複数会話機能を使うことで、エンドユーザーにはWeb Widgetまたはモバイルアプリで同時に複数のメッセージング会話をさせることができ、サポートする問題の迅速な解決と、満足度の高いカスタマーエクスペリエンスを提供することができます。
この機能の設定方法については、「複数のメッセージング会話の許可」を参照してください。
この機能の開発者に関する情報については、「Configuring multi-conversations」を参照してください。
この記事では、次のトピックについて説明します。
複数会話機能について
このトピックは以下のセクションで構成されています。
複数会話機能を有効にする際の注意事項
アカウントで複数会話機能を有効にする前に、以下の注意事項を検討してください。
- メッセージングチャネルの複数会話機能を有効にすると、Web、iOS、Androidのすべてのメッセージングチャネルの機能が更新されます。「新しい会話」ボタンを表示しないことを選択したチャネルは、「「新しい会話」ボタンを削除する」の説明どおりに動作します。エンドユーザーが操作しやすいよう、一貫性を持たせるために、すべてのメッセージングチャネルで複数会話機能を有効にすることをお勧めします。
- この機能を一度有効にすると、元の単一会話のエクスペリエンスに完全には戻せません。「新しい会話」ボタンを削除することで、エンドユーザーが新しい会話を開始するのを防ぐことはできますが、会話リスト内のすべての会話には引き続きアクセスできます。エンドユーザーは、会話リストのいずれかの会話を続けることで、新しい問題を提起することができます。
- 認証済みユーザーを統合すると、会話は1つの履歴にまとめられなくなります。デフォルトでは、複数会話を有効にする前にメッセージングの会話を開始してエンドユーザーを認証すると、そのエンドユーザーは同じプロフィールを持つ認証済みユーザーと統合され、会話が1つの会話履歴にまとめられます。複数会話を有効にした後でメッセージングの会話を開始し、エンドユーザーを認証した場合も、そのエンドユーザーは認証済みユーザープロフィールと統合されますが、会話は以前の会話と統合されません。この変更は元に戻せません。エンドユーザーを認証する場合は、開発者の協力を得て、メッセージングの会話が開始される前に認証が行われるようにしてください。認証を遅らせると、同じ問題に関するチケットが重複する可能性があります。詳細については、「複数会話の設定」を参照してください。
要件と制限
- メッセージングが有効になっている。
- アカウントでオムニチャネルバックエンド(OCB)を使用している。
- 複数会話には、Zendesk iOSまたはAndroidのSDKバージョン2.10.0以降が必要です。最高のユーザーエクスペリエンスを実現するには、バージョン2.25.0以降をお勧めします。
- 古いバージョンのSDKではこの機能はサポートされておらず、デフォルトで1つの会話のみとなります。
現在、複数会話には以下の機能制限があります。
- Zendesk Unity SDKとソーシャルメッセージングチャネルは、アカウントに接続されていても複数会話はサポートされません。
- V1 SunCo APIは複数会話をサポートしていません。
- ソーシャルチャネルのリンク(エンドユーザーが会話をWeb Widgetからソーシャルチャネルに移せるようにする)を利用できるのは、エンドユーザーが開始した最初の会話のみです。その後の会話からは、エンドユーザーはソーシャルチャネルに移動することはできません。
Sunshine Conversations APIのその他の機能や制限事項など、詳細については、開発者のドキュメントを参照してください。
エージェントエクスペリエンスへの影響
エージェントワークスペースでは、通常、エージェントは同時に複数の会話に対応しています。その意味では、複数会話を有効にしても、エージェントが受信する会話の処理や表示に影響がでることはありません。
エンドユーザーが作成した会話をエージェントに引き渡すたびに新しいチケットが作成されますが、エージェントワークスペース内でエージェントがこれらのチケットやエンドユーザーのプロフィールとやりとりする方法は変わりません。
エンドユーザーのエクスペリエンスを確認する
エンドユーザーがWebやモバイルの会話ウィジェットを利用する場合、複数会話はやりとりの処理に大きな影響を与えます。
モバイルおよびWeb Widgetのチャネルでは、エンドユーザーが新しい会話を開始すると、メッセージングのボットが起動します。
このトピックは以下のセクションで構成されています。
モバイルエクスペリエンスへの影響
モバイルアプリでメッセージングのサポートを提供している場合、エンドユーザー側のUIにいくつかの変更が加えられます。
会話リストの画面
この画面には、エンドユーザーの会話のリストが表示されます。チケットやメッセージジングセッションのステータスに関係なく、すべての会話がリストに表示されます。会話は、各会話の最新メッセージの時刻に基づいて降順に一覧表示されます。
リスト内の各会話には、以下の情報が含まれます。
- 会話のタイトル。
