タグは、単語または単語の組み合わせであり、チケットに詳しいコンテキストを追加するために使用します。タグは、チケット、ユーザー、組織、チャットに割り当てられます。Zendesk Supportのコンソールを使用すると、タグを作成、割り当て、管理できます。タグはそれぞれが別々のZendeskのオブジェクトに格納されます。タグを使用してレポートを生成する場合、考慮すべき事柄があります。たとえば、チケットは1つのグループに1つだけしか置くことができず、チケットでは一度に設定できるステータスは1つだけですが、タグは複数のチケットに追加でき、1つのチケットに複数のタグを含めることが可能です。
この記事では、Exploreのレポートでタグを使用する方法について学習します。具体的な例をいくつかご紹介いたします。また、Exploreが収集するタグ情報についても説明します。タグの詳細については、「タグの概要」を参照してください。
この記事では、次のトピックについて説明します。
レポートでタグを使用する場合の例
この例では、Exploreのレポートでタグを使用して実行できる基本的な操作について学習します。レポートや式の作成でさらにサポートが必要な場合は、「レポートの作成」と「Exploreでの式の記述方法」を参照してください。
Exploreでタグを使用してマクロの使用状況をレポーティングする場合に役立つ例をお探しの場合は、「Exploreレシピ:タグを使用したマクロのレポーティング」を参照してください。
これらの例はすべて、「チケットタグ」属性に基づいていますが、別のタグ属性のレポーティングの場合も同じ原則が当てはまります。
ここでは、次の例について説明します。
過去30日間に使用されたチケットタグをすべて表示する
これは、過去30日間に使用したチケットタグと、各タグに関連するチケットの枚数をすべて表示するシンプルなレポートです。
過去30日間に使用されたチケットタグをすべて表示するには
- 「Support:Tickets」データセットを使用して新しいレポートを開きます。
- レポートビルダーの「メトリック」パネルで、「COUNT(Tickets)」メトリックを追加します。
- 「行」パネルで「チケットタグ」属性を追加します。
- 「フィルター」パネルで「チケット作成日時 - 日付」属性を追加します。
- 「チケット作成日時 - 日付」フィルターをクリックして、過去30日間の日付範囲を設定します。
チャートは次の例のようになります。「チケット」の列見出しをクリックすると、多数のタグを昇順または降順でリストを並べ替えられます。
フィルターを使用したチケットタグのレポート
この例では、フィルターを使用して、選択したいずれかのタグを含むチケット(この場合は、checked_by_manager、close、またはcsatのいずれかのタグを含むチケット)のみを返すレポートを作成します。チケットタグでより柔軟にレポートを作成する方法については、「標準ユーザー定義メトリックと標準ユーザー定義属性を使用したチケットタグのレポート」を参照してください。
レポートを作成するには
- 「Support:Tickets」データセットを使用して新しいレポートを開きます。
- レポートビルダーの「メトリック」パネルで、「COUNT(Solved tickets)」メトリックと「COUNT(Unsolved tickets)」メトリックを追加します。
- 「行」パネルで「チケットのグループ」属性を追加します。
- 「フィルター」パネルで「チケットタグ」属性を追加します。次に属性をクリックし、フィルターメニューを開きます。
- レポートに表示するタグを選択します。ここでは、checked_by_manager、close、csatになります。
選択したタグを1つ以上含むチケットの数が表示されます。
標準ユーザー定義メトリックと標準ユーザー定義属性を使用したチケットタグのレポート
このセクションでは、ExploreのINCLUDES_ANY関数およびINCLUDES_ALL関数を使用して、タグを使用した作業をより強力かつ柔軟に行う方法について説明します。これらの例を使用するには、Exploreの標準のユーザー定義メトリックと属性に精通し、式の記述方法を理解している必要があります。基本のタグレポーティングの演算子は以下のようになります。
- INCLUDES_ANY:指定されたタグのいずれかが含まれているチケットを返します。
- INCLUDES_ALL:指定されたタグすべてが含まれているチケットを返します。
- NOT INCLUDES_ANY:指定されたタグの1つが含まれていないチケットを返します。指定されたタグのいずれかが含まれている場合、そのチケットは除外されます。
- NOT INCLUDES_ALL:指定されたタグがすべて含まれていないチケットを返します。除外するには、チケットに指定されたタグがすべて含まれている必要があります。
さらに、タグの前後にワイルドカード(%)文字を使用することで、一致する結果を返すこともできます。
ここでは、次の例について説明します。
タグを含むチケットを探す
この例では、「united_states」というタグを含むチケットを見つけたいとします。次の式で標準ユーザー定義属性を作成し、レポートのフィルターとして使用します。
IF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "united_states")) THEN True ELSE False ENDIF
2つのタグのうちいずれかを含むチケットを探す
この例では、「australia」または「japan」のいずれかのタグを含むチケットを探します。次の式で標準ユーザー定義属性を作成し、レポートのフィルターとして使用します。
IF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "australia", "japan")) THEN True ELSE False ENDIF
複数のタグを含むチケットを探す
この例では、「united_states」と「italy」の両方のタグを持つチケットだけを見つけたいとします。次の式で標準ユーザー定義属性を作成し、レポートのフィルターとして使用します。
IF (INCLUDES_ALL([Ticket tags], "united_states","italy")) THEN True ELSE False ENDIF
特定のタグが含まれていないチケットを探す
この例では、「germany」というタグを含まないチケットだけを見つけたいとします。次の式で標準ユーザー定義属性を作成し、レポートのフィルターとして使用します。
IF (NOT INCLUDES_ANY([Ticket tags], "germany")) THEN True ELSE False ENDIF
あるタグを含み、別のタグを含まないチケットを探す
この例では、「greece」と「india」というタグが含まれていて、「ireland」というタグが含まれていないチケットを見つけたいとします。次の式で標準ユーザー定義属性を作成し、レポートのフィルターとして使用します。
