Exploreには、ビジネスに関する主要なメトリックをレポートする既定のダッシュボードが用意されています。ただし、ビジネスはそれぞれ異なるため、次第に以外のレポートが必要になってきます。このようなときにレポートを作成します。Exploreを使用すると、メトリックと属性を簡単にドラッグアンドドロップして新しいレポートを作成できます。
ビルトインのメトリックと属性だけでも柔軟性に富んだレポートを作成できますが、ビジネスのニーズによって、次第にExploreに用意されていないメトリックと属性を使用してレポートを作成する必要が生じてきます。そのようなときに、独自の標準のユーザー定義メトリックとユーザー定義属性を作成することで問題を解決できる場合があります。
この記事では、いくつかの簡単な例を使って、独自のカスタムメトリックと属性の作成方法に関する基本知識を学習します。作成できるレポートはほぼ無限であるため、まずこれらの例を試してから独自のレポートを作成することをお勧めします。
この記事では、次のトピックについて説明します。
準備作業
このガイドを使用する前に、以下の記事を読んでレポートに関する基本事項を理解しておいてください。
レポートの基本知識
レポートとは、Zendeskに保存されている情報について尋ねる質問のことです。メトリックは、測定対象の情報です。通常、受信したチケットの数や返信したチケットの数といった定量化が可能なデータです。属性は、メトリックの結果を日付、グループ、タグなどの定性的データでスライスします。以下に例を示します。
まずメトリックですが、この例では受信したチケットの数です。
これにより、Zendeskアカウントのチケット数が返されます。
次に、これらの各チケットの送信元のチャネルを調べます。これを行うには、「列」パネルに属性を追加します。
グラフの外観は次のようになります。
この例では、チャネルをグループ化してこの表を拡張します。たとえば、チケットが10件以上あるチャネルには「Big」とラベル付けします。10件より少ないの場合は「Small」とラベル付けします。
こうした表現は、Exploreのデフォルトのメトリックと属性を使用しては不可能です。標準ユーザー定義属性を使用してこの表を作成する方法については、後で説明します。
標準ユーザー定義属性の作成を準備する
すでに、Exploreに付属しているメトリックと属性を理解し、それらを連携させて情報を思いどおりに表示する方法について学習しました。前のセクションで説明した表を作成できるようになるには、独自のカスタム属性を作成する必要があります。カスタマイズしたメトリックと属性は、それぞれ「標準ユーザー定義メトリック」と「標準ユーザー定義属性」と呼ばれます。
このセクションでは、標準ユーザー定義属性を作成して、式ウィンドウを使用する方法を学習します。
- Zendesk Supportの各チケットチャネルについて、そのチャネルを使用したチケットの数を数える
- チャネルのチケットが10件を超えたら、「Big」というテキストを返す
- チャネルのチケットが10件以下だったら、「Small」というテキストを返す
Exploreは関数を使用してデータの操作を実行します。これらはプログラミング言語で使用される単純なコマンドによく似ており、Zendeskアカウントのデータと一緒に使用して必要な結果のレポートを取得することができます。
- COUNT:指定された属性の値の数を返します。
- IF THEN ELSE:これにより、条件を評価することができます。
標準ユーザー定義属性を作成する
レポートを作成する前に、各チャネルからチケットの数を返し、チケットの数に応じて「Big」または「Small」の値を返すカスタム属性を作成する必要があります。
式を作成するには
- Exploreレポートで「Support:Tickets」データセットを開いた状態で、計算メニューを開きます。
- 「計算」パネルで、「標準ユーザー定義属性」を選択します。
- 新しい空の標準ユーザー定義属性が開きます。「Ticket channel big or small?」のような名前を入力します(この名前は、後でユーザー定義属性を選択してレポートに追加するときに使用します)。
- 「式」フィールドで、式の作成を開始します。フィールドと式は、入力するか、リストから選択できます。この例では式を入力します。「フィールド」メニューと「関数」メニューを使用した式の作成方法については「Exploreでの式の記述方法」の記事を参照してください。IFと入力します。選択可能な関数のオプションがExploreに表示されるので、Enterキーを押すか、リストにあるIFをクリックします。
Exploreで完了したレポートが「式」フィールドに表示されます。
青のテキスト文字列(_boolean_condition、_value_if_true、および_value_if_false)はプレースホルダです。これらの文字列を、実際の条件とアクションに置き換える必要があります。
ヒント:ここでは、赤いエラーテキストは無視してください。式はまだ完成しておらず、間違っているため、エラーが表示されています。式が完成すると、赤いテキストは緑のチェックマークに置き換えられます。Exploreは、式の構文が正しいことを確認しますが、式のロジックは確認しません。 - _boolean_conditionのプレースホルダを強調表示して、COUNT関数の入力を開始します。入力すると、COUNT関数を含むすべての関数が表示されます。「COUNT(Tickets)」をクリックして、この関数を式に追加します。