- 会話で最新のメッセージを送信したエージェントのプロフィール画像。エージェントが会話に応答していない場合は、ボットのアバターが表示されます。エージェントがプロフィール画像を設定していない場合は、デフォルトのエージェント画像が表示されます。
- 会話の最新メッセージの先頭部分。エージェントが最新のコメントを投稿した場合は、エージェントのユーザー名がメッセージの前に表示され、エンドユーザーが最新のコメントを投稿した場合は、「あなた」と表示されます。エンドユーザーが未読の最新メッセージは、太字で表示されます。
- 会話の最新メッセージのタイムスタンプ。
- 未読メッセージのバッジカウンタ。
- 「新しい会話」ボタン。エンドユーザーはこのボタンをタップして会話画面に移動し、新しい会話を作成します。「新しい会話」ボタンを削除している場合、このボタンは表示されません。この場合、エンドユーザーは新しい別の会話を開始することはできませんが、既存の会話を使って引き続きサポートの問題を提起することができます。
会話画面
複数会話を有効にすると、会話画面のヘッダーに以下の機能が表示されます。
- 会話のタイトル(デフォルトでは、会話の開始日時)。
- 会話で最新のメッセージを送信したエージェントのプロフィール画像。
- 前の画面に戻る「戻る」ボタン。
ランチャーボタン
エンドユーザーがランチャーボタンをタップしてウィジェットを開いたときの動作は既存の会話によって異なります。
-
既存の会話がない場合、会話画面に新しい会話が開きます。
既存の会話が最低一つある場合、会話リストの画面が開きます。エンドユーザーは、継続させる会話を選択するか、または「新しい会話」ボタンをタップして新しい会話を開始することができます。
プッシュ通知
会話に新しいメッセージが追加されると、ユーザーのモバイルデバイスにプッシュ通知が送信されます。通知をタップすると、会話画面に移動し、更新された会話が表示されます。
通知を受信できるのは、エンドユーザーが以下の状態のときです。
- アプリに他の会話を表示しているとき。
- アプリに別の画面を表示しているとき。
- アプリを現在使用していない場合(通知の設定方法による)。
ただし、エンドユーザーが会話リストを表示している場合は、新しいメッセージ通知は表示されません。その代わり、新たに更新された会話がリストの一番上に移動し、新しいメッセージがハイライト表示されます。
Web Widgetエクスペリエンスへの影響
Web Widgetでメッセージングのサポートを提供している場合、エンドユーザー側のUIにいくつかの変更が加えられます。
会話リスト
エンドユーザーがランチャーボタンをクリックすると、Web Widgetにエンドユーザーの既存の会話のリストが表示されます。会話は、各会話の最新メッセージの時刻に基づいて降順に一覧表示されます。エンドユーザーは、会話をクリックしてWeb Widgetで開くことができます。
リスト内の各会話には、以下の情報が含まれます。
- 会話のタイトル。
- 会話で最新のメッセージを送信したエージェントのアバター。エージェントが会話に応答していない場合は、ボットのアバターが表示されます。エージェントにアバターがない場合は、デフォルトのエージェント画像が表示されます。
- 会話の最新メッセージの先頭部分。エージェントが最新のコメントを投稿した場合は、エージェントのユーザー名がメッセージの前に表示され、エンドユーザーが最新のコメントを投稿した場合は、「あなた」と表示されます。エンドユーザーが未読の最新メッセージは、太字で表示されます。
- 会話の最新メッセージのタイムスタンプ。
-
未読メッセージのバッジカウンタ。
「新しい会話」ボタン。エンドユーザーはこのボタンをクリックして会話画面に移動し、新しい会話を作成します。「新しい会話」ボタンを削除している場合、このボタンは表示されません。この場合、エンドユーザーは新しい別の会話を開始することはできませんが、既存の会話を使って引き続きサポートの問題を提起することができます。
会話
エンドユーザーが会話を表示している場合、Web Widgetのフレームには以下の機能が含まれます。
- 会話のタイトル(デフォルトでは、会話の開始日時)。
- 会話で最新のメッセージを送信したエージェントのアバター。
- 会話の一覧に戻るための「戻る」ボタン。
ランチャーボタン
エンドユーザーがランチャーボタンをクリックしてWeb Widgetを開いたときの動作は既存の会話によって異なります。
- 既存の会話がない場合、Web Widgetが開き、ボットの設定に基づいて新しいボットとのやりとりが開始されます。つまり、複数会話が有効になっていない場合のボットと同じ動作になります。
- 既存の会話が1つでもある場合、会話のリストが開き、エンドユーザーは継続する会話を選択するか、「新しい会話」ボタンをクリックして新しい会話を開始することができます。
「新しい会話」ボタンを削除している場合、会話が1件しかないエンドユーザーは、会話画面に移動してその会話が表示されます。
プロアクティブメッセージ
複数会話を有効にすると、エンドユーザーに送信されるプロアクティブメッセージは既存の会話に追加されず、新しい会話が作成されます。
「新しい会話」ボタンを削除すると、プロアクティブメッセージは新しい会話を作成しなくなります。その代わり、それ以降のプロアクティブメッセージは、最新の更新済み会話に追加されます。