Zendesk Chatではトリガを使用して、カスタマーに関する情報の追加、ワークフローのルーティングの改善、スパムリクエストの処理を行うことができます。
トリガの詳細については、「Zendesk Chatトリガに関するリソース」を参照してください。
この記事では、以下について表形式で説明します。
トリガ起動イベント
トリガの作成時に、起動イベントを選択する必要があります。これらのイベントは、そのトリガが実行されるかどうかを決定し、その実行条件をチェックして、定義されたアクションを実行します。起動イベントは、トリガを作成する際に「トリガの実行」ドロップダウンから選択します。
- チャットウィジェットがページに表示されているが、訪問者がウィジェットを操作していない場合にトリガを実行するには、「訪問者がチャットウィジェットをロードしたとき」を選択します。
この条件はプリチャットフォームよりも優先されます。プリチャットフォームを維持するには、この条件ではなく、「訪問者がチャットを要求するとき」条件を使用します。
- 訪問者がチャットを要求したときにトリガを実行する場合は、「訪問者がチャットを要求するとき」を選択します。
- 訪問者がチャットウィジェットにテキストを入力して送信したときにトリガを実行する場合は、「チャットメッセージが送信された場合」を選択します。
トリガの演算子
次の演算子を使用して、トリガの条件文を作成します。
演算子 | 説明 |
---|---|
等しい | 正確に一致する。
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より小さい | 指定された値未満である。
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より大きい | 指定された値を超える。
|
次より小さいか等しい | 指定された値と正確に一致するか、その値より小さい。<= 3 returns true on a 3, 2, 1, or 0 |
次より大きいか等しい | 指定された値と正確に一致するか、その値より大きい。
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等しくない | 指定した値以外のすべての値。
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次を含む | 指定したテクストを含む文字列。
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次を含まない | 指定したテキストを含まない文字列。"help" matches true with "not just anybody" |
正規表現 |
Python RegEx frameworkを使用して、正規表現での値の一致を表します。このフィールドは、部分一致ではなく、完全一致を返します。サポートが必要な場合、クイックリファレンスおよび検証ツールとしてPythexを使用できます。
|
トリガ条件
条件文は、条件、フィールド演算子、条件の値(選択した条件により異なる)から成ります。条件文は、基本的に、指定した条件に一致したすべてのture値を返すif文です。「以下のすべての条件をすべて確認する」を選択している場合、1番目の条件文がfalseと評価されると、トリガは終了します。「以下の条件のいずれかを確認する」を選択している場合、条件が1個でもtrueと評価されれば、指定の操作が実行されます。
条件 | 説明 |
---|---|
時間/日付 | |
時間 | 時間(UTC): 0 = 深夜0時 23 = 午後11時 「時間」条件では時間のみが使用され、分は含まれないことに注意してください。 |
曜日 | 曜日: 0 = 月曜日 6 = 日曜日 |
サイトアクセス中 | この条件は、シナリオで指定した秒数が経過した後で、ユーザーが引き続きドメインを閲覧中かどうかを調べます。 最大3600秒 |
ページアクセス中 | この条件は、シナリオで指定した秒数が経過した後で、ユーザーが引き続き同じページを閲覧中かどうかを調べます。 最大3600秒 |
訪問者の場所 | |
訪問者のIP | 訪問者のIPアドレス |
訪問者のWebホスト名 | 訪問者のIPアドレスに関連付けられたホスト名(ドメイン) |
訪問者の都市 |
訪問者のIPアドレスに関連付けられた都市名 |
訪問者の地域 |
GeoIPによる訪問者の地域。 米国およびカナダについては、ISO-3166-2の地域コードを使用します。地域コードは各州を表します(バーモントなど)。 その他の地域についてはすべて、FIPS 10-4標準を使用します。次のGeoIP Webサイトに、すべての地域のコードをリストしたCSVファイルがあります。 http://www.maxmind.com/download/geoip/misc/region_codes.csv |
訪問者の国コード | 訪問者のIPアドレスに含まれる2文字から成る国コード。コードでは大文字と小文字が区別され、大文字にする必要があります。 |
