- はじめに
- 手順1:チャットの目標とビジネス目標の整合
- 手順2: カスタマーエクスペリエンスとチャット件数の管理
- 手順3: スタッフ要件の決定
- 手順4: エージェントのトレーニング
- 手順5: チャットワークフローの作成
- 手順6: 成功指標の監視とチャットの導入
ビジネス目標の設定
チャットに対する考え方は利害関係者によって異なります。サポートはカスタマーエクスペリエンスを向上させたいと思っているかもしれませんし、営業はコンバージョンの増加を期待しているかもしれません。チャットの目標を立てるときには、利害関係者を考慮に入れて、チーム、会社、さらには顧客にメリットが拡大するようにしてください。チャットの目標となる5つのビジネス目標を以下に示します。
顧客満足度(CSAT)の向上
チャットは顧客が求める個人対応、利便性およびスピードを提供します。 チャットは消費者のメッセージングの好みの増大に合わせて調整され、面倒な手続きを強いることなく、すぐに回答を得られます。チャットは、一般的には、問題解決の速度が最速で、他のすべてのチャネル、特にメールを圧倒しています。 顧客はサポート対応の待ち時間を嫌うため、CSATの向上を望む組織ではチャットがチャネルに選ばれました。
Zendeskのベンチマークレポートによれば、ライブチャットはすべてのチャネルの中で最も満足度が高いチャネルになっています。
売上げおよび収益の増加
顧客は、チャットでやり取りすると、購入の可能性が3倍以上高くなります。 製品や購入プロセスに関する問い合わせに答えることにより、注文を済ませる必要があると顧客に思わせることができます。 たとえば、アパレル/アクセサリレンタルサービスのLe Toteは自動化されたトリガを使用して、チェックアウトページで購入をためらっている顧客にサポートを提供しています。 購入プロセス中に積極的にカスタマーと会話することにより、Le Toteではカートの途中離脱を削減し、コンバージョンを増やしています。
「Zendeskのおかげで、お客様が商品を購入する決定的瞬間に立ち会うことができます。 「お客様が心を開いて、そのトートバッグを買うかどうかを打ち明けてくれるとき、重要な瞬間に立ち会っていると感じます。」
- Le Tote社カスタマー・デベロプメント・マネージャー、Aubrie Rice氏
モバイル通信会社のOne Way SMSでは、Zendesk Chat導入後に売上げが30%増加しました。 エージェントの数を増やしたところ、売上げがさらに8%伸びました。
サポートコストの削減
チャットは、エージェントが一度に複数の会話を処理できるので、最も効率的なサポートチャネルです。これは電話ではできないことです。このようにサポートの効率とエージェントの生産性が向上することにより、組織の担当者1人あたりのコストを削減できます。
たとえば、Zendesk ChatはMiintoの問い合わせ件数を40%減らすことができました。 このファッションネットワークのライブチャットチームは、Chatのショートカットのおかげでサポート業務の効率が向上しました。 ショートカットを使うことにより、問い合わせの多い質問にボタンクリックで回答できます。 さらに、Zendesk ChatはMiintoの「売り尽くしセール」と呼ばれるシーズン半ばのバーゲンセールでも重要な機能を提供することが証明されています。 チームはセール中、チャットの運用時間を延長し、Miintoのオペレーションマネージャ、Eveline Poetsema氏によれば、「実際にお客様の質問に対応するスタッフの採用人数が減った」そうです。
Zendesk ChatはMiintoのエージェントの生産性を高め、フルタイムの従業員の3分の1に相当するコストを削減しました。
カート放棄への対策
オンラインショッピングの顧客が商品をカートに入れたまま放棄する割合は、実に55%に達しています。 チャットで顧客を支援したり、積極的なサポートを提供することにより、カート放棄率を減らし、売上げを伸ばすことができます。
「小さな会社にとって最優先事項は成長であり、そこではチャットが重要な役割を果たします。 「Zendesk Chatの導入により、Datanyzeは、買付に関心のあるお客様をすばやく特定し、成約に向けて後押しできるようになりました。」
- Datanyze 社COO、Jon Hearty 氏
応対速度の向上
カスタマーサポートは時間の勝負です。チャットを使えば、迅速でリアルタイムの回答ができます。 応答や問題解決までの時間が短縮されることで、エージェントの生産性が上がり、コストが削減され、上記のとおり、CSATが向上します。
「ライブチャットに切り替えれば、顧客のリクエストを10倍速く処理し、解決することができます。」
- True Conf社、セールス&ビジネスデベロプメント部門ディレクター、Dmitry Odintsov氏
「ライブヘルプの専門担当者間またはカスタマーエクスペリエンスチームにチャットを転送する機能も問題解決時間の短縮と全体的な満足度の向上のために重要でした。」
- Edmunds社ライブヘルプチームマネージャー、Justin Smith氏
成功指標の選択
設定しているビジネス目標に応じて、チャットによる成功を測る指標のセットを選択できます。できれば、ビジネス目標に関連した指標を選択したいと思います。次の4つの指標を検討します。
- チャットの評価 - Zendesk Chatのチャット評価機能を使って顧客はチャットを評価(肯定的評価または否定的評価)して、コメントを残すことができます。このチャットの評価を使用して、サポート運用の全体的なCSATを監視し、個々のエージェントのパフォーマンスを詳しく調べることができます。さらに、分析を使用すれば、さまざまなチャット要因(待機時間、応答速度、チャット時間)がCSAT全体に与える効果を測定できます。
- 平均待機時間 - 平均待機時間はエージェントが顧客への応対を開始するまでにかかる時間の長さです。 これは、顧客が応対を待つ時間が平均で表示されるため、重要です。 対応時間が短くなるほど、顧客がサポート対応に満足する可能性が高くなります。 この指標は、サポートコストを監視/削減し、応答速度を向上させるための優れた尺度にもなります。
- 平均チャット時間 - 全体的なサポート対応時間の短縮を目標としている場合、エージェントの平均チャット時間に注目してください。 これにより、エージェントが平均的なチャットの応対にかかる時間がわかります。 エージェントは一度に複数のチャットに対応することが多いため、通常、実際の平均チャット時間は記録された数字よりも短くなります。 また、この数字はCSATに悪影響を及ばす可能性があるため、この数字を下げるように注意してください。
- エージェントのログインと応対 - これらの補完し合う2つの指標は、利用できるエージェント数とエージェントの応対時間についての洞察を提供します。 これは、推移を追跡し、将来のスケジュールを計画するのに便利です。 この指標を利用して、エージェントの重複を最小限に抑え、継続的にコストを削減することができます。
チャットを使用する目標をビジネス全体の目標と整合させることにより、各利害関係者がチャットの価値と最終的な収益への影響をすばやく把握できます。
その他の検討事項
ビジネス目標を作成して、チャット導入の成功を測定するときに、以下のことを検討してください。
- 現在のサポートインフラはどのようなものか? 顧客はそのサポートインフラに満足しているか?
- なぜチャットを追加したいのか?
- 予算はいくらか?
- チャットが最終的な収益に与える影響をどれくらいと予測しているか?
- 現在のセールスコンバージョンの増加はどれくらいか? チャットがこのプロセスをどれくらい改善すると予測するか?
次のステップ: 手順2: カスタマーエクスペリエンスとチャット件数の管理