このガイドでは、チケットのキューを管理する最も効果的な方法について概説します。
キュー管理は、効率化されたすべてのZendesk Supportにとって不可欠なコンポーネントです。一般的にいえば、キュー管理に使用される方式は、チーム内のエージェントの人数と企業の製品によって大きく左右されます。
小規模・中規模な運用におけるZendesk Supportのキュー管理
製品の種類やエージェントの人数が少ない小規模な組織でZendesk Supportを運用するには、1つのやり方として、受信したチケットをタイプごとに分類してキューを管理する方法があります。
製品が数種類しかないタイプの企業を例にとってみましょう。
このシナリオでは、カスタマーがリクエストを送信する製品ごとにチケットを分類するのはよい案です。チケットを分類するには、2、3の異なる方法があります。それぞれについて以下に概説します。
オプション1: Webポータル
カスタマーが選択できるオプションを拡張します。それには、チケット送信フォームに、質問する製品をカスタマーが選択するためのカスタムドロップダウンフィールドを追加するだけです。「カスタムチケットフィールドの追加と使用」を参照してください。
以下は、設定するドロップダウンメニューの画面イメージです。
以下は、デフォルトのフォームの画面イメージです。
以下の画面イメージは、デフォルトのフォームにサンプルのドロップダウンフィールドを追加したものです。
また、フィールドオプションを設定するときにタグを割り当てられることに、気が付いたでしょうか。 気付いたとしたら、とても鋭い観察力をお持ちです。 フィールドを編集することで、「クマ」などの固有のタグを使用できます。 これについては、また後で説明します。
オプション2: メール
カスタムチケットフィールドを使用する以外に、チケットを分類する方法として、製品ごとに異なるメールアドレスを使用するやり方があります。以下はその例です。
- カスタマーが製品「クマ」について質問がある場合、サポートチームのアドレス bear@YOURCOMPANY.zendesk.com または "bear@YOURCOMPANY.com" 宛に直接メールを送るように誘導します。
- カスタマーが製品「ライオン」について質問がある場合、サポートチームのアドレス lion@YOURCOMPANY.zendesk.comまたは "lion@ YOURCOMPANY .com" 宛に直接メールを送るように誘導します。
次に、チケットを受信したメールアドレスに基づいて受信チケットにタグ付するトリガを設定します。以下の例をご覧ください。
トリガの詳細については、「チケットの更新とトリガを使用したワークフローの効率化」を参照してください。
チケットが届き、既定のドロップダウンオプションに基づいてタグ付けされると、それらのタグに基づいてカスタムビューを設定できるようになります。たとえば、「クマのチケットすべて」ビューは、「クマ」というタグの付いたすべてのチケットを表示します。
タグについては後で説明すると先ほど述べましたが、ここで説明します。
トリガが、カスタマーの質問を受信したメールアドレスに基づいてタグを割り当てる場合、チケットにこのタグが設定された瞬間に、チケット内のカスタムフィールドにも対応するフィールドオプションが設定されます。つまり、bear@YOURCOMPANY.comに送ったメールには、「クマ」というタグが付けられ、フィールドには「クマ」が設定されます。なんて便利なんでしょう!「ビューを使用したチケットワークフローの管理」を参照してください。
次に、各製品に属しているチケットだけを表示するビューを作成します。前の手順で作成したカスタムフィールドに基づく条件を使用して、ビューを作成できます。
以下の画面イメージは、ビューの条件ドロップダウンリストで、サンプルのカスタムフィールドを選択しているところです。
以下に、カスタムフィールドの選択に基づいて作成された新しいビューが、アクティブなビューでどのように表示されるかを示します。
以上で、チケットがZendesk Supportに登録され、整理されました。次はビューごとにグループを割り当てみましょう。なんだかワクワクしますね。
大規模な運用におけるZendesk Supportのキュー管理
エージェントが大勢いる場合、そのうちの1人を専任の「キューマネージャ」(略称QM)として任命するやり方があります。QMは以下の業務を担当します。
- メインのキューを処理し、チケットを(各々の専門分野に応じて)グループ/エージェントに割り当てる
- 多数のカスタマーに発生している傾向や潜在的な障害がないか、ざっとチェックする(問題と事象のチケットの作成に関するヒントを参照)
- 高い専門性や別のツールを必要とするチケットを別の部門(エンジニアリングや開発部門など)に送信する
- チケットが難易度に応じて適切なエージェントに割り当てられていることを確認する(新人のエージェントには簡単なチケットを割り当て、難しいチケットは経験豊かなエージェントに割り当てる)
QMだけでなく、製品やチケットチャネルごとに、エージェント/グループに既定のロールを割り当てておくとよいでしょう。以降に、Zendesk Supportを大規模な組織で使用する場合の例をいくつか紹介します。
例: コールセンター
このZendesk Supportでは、製品のあらゆる側面についての大量の通話を処理することを想定しています。このタイプのキュー管理には、大量のエージェントを配置するのがもっとも良い方法でしょう。多くの場合、通話を終えると、各エージェントが自分で次の通話を選択します。QMが、チケット(通常はそれほど処理に時間のかからない簡単なチケット)をこのグループに割り当てると、エージェント自身がPlayボタンを使用してチケットからチケットへ、ざっと目を通します。
例: オンラインストア
多くのオンラインストアは、チケットの主な送信手段として、メールと(多くの場合)Webポータルを活用しています。ただし、一般的には、カスタマーを直接FAQに誘導します。FAQでは、フォーラムの活用により、チケットを送信することなく多くの質問に回答を得られます。また、通話にも対応しているエージェントが、コミュニティのQ&Aフォーラムに回答します。大切なことですが、フォーラムで1つの質問に回答しておくことが、将来、フォーラムを訪れる多くのカスタマーの質問に答えることになるかもしれません。「フォーラムの設定と管理」を参照してください。
例: メール専用サポート
リクエストを送信するチャネルとしてメールのみが使用される場合、チケットを整理して効率化するための上記のヒントに加えて、メールを使ってチケットプロパティを編集することも役に立つかもしれません。たとえば、「#tag: クマ」を使用して、製品フィールドを「クマ」に設定するタグを追加できます。「受信ボックスからのチケットプロパティの変更」を参照してください。
とはいえ、もしあなたがZendeskのすぐれもののアプリをエージェントに提供していなければ、エージェントは素晴らしい体験をみすみす逃していることになります。失礼、ちょっと宣伝に走ってしまいました。
例: 多目的
さて、最後に大切なことをいいますが、Zendesk Supportには多目的のタイプもあります。このシナリオでは、ほとんどすべてのチケット送信用チャネルを使用し、さらにAPIさえ利用するかもしれません。
多目的のZendeskは、たとえば、以下のようなグループに分かれています。
- ソーシャルグループ(TwitterおよびFacebook)
- 電話グループ
- チャットグループ
- フォーラムモデレータ
- 優先度の高いチケットのグループ
- 従来のメールチケットのグループ
ボーナスラウンド
チケットによっては、他のチケットより解決に時間がかかる場合があります。解決に時間のかかるチケットの多いワークフローでは、親しみを込めて「タンク(戦車)」と呼ばれるエージェントが存在するかもしれません。そのようなエージェントは、深く問題と関わることで、良質な回答を保証します。
Zendesk Supportインスタンスを運用するやり方はさまざまであり、Zendesk Supportをもっと効率化するために役立つ上記のようなベストプラクティスも多数あります。ワークフローに基づいて、お使いのZendesk Supportインスタンスに上記の適切な提案を適用することによって、物事を美しいまでに単純化するのに役立ちます。
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