としてカスタマーに提示されます。
チャット開始のメッセージを設定するには
- 「動作」タブの会話の開始セクションを展開します。
- 「メッセージを送信して回答を提案する」を選択します。
- 会話の開始のメッセージを入力するか、デフォルトのメッセージ(こんにちは!ご質問はございますか?いつでも私たちがお応えします。)のままにします。
- 「回答」ドロップダウンから、選択肢としてカスタマーに提示する既存の回答を、最大10個まで選択します。
回答をチャット開始のメッセージとして使用する
カスタムメイドの回答フローを使って会話を始めることもできます。エンドユーザーがボットとやりとりを開始すると、選択した回答が送信されます。このオプションは、カスタマーを即座にエージェントに転送する場合などに使用することができます。
チャット開始のメッセージとして既存の応答を使用するには
- 「動作」タブの会話の開始セクションを展開します。
- 「回答で始める」を選択します。
- ドロップダウンから、カスタマーが会話を開始したときに送るチャット開始のメッセージを選択します。
ボットが説明を必要とする場合
エンドユーザーへの自動応答を設定し、詳しい説明を要求することができます。この応答は、ボットがエンドユーザーのコメントを理解できない場合、会話中にトリガされます。
この応答はオプションで、必要に応じてアクティブまたは非アクティブにできます。
詳しい説明を求めるには
- 「動作」タブの「ボットが質問を理解できない場合」セクションを展開します。
- 「詳細情報の提供または質問の言い換えをカスタマーに求める」を選択します。
- メッセージを入力するか、デフォルトのメッセージ(申し訳ございませんが、質問内容がわかりませんでした。詳しく説明するか、質問内容を言い換えてください。)を使用します。
質問が複数の目的と一致する場合
回答に関連付けられていない目的がエンドユーザーのコメントに頻繁に一致する場合、目的の候補のリストに含まれることがあります。
最初のカスタマイズ可能なメッセージの後、既定のオプションとして、一致する目的がエンドユーザーに提示されます。
エンドユーザーに目的の候補を示すには
- 「動作」タブの「質問が複数の目的と一致する場合」セクションを展開します。
- 「目的の照合を提案」を選択します。
- メッセージを入力するか、デフォルトのメッセージのままにしておきます。
関連する回答がない場合
この応答は「フォールバック応答」とも呼ばれ、以下の条件でトリガされます。
- エンドユーザーの質問やコメントに一致する回答がない場合。
- エンドユーザーが「質問が複数の目的と一致する場合」で選択した目的に、関連する回答がない場合。
このセクションの設定は必須で、ボットを公開する前に設定する必要があります。
フォールバック応答を設定するには
- 「動作」タブの「ボットが質問を理解できない場合」セクションを展開します。
- アクティブなヘルプセンターがある場合、ボットがフォールバックメッセージの前に「ヘルプセンターの記事を推奨する」ように選択できます。
制限されたヘルプセンターがある場合、ボットはGuideで設定された記事の閲覧権限を尊重します。
- ユーザーがメッセージング認証プロトコルで認証されている場合、ボットは関連する制限付きの記事を提案することができます。
- ユーザーが未認証の場合、ボットは公開記事のみを提案します。
- ヘルプセンターの記事が見つからない場合、またはアクティブなヘルプセンターがない場合にボットが送信するメッセージを入力します。デフォルトでは、ボットは「申し訳ありませんが、その質問に回答できません。以下のトピックが役に立つかもしれません。」というメッセージを送るように設定されています。
- 「回答」ドロップダウンを使用して、すでに作成した回答の中から最大10個を選択してカスタマーに提示します。このステップの操作は任意です。
会話ボットをトレーニングする
メッセージングでの会話中にカスタマーから尋ねられた質問をどのように解釈するかをボットにトレーニングすることができます。これにより、ボットは、個々の質問に対し最も関連性が高い回答をマッチングさせて提供することができます。
ボットビルダーで回答を作成したり開いたりすると、今までと同様に「設定」パネルが表示されますが、このパネルに次の2つのセクションが表示されるようになりました。
- 名前:回答の簡潔な説明。
- トレーニング用の表現:同じ質問を別の表現で言い換えたもの。
トレーニング用の表現セクションでは、ボットが提供する1つの回答に対して、考えられるカスタマーの質問パターンを最大100個追加することができます。
トレーニングで適切な質問を作成する際は、以下の点に注意してください。
- 質問は、カスタマーが入力するものと完全に一致する必要はありません。たとえば、カスタマーが入力したスペルが間違っていたり、言い回しが少し違っていてもマッチングされます。
- 「~したい」や「どうしたらよいか」などの一般的な語句を使用すると、質問の核となる意味が薄れてしまうので避けてください。たとえば、「返金を受けたい」ではなく、「返金を受ける」と表現してください。
- 必要最低限の具体的な基本情報を使うようにしましょう。たとえば、「更新」ではなく、「会員登録の更新」と言いましょう。
- 質問の中で、「こんにちは」のような不必要な言葉を使わないこと。
多言語のトレーニング用の表現を追加する必要はありません。
既存の回答を編集する
次のような方法で、既存の回答を編集する必要がある場合があります。
回答の名前またはトレーニング用の表現を変更する