- 次に、チケット数の戻り値が10より大きいかどうかを確認する条件を追加します。これを行うには、COUNT(Tickets)関数を(COUNT(Tickets)>10)とします。
- 最後に、_value_if_trueおよび_value_if_falseの各プレースホルダを、期待される戻り値に置き換えます。_value_if_trueを「Big」に、_value_if_falseを「Small」にそれぞれ置き換えます。
- 「計算元」ドロップダウンで、「チケットチャネル」を選択します。これにより、チケットがチケットチャネルフィールドに基づいてのみカウントされるようになります。
これで式が完成しました。ロジックは、各チケットチャネルの値が10の数より大きい場合、式は「Big」を返し、結果が10以下の場合は「Small」を返します。赤いエラーテキストが表示されていた箇所が、式の構文が正しいことを示す緑色のチェックマークに変わりました。
- 準備ができたら、「保存」をクリックして属性を保存しし、「標準ユーザー定義属性」パネルを閉じます。
次に新しい属性をレポートで使用し、テストします。
レポートを作成する
作成した標準ユーザー定義属性は、ビルトイン属性と同じように使用できます。レポートで使用することもでき、作成したデータセットにアクセスできる人なら誰でも使用できます。
標準ユーザー定義属性を使用してレポートを作成するには
- 「Support:Tickets」データセットを使用する新しいレポートに、「チケット」メトリックを追加します。
- 「行」パネルで、「追加」をクリックします。
- 「ユーザー定義属性」を展開し、標準ユーザー定義属性「Ticket channel big or small?」をクリックします。
Exploreに、「Big」チャネル(チケットが10件以上)および「Small」チャネル(チケットが10件より少ない)に関連付けられたチケットの数を示す結果が表示されます。
「行」パネルに「チケットチャネル」属性を追加することによって、この表をより明確にすることができます。
これで、どのチャネルにほとんどのチケットがあるか、「Big」または「Small」のグループに仕分けるどうかが明らかになっていきます。
先へ進む前に、必ずレポートを保存してください。
式を編集する
このセクションでは、以前に作成した標準ユーザー定義属性を引き続き使用します。条件に別のテストを追加し、以前に使用したテキストとは異なる結果を返すことを試します。
- チャネルのチケットの数が4件よりも少ない場合、「Small」を返す
- チャネルのチケットの数がぴったり4件の場合、「Medium」を返す
- チャネルのチケットの数が4件よりも大きい場合、「Big」を返す
このレポートを作成するには、複数のIF THEN ELSE関数をネストして追加のテストを実行します。ただし、式の基本構造は似ています。
式を編集するには
- 前のセクションで保存したレポートを開きます。
- 「行」パネルで、標準ユーザー定義属性「Ticket channel big or small?」をクリックします。
- 属性フィルターウィンドウで、下のスクリーンショットに示すように、「計算を編集」ボタンをクリックします。
- 「標準ユーザー定義属性」パネルが開き、標標準ユーザー定義属性が表示されます。
- 式を次のものに置き換えます。
IF (COUNT(Tickets)>4) THEN "Big" ELIF (COUNT(Tickets)=4) THEN "Medium" ELIF (COUNT(Tickets)<4) THEN "Small" ENDIF
これは、IF THEN ELSE関数をくりかえし記述しなくて済む便利な方法です。SWITCH関数を使用しても同様の結果が得られます。
- 操作を完了したら、「保存」をクリックします。
- Exploreでレポートが再計算され、結果が表示されます。
チケットチャネルの1つ(メール)にはチケットが4つあるため、「Medium」というラベルが付けられています。
その他の例
以下の例に挙げた式は、そのまま使用することもできますが、独自のニーズに合わせて修正して使用することができます。
式 | 説明 |
---|---|
IF ([チケットのステータス]="オープン") THEN [チケットID] ENDIF | オープンステータスのすべてのチケットのIDを返します。 |
IF ([チケットタグ]="csat") THEN [チケットID] ENDIF | csatタグを持つすべてのチケットのIDを返します。 |
IF (CONTAINS([チケットの件名],"Tweet"))THEN [チケットID] ENDIF | 件名に「Tweet」という単語を含むすべてのチケットのIDを返します。 |
IF DATE_EQUAL([チケットの作成日時 - 月],[チケットの解決日時 - 月]) THEN [チケットID] ENDIF | チケットが作成された月間に解決されなかったすべてのチケットのIDを返します。 |
次のステップ
Exploreには、数百ものメトリックと属性が用意されており、式に使用できるさまざまな関数があります。さらに、日付の計算、時間の比較などのために、他のタイプのユーザー定義メトリックと属性もあります。
独自のユーザー定義メトリックと属性の作成をぜひ試してみてください。参考のため、役に立つ記事を以下に挙げておきます。
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