カスタマーのサポート案件およびチケットワークフローを管理するには、できるだけ多くのプロセスを効率化できるツールが必要です。Zendesk Supportがどのようにプロセスを管理しているかを理解するために、Zendesk Supportのツールを活用して標準的なチケットワークフローを効率化する方法を検証してみましょう。
この記事では、次のツールについて説明します。
チケット処理の簡単な方法
複数のユーザーに影響する問題に対するサポートリクエストについては、標準的な回答を1つ用意して対応します。それを行うには、マクロを使用して、エージェントがチケットに適用できる標準回答を作成します。マクロを使用して、リクエスタに通知せずにチケットを更新することもできます。たとえば、マクロを使用して、エージェントまたはグループの割り当てを変更できます。詳しくは、「マクロを使ったチケットの更新」および「チケット用のマクロを作成する方法」を参照してください。
組織内の多数の人々に関わる問題に対する回答として、メール通知をリクエスタに送信するマクロの例を以下に示します。
このマクロは、チケットにパブリックコメントを追加し、ステータスを「解決済み」に設定して、関連タグを追加します。コメントには、{{ticket.requester.first_name}}というテキストが含まれています。これはプレースホルダで、メール通知に自動的にデータを挿入するために使用されます。この例では、このプレースホルダがメール通知にチケットリクエスタの名前を自動的に挿入します。プレースホルダとその使い方の詳細については、「プレースホルダの使用」を参照してください。
マクロは、反復的なチケット処理のタスクを効率化するための便法としても使用できます。プレースホルダとその使い方の詳細については、「プレースホルダの使用」を参照してください。
チケットが作成または更新されたときにアクションをトリガする
チケットが作成または更新されたら、「トリガ」を使用して、チケットのプロパティを変更し、メール通知を送信することによって、リクエスタに自動的に応答することができます。
トリガとは、条件とアクションを組み合わせたものです。条件は、真である場合にアクションをトリガするという基準を定義するものです。つまり、チケットの条件が真であれば、変更を加えたりカスタマーやエージェントに通知するなどのアクションを実行します。たとえば、トリガを使用して、リクエスタのメールドメインやチケットの説明に含まれるキーワードに基づいて、チケットを自動的に担当者に割り当てることができます。詳しくは「トリガとそのしくみについて」を参照してください。
Zendesk Supportには、一般的なチケットワークフローのベストプラクティスとなる標準トリガのセットが用意されています。管理センターで、デフォルトのトリガを確認したり、新しいトリガの作成や編集を行うには、サイドバーにあるオブジェクトとルールアイコン()をクリックし、「ビジネスルール」>「トリガ」を選択します。デフォルトトリガの1つに、「リクエスタへの通知 - リクエスト受信」があります。トリガの管理ページで、「リクエスタへの通知 - リクエスト受信」をクリックすると、このトリガで使用されるすべての条件とアクションを確認できます。
時間ベースのイベントを使用してアクションをアクティブ化する
トリガにより、チケットの作成時または更新時の自動対応が可能になる一方で、そのときどきのイベントの発生に基づいてチケットを変更し、メール通知を送信することもできます。たとえば、24時間を経過してもチケットが誰にも割り当てられていない場合、エージェントに警告したいとします。この操作をZendesk Supportで行うには、自動化を使用します。Zendesk Supportは、標準の自動化セットを提供します。管理者はこれらを編集して使用したり、新しい自動化をいちから作成することができます。管理センターで自動化にアクセスするには、サイドバーにあるオブジェクトとルールアイコン()をクリックし、「ビジネスルール」>「自動化」を選択します。
自動化にはトリガと同様、条件とアクションが含まれます。下の画像は、チケットが解決されてから4日後にチケットを自動的に終了する自動化の例を示しています。
画像に示すように、この自動化が実行されるには、チケットが解決済みであることが必要で、チケットが解決されてから96時間後、または4日後に有効になります。このアクションにより、ステータスは「解決済み」から「終了」に変わります。4日間は、解決したチケットを「終了」ステータスに変更するまで、「解決済み」ステータスで待機する期間の推奨値です。
チケットイベントに基づき、チケットの作成または更新直後に実行されるトリガとは異なり、自動化は、28日以内に作成または更新されたチケットに対してのみ、1時間ごとに実行されます。
自動化の使用の詳細については、「時間ベースのイベントと自動化を使用したワークフローの効率化」を参照してください。
チケットイベントについて外部ターゲットに通知する
新しいチケットを受け取ったり、チケットの主要なステータスが変更された場合などに、外部ターゲットに通知したい場合があります。たとえば、テキストメッセージを送信したり、会社全体に通知を送信することができます。外部ターゲットを設定することで、多くのクラウドベースのアプリケーションやサービス(X(旧Twitter)やTwilioなど)、HTTPやメールと通信できるようになります。
ターゲットを定義したら、自動化やトリガにそのターゲットを追加できます。外部ターゲットの追加と管理の方法については、「外部ターゲットへの通知」を参照してください。
タグを使用してワークフローを管理する
タグを追加することで、チケットを分類または検索しやすくなり、チケットやフォーラムの記事に基づいて操作を行えるようになります。タグは、リクエスト内の語句に基づいて自動的にチケットに追加することも、エージェントが手動で追加することもできます。また、トリガ、自動化、およびマクロを通じて追加することも可能です。タグを追加した後は、タグを基準にしてビューを作成したり、タグやタグが含まれているチケットを検索したり、トリガ、自動化、マクロでタグを使用したりできます。タグの詳細については、「タグの使用」を参照してください。
- 回答済みのリクエストをサポートするために、回答を探す。エージェントは、タグを指定してチケットを検索できます。「チケットをタグで検索する」を参照してください。
- タグを使用してチケットレポートを作成する。これにより、問い合わせの多い問題や傾向などを監視することができます。「チケットタグのレポート(Explore)」を参照してください。
- カスタムワークフローを作成する。カスタムフィールドをサポートリクエストフォームに追加して、カスタムフィールドに入力されたデータに基づいて何らかの行動を起こすとします。カスタムフィールドには、たとえば、特定の製品に対するリクエストを特定のサポートグループまたはエージェントに転送するトリガに追加されるタグが含まれています。カスタムフィールドおよびタグについて詳しくは、「タグとチケットフィールドの概要」を参照してください。また、タグをビジネスルールに組み込む方法については、「マクロ、トリガ、自動化でタグを使用する」を参照してください。