IF (INCLUDES_ALL([Ticket tags], "greece","india")) AND NOT INCLUDES_ALL([Ticket tags], "ireland") THEN True ELSE False ENDIF
タグのいずれかに特定の文字列を含むチケットを探す
この例では、ワイルドカード文字%を使用して、リクエスタのタグに「king」という文字列が含まれているチケットを検索します。次の式で標準ユーザー定義属性を作成し、レポートのフィルターとして使用します。
IF (INCLUDES_ALL([Requester tags], "%king%")) THEN True ELSE False ENDIF
タグのないチケットを探す
この例では、標準ユーザー定義属性を作成し、フィルターとして使用します。この属性は、タグを持たないすべてのチケットについては文字列「No tags」を返し、タグを持つチケットについては文字列「Has tags」を返します。
標準ユーザー定義属性で次の式を使用します。
IF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "%")) THEN "Has tags" ELSE "Does not have tags" ENDIF
特定のタグが存在する場合に特定の値を返す
この例では、「hawaii」タグの存在を調べ、見つかった場合に、「Aloha!」というテキストを返す標準ユーザー定義属性を作成する方法を見てみましょう。見つからない場合、式は「Hello」を返します。これをフィルターで使用したり、レポートビルダーの「行」パネルや「列」パネルに属性として追加したりすることができます。
標準ユーザー定義属性で次の式を使用します。
IF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "hawaii")) THEN "Aloha!" ELSE "Hello" ENDIF
レポート上のすべてのメトリックから特定のタグをフィルタリングする
この例では、いくつかのメトリックを含むレポートを作成しました。検索結果から「Alaska」というタグを含むすべてのチケットを除外したいとします。
標準ユーザー定義属性で次の式を使用します。
IF (NOT INCLUDES_ANY([Ticket tags], "Alaska")) THEN "true" ELSE "false" ENDIF
次に、この属性をレポートの「フィルター」パネルに追加します。追加した属性をクリックして、True値のみを表示するようにフィルターを設定します。
複数の条件を持つ標準ユーザー定義属性でINCLUDESを使用する
- チケットに「united_states」または「canada」というタグが含まれている場合、属性は「North America」を返します。
- チケットに「germany」、「france」、「uk」のいずれかのタグが含まれている場合、属性は「Europe」を返します。
- チケットに「china」または「japan」というタグが含まれている場合、属性は「Asia」を返します。
- タグが見つからない場合、属性は「Other」を返します。
標準ユーザー定義属性で次の式を使用します。
IF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "united_states", "canada")) THEN "North America"
ELIF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "germany", "france", "uk")) THEN "Europe"
ELIF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "china", "japan")) THEN "Asia"
ELSE "Other"
ENDIF
標準ユーザー定義メトリックでINCLUDESを使用する
IF (INCLUDES_ANY([Ticket tags], "united_states")) THEN [Ticket ID] ENDIF
Exploreが収集するタグの情報
Exploreが収集するタグの情報は選択するデータセットに応じて異なりますが、どのタグの情報にも以下に示す属性が1つ以上含まれています。
属性名 | 説明 |
---|---|
チケットタグ | チケットに関連付けられているタグを返す。 Supportで利用可能:Tickets、SLAs、Updates history、Guide:Answer Bot、Guide:Knowledge Capture、Talk:Callsデータセット。 |
担当者タグ | 担当者に関連付けられているタグを返す。 Supportで利用可能:Tickets、SLAs、Updates historyの各データセット。 |
リクエスタタグ | チケットをリクエストしたユーザーに関連付けられているタグを返す。 Supportで利用可能:Tickets、SLAs、Updates historyの各データセット。 |
送信者タグ | チケットの送信者に関連付けられているタグを返す。 Supportで利用可能:Tickets、SLAs、Updates historyの各データセット。 |
チケット - 組織タグ | チケットに関連付けられている組織のタグを返す。 Supportで利用可能:Tickets、SLAs、Updates historyの各データセット。 |
リクエスタ - 組織タグ | チケットリクエスタの組織に関連付けられているタグを返す。 Supportで利用可能:Tickets、SLAs、Updates historyの各データセット。 |
更新者タグ | チケットを更新したユーザーのタグを返す。 Supportで利用可能:Updates historyデータセットのみ。 |
更新者 - 組織タグ | チケットを更新したユーザーの組織タグを返す。 Supportで利用可能:Updates historyデータセットのみ。 |
エージェントタグ | ナレッジベースまたはナレッジキャプチャーイベントに関してエージェントに関連付けられているタグ。 Guideで利用可能:Knowledge Captureデータセットのみ。 |
応対エージェントタグ | Talkのコールに関してエージェントに関連付けられているタグ。 Talkで利用可能:Callsデータセットのみ。 |
レッグ エージェントタグ | Talkのコールレッグエージェントのユーザープロフィールタグを返します。コール対応に従事している個々のエージェントはそれぞれが独自にシステムを操作しており、システムごとに異なるレッグと見なされます。 Talkで利用可能:Callsデータセットのみ。 |
組織タグ | コール元エンドユーザーの組織タグを返す。 Talkで利用可能:Callsデータセットのみ。 |
Exploreで使用できるメトリックと属性の詳しいリストについては、「Exploreデータセットの概要」を参照してください。
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