管理者はスキルベースルーティングを使用して、個々のエージェントおよびチケットの条件セットに関連する属性となる「スキル」を設定できます。チケットを監視するエージェントに最適なチケットが表示されるように、ビューを設定することができます。
スキルベースルーティングの運用を開始する際には、以下の推奨事項を参考にしてください。
- スキルを事前に設計する:リビジョンを簡単に作成できます。
- スキルの範囲を確認する:一般的なスキルとスキルの組み合わせに対応できる数のエージェントを確保します。
- スキルをカテゴリに分類する:Zendeskでスキルを設定する際に、同じカテゴリのスキルをまとめます。
- チケット作成時の情報に基づいて条件を定義する:ただし、実行の準備が整うまでチケット条件は保存しません。
- 小規模のエンドツーエンドのテストから始める:このリリースでは、必要なツールが提供されています。信頼できるエージェントを数人使って、最良の設定を見つけ、問題を解決します。
- 広範に定義した1つのビューでエージェントに作業させる:スキルマッチングロジックが差別化をもたらします。
スキルを事前に設計する
スキルベースルーティングを設定することの大半は、調査、戦略策定、計画といった作業です。どのようなスキルが必要で、誰がそれらのスキルを持っているのか、そして既存のルールをどのように置き換えることができるのかを検討します。Zendeskで設定を始める前に、この設定作業をできるだけオフラインで行うことをお勧めします。Zendeskスキルインターフェイスはかなりシンプルなものですが、ほとんどの場合、調整や変更を加えるには、スプレッドシートなどのドキュメントを使う方が容易です。
スキルは属性であり、エージェントが特定のチケットを処理するのに適しているかどうかを規定します。属性は、すでに既存のワークフローおよびチーム体制にある程度反映されているものと考えられます。
既存の設定を確認する:
- トリガ、グループ、およびビューはどのような設定になっているか。そのうち、チケットを特定のエージェントに振り分けているものはどれか。これらの多くはスキルベースルーティングに置き換えることができます。
- Zendeskのローカリゼーション機能を使用している場合は、言語スキルを簡単に設定できます。他のルールで使用されているものと同じ言語検出条件をルーティングにも使用できます。
組織を確認する:
- あるエージェントを他のエージェントと区別する属性は何か。勤続年数の差か、熟練の差か。これらの変数に基づいてスキルを設定し、チケットのルーティングを検討する必要があります。
- 各チケットの相違点に注目します。バリエーションが多いか。
- チームまたはチームリーダーと話してみる。特定の話題について「ついて行ける」人や「ついて行けない」人がいることが周知されているか。
スキルの範囲を確認する
需要の高いスキルまたはスキルの組み合わせを持つエージェントが1人しかいない場合、そのエージェントはすぐに過負荷になる可能性があります。
チームリーダーに相談したり、エージェントと話をしてみてください。あなたが必要と判断したスキルのうち、誰がどのスキルを備えているか。
スキルを特定するためにグループを使用したことがあるか。そのグループには誰がいたか。仕事量のバランスが取れていたか。
需要の高いスキルの組み合わせと、そのスキルセットを持つエージェントの数を特定します。必要なスキル範囲を確保するために、エージェントを訓練したり、雇用する必要があるかもしれません。
スキルをカテゴリに分類する
Zendeskでスキルを設定する場合は、最初に「スキルタイプ」を作成してから、特定のスキルを作成します。たとえば、「言語」はスキルタイプで、「スペイン語」はスキルです。
スキルタイプとスキルの作成を事前に行なうことで、Zendeskのスキル設定をスームズに進めることができます。カテゴリレベルでスキルを検討することは、思いがけないスキルを見つけるのにも役立ちます。
チケット作成時の情報に基づいて条件を定義する
チケットが必要とするスキルをZendeskが認識できるようにするには、条件を設定します。
スキル設定画面では、使用できるすべての条件がドロップダウンリストに表示されます。通常は、チケット作成時に、適用可能な条件から選択できます。
リクエスト作成時にカスタマーが何を指定したか。ルーティングルールはどのようにスキルにマッピングされるのか。カスタムフィールドとフォームがルーティングに役立ちます。
スキルをプレースホルダとして設定することはできますが、条件の設定は、条件が正しいと確認できてから行うようにします。確認する前に設定すると、不適切なスキルをチケットに適用してしまう恐れがあり、その場合には、手作業で修正しなければなりません。
まず、スキルタイプを1個とそのタイプに属するスキルをいくつか考えてみましょう。
小規模のエンドツーエンドのテストから始める
スキルをいくつか設定して実行したら、自分自身をそれらのスキルに追加します。スキルマッチ列を含む自分用のビューを設定します。チェックマークは期待どおりの場所に付いていますか?そのビューにスキルマッチフィルターを追加します。チェックマークが付いていないチケットは表示されません。
チケットを見てみましょう。スキルを設定すると、各チケットにスキルボックスが表示されます。(現在のバージョンでは、管理者だけがこれを見ることができます。) 適切なスキルが表示されているかどうか確認し、表示されていない場合は、チケット内で修正し、次に、次回から適切に表示されるように条件を調整します。
1人または2人のエージェントに、「スキルマッチ」列を使用したパイロットテストを依頼してみてください。テストを行うエージェントがよく使用するビューを選択し、それを複製して、ほかのエージェントが「スキルマッチ」列で煩わされることのないようにします。(なお、「スキルマッチ」列は、Playボタンまたはガイドモードと互換性がありません。) どうでしょうか。
「スキルマッチ」列の代わりにスキルマッチフィルターを使用してパイロットテストを実行します。この場合、エージェントは、Playモードまたはガイドモードを使用できます。エージェントにとっては、このやり方のほうが簡単ですか?
このやり方では、スキルマッチするチケットにエージェントが集中でき、該当するチケットをすばやく切り替えられるため、フィルターがうまく機能します。一方で、スキルマッチしてないチケットがエージェントに表示される可能性があります。このようなチケットは、誰のスキルともマッチしない未対応のチケットがあることを、エージェントに知らせるために表示されます。なお、すべてのビューにスキルフィルターが適用されているわけではなく、その場合は「スキルマッチ」列を使用します。
広範に定義した1つのビューでエージェントに作業させる
スキルベースルーティングの導入により、効率が大きく向上しました。従来はさまざまなスキルの組み合わせを反映するために複数のビューが必要でしたが、1つのビューで動的に表示できるようになったためです。スキルベースルーティングを運用する準備ができたら、多くのエージェントが使用できるように、適用範囲の広いビューを設定します。複数のビューを切り替える必要はもうありません。
パイロットテストの結果に応じて、フィルタリングされたビューを使用するか、「スキルマッチ」列を使用するかを選択できます。フィルタリングされたビューを使用する場合、フラグが立ち、ビュー内に一部のチケットしか表示されていないことをエージェントに示します。管理者には、自分のスキルに対してフィルタリングされたビューも表示されます。
フィルタリングされたビュー内のすべてのチケットを監視するには、ビューの複製を作成します。ただし、複製したビューにはフィルターがないため、誰のスキルにもマッチングせずに見落とされるリスクのあるチケットを確認できます。スキルマッチ列を使用して、すべてのエージェントのスキルを表す独自のスキルを設定します。これにより、チェックマークのない孤立したチケットを見つけることができます。
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