このレッスンでは、次のトピックについて説明します。
チケットビュー
前のレッスンでは、ビューを紹介しました。ビューを使用すると、チケットライフサイクルのあらゆるステージでチケットを整理できます。このレッスンでは、ビューを使ってチケットを整理する方法について詳しく見てみましょう。また、どのようなツールをユーザーの整理に利用できるかについても説明します。ここでの「ユーザー」には、カスタマーとサポートスタッフの両方を含みます。
まず、ビューを見てみましょう。
ビューはチケットワークフローの管理に不可欠です。というのも、ライフサイクルにおけるチケットのステータスの変化に合わせて、チケットをわかりやすくグループ化ができるからです。
Zendeskには、編集可能な既定のビューがいくつかあります。これらのビューは、日々のZendesk Supportの運用という重要な業務に役立つように作られていて、カスタマーサービスのベストプラクティスに基づいています。
サイドバーのビューアイコン()をクリックすると、ビューのリストが表示されます。すべてのZendeskアカウントには、便利な次のビューが含まれています。
ビューでは、チケットのプロパティに基づいてチケットを整理するため、同じチケットが複数のビューに表示されることもあります。たとえば、新しいチケットは「未割り当てのチケット」、「すべての未解決チケット」、「あなたのグループの新規チケット」の各ビューに表示されます。新規のチケットは、これらのビューを構成するすべての条件を満たしているからです。
新規のビューを作成することも、既存のビューをニーズに合うように編集することもできます。
共有ビューと個人ビュー
Zendeskアカウントに用意されている既定のビューは、エージェント全員が利用できます。これらは共有ビューです。これらのビューを編集したり、独自のビューを作成したり、ビューにアクセスできるメンバーを制限したりすることができます。
また、管理者は、特定のグループのエージェントだけが閲覧できるビューを作成できます。これらのビューは、制限付きのビューと呼ばれます。
最後に、すべてのエージェントが、自分しかアクセスできない個人ビューを作成できます。
個人ビューを作成する
次の動画は、解決済みチケットを表示する個人ビューの作成方法について紹介しています。
ビューの作成(1:29)
やってみましょう
自分に割り当てられたすべてのチケット(解決したものも未解決のものも含む)を表示する新規ビューを作成します。前回のレッスンでテストチケットを作成したので、ビューにはチケットが1件表示されています。
- サイドバーのビューアイコン()をクリックします。
- ビューのリストの下にある「ビューを管理する」をクリックすると、管理センターの「ビュー」ページが表示されます。
- 「ビューを追加」をクリックします。
- 新しいビューのタイトルを入力します(例:「自分のチケット」など)。
-
条件を使用して、ビューに表示するチケットを定義します。条件とは、チケット内のデータを選択するシンプルな式であると考えてください。この例では、自分に割り当てられたチケットを表示するビューを作成します。それには、「次のすべての条件を満たす」の下のドロップダウンリストをクリックします。「チケット:担当者」を選択します。2個のドロップダウンリストが隣に表示されます。すぐ隣のリストは、「=」と設定されています。今度は右端のドロップダウンリストをクリックし、「(現在のユーザー)」を選択するか、またはエージェントの一覧から自分の名前を選択します。どちらを選択しても同じ結果になります。これで条件を定義できました。
- 定義した条件の結果をすぐに確認したい場合は、「プレビュー」をクリックします。チケットが表形式で表示されます。
- また、ビューを定義するときに、ビューのフォーマットとそのビューを閲覧できるユーザーを指定することができます。ここでは、デフォルトのフォーマットをそのまま使用します。「アクセスできるユーザー」メニューで、「自分のみ」を選択します。
- 「保存」をクリックします。これで、1個目の個人ビューを作成できました。
新しいビューは、Zendesk Supportのプリセットのビューリストの下にある「自分のビュー」に表示されます。
エージェントと担当チケットをグループ化する
既定のビューのいくつかが、グループ化されていることにお気づきでしょうか。Zendesk Supportでは、エージェントをグループごとに整理しています。チケットをエージェントに割り当てた場合、エージェントが属しているグループにも割り当てたことになります(エージェントは同時に複数のグループに所属できます)。
また、チケットをグループ内の特定のエージェントにではなく、グループ自体に割り当てることもできます。このようにした場合、グループ内のエージェントがチケットの担当者を決められるようになります。
エージェントのグループは、どのようなグループでも作成できます。通常、グループは、エージェントを専門分野や経験値(例:「製品サポート」、「プレミアムサポート」など)、拠点や言語別に分類するために使用されます。
