サポートチームは、お客様が抱える問題だけでなく、その解決方法についても一番よく理解しています。そのため、ナレッジベースはカスタマーエクスペリエンス戦略の一環として重要です。ナレッジベースには、よくある質問、商品説明、方針や規約などがまとめられており、お客様やエージェントはそこで情報を得ることができます。ナレッジベースは、チケット管理システムとシームレスに統合されることで、スマートなヘルプセンターとして機能します。コンテンツを継続的に改善し、常に最新の状態を保つことで、「FAQ」を参照する前にお客様に必要な情報を提供できるよう構築されています。優れたナレッジベースは、企業に問い合わせることなく、より早く解決方法にたどり着くことができるため、カスタマーが満足することを意味します。その結果、サポートチームやエージェントがサービスオペレーションをより迅速かつ効率的に提供できるようになります。
一方、これにより「ナレッジベースが機能しているかどうかを知るにはどうすればよいか」という質問が生じるでしょう。
この質問の答えは、あなたのビジネスやカスタマーによって異なります。この記事では、ナレッジベースの効果を測定するのに役立つヒントをご紹介します。Zendeskには、ナレッジベースの分析に役立つツールが多数用意されていますが、さらに詳細な情報を得るために追加で使用できるツールについてもご紹介します。
この記事では、次のトピックについて説明します。
あなたの記事を見ている人はいますか?
「ページビュー」とは、Webブラウザであなたのページが何回閲覧されたかを示すカウントです。ページビューは、ナレッジベースが利用されているかどうかの指標となります。ユーザーがどの記事に最も興味を持っているかを示したり、ページが検索エンジンに最適化されているかどうかを調べたり、ユーザーの行動を理解するのに役立ちます。
ページビュー監視のメリット
- ユーザーが実際にナレッジベースを利用していることがわかる
- どの記事が最も読まれているかがわかる
- 長期にわたってページビューの数値を収集することで、記事の効果の推移を知ることができる
ページビュー監視のデメリット
- ページビューは、読者が記事の中に必要なものを見つけたかどうかを示すものではない
ページビューを監視する際は、必ず他の監視方法と併用して、チームの成功と改善点の全体像を把握するようにしてください。
Exploreでページビューを調べる
Exploreでは現在、リピート訪問を含む記事へのすべてのページビューを追跡しています。ユニーク訪問者数のみを追跡したい場合は、Googleアナリティクスを使用する必要があります。
このセクションでは、Exploreを使って、すべてのページビューを簡単にカウントする方法をご紹介します。
Exploreを使ってページビューのレポートを作成するには
- Exploreで、レポートアイコン()をクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Guide」>「Guide - Knowledge Base」をクリックし、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから「記事の閲覧」>「チケット」を選択し、「適用」をクリックします。Exploreに、ナレッジベース記事の閲覧総数を示す表が表示されます。
- 「行」パネルで、「追加」をクリックします。
- 属性のリストで「記事」>「記事翻訳のタイトル」を選択し、「適用」をクリックします。Exploreに、ナレッジベースの各記事のページビュー数を示す表が表示されます。「閲覧数」列のヘッダーをクリックすると、表示回数の多い順に並べ替えられます。
Googleアナリティクスでページビューを調べる
Googleアナリティクスでは、ページの総閲覧数のとユニークページ訪問数のみの両方を記録します。また、訪問者のページ滞在時間も表示されます。これにより、訪問者がコンテンツへのエンゲージメントのレベルを把握することができます。さらに、Googleアナリティクスを使って、Zendesk Gatherが収集した情報を理解することもできます(ただし、この機能のExploreへの実装はロードマップにあります)。
Googleアナリティクスには多くの機能があり、その説明だけで一連の記事を作成することができます。実際、Zendeskにもシリーズ記事があります。「Googleアナリティクスとヘルプセンター」のシリーズ記事で、できることを詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
あなたの読者は何を検索していますか?