回答の名前を編集したり、トレーニング用の表現を追加、削除、編集することができます。
回答の名前を編集するには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、変更したい回答の上にカーソルを置き、「編集」を選択します。
- ボットビルダーの設定パネルで、回答の名前を編集します。
- 「完了」をクリックします。
回答のトレーニング用の表現を編集するには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、変更したい回答の上にカーソルを置き、「編集」を選択します。
- ボットビルダーの設定パネルで、必要に応じてトレーニング用の表現を編集します。
- 表現を追加する場合:リストの一番下にある「表現を追加」をクリックし、新しい表現を入力します。
- 表現を削除する場合:削除する表現の横にあるゴミ箱アイコンをクリックします。
- 表現を編集する場合:表現のテキスト入力ボックスでテキストを編集します。
- 「完了」をクリックします。
回答内のステップを編集する
既存のステップの設定情報を編集することで、回答を変更できます。ステップのタイプは編集できません。以下のステップのタイプについて詳しくは、「ボットのステップタイプについて」を参照してください。
回答内のステップを編集するには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、編集したい回答をクリックします。
- 編集するステップをクリックします。その詳細が「設定」パネルに表示されます。
- 変更する要素を編集します。
- 編集を完了したら、「完了」をクリックします。
ステップをコピーして回答に貼り付ける
1つのステップをコピーするか、1つのステップとその後続のステップをいくつかコピーして、同じ回答内の任意の場所に貼り付けることができます。ある回答からステップをコピーして、別の回答に追加することはできません。
コピーしたステップは、回答内の分岐の最後にのみ貼り付けることができます。また、最後の分岐を「エージェントへの転送」ステップで終了させることはできません。
ステップまたは複数のステップをコピーして、回答内の他の場所に貼り付けるには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、編集したい回答をクリックします。
- コピーするステップをクリックします。
- 設定パネルのステップ詳細の上部にあるオプションアイコン()をクリックして、オプションメニューを開きます。
- オプションを選択します。
- 選択したステップだけをコピーするには、「このステップをコピーする」を選択します。
- 選択したステップとそれ以降のすべてのステップを選択するには、「このステップと以降のステップをコピーする」をクリックします。
- 分岐の最後にある新規追加アイコン()をクリックするか、オプションのステップの後にあるステップを追加アイコン()をクリックします。
- 回答フローへのステップの追加を完了するには、オプションアイコン()を再度クリックし、「ステップを貼り付ける」を選択します。
- 必要に応じて回答の編集を続け、編集が完了したら「公開」をクリックします。
回答に新しいステップを挿入する
回答にステップをコピー&ペーストするだけでなく、回答内の既存の2つのステップの間にステップを挿入することもできます。
「オプションの提示」や「営業時間条件を追加」ステップなどの分岐ステップを追加すると、後続の既存の分岐ステップは、新しいステップの最初の分岐に含められます。
- オプションの提示:既存のステップは、「オプション1」の下に含められます。
- 営業時間条件を追加:既存のステップは、「オープンの場合」分岐の下に含められます。
「エージェントへ転送」ステップタイプは、別のステップの前の回答に追加することはできません。回答の最終ステップとしてのみ含めることができます。
ステップを回答に追加するには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、編集したい回答をクリックします。
- ボットビルダーでは、2つのステップをつなぐ線にカーソルを合わせて、新規作成アイコン()をクリックします。
- 設定パネルで、回答に挿入するメッセージタイプを選択し、必要に応じてステップを設定します。
- 必要に応じて手順を繰り返し、変更を加えた回答を公開します。
回答からステップを削除する
ステップを削除すると、それ以降のステップもすべて回答から削除されます。1つのステップを削除し、それ以降のステップを残したい場合は、回答内の後続のステップをコピーして貼り付けることができます。
回答内のステップを削除するには
- ボットの編集ページの「回答」タブで、変更したい回答の上にカーソルを置き、「編集」を選択します。
- 設定パネルの上部にあるオプションアイコン()をクリックします。
- 「このステップを削除する」または「このステップと以降のステップを削除する」を選択します。後続のステップがある場合は、警告ボックスの「ステップを削除」をクリックします。
- 編集を完了したら、「完了」をクリックします。
回答を公開する
新規または編集した回答をカスタマーが利用できるようにするには、その回答に接続されているボットを公開する必要があります。詳しい手順については、「ボットをチャネルに公開する」を参照してください。
回答は個別には公開されません。ボットを公開すると、「公開準備完了」ステータスにあるすべての回答も公開されます。