各グループに割り当てられたすべてのチケットをリストするビューを作成することもできます。
チケットや、チームが必要とするビューを整理する方法については、自社の組織に合わせて検討してください。たとえば、エージェントが数人しかいない場合、「未割り当て」ビューが1つあれば十分でしょう。エージェントはこのビューを見て、担当するチケットを選びます。サポートチームの規模が大きい場合は、グループごとに専用のビューを作成し、チケットが自動的に各グループに割り当てられるように設定するとよいでしょう。
チケットキューの管理方法について検討し、決定したワークフローで必要となるビューとグループを作成しましょう。
既定のグループ
Zendesk Supportには、「サポート」というグループが用意されています。これは、自分自身と、自分が追加したすべてのエージェントが自動的に追加されるデフォルトのグループです。新規グループを作成したり、Zendesk Support内の任意のグループに対してエージェントの追加や削除を行うことができます。デフォルトのサポートグループが用意されている理由は、チケットを担当して解決するにはエージェントがグループに属している必要があるためです。
グループを作成する
グループはいくつでも作成できます。自社のチケットワークフローをサポートするのに必要な数のグループを作成しましょう。この例では、プレミアムサポート用に新しいグループを作成します。 グループの作成方法については、次のビデオをご覧ください。
グループを作成する(0:57)
グループを作成する場合、以下の手順で操作します。
- サイドバーの管理アイコン()をクリックし、「管理者センターへ移動する」を選択します。
- 管理センターで、サイドバーの()メンバーをクリックし、「チーム」>「グループ」を選択します。
- 「グループを作成」をクリックします。
- 新しく作成するグループの名前を入力します(例:「Advanced support」など)。
- Zendesk Supportの全エージェントのリストから、自分の名前を選択します。
- 「グループを作成」をクリックします。
グループの数は、デフォルトの「サポート」グループと、新しく作成した「Advanced support」グループの2つになりました。次に、このグループの使い方について説明します。
カスタマーを整理する
サポートワークフローを管理しやすいように、カスタマーを1つ以上の組織に追加することができます。そして、組織ごとに、種類の違うサポートを提供します。
ユーザーがデフォルトで所属する組織は、ユーザーが作成したチケットとの関連で決まります。また、このデフォルトの組織を使用して、届いたチケットの処理方法を自動化することができます。
組織は主に、カスタマーとの間に交わしたSLA(サービスレベルアグリーメント)のサポートや、企業名やメールドメイン、拠点や言語別のチケットの追跡と管理などを行うために使用します。
また、Zendesk Supportチケットへのアクセスを管理する手段としても使用できます。特定のユーザーに対して、自社組織のすべてのチケットの閲覧を許可し、組織全体に影響するZendesk Supportのサポート案件を把握できるようにします。こうすることで、たとえばシステムの停止で基幹アプリケーションが一時的に利用不能になっている場合など、組織全体に影響するサポート案件のチケットが多数重複して作成されるのを防ぐことができます。
また、エージェントを組織に追加することもできます。そのようにするのは、エージェントが特定の組織のチケット以外にはアクセスできないよう制限したい場合などです(注:また、エージェントが特定のグループのチケットにしかアクセスできないように制限することもできます)。さらに、特定の組織からのチケットを自動的に特定のグループに割り当てることもできます。
ユーザータグと組織タグ
ユーザープロフィールと組織プロフィールには、Zendesk Supportワークフローのカスタマイズに使用できる詳細情報を含めることができます。これらのプロフィールにタグを追加することで、チケットの割り当てや追跡を自動化することができます。
たとえば、「プレミアムサポート」というタグをユーザーまたは組織に追加した場合、このタグは、そのユーザーまたはその組織に属するユーザーから届いたすべてのチケットに自動的に追加されます。このタグを使用して、プレミアムサポートチケットを追跡する新規のビューの作成などができます。
組織を作成する
Zendesk Supportにはデフォルトの組織は用意されていません。組織を使用する場合は、自分で作成する必要があります。組織の作成方法については、次のビデオをご覧ください。
組織の作成(1:01)
組織を作成する場合、以下の手順で操作します。
- 前回と同じように、新しいサポートチケットを開きます。チケットのリクエスタの名前が、まだ組織に追加されていないユーザーのものであることを確認します。テスト用に新しいユーザーを作成してもかまいません。