カスタマーがサイト内で検索する用語を理解することで、検索時に関連性の高いコンテンツが返されるようにすることができます。
Guide ProfessionalまたはEnterpriseを使用している場合は、検索アナリティクスダッシュボードを使用して、カスタマーがヘルプセンターの検索フィールドに入力した検索ワードを確認することができます。検索に使用された各語句について、検索回数、返された検索結果の件数と種類(検索がヒットした場合)、クリックスルー、および次のアクションが表示されます。
検索アナリティクスダッシュボードを開くには
- Supportで、サイドバーにあるレポーティングアイコン()をクリックし、「検索」タブをクリックします。
詳細については、「Exploreを使用したヘルプセンターの検索結果の分析」を参照してください。
検索結果を改善する方法
エンドユーザーがナレッジベースを検索する場合、通常、次の2つの方法をとります。
- ヘルプセンターの検索バーから検索する
- GoogleやBingなどのインターネット検索エンジンを使って検索する
検索結果の精度を上げるためにコンテンツを最適化する方法は、ヘルプセンターの検索でも、GoogleやBingなどの検索エンジンからの検索でも同様です。次の方法でコンテンツに手を加えることで、エンドユーザーの検索結果の精度を向上させることができます。
- コンテンツにラベルを追加する。(Guide ProfessionalまたはEnterprise)コンテンツにラベルを追加して、適切なコンテンツが検索結果に表示されるようにできます。たとえば、エンドユーザーは「e-mail」という語句で検索していますが、コンテンツ内ではハイフンのない「email」を使用しているとします。その場合は、コンテンツに「e-mail」など、「email」に似た語句のラベルを追加します。
この方法がどの程度有効なのか、ヘルプセンターでテストすることができます。検索結果の最適化について詳しくは、「ヘルプセンターのエンドユーザー検索について」を参照してください。
- コンテンツのタイトルを変更する。コンテンツのタイトルをエンドユーザーの検索語句に似たようなタイトルに変更します。たとえば、「メールアカウントの削除」というタイトルの記事があり、エンドユーザーが「メールからユーザーを削除する」と入力してその記事を検索している場合、記事のタイトルを変更することを検討してください。
- コンテンツを分割する。大きな記事を小さい記事に分割し、カスタマーが検索しやすいようにします。たとえば、「メールの管理」という長い記事を、「メールの設定」、「メールアカウントの追加」、「メールアカウントの削除」という短い記事に分割します。
- コンテンツの本文を変更する。エンドユーザーによって頻繁に検索されている語句を適切な記事の本文に追加し、その記事が検索結果の上位に表示されるようにします。
- 検索結果に紛れ込んでカスタマーを混乱させることのないように、古いコンテンツを削除する
- コンテンツが利用可能であることを確認する。ナレッジベースに存在しない記事が検索されている場合や、カバーされていないトピックのチケットが大量に発行されている場合は、それについて記事を作成します。
セルフサービススコアを計算する
ナレッジベースの充実度を測る指標として、セルフサービススコアがあります。これは、サポートチケットを送信したユーザーの総数に対して、ナレッジベースへのユニーク訪問者数を測定するものです。
現在、チケットとページ閲覧数のデータを同じレポートで組み合わせることができないため、Exploreでセルフサービススコアを直接計算することはできません。この例では、過去1か月間のセルフサービススコアを計算します。
セルフサービススコアを計算するには
- Exploreで、「Guide:ナレッジベース」データセットを使用してレポートを作成します。SUM(Views)メトリックと、属性「時間 - 記事の閲覧」を含むフィルターを追加します。フィルターの日付範囲が過去1か月に設定されていることを確認します。
- 次に、「Support:チケット」データセットを使用して新しいレポートを作成します。「COUNT(Tickets)」メトリックと、「作成されたチケット - 日時」という属性を含むフィルターを追加します。フィルターの日付範囲が、ナレッジベースのレポートの日付範囲と一致していることを確認します。
- ページビューを同期間に作成されたチケット数で割って、セルフサービススコアを求めます。
スコアを継続的に関しして、改善点、または改善が必要な分野を追跡します。たとえば、新しい記事をいくつか作成した後、セルフサービスのスコアは改善されたかどうかなど。
記事の投票数について
各記事の下部には、記事への評価(高評価と低評価)に投票するための2つのボタンがあります。高評価と低評価の票の差を表す数値が表示されます。
高評価よりも低評価の票の方が多い記事の場合、投票数はマイナスで表示されます。低評価の票を受けた記事がある場合、以下の点を検討します。
- 記事を読む。記事の情報が最新のものか、手順がまだ有効かどうか確認します。
- コメント機能を有効している場合は、コメントを読んで、読者の低評価をもたらしている内容の手がかりを探します。
- もしあなたが記事を書いたのであれば、他のチームメンバーやカスタマーに記事の査読を依頼することも考えてみてください。
- その記事のどこが好まれていないのかを調べてみてください。カスタマーとのミーティングを開いてみるのもいいでしょう。記事の内容は良くても、カスタマーが製品自体に問題を感じている場合もあります。そのような場合には、そのフィードバックを社内の関連チームに伝えることができます。
Exploreで記事の投票を報告する
このシンプルなExploreの例では、投票数の多い上位10件の記事をレポートする方法を学びます。
投票数のレポートを作成するには
- Exploreで、レポートアイコン()をクリックします。
- レポートライブラリで、「新規レポート」をクリックします。
- 「データセットを選択」ページで、「Guide」>「Guide - Knowledge Base」をクリックし、「レポートを開始」をクリックします。レポートビルダーが開きます。
- 「メトリック」パネルで、「追加」をクリックします。
- メトリックのリストから「記事の閲覧」>「記事への投票」を選択し、「適用」をクリックします。Exploreに、すべての記事の投票数の合計が表示されます。
- 「行」の列で、「追加」をクリックします。
- 属性のリストで「記事」>「記事のタイトル」を選択し、「適用」をクリックします。Exploreに、すべての記事のリストと各記事の投票数が表示されます。
- ここでは、最も投票された10件の記事だけに結果を限定します。結果操作メニュー()で、「トップ/ボトム」をクリックします。
- 「トップ/ボトム」パネルで、「トップ」を選択し、その値を10に設定します。
- 完了したら、「適用」をクリックします。Exploreに、投票数の多いトップ10の記事の表が表示されます。
オートリプライを使って記事のパフォーマンスを分析する
オートリプライは、ナレッジベースの記事を提案し、エージェントが関与することなくカスタマーの質問に答える機能です。
オートリプライを導入し、コンテンツを最適化する方法については、「クイックスタートガイド:オートリプライ」を参照してください。
準備ができたら、記事のパフォーマンスを把握するのに役立つビルトインダッシュボードがExploreに提供されます。
詳しくは「推奨記事の提示のためのオートリプライ分析」を参照してください。ナレッジベースの監視に役立つその他のツールとリソース
このセクションでは、ナレッジベースとその記事の効果を測定するのに役立つその他のツールについて説明します。これらの中にはサードパーティ製のツールもあります。それぞれのツールの詳細については各社にお問い合わせください。
- Enterpriseプランをご利用の場合、コンテンツキューは、ナレッジベースの健全性を向上させる機会やタスクを発見するのに役立ちます。良い記事になりそうなチケットを特定したり、さらに見直しが必要そうな閲覧数の少ない記事を見つけることができます。
- Pendoは、製品やWebページの使用状況の分析に優れています。Pendoを使用することで、プロジェクトを通じたユーザーのジャーニューを理解することができ、使用率を上げるのに書き込みが必要な箇所を特定することができます。また、ナレッジベースの訪問者がどこから来たのかを理解するのにも役立ちます。Pendoには、Zendeskと連携するアプリがあり、Zendeskのチケットの中に情報を提供してくれます。
- Crazy Egg:記事の分析をさらに一歩進め、読者がどのようにページを操作しているかを確認できます。たとえば、読者がページ内で最も時間を費やした場所を示すヒートマップや、読者がクリックした場所を示すクリックマップを作成することができます。Crazy Eggと似たような製品にHotjarがあります。
- ナレッジベースとサポート業務全般の監視と改善を始めるのに役立つレシピを多数用意しています。まずは、Exploreレシピのリファレンスをご覧ください。
- Googleアナリティクスをさらに活用したい方には、「Googleアナリティクスとヘルプセンター」のシリーズ記事で、この分析ツールをナレッジベースで使用する方法を詳しくご紹介しています。
会話に参加しましょう
ナレッジベースの成功を測るために、どのようなメトリックを使用していますか?また、どのようにして改善しましたか?以下のコメント欄でぜひお聞かせください。