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アドオン Copilot

コミュニケーションガイドラインを使用すると、オートアシストや「自分のトーンで書き換える」ツールが、チケット内でのやりとりのトーン、トピック、緊急度、言語、文体、文脈に応じて、顧客への提案や応答を最適化できます。

CopilotのAIツールによるエージェント向けの提案や応答を、より自社に適した形に調整するために、ビジネスに即した独自のコミュニケーションガイドラインを作成できます。独自のガイドラインを作成することで、一般的なコミュニケーションの原則、書式、文の長さ、文体、構成、挨拶やクロージング、表現の使い方など、より幅広い文章作成ルールを網羅できます。

この記事には、効果の高いコミュニケーションガイドラインを作成するためのベストプラクティスが記載されています。

この記事では、以下のトピックについて説明します。
  • コミュニケーションガイドラインを定義する際のベストプラクティス
  • コミュニケーションガイドラインの例

関連記事:

  • AIによるコメント提案の精度を高めるためのコミュニケーションガイドライン運用方法

コミュニケーションガイドラインを定義する際のベストプラクティス

新しいコミュニケーションガイドラインを作成する際は、以下の点に注意してください。

  • ガイドラインはプロシージャとは切り離して管理する必要があります。プロシージャは「何をするか」を定義し、ガイドラインは「どう伝えるか」を定義します
  • ガイドラインは、厳密なルールではなく指針として扱われます。そのため、特に複雑なやりとりや感情的な会話では、ガイドラインに記載された指示が完全には守られない可能性があります。顧客への共感が常に優先されるためです。たとえば、ガイドラインに「明るいトーンで」と記載されていても、ユーザーが不満を抱いている場合、システムはその指示に従わないことがあります。
  • 1つのガイドラインを複数のブランドに関連付けることはできますが、1つのブランドに関連付けられるガイドラインは1つだけです。
  • コミュニケーションガイドラインは、メッセージ全体が書き換え対象として選択された場合にのみ適用されます。メッセージの一部分のみを選択して書き換える場合には適用されません。
  • 文字数の制限は10,000文字です。これは、(12ポイントのフォントで単一行間の)標準的な文書の場合、およそ4〜5ページに相当します。
以下のベストプラクティスに従うことで、より効果的なコミュニケーションガイドラインを作成できます。
  • 明確で具体的な言葉を使う
  • トーンや文体に重点を置く
  • 例や簡潔な説明を加える
  • 関連するルールをグループ化する
  • あいまいな条件の指示を避ける
  • あいまいまたは矛盾するルールは避ける
  • エージェント署名の扱いを考慮する
  • チャネル名を明確に定義する
  • テストを行い、改善と更新を定期的に繰り返す
  • 新しいバージョンの試行も検討する

明確で具体的な言葉を使う

各ルールは、シンプルでわかりやすい言葉で直接的に書きます。AIがルールを正しく解釈できるよう、あいまいな表現や専門用語、複雑な文は避けてください。ガイドラインは、実際のエージェントに話しかけるつもりで作成すると効果的です。

  • 適切な記述例:顧客には、最初に「こんにちは」と挨拶してください。各メッセージの最後には「よろしくお願いいたします」と添えてください。
  • 不適切な記述例:挨拶:「こんにちは」または「[名前] 様」、署名:「よろしくお願いいたします」など

トーンや文体に重点を置く

ガイドラインでは、「何をするか」ではなく、返答の書き方に焦点を当ててください。ガイドラインは、AIが取るべき手順を定義するものではありません。

プロシージャは「何をするか」を定義し、ガイドラインは「どう伝えるか」を定義します。既存のプロシージャを見直し、トーンや文体に関する指示が含まれている場合は、それらをコミュニケーションガイドラインに移すことができます。
  • 適切な記述例:返金について説明する際は、謝罪の気持ちを込めつつ、プロフェッショナルな態度を保ってください。
  • 不適切な記述例:返金リクエストは必ずエスカレーションすること。

例や簡潔な説明を加える

ルールには、例や短い説明を追加すると、AIがあなたの意図をより正確に理解しやすくなります。

  • 適切な記述例:

    共感とパーソナライズ:顧客が混乱しているようであれば、親切で思いやりのある対応を心がけてください。メッセージを顧客に合わせて調整し、サポートする姿勢を示して安心感を与えます。

    返答例:ご不安な点があるかと思いますが、しっかりとサポートいたしますのでご安心ください。

  • 不適切な記述例:共感と直接性

関連するルールをグループ化する

ガイドラインでは、関連するルールを論理的にまとめることで、混乱を防ぐことができます。

  • 適切な記述例:

    最初の挨拶と締めくくり:

    - 顧客には、最初に「こんにちは」と挨拶してください。

    - 各メッセージの最後には、感謝や丁寧さを表す表現(例:「よろしくお願いいたします」など)を添えてください

    書式ルール:

    - 注文IDを記載する場合は、IDの前に#記号を付けてください。

    - 通貨を記載する場合は、常に最小単位(例:セント)も明記してください。

  • 不適切な記述例:顧客には、最初に「こんにちは」と挨拶してください。注文IDを引用する場合は、IDの前に必ず#記号を含めてください。各メッセージの最後には、感謝や丁寧さを表す表現(例:「よろしくお願いいたします」など)を添えてください通貨を記載する場合は、常に最小単位(例:セント)も明記してください。

あいまいな条件の指示を避ける

エージェントの「最初の"メッセージ"」と「それ以降の"メッセージ"」を区別するようなルールは避けてください。「メッセージ」という表現には、エージェント以外(たとえばカスタマー)からのメッセージも含まれるため、何が最初のメッセージかを正確に判断できないことがあります。

また、状況を明確に定義するために、用語の使い方を一貫させることも重要です。
  • 適切な記述例:

    エージェントの最初の返信:顧客に挨拶し、サポートを申し出てください。

    それ以降の返信:挨拶は省略し、すぐに本題に入ってください。

    メモ:この例では、どちらのケースでも「返信」という言葉を使っているため、ルールがエージェントのメッセージを対象としていることが明確になります。
  • 不適切な記述例:

    最初の連絡:顧客に挨拶し、サポートを申し出てください。

    以降のメッセージ:挨拶は省略し、すぐに本題に入ってください。

    最初の連絡:顧客に挨拶し、サポートを申し出てください。

    最初のメッセージではない場合:挨拶は省略し、すぐに本題に入ってください。

    エージェントの最初の返信:顧客に挨拶し、サポートを申し出てください。継続中の会話への返信:挨拶は省略し、すぐに本題に入ってください。

    メモ:この例では、AIが最初のメッセージをカスタマーからのものと誤認すると、「以降のメッセージ」の条件を誤って解釈し、エージェントの最初の返信に2番目のルールを適用してしまう可能性があります。

あいまいまたは矛盾するルールは避ける

AIが「あいまい」と解釈する可能性のあるルールは避けてください。たとえば、「常に」という表現を使用する場合、後から例外を加えないようにしてください。ルール同士が矛盾しないように注意してください。

  • 適切な記述例:顧客の懸念を理解していることを示す際は、同じ内容をくどくど繰り返さず、要点を簡潔に言い換えて示してください。
  • 不適切な記述例:常に顧客の懸念を確認してください。ただし、すでに提供された情報を繰り返さないようにしてください。

エージェント署名の扱いを考慮する

システムがエージェントの個人署名を自動で追加する設定になっている場合は、AIに対して書き換えたメッセージに署名を追加しないよう、ガイドラインで明示的に指示してください。エージェントの署名はメッセージの書き換え後に自動的に追加されるため、AIが手動で署名を挿入しないように指示することで、署名の重複を防ぐことができます。

この指示がない場合、AIがチケットの会話コンテキストから既存の署名をコピーし、最終メッセージに重複して署名を挿入する可能性があります。

例:

メッセージに署名しないでください。

書き換えたメッセージに署名を付けないでください。

書き換えたメッセージにはエージェントの署名を追加しないようにしてください。

チャネル名を明確に定義する

チャネル固有のガイドラインルールを作成する際は、チャネルタイプフィールドに表示される正確なチャネル名を記述してください。

メモ:現在サポートされているフィールドは、チャネルタイプのみです。
  • 適切な記述例:

    チャット、WhatsApp、Facebookメッセージ、SMSチャネルからのメッセージの場合:

    - 絵文字を使用してください。

    - カジュアルな言葉遣いで書いてください。

    - メッセージは短く、わかりやすく、親しみやすい内容にしてください。

    メール、Webフォーム、サイドカンバセーションチャネルからのメッセージの場合:

    - フォーマルで丁寧なトーンを使用してください。

    - いかなるコミュニケーションにおいても絵文字は使用しないでください。

  • 不適切な記述例:メッセージングチャネル:絵文字をたくさん使ってください。カジュアルな言葉遣いで書いてください。メッセージは短く、わかりやすく、親しみやすい内容にしてください。メッセージング以外のチャネル:フォーマルで丁寧なトーンを使用してください。いかなるコミュニケーションにおいても絵文字は使用しないでください。

テストを行い、改善と更新を定期的に繰り返す

実際のやりとりを通じてガイドラインを継続的にテストし、その有効性を評価してください。実際の成果に応じて、ルールを随時修正してください。

  • 適切な記述例:コミュニケーションガイドラインを毎月レビューし、必要に応じてルールを調整してください。
  • 不適切な記述例:プロシージャを一度作成したら修正しないこと。

新しいバージョンの試行も検討する

さまざまなアプローチを試したり、コミュニケーションガイドラインの機能を活用したりして、ブランドやユースケースに最適な方法を見つけてください。LLM(大規模言語モデル)は、プロンプトの改善提案も行えます。以下はその一例です。

「これはカスタマーサービスツール用のコミュニケーションガイドラインのプロンプトです。これらのガイドラインに基づいて改善点を提案してください(リンク)。」

LLMと実際のやりとりを組み合わせることで、最適化プロセスを加速できます。ただし、最終的な成功の鍵を握るのは、自身によるテストと調整です。

コミュニケーションガイドラインの例

以下は、明確で効果的なコミュニケーションガイドラインの一例です。この例は、直接的で具体的、かつカテゴリ別に整理されているため、AIに自社の文体やトーンを一貫して習得させるうえで非常に有効です。

効果的なコミュニケーションガイドラインの例

挨拶と締めくくり

  • 書き換えたメッセージには、署名を追加しないでください。
  • エージェントの最初の返信:

    顧客の名前を文頭で使って挨拶し、問題の内容を簡潔に要約することで、共感と関心を示しましょう。

    例:

    「[顧客名] 様、はじめまして。お支払いに関して問題が発生しているとのことで、ご不便をおかけしております。早急に対応いたしますので、どうぞご安心ください。」

  • 2回目以降のエージェントの返信:冒頭で丁寧にお礼を述べたうえで、顧客が引き続き抱えている問題にすぐ対応しましょう。

    例:

    「ご連絡いただきありがとうございます。お支払いに関する件、引き続き対応しております。」

トーンとスタイル

  • 文章は常に能動態で書いてください。
  • 「お客様」や「お客様の」を使用して顧客に直接呼びかけます。
  • ネガティブなフィードバックの場合:
    • ややネガティブなセンチメント:懸念を認識し、サポートを提案します。
    • 強いネガティブなセンチメント:明確な共感を示します。
    • 常に、顧客の問題を理解していることを示す導入文を入れてください。
  • 複数のポイントやアイデアを伝える際は、明確にするため箇条書きや改行を使用してください。

制限事項と使用を避ける言葉

  • 「残念ながら」は使用せず、代わりに「現在」を使用してください。
  • 以下の内容は絶対に含めないでください:
    • エージェントの姓
    • 比喩表現、慣用句、または陳腐な言い回し(例:「ゲームチェンジャー」、「ナビゲート」、「~の世界で」、「画期的な」など)
    • 定型的な書き出し(例:「結論として」、「要約すると」)

チャネル固有のルール

  • メッセージングチャネル(チャット、WhatsApp、Facebookメッセージ、SMS)からのメッセージの場合:
    • カジュアルで親しみやすい言葉遣いをしてください。
    • 絵文字を使用してトーンと親しみやすさを示してください。
    • メッセージは短く、シンプルで、理解しやすいものにしてください。
    • 顧客には、必ず名前を使って呼びかけるようにしてください。
  • メッセージングチャネル以外のチャネル(例:メール、Webフォーム、チケットポータル)からのメッセージの場合:
    • フォーマルで丁寧なトーンを使用してください。
    • 絵文字は使用しないでください。
    • 文は省略せずに書き、段落を適切に整理してください。
    • 顧客には、可能であれば役職名を添えて、フルネームかつフォーマルな口調で呼びかけてください。
    • 敬意を持って接し、ビジネスライクな文体を維持してください。

書式と数値の基準

  • 注文IDを記載する際は、IDの前に必ず「#」記号を付けてください。

    例:

    「注文123456」ではなく、「#123456」と書いてください。

    「はじめまして、

    #123456については、20%割引となる割引コードをご案内できます。

    よろしくお願いします。」

  • 大きな数を記載する際は、国際的な数値表記の基準(SIやISOなど)に従い、3桁ごとにスペースで区切る形式を使用してください。

    例:

    「1234567」ではなく「1 234 567」と記入してください。

    通貨を表記する際は、金額に必ずセント(小数点以下)を含めてください。

    例:

    「$12」ではなく「$12.00」と記入してください。

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