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パート1では、メールチャネルのしくみの基本について説明しました。パート2では、受信したメールサポートリクエストと、実行可能なカスタマイズとワークフローについて説明しました。
メールセキュリティに関する注意
送信メール通知は暗号化されません。ただし、Zendesk Supportではメール交換用暗号化プロトコルTLS(Transport Layer Security)を使用し、日和見暗号化に対応しています。TLSを使用しない場合には、代わりにESMTPが使用されます。
サポートアドレスとして外部メールドメインを使用するよう設定している場合は、なりすましを防止し、カスタマーからのメールの正当性を確認するために、セキュリティレイヤーの追加を検討する必要があります。それには、DKIMまたはDMARCを使用して送信メールにデジタル署名を行います。
送信メール通知内の送信者情報をパーソナライズする
メール通知を使用してカスタマーに対応する方法をパーソナライズすることができます。メール通知のメッセージ(後述の「自動送信されるメール通知のメッセージの語句を変更する」を参照)のテキストをカスタマイズする以外に、送信メール通知を変更して、よりパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供することができます。
名前入りメール返信
「名前入りメール返信」機能により、サポートの会話でカスタマーとエージェントのどちらからも、チケットを更新した人の名前を確認することができます。エージェントの名前が送信メール通知の送信済みアドレスとして追加され、カスタマーの名前がエージェントへのメール返信の返信元アドレスに表示されます。このエクスペリエンスはデフォルトで有効になっています。
カスタムメール返信を有効にしておくと、下記のように、エージェントの名前がカスタマーに表示されます。
「名前入りメール返信」を無効にした場合、カスタマーに表示される情報は以下のとおりです(Zendesk Supportアカウントに使用した名前)。
詳細については、「カスタムメール返信の有効化」を参照してください。
エージェントエイリアス
Professional版とEnterprise版のZendesk Supportでは、エージェントの本名ではなくエイリアスを使用してエージェントの身元情報を保護できます。または、ニックネームやペルソナを使用することもできます。
詳細については、「エージェントのエイリアスの追加」を参照してください。
エージェント署名
各エージェントの署名をチケットコメントやメール通知に追加することができます。これは、エージェント設定ページでデフォルトとして設定されます。プレースホルダを使用して、エージェントが自分のプロフィールに追加する署名を挿入します。エージェントの署名には、名前、サポートグループの名前、連絡先情報などのテキストを含めることができます。
たとえば、Zendesk用に署名テンプレートを作成し、すべてのエージェント署名に、標準的な表現と書式で記述された会社の住所を含めることができます。
詳しくは、「エージェント署名のチケットメール通知への追加」を参照してください。送信メッセージにエージェントの署名を追加できます。
送信メール通知のリッチテキスト形式
送信メール通知にリッチテキスト形式を追加することができます。エージェントは、太字、斜体、リストに加えて、画像などのその他の書式を追加することができます。リッチテキスト形式の詳細については、「エージェントのフォーマットオプションの有効化」を参照してください。
送信メール通知に使用されるメールテンプレートのデザインをカスタマイズする
すべてのメール通知は、自社のブランドに合わせてカスタマイズできるメールテンプレートを使用して送信されます。テンプレートはHTMLとテキストの両方です。
また、テンプレートで使用されている語句(フッターに使用されている語句など)は、多少変更することもできます。これは、メール通知内のメッセージで使用されている語句と混同しないでください(後述の「自動送信されるメール通知のメッセージの語句を変更する」を参照)。
この例では、ヘッダーのグラフィックをHTMLテンプレートに追加し、カラーを変更しています。
メールテンプレートのカスタマイズについては、「メール通知用のテンプレートのカスタマイズ」を参照してください。
自動送信されるメール通知のメッセージの語句を変更する
「トリガと自動化がメール通知を生成するしくみ」で説明したように、トリガや自動化によって生成される自動メール通知のメッセージと、デフォルトのマクロを変更することができます。これは、テキスト編集と同じくらい簡単に行うことができます。または、プレースホルダを使用して異なるタイプのチケットデータやユーザーデータを追加し、リキッドマークアップを使用して、データの選択・表示方法をカスタマイズできます。