チケット内には3つのタブが表示されます。最初が「組織」タブ、2番目が「ユーザー」タブ、3番目が「チケット」タブです。
- 新しい組織を作成するには、「組織(作成)」タブをクリックします。
- 組織名の入力を求められるので、名前を入力します。たとえば、この組織に「カスタマー」と名前を付けます。
メールドメインを1つまたは複数入力してもよいでしょう。指定したメールドメインを持つ新規ユーザーがすべてこの組織に自動的に追加されるようになります。こうしておくと、特定の企業にサポートを提供していて、組織ごとにユーザーをグループ化したい場合に便利です。たとえば、@somecompany.comのメールドメインを持つすべてのユーザーを、「Some Company」という組織に追加できます。メールドメインを入力せずに組織を作成し、後で必要になったときに設定してもかまいません。
- 「追加」をクリックすると、新しい組織が作成され、チケットへの関連付けがユーザーのプロフィールに追加されます。
ユーザーロール
これまで、エージェントとカスタマーについて説明しました。Zendesk Supportでのやりとりで主要な役割をはたすのは、この2つのユーザーロールです。カスタマーには解決してもらいたい問題があり、エージェントがそれらの問題を解決します。ただし、これ以外にも重要なユーザーロールがいくつもあります。
まず、「カスタマー」という用語は、しばしば「エンドユーザー」とまったく同じ意味で使用されます。この2つの用語はどちらも、Zendesk Supportのインターフェイスやドキュメント類、トレーニングで使用されています。どちらの用語も、Zendesk Supportを使用してサポートを要求するメンバーを示しています。
次に、Zendesk Supportスタッフのロールを確認してみましょう。エージェントロールについてはもうご存知ですね。エージェントは、主にチケットの解決を担当します。ただし、エージェントに特定の権限を割り当てて、Zendesk内の別の担当領域へアクセスできるようにすることもできます。たとえば、一部のエージェントにヘルプセンターの管理とモデレーションを任せることができます。
エージェントのほかに、管理者というロールもあります。Zendeskアカウントには、1人または複数の管理者を設けることができます。管理者のロールは、Zendeskアカウントのマネージャーだと考えてください。管理者はアカウントでのサポート用チャネルの設定、共有ビューの定義、ユーザーの管理などを行います。
Zendeskアカウントの作成者は、アカウントオーナーになります。このロールは、最上位の管理者権限を持ち、Zendeskで実行可能なすべての操作を実行できます。
カスタムエージェントロール
Zendesk Support Enterpriseでは、カスタムエージェントロールとカスタム管理者ロールを作成できます。つまり、権限リストにある、ワークフローをサポートするために設計された各ロールをカスタマイズすることができます。共通ロールもいくつか用意されており、そのまま使うこともカスタマイズすることもできます。
新しいエージェントを作成してグループと組織に割り当てる
Zendesk Supportのユーザーロールを理解したら、次はサポートエージェントを追加してみましょう。それには、Zendeskアカウントでまだ使ったことのないメールアドレスを使用する必要があります。つまり、Zendeskアカウントの作成に使用したメールアドレスは使用できません。
Zendesk Supportにエージェントを追加する方法については、次の動画をご覧ください。
エージェントを追加する(1:15)
- Supportで、カーソルを上部のツールバーの「追加」タブに合わせて、「ユーザー」をクリックします。
- 新しく作成するエージェントの名前とメールアドレスを入力します。
- ユーザータイプとして「スタッフメンバー」を選択します。
- 「ロール」ドロップダウンリストをクリックし、「エージェント」を選択します。次に、「追加」をクリックします。
新しいユーザーのプロフィールページが表示されます。このページで、新しいエージェントを他のグループに追加したり、チケットやZendeskアカウントの他の機能へのアクセスを指定したり、必要に応じて任意のユーザープロフィール情報を追加したりできます。
- 「グループ」フィールドをクリックします。
エージェントを別のグループに追加するように求められます。先ほど作成した「 Advanced support」グループを選択します。 - 今度は、エージェントのアクセス権限を設定します。「アクセス」フィールドをクリックし、「エージェントの組織のチケット」を選択します。
- エージェントのアクセス制限を完了するには、「組織」フィールドをクリックし、「カスタマー」を選択します。
これで完成です。ユーザープロフィールに加えた変更は、自動的に保存されます。ここでは、エージェントを追加し、追加したエージェントをグループに追加したうえで、「カスタマー」という組織からのチケット以外にはアクセスできないよう制限しました。