自動化では、チケットを変更したり、メール通知を送信したりする時間ベースのアクションを設定することができます。自動化の一般的な使用法の1つは、チケットが作成または変更されてから一定の時間後にアクションを実行することです。時間ベースの条件を定義するには2つの方法があります。
時間数の計算方法について
- 整数の時間のみを指定できます。日単位や分数で表した時間は指定できません。
- 時計のカウントは自動化が実行されるまで開始されません。
- 自動化は、条件が満たされた直後ではなく、1時間ごとに実行されます。
- 自動化で処理できるチケットの数は、1サイクルにつき1000件までです。詳しくは、「「時間経過」による自動化チケットの制限の仕組みについて」を参照してください。
自動化は1時間ごとに実行されるため、自動化が実行されるたびに条件を満たしてからの経過時間がカウントされます。条件が満たされた後、自動化が最初に実行されたとき(1~59分後かもしれませんが)、その時点で「ゼロ」時間としてカウントされ、時計が動き出します。次回以降の自動化が実行されるたびに1時間が加算されます。所定の時間が経過した後、またはそれを超えた後、自動化が起動してアクションが実行されます。また、時間の指定は、時間単位でしか行えないことにも注意してください。
例として、デフォルトの自動化「チケットはステータスが解決済みに設定されてから4日後に終了」を見てみましょう。この自動化は、ステータスが「解決済み」に設定されてから96時間以上経過したチケットのステータスを変更します。
この自動化を使う前提で、チケットが8月20日の午前9時15分に解決されたとします。ステータス条件が満たされた後で、初めて自動化が実行されたのは午前10時3分でした(条件が満たされてから48分後)。自動化を実行するたびにカウントが1つずつ増えていきます。8月24日の午前10時11分に自動化が実行されると、チケットは96時間に到達するため、その時点で自動化が起動して、チケットのステータスが「終了」に変更されます。チケットのステータスを変更するアクションは、この自動化が同じチケットに対して何度も有効になることを防ぎます。
「からの時間数...より大きい」条件と「からの時間数」条件を使用する
経過時間に基づいて条件を作成する場合は、可能な限り「より大きい」と「より小さい」を使用することをおすすめします。この演算子を使用すると、条件が満たされ、自動化が起動される時間枠が長くなります。これにより、時間枠から外れる可能性が低くなります。ただし、自動化は、1件のチケットに対して1回のみ有効になるように定義する必要があります。つまり、「より大きい」演算子と「より小さい」演算子を使用する自動化には、無効化条件または無効化アクションを含める必要があります。条件をキャンセルする簡単な方法は、タグを追加することです。たとえば、満たす必要がある2つの条件(経過時間とタグがないこと)と、自動化がチケットで起動されたときにタグを追加するアクションを定義します。
次の例の自動化は、pending-reminder-sentタグがなく、120時間(5日)以上保留になっているチケットをチェックします。チケットがこれらの条件を満たす場合、通知が送信され、pending-reminder-sentタグが追加されます。このタグを追加することで、チケットは自動化の実行条件を再び満たすことができなくなります。
詳細については、「自動化が確実に1回だけ実行されるようにする」を参照してください。
「からの時間数 =」条件を使用する
経過時間に基づいて自動化を定義する場合は、=演算子も使用できます。「...からの時間数」条件を定義する場合、自動化は、それが真である短い時間枠の間にのみ起動します。=演算子を使用した経過時間に基づく自動化の有効期間は1時間以内であり、条件が2回以上真となる可能性はないため、無効化アクションは必要ありません。
このように条件が真となる時間が短いことの欠点は、何らかの理由でその時間中に自動化が実行されなかった場合に、その後の実行で条件を満たすことができないことです。自動化が実行される時間は1時間ごとに微妙に異なるため、=条件が一度も真と評価されない可能性は低いですが、あり得ます。たとえば、「1時間前に作成されたチケット」という条件を定義し、10:03にチケットを作成するとします。自動化が11:01に開始された場合、チケットは58分前に作成されているので、自動化はまだ有効になりません。ただし、次回の自動化の起動時刻が12:06の場合、チケットは2時間3分前に作成されているので、今度も条件が満たされません。
さらに、すべての自動化は通常、1時間ごとに順番に実行され、条件が満たされたすべてのチケットに対して起動しますが、一部の自動化だけが1時間以内に実行され、残りは実行されないというシナリオもありえます。これは、自動化の数が多いかチケットが大量にある場合にのみ問題となる可能性があります。
「時間経過」による自動化チケットの制限の仕組みについて
自動化は1サイクルで1000チケットしか処理できないため、自動化の条件を満たすチケットが1000件以上ある場合は、自動化が行われる1サイクルの時間で見過ごされるチケットが出てきます。このような場合は、「...からの時間 より大きい」の条件を使用します。これにより、次のサイクルに残りのチケットに自動化が実行されます。「...からの時間 =」条件を使用すると、自動化はこれらの残りのチケットに対して再度実行することができません。チケットは完全に見逃されることになります。