訪問者の国名 | 訪問者のIPアドレスに関連付けられた国名 |
過去の訪問情報 | |
訪問者の過去のアクセス回数 | 訪問者が過去にアクセスした回数。0 = 初回の訪問 最大値210万 |
訪問者の過去のチャット回数 | 訪問者が過去にエージェントとチャットを行った回数。0 = 初回のチャット |
ページ情報 | |
訪問者がアクセス中のページのURL | 訪問者が現在閲覧中のページのURL(ウィジェットがインストールされているページ)。 |
訪問者のページタイトル | 訪問者が現在閲覧中のページのタイトル(ウィジェットがインストールされているページ)。 |
訪問者のページ数 | 訪問者が閲覧したページの数。最初のページ = 1 |
前回のページ | ユーザーが前回アクセスしていたページのURL |
訪問者情報 | |
訪問者名 | 訪問者の名前。 |
訪問者のメールアドレス | 訪問者のメールアドレス。 |
訪問者のリファラ | 訪問者のリファラURL。該当する場合は、コンテンツヘッダーから特定されます。 |
訪問者の検索エンジン | 該当する場合は、リファラの参照検索エンジン。これらの値は大文字と小文字を区別します。小文字で指定します。 yahoo bing yandex |
訪問者の検索語 | 該当する場合は、リファラの検索語。 |
訪問者タグ | タグ(「タグを設定」操作により適用)。 |
トリガ済み訪問者 | トリガ済み訪問者(「トリガ済みに設定」操作によりアクティブ化)。ドロップダウンメニューから次のどちらかの値を選択します。 はい いいえ |
訪問者の部門 | 訪問者の部門(「訪問者に応対する部門を設定」操作またはJavaScript APIで設定) |
訪問者のソフトウェア/コンピュータ | |
訪問者のユーザーエージェント | 訪問者のユーザーエージェント文字列。 |
訪問者のブラウザ | 訪問者が使用しているブラウザ。 |
訪問者のプラットフォーム | 訪問者が使用しているプラットフォーム。 |
オンラインステータス | |
アカウントのステータス | 階層システムとして機能するZendesk Chatアカウントのステータス。 オンライン 離席中 オフライン
|
部門のステータス |
選択したZendeskの部門のステータス。 オンライン 離席中 オフライン |
訪問者のステータス | 訪問者のステータス。 オンライン アイドル(10分間、チャットウィンドウでマウスやキーボードを操作しない場合) |
チャット関連情報 | |
訪問者がチャット中 | 訪問者が現在アクティブなチャットセッションにいる場合に「true」となります。 |
訪問者がチャットを要求しています | 訪問者がチャットメッセージで「送信」を押してチャットを要求している場合は「true」となります。 訪問者がチャットを要求していない場合は「false」となります。 |
訪問者が応対されました | 訪問者が現在エージェントによってサービスを受けている場合は「true」となります(たとえば、エージェントがカスタマーにサービスを提供することを選択し、チャットで最初のメッセージを送信した場合)。 エージェントが訪問者に応答を送信していない場合は「false」となります。 |
送信者 | チャットメッセージの送信者名。 |
送信者の種類 | 送信者のタイプ。これらの値は大文字と小文字を区別します。小文字で指定します。 訪問者 エージェント |
メッセージ | 送信中のメッセージ |
部門 | 訪問者がプリチャットフォームから選択した部門(名)。 |
訪問者キュー | |
キューサイズ(アカウント) | アカウントで受信したチャットリクエストの合計数。この条件は合計のアカウントキューを対象とし、部門キューは測定しません。 |
トリガの操作
アクション文では、すべての条件文が真である場合、トリガを起動して実行する操作を定義します。アクション文は、then文と見なすことができます。もしすべての条件が真であれば(if)、これらのアクションを実行してユーザーを更新し(then)、必要があれば通知を送信します。
アクション | 説明 |
---|---|
訪問者にメッセージを送る | 指定されたメッセージを訪問者に送信します。
メモ:アカウントがオフラインの場合、このアクションは動作しません。
|
トリガ済みに設定 | 「トリガ済みに設定」はtrueまたはfalseのどちらかの値をとり、「トリガされた訪問者」条件と組み合わせて使用できるフラグを適用します。ドロップダウンメニューから次のどちらかの値を選択します。 はい いいえ
メモ:アカウントがオフラインの場合、このアクションは動作しません。
|
待機 | 次の操作を実行する前の遅延時間(秒数)。
メモ:複数のトリガを特定の順序で実行する必要がある場合は、各トリガ間に少なくとも1秒の待機時間を追加する必要があります。待機時間が必要な理由は、トリガが特定の順序で実行されるのではなく、評価と実行が同時に行われるためです。
|
タグを追加 | チケットにタグを追加します。 |
タグを削除 | チケットからタグを削除します。 |
訪問者の名前を設定 | 訪問者の名前を設定します。 |
訪問者に応対する部門を設定 | 訪問者プロフィールに部門を追加します。このアクションを選択すると、ドロップダウンメニューが表示され、利用可能な部門を選択することができます。「トリガの実行」が「訪問者がチャットウィジェットをロードしたとき」に設定されている場合のみ動作します。 |
メモを置き換え | 訪問者のプロフィールのメモを置き換えます。 |
メモを追加 | 訪問者のプロフィールのメモを追加します |
訪問者をブロック | 訪問者がチャットサービスにアクセスできないようにします。訪問者のブロックについて詳しくは、「訪問者にChatへのアクセスを禁止する方法」を参照してください。 |
メールをリクエスト(会話の継続) | メッセージに関連するアクション。会話を継続して再開するためのメールをリクエストする自動メッセージを訪問者に送信します。詳細については、「会話の継続を有効にして、カスタマーとのメッセージングを再開する方法」を参照してください。 |
メッセージングの評価をリクエスト | メッセージに関連するアクション。会話終了時に満足度アンケートを自動送信します。「メールとメッセージングのCSAT(カスタマー満足度)のユーザーエクスペリエンスについて」を参照してください。 |
トリガのプレースホルダ
プレースホルダは、訪問者の詳細情報への参照です。この情報をトリガのアクション文で使用します。トリガが起動されると、プレースホルダは、現在の訪問者とセッションの情報を引き出します。
プレースホルダ | タイプ | 説明 |
---|---|---|
@hour_of_day | 整数 | 現在の時刻(UTCタイムゾーン)。0 - 23 |
@day_of_week | 整数 | 本日の曜日(0 = 月曜日、6 = 日曜日) |
@visitor_ip | 文字列 | 訪問者がいる住所(市区町村、IPアドレスに基づく) |
@visitor_hostname | 文字列 | 訪問者のIPアドレスのホスト名 |
@visitor_city | 文字列 | 訪問者の都市 |
@visitor_region | 文字列 | 訪問者がいる地域(IPアドレスに基づく) |
@visitor_country_code | 文字列 | 訪問者の国番号を表す2文字の国コード(IPアドレスに基づく)コードでは大文字と小文字が区別され、大文字にする必要があります。 |
@visitor_country_name | 文字列 | 訪問者の国(IPアドレスに基づく) |
@visitor_page_url | 文字列 | 訪問者が現在閲覧中のページのURL |
@visitor_page_title | 文字列 | 訪問者が現在閲覧中のページのタイトル |
@visitor_referrer | 文字列 | 訪問者のリファラURL |
@visitor_search_engine | 文字列 | 訪問者がWebサイトの検索で使用した検索エンジン(ブランクの場合あり) |
@visitor_search_terms | 文字列 | 訪問者がWebサイトの検索で使用した検索用語(ブランクの場合あり) |
@visitor_user_agent | 文字列 | 訪問者のブラウザのユーザーエージェント文字列 |
@visitor_browser | 文字列 | 訪問者のブラウザ |
@visitor_platform | 文字列 | 訪問者のプロフィールのメモを追加します |
@account_status | 文字列 | アカウントのステータス(「オンライン」、「離席中」、「オフライン」) |
@visitor_previous_visits | 文字列 | 訪問者が過去にアクセスした回数 |
@visitor_previous_chats | 文字列 | 訪問者が過去にエージェントとチャットを行った回数 |
@visitor_name | 文字列 | 訪問者の名前。 |
@visitor_status | 文字列 | 訪問者のステータス(オンライン、アイドル、オフライン) |
@visitor_time_on_page | 文字列 | 訪問者が現在のページに滞在している時間 |
@visitor_time_on_site | 文字列 | 現在のログイン中に訪問者がサイトに滞在した時間 |
@visitor_page_count | 文字列 | 訪問者が閲覧したページ数 |
@visitor_requesting_chat | 文字列 | 訪問者がチャットをリクエストした場合は、True |
@visitor_served | 文字列 | エージェントが訪問者を応対中の場合は、true |
@visitor_tags | 文字列 | 訪問者に適用されているタグ |
@visitor_triggered | 文字列 | トリガ起動済の訪問者(trueまたはfalse) |
@referrer | 文字列 |