システム生成される登録やあいさつ、アドレス確認のメール通知を変更する
カスタマーがサポートをリクエストしてユーザーアカウントを作成したときに受け取るメール通知は、通常は登録メール、あいさつメール、メールアドレスの確認メールの3種類です。これらは、「設定」>「カスタマー」ページの「アカウントメール」セクションで、管理者が簡単に編集できます。
これらのメールメッセージの更新について詳しくは、「エンドユーザーアカウントメールをカスタマイズする」を参照してください。
トリガ、自動化、およびマクロによって生成されるメール通知のメッセージを変更する
トリガ、自動化、およびマクロによって生成されるメール通知に含まれるメッセージを編集することができます。これを行うには、既存のバージョンを編集するか、複製を作成してそれを編集します。トリガと自動化では、複製がサポートワークフローに与える影響を考慮する必要があります。トリガや自動化の編集や複製を行う前に、それらがどのようにワークフローに作用するかをよく理解してください。
リキッドマークアップを使用してメール通知の生成方法をより詳細に制御する
{% if ticket.in_business_hours == 'true' %}
Hello {{ticket.requester.first_name}}
Your request (#{{ticket.id}}) has been received and is being reviewed by our support staff.
To review the status of the request and add additional comments, follow the link below:
http://{{ticket.url}}
{{ticket.comments_formatted}}
リキッドマークアップについて詳しくは、「リキッドマークアップとZendesk Supportについて」を参照してください。
送信メール通知で複数の言語をサポートする
カスタマーを複数の言語でサポートしている場合は、カスタマーの言語に基づいて自動メッセージの翻訳バージョンを作成し、送信することができます。サポートしている言語ごとにトリガ、自動化、マクロのバージョンを別々に作成する必要はありません。
言語ごとにメッセージを作成するには、Zendesk SupportのProfessionalおよびEnterprise版が必要で、動的コンテンツ(推奨される方法)およびリキッドマークアップを使用します。
カスタマーの言語の設定と検出について詳しくは、「Zendesk Supportのロケールと言語の設定」および「メールメッセージによるエンドユーザーの言語の検出」を参照してください。
外部のメンバーおよびシステムに通知する
Webhookを使用して、Zendesk Supportアカウントに含まれていないメンバーやシステムにも、通知を送ることができます。たとえば、カスタマーの購入した製品に問題が発生した場合に、外部のサプライヤーに通知することができます。Web開発者は通常、Webhookを使用してSalesforceやX(旧Twitter)などの別のシステムの機能を呼び出しますが、メールプロバイダーがサポートしていればメールを送信することもできます。
Webhookの作成と使用について詳しくは、「Webhookの作成」を参照してください。
メールAPIを使用してメールの受信トレイからチケットを作成および更新する
エージェントは、メールメッセージ内でテキストコマンドを使用して新しいチケットを作成できます。また、メール通知に返信する際にテキストコマンドを追加することで、チケットのプロパティを更新することもできます。たとえば、メール通知を使用してチケットを「解決済み」に設定するには、#status solved
というテキストコマンドを返信に追加します。メールAPIおよび使用できるコマンドのリストについて詳しくは、「メールAPIを使用して受信トレイからチケットのプロパティを更新する方法」を参照してください。
に通知することなくチケットを作成する
エージェントがカスタマーの代理でチケットを作成することはよくありますが、カスタマーのチケットを作成し、そのチケットが作成されたことをカスタマーに通知するタイミングを管理できるようにすると便利です。この機能は「プライベートチケット」と呼ばれます。Zendesk Supportでカスタマーに代わって新しいチケットを作成し、パブリックコメントではなくプライベートコメントを追加するだけで、プライベートチケットを作成できます。プライベートコメントがチケットに追加された場合、カスタマーはメール通知を受信しません。サポートの会話にカスタマーを含める準備ができたら、パブリックコメントを追加して、カスタマーにメール通知を送信します。プライベートチケットの使い方について詳しくは、「エンドユーザーの代理でプライベートチケットを作成する」を参照してください。