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この記事では、「標準ユーザー定義メトリック/属性の作成」で学んだ内容を活用して、例題を通してユーザー定義属性の作成を練習します。

メモ:このチュートリアルでは、標準のユーザー定義属性の作成に重点を置いていますが、この記事で説明しているように、レポートのニーズを処理し、式エディタを使用するのと同じプロセスに従って、標準のユーザー定義メトリックを作成することもできます。

この記事では、次のトピックについて説明します。

  • ステップ1:何をレポートするかを決める
  • ステップ2:レポートの作成を開始する
  • ステップ3:標準ユーザー定義属性を作成する
  • ステップ4:属性をレポートに追加する
  • ステップ5:属性の式を編集する
  • 次のステップ

ステップ1:何をレポートするかを決める

この例では、以下の情報を表示するレポートを作成します。

  • ZendeskアカウントのSupportチケットの初回返信時間の中央値(分単位)
  • チケットの作成元のチャネル

「Zendesk Supportのメトリックと属性」を参照したところ、レポートを作成するために、初回返信時間 (分)メトリックとチケットチャネル属性を使用できることがわかりました。

ヒント:Zendeskの各製品には、データセットのデフォルトのメトリックと属性のリストが用意されています。詳しくは「レポートの作成」を参照してください。

ステップ2:レポートの作成を開始する

どのような情報を求めているのかがわかったところで、レポートの作成に取りかかります。

レポートの作成を開始するには

  1. Exploreで、レポートアイコン()をクリックします。
  2. 「新規レポート」ボタンをクリックします。
  3. 「データセットの選択」ページで、「Support: チケット」データセットを選択し、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
  4. 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックし、「イベントの発生間隔 (分) - カレンダー時間」>「初回返信時間 (分)」を選択します。
  5. 「行」パネルで、「追加」をクリックし、「チケット」>「チケットのチャネル」を選択します。

グラフの外観は次のようになります。

ステップ3:標準ユーザー定義属性を作成する

レポートのおかげで、あるチャネルの初回返信時間の中央値が他のチャネルよりはるかに速いことがわかりました。ここで、初回返信時間と各チャネルのチケット量の相関関係を知りたいとします。レポートを更新し、次の質問に回答してみてください。

  • 各チャネルで作成されたチケットの数は?
  • 各チャネルについて、最初の返信が速いチケットはいくつで、遅いチケットはいくつあるか?

「速い初回返信時間」や「遅い初回返信時間」というデフォルトのExplore属性はないので、これらの概念を定義し、レポートに反映させるために、標準ユーザー定義属性を作成する必要があります。以下のロジックで、標準ユーザー定義属性を作成します。

  • チケットの初回返信時間が10分未満の場合、「Fast response」にグループ化します。
  • チケットの初回返信時間が10分以上の場合、「Slow response」にグループ化します。

「Exploreの関数のリファレンス」を参照し、式で使用する最適な関数はIF THEN ELSEであると判断します。この関数を使用すると、条件(初回返信時間)を評価し、その評価結果に基づいてアクション(応答が速いか遅いかのラベルを付ける)を実行できます。次の式は、求めている結果を返す効率的な方法です。

IF VALUE(First reply time (min)) != NULL AND VALUE(First reply time (min)) >= 10 THEN "Slow response"
ELIF VALUE(First reply time (min)) != NULL THEN "Fast response"
ENDIF
ヒント:「IF VALUE(First reply time (min)) != NULL」条件は、返信のないチケットは、速い返信や遅い返信とグループ化されないことを意味します。

式ができたので、次は標準ユーザー定義属性を作成します。

標準ユーザー定義属性を作成するには

  1. レポートで、計算メニュー()>「標準ユーザー定義属性」をクリックします。

  2. 「名前」フィールドに、「Response time fast or slow?」のような説明的な名前を入力します。この名前は、後でレポートにユーザー定義属性を追加するときに必要になります。
  3. 「式」フィールドに、次の式を貼り付けます。
    IF VALUE(First reply time (min)) != NULL AND VALUE(First reply time (min)) >= 10 THEN "Slow response"
    ELIF VALUE(First reply time (min)) != NULL THEN "Fast response"
    ENDIF
  4. 「計算元」ドロップダウンで、「チケットチャネル」を選択します。これにより、チケットがチケットチャネル属性のみに基づいてカウントされます。
  5. 「保存」をクリックして属性を保存しし、「標準ユーザー定義属性」パネルを閉じます。

作成した標準ユーザー定義属性は、デフォルトの属性と同じように使用できます。同じデータセット内のどのレポートでも使用でき、そのデータセットにアクセスできる人なら誰でも使用することができます。

ステップ4:属性をレポートに追加する

次に、新しい属性をレポートに追加して使用します。また、チケットの数をカウントする新しいメトリックも追加します。

レポートにメトリックと標準ユーザー定義属性を追加するには

  1. 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックし、「チケット」>「チケット」を選択して「適用」をクリックします。
  2. 上で追加した「チケット」メトリックをクリックし、集計方法を「D_COUNT」に変更します。
  3. 「行」パネルで、「追加」をクリックします。
  4. 属性のリストから、「ユーザー定義属性」>「Response time fast or slow?」(上記で作成した属性)を選択し、「適用」をクリックします。
  5. 返信のないチケット(空白行)をフィルタリングするには、「結果操作」メニュー()を選択し、「メトリックフィルター」をクリックし、「MED(最初の返信時間(分))」の下の「ブランクの値を削除」を選択し、「適用」をクリックします。

レポートには、各チャネルについて、速い対応(最初の返信が10分以内)または遅い対応(最初の返信が10分以降)のチケット数が表示されるようになりました。

「初回返信時間(分)」列の値が、レポートの最初のバージョンから変更されていることに注意してください。レポートにユーザー定義属性を追加したため、「初回返信時間(分)」メトリックは、チケットチャネル属性に加えて、そのユーザー定義属性によって切り出されるようになりました。つまり、指定されたチャネルのすべてのチケットの初回返信時間の中央値を表示する代わりに、メトリックは各チャネルの「Fast response」および「Slow response」グループのチケットの初回返信時間の中央値を表示するようになりました。

ステップ5:属性の式を編集する

このセクションでは、以前に作成した標準ユーザー定義属性を引き続き使用しますが、少し異なる結果を返すように編集します。この例では、次の条件が適用されるように属性のロジックを変更します。
  • チケットの初回返信時間が10分未満の場合、「Fast response」にグループ化します(以前と同じ)。
  • チケットの初回返信時間の中央値が10分以上30分未満の場合、「Slow response」にグループ化します。
  • チケットの初回返信時間が30分以上の場合、「Very slow response」にグループ化します。

属性を更新するには、複数のIF THEN ELSE関数をネストして追加条件を評価します。ただし、式の基本構造は、すでに作成したものと似ています。

式を編集するには

  1. 「行パネルで、「Response time fast or slow?」属性をクリックします。
  2. 属性名の下にある鉛筆アイコンをクリックします。

    「標準ユーザー定義属性」パネルが開き、標準ユーザー定義属性が表示されます。
  3. 式を次のものに置き換えます。
    IF VALUE(First reply time (min)) != NULL AND VALUE(First reply time (min)) >= 30 THEN "Very slow response"
    ELIF VALUE(First reply time (min)) != NULL AND VALUE(First reply time (min)) >= 10 AND VALUE(First reply time (min)) < 30 THEN "Slow response"
    ELIF VALUE(First reply time (min)) != NULL AND VALUE(First reply time (min)) < 10 THEN "Fast response"
    ENDIF

    これは、IF THEN ELSE関数をくりかえし記述しなくて済む便利な方法です。SWITCH関数を使用しても同様の結果が得られます。

  4. 「保存」をクリックします。

Exploreはレポートを自動的に再計算し、結果を表示します。「Very slow response」グループが含まれるようになりました。

次のステップ

Exploreには、数百ものデフォルトのメトリックと属性が用意されており、式に使用できるさまざまな関数があります。独自のユーザー定義メトリックと属性の作成をぜひ試してみてください。参考のため、役に立つ記事を以下に挙げておきます。

  • 式の記述関連のリソース
  • 結果操作および計算の使用
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