「墨消しの提案」機能により、チケット内に特定のタイプの個人を特定できる情報(PII)があった場合は、適切な権限を持つエージェント向けに自動的にハイライトされます。エージェントはハイライトされたPIIをクリックし、素早く墨消しすることができます。これにより、Zendeskに機密情報が保管されないようにします。
この機能は「チケット情報の削除」機能に似ています。ただし、墨消しが必要なPIIをエージェントが特定するのではなく、「墨消しの提案」機能がプロアクティブにPIIを検出する点で異なります。
この記事では、次のトピックについて説明します。
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墨消しの提案について
墨消しの提案機能は、チケットコメントに含まれる以下の種類のPIIを自動的に検出します。
- 名または姓
- メールアドレス
- 住所
- クレジットまたはデビットカードの番号(下4桁のみを表示)
- 国際銀行口座番号(IBAN)
- パスワード
- 米国社会保障番号(US SSN)
- 銀行口座番号
検出されたPIIは、オレンジ色でハイライトされます。管理者とチケットコンテンツの墨消し権限のあるつエージェントは、ハイライト箇所を確認し、情報を墨消しできます。
墨消しの提案の適用対象:
- メールアドレス
- パブリックコメント数
- 社内メモ
- メールチャネル、APIチャネル、Webフォームチャネルのアーカイブ済みチケットまたは終了チケットのコンテンツ
- Sunshine Conversationsを介して有効にされたソーシャルメッセージングチャネル
- エージェントワークスペースの終了したメッセージング会話
- AI生成されたコールの概要と会話ログ
ZendeskメッセージやSunshine Conversations SDKで作成されたメッセージを墨消しすると、Supportチケットインターフェイスでは、元のコンテンツのコンテキスト内に、メッセージング会話内の墨消しされた部分が表示されます。カスタマー側では、メッセージ全体が削除されます。
墨消しイベントはチケットのイベントログに記録されるため、カスタマーはデータが削除されたことに気付くことができます。さらに、チケットコンテンツを墨消しすると、redacted_contentタグが自動的にチケットに追加されます。チケットコンテンツを墨消しすると、墨消しされたコンテンツに関連付けられているチャネルを使用して、チケットの更新が行われます(たとえば、チケットからWhatsAppのコメントを墨消しした場合)。この動作により、特定のチャネルの更新を検索するようにトリガ条件が設定されている場合に、トリガが起動される可能性があります。
AI生成した概要を含むチケットの内容を墨消しした場合、概要を更新するか、「エージェントワークスペース」タブを閉じて再度開くことで、チケットから概要の表示を消すことができます。墨消しを実行すると、概要はZendeskのシステムから直ちに削除されますが、ブラウザの概要の表示はページを再読み込みするまで消えません。
墨消しの提案機能の制限事項
墨消しの提案の適用対象外:
- チケットの件名
- アクティブなメッセージング会話内のメッセージ
- Answer Botサービスに保存されているメッセージ
- チャネルフレームワーク対応のチケット
- モバイルSDKから作成されたチケットコメント(Zendeskのネイティブサポートアプリから送信されたものを含む)
- Slack Business Connectから作成されたチケット
- Slackのサイドカンバセーション
- メッセージングチャネルのアーカイブ済みチケットまたは終了チケットのコンテンツ
さらに次のような制限事項があります。
- メールチャネルから送信されたチケットコメントを墨消しする場合、Zendeskはメールプロバイダ(GmailやYahooなど)のチャネルにある元のメールの内容を墨消しすることはありません。Zendeskでホストされているテキストだけが墨消しされます。
- チケットを墨消しする場合、ソーシャルメッセージングプラットフォームとサードパーティーインテグレーションで元の会話が編集されることはありません。Zendeskの管理下にあるシステムで情報を墨消しされるだけです。つまり、エンドユーザーは