サービスレベルアグリーメント(SLA)は、サポートチームがカスタマーとの間で、応答および解決策を提供するまでのそれぞれの時間の設定と測定を定義したポリシーです。
Enterpriseプランでは、グループSLAを定義することができます。グループSLAは、社内チーム間の個別の契約であり、グループの目標オーナーシップ時間を定義します。
ビューとチケットに表示されるSLAおよびグループSLAの情報を使用して、対応するチケットに優先順位を付けることができます。
SLAポリシーの設定について詳しくは、「SLAポリシーの定義」および「社内チームのためのグループSLAポリシーの定義」を参照してください。
SLA目標のステータスについて
- アクティブ:アクティブなSLA目標とは、メトリックがまだ完了していないものです。たとえば、メトリックが「初回の対応時間」であり、チケットに対して一度もパブリックな回答が行われていない場合、チケットの「初回の対応時間」目標はアクティブになります。
- 一時停止中:一時停止中のSLA目標とは、メトリックがまだ完了しておらず、一時的にカウントを停止しているものです。「リクエスタの待機時間」のように、メトリックが特定のステータスを除外するように定義されている場合に、このステータスになることがあります。チケットのステータスが「保留中」に設定されると、「リクエスタの待機時間」目標も一時停止になります。
- 終了:終了したSLA目標とは、メトリックが完了したものです。たとえば、パブリックな回答をすでに受け取ったチケットの「初回返信時間」メトリックのSLA目標は、「終了」となります。
- アクティブ(違反)、一時停止(違反)、終了(違反):これらは、前述の3つのステータスで、指定したSLA目標はいずれも、アクティブかつ違反、一時停止かつ違反、終了かつ違反という状態が成立します。前述の定義に加えて、メトリックがチケットに割り当てられている目標時間を超えたことを示しています。
SLAステータスをビューで確認する
SLA目標ステータスは、SLAおよびグループSLAの列で確認できます。
SLAバッジの色は、SLA違反までの残り時間を示します。
- 緑色:15分以上
- オレンジ色:15分未満
- 赤色:0分(SLA違反)
SLAバッジでは、分、時、日の小数点以下を切り上げますが、ちょうど半分の値は切り捨てられます。たとえば、SLA目標が1:30:00の場合、切り捨てられて90分のバッジとなります。SLA目標が1:31:00の場合、切り上げられて2時間のバッジとなります。同様に、36:30:00の場合は、切り捨てられて36時間のバッジとなります。36:31:00の場合は、切り上げられて2日間のバッジとなります。
チケットにSLAポリシーが適用されていない場合、またはチケットのすべてのSLA目標が終了している場合、SLAの値は空白になります。
チケットにアクティブなSLA目標がひとつでもある場合、目標違反になるまでに残された時間が通し時間で表示されます。目標の時間が過ぎると、-15分や-4時間のように、マイナスの時間が赤字で表示されます。
次の目標が一時停止中の場合、SLA列に一時停止アイコンが表示されます。違反していない目標には緑色の一時停止アイコンが表示されます。すでに違反している目標には、赤の一時停止アイコンが表示されます。
チケットに複数のアクティブなSLA目標がある場合、最も早く期限を超過する目標が表示されます。これには、すでに違反したターゲットも含まれます。
ビューにSLAまたはグループSLAの列がある場合、ビューでチケットにカーソルを合わせると、チケットプレビューにSLAおよびグループSLAの情報が表示されます。この情報は、ビューにSLAまたはグループSLAの列が含まれていない場合には表示されません。
SLAが作成された後、チケットにさかのぼって適用された場合、SLAは適用された時点から測定を開始するのではなく、チケットのメトリックを使用してターゲットを計算します。例:チケットが午前9時に送信されたとします。午後12時に、初回返信時間の要件を1時間に設定したSLAが作成され、そのチケットに適用されました。SLAポリシーが午後12時に適用されると、そのSLAはすぐに違反として表示されます。SLAは過去のイベントを無視できないためです。ただし、違反時間のカウントは、SLAポリシーが適用された時点で開始されます。この場合、午後12時から違反時間のカウントが始まり、チケットに返信されるまで継続します。
SLAステータスをチケットで確認する
SLAの使用を開始すると、SLAポリシーが適用されたチケットすべてにSLA情報が自動的に表示されます。グループSLAには「グループオーナーシップ時間」というラベルが付けられ、SLAがどのグループに適用されるかが表示されます。
各チケットに、エージェントが次にとるべきアクションが、目標違反までに残されたカレンダー時間とともに表示されます。
SLA目標に関する詳細を表示するには
SLAのアイコンにマウスのカーソルを合わせると、チケットに適用されている他のアクティブなSLA目標を確認したり、目標に違反する正確な日時を確認できます。SLAポリシーの基準に達すると、SLAバッジの表示が消えます。
SLAバッジには、目標期限までの時間が常にカレンダー時間と日数で表示されますが、目標期限はSLAポリシーで定義された時間や営業時間に基づいて表示されます。したがって、営業時間で設定されたSLA目標は、目標セットとチケットが作成された時刻に応じて、翌営業日に持ち越される可能性があります。
たとえば、あるチケットの目標は8営業時間内ですが、金曜日の午後なので目標は月曜日の朝に持ち越され、バッジには3日以内と表示されます。これは、SLAバッジは、エージェントがリアルタイムでワークフローの優先順位を決められるように設計されているためです。エージェントが理解しやすいように、すべてのバッジに同じ尺度を使用することが重要です。
チケットに適用されているSLAポリシーを確認する
チケットのイベントをクリックすることで、そのチケットに適用されているSLAポリシーと、対応する目標を確認することができます(「チケットについての全イベントの表示」を参照)。
ポリシーまたは目標が適用、削除、変更されるたびに、イベントとして記録されます。ただし、SLAの違反または目標達成になった場合、イベントは表示されなくなります。