このレッスンでは、次のトピックについて説明します。
セルフサービス
カスタマーが質問や問題の回答や解決策をサポートに問い合わせることなく自分で見つけられるようになれば、サポート待ちのチケットの件数を大幅に削減できます。サポートキューが短いほど、カスタマーの満足度は向上し、管理コストは低く抑えられます。
カスタマー自身が問題の解決策を見つけられるようにするには、ナレッジベースを提供するとよいでしょう。これは、チケットの削減とよばれ、カスタマーに提供するサポートの強化に不可欠な対策です。
Zendesk Guideを使用して、ブランド設定されたカスタマー向けサポートサイト(「ヘルプセンター」と呼ばれる)を作成できます。ナレッジベースのコンテンツを公開できるヘルプセンターは、カスタマーがサポートリクエストを作成できる場所でもあります。
「リクエストを送信」フォームはヘルプセンターに自動的に追加されます。設定は必要ありません。
ヘルプセンターのテーマ
テーマを使って、ヘルプセンターの外観や操作性をカスタマイズできます。既成のさまざまなテーマをそのまま適用できますが、Guideの一部のバージョンでは独自のテーマを作成することもできます。
Guideには、モバイルデバイス用のレスポンシブテーマであるCopenhagenテーマが付属しています。このテーマは、ヘルプセンターの設定時にデフォルトで有効になりますが、現在別のテーマを使用している場合は、それに切り替えることができます(「ヘルプセンターのテーマを変更する」を参照)。
Guideを使ってみましょう
このレッスンを続ける前に、「初めてのGuideの使い方」の内容をぜひご確認ください。
ヘルプセンターを作成する
ヘルプセンターの運用開始に先立ち、まずヘルプセンターを作成する必要があります。作成したヘルプセンターは設定モードになり、管理者とエージェントだけが閲覧可能になります。稼働準備ができ、管理者がアクティベートするまでは、エンドユーザーはヘルプセンターにアクセスできません。
次の手順に従って、ヘルプセンターを作成してみましょう。
- Zendesk Supportで、Zendesk製品アイコン()をクリックし、「Guide」を選択します。
- 表示されたページで利用規約に同意し、「Guideを有効にする」をクリックします。
デフォルトのテーマを使用してヘルプセンターが作成されます。
ヘルプセンターの外観をカスタマイズするためのさまざまなオプションが用意されています。カスタマイズについては、この後に詳しく説明します。
Guideのユーザーロール
前半のレッスンでは、Zendesk Supportのユーザーロール(エンドユーザー、エージェント、管理者、アカウントオーナー)について説明しました。Guideには、「Guideのマネージャー」というロールがあります。Guideのマネージャーには、ヘルプセンターへのフルアクセスの権限が付与されます。デフォルトで、すべての管理者がGuideのマネージャーになります。SupportエージェントはすべてGuideの閲覧者です。エージェントをGuideのマネージャーにするには、このロールを拡張します。たとえば、Webデザイナー、ライター、編集者、制作スペシャリストがヘルプセンターで作業する必要がある場合があるとします。これらの作業者にヘルプセンターへのアクセス権を付与するには、まずZendesk Supportエージェントとして追加してから、Guideのマネージャーロールを割り当てます。
エージェントにヘルプセンターへフルアクセス権限を与えたくない場合は、必要に応じて、セクションレベルでの編集のアクセス権限を許可できます。これにより、エージェントは指定されたセクションのコンテンツを追加、編集、削除できるようになります。
エンドユーザーはナレッジベースに投稿はできませんが、コミュニティに(利用可能な場合)質問を投稿したり、他のカスタマーに問題の解決方法をアドバイスすることができます。
ヘルプセンターへのアクセスを管理する
ヘルプセンターへのアクセスを誰に許可するかは管理できます。なぜヘルプセンターへのアクセスを制限するのでしょうか。制限が必要かどうかは、ヘルプセンターを利用するユーザーが、特定のグループなのか、いくつかのグループなのか、それとも不特定のユーザーなのかによって異なります。さらに、ヘルプセンターの特定のエリア内のコンテンツに対してのみ、アクセス制限を設定することもできます。たとえば、ナレッジベースやコミュニティの一部の公開をVIP顧客のみに限定できます。
ヘルプセンターをカスタマイズする
自社のブランディングをヘルプセンターにも適用することは、一貫したユーザーエクスペリエンスを提供するうえで非常に重要です。ヘルプセンターのルックアンドフィールは、かなり柔軟に変更できます。簡単に変更するには、カラーピッカーやフォントの選択ツールなどのシンプルなWYSIWYGツールを使って、製品ロゴやブランドのイメージカラー、Webフォントを追加します。
ヘルプセンターのデザインの基礎となるのはテーマです。Copenhagenテーマは、ヘルプセンターの設定時にデフォルトで有効になります。Copenhagenはベストプラクティスで、レスポンシブなテーマです。
コンテンツのレイアウトを規定しているCSSコードを編集することや独自のJavaScriptコードを追加することで、テーマをカスタマイズして外観を変えることができます。
カスタマーとチャットする
Zendesk Chatを有効にしておけば、カスタマーは、「チャット」ボタンをクリックするだけでエージェントとチャットを開始できます。
エージェントとカスタマーとのチャットでのやりとりは、チケット内に記録されます。
ヘルプセンターのブランドを設定する
ヘルプセンターのブランド設定は簡単にできます。
やってみましょう
- Guideで、サイドバーにある設定アイコン()をクリックし、「デザインをカスタマイズ」をクリックします。
- 編集するテーマを選択し、「テーマを表示」をクリックします。
- 「色」セクションで、カラーピッカーをクリックしてページの背景色を変更します。
自社のブランドカラーの16進数値がわかっている場合、テキストボックスに値を手動で入力できます。以下に例を示します。FFDB9C
変更を加えると、ページが更新され、変更を適用した状態をプレビューできます。「公開」をクリックしないと、変更は反映されません。
- ロゴを追加するには、「ブランド」セクションで「置換」をクリックしして画像をアップロードします。
- 変更を完了したら、サイドバーの一番上にある「公開」をクリックします。
または、変更を取り消す場合には、サイドバーの「変更を破棄する」リンクをクリックします。
- 「閉じる」をクリックし、プレビューモードを終了します。
特定言語のみまたは多言語対応のナレッジベースを作成する
ナレッジベースとは、企業がユーザーに公開する公式なコンテンツをまとめたものです。ナレッジベースを使用して、FAQやチュートリアル、ハウツー記事、プロセスと手順、リファレンスマニュアルなどを提供できます。
ナレッジベースをいちから作成するのは、気が重くなる作業になるかもしれません。まず2、3の記事から成る小さなナレッジベースを作り、それを発展させます。ベストプラクティスは、カスタマーからのよくある質問や問題の回答や解決策、つまづきやすいポイントへのアドバイスなどのコンテンツの作成に力を注ぐことです。
多言語でサポートを提供していて、各言語に対応したナレッジベースのコンテンツがある場合、そのすべてをヘルプセンターに追加します。言語ごとに個別のヘルプセンターを作成する必要はありません。
カスタマーがヘルプセンターにアクセスすると、自動的にWebブラウザの言語設定が検出され、適切な言語でコンテンツが表示されます。また、カスタマー自身が言語セレクタを使用してヘルプセンターの言語設定を選択することもできます。
カスタマーの言語がヘルプセンター内でサポートされていない場合、コンテンツはデフォルトの言語で表示されます。たとえば、デフォルトの言語が英語の場合、英語のコンテンツが表示されます。
記事の下書き
ヘルプセンターの新しい記事は下書きとして作成されます。下書きは保存されますが、公開はされません。公開する準備ができるまでは、何度でも編集できます。作業中の下書き記事をすべて表示するには、Guideで、サイドバーにある記事の管理アイコン()をクリックし、「下書き」をクリックします。
コミュニティを作る(Gather Professional)
Gather Professionalのヘルプセンターには、エンドユーザーどうしが助け合ったり、アイデアを共有するためのコミュニティプラットフォームが含まれています。コミュニティは、さまざまなディスカッショントピックに関する投稿から構成されます。投稿は、質問やヒント、機能リクエストなど、どのようなものでもかまいません。
エンドユーザーは、ディスカッショントピックや特定の質問をフォローすることで、他のユーザーの投稿に投票したり、話題を追跡したりできます。トピックや質問をフォローすると、ほかのユーザーが投稿を作成または更新したり、回答したときに通知が届きます。
Guideのマネージャーは、投稿を編集したり、ほかのトピックに追加したり、削除したりすることができます。エージェントにはこれらの変更を行う権限がありません。
ディスカッショントピック
コミュニティの投稿は、ディスカッションのトピックに関連付けられます。Guideのマネージャーは、トピックを追加、編集、削除することができます。エージェントにはこれらの変更を行う権限がありません。
トピックは何でもかまいません。複数の製品をサポートしている場合、製品ごとにトピックを追加します。1つの製品に多数の機能がある場合は、主要な機能またはタスクごとにトピックを追加します。所定のトピックに当てはまらない問題について話し合いたいときにユーザーが集まる場所として、一般的なディスカッショントピックを追加することもできます。このトピックを監視して、独立したトピックを立てたほうがいい新しい問題が話題に上がってないかチェックするようにします。
コミュティに投稿を追加する
自分のアイデアをユーザーに広く知らせたい場合は、コミュニティにアイデアを投稿して、エンドユーザーからフィードバックを得ることができます。
- コミュニティページで、「新規投稿」をクリックします。
- アイデアとその詳細を入力します。
- ドロップダウンメニューから、アイデアを投稿するコミュニティトピックを選択します。
- 「送信」をクリックします。
ヘルプセンターを管理する
ヘルプセンターの設定を完了し、ナレッジベースのコンテンツを追加して、コミュニティトピックを確定したら、すべてのカスタマーが利用できるように、ヘルプセンターをアクティベートします。ここから、「ヘルプセンターを管理する」という第2段階に進みます。
ヘルプセンターがアクティビティのハブです。つまり、カスタマーが質問すると、タイムリーに回答が得られるようになっています。カスタマーが、コメントしても回答を得られないと感じた場合は、ヘルプセンターを利用せずにサポートリクエストを送るようになります。これでは、ヘルプセンターを開設してチケットを削減しようとしたもくろみが台無しです。
ヘルプセンターを監視し、カスタマーからの質問に回答するエージェントを、1人または複数指名しておくとよいでしょう。このようにすることで、ヘルプセンターが活発に維持され、カスタマーの参加とリピート利用が促されます。ユーザーのコミュニティが発達するにつれ、ユーザーどうしの助け合いがはじまり、エージェントが必ずしもすべての質問に回答しなくてもすむようになります。大切なことは、すべての質問と回答がナレッジベースの財産になるということです。将来的には、ヘルプセンターにアクセスするユーザーが質問する必要さえなくなるかもしれません。
有用なリソースがあることをカスタマーに気付いてもらえるように、ヘルプセンターへの注意を喚起してみてもよいでしょう。ユーザーにヘルプセンターをもっと活用してもらうには、メールで通知したり、Webサイト上やソーシャルメディアネットワークで周知させます。また、Webサイトのページやメール内の目立つ場所や、可能な場合は製品のユーザーインターフェイス自体にリンクを表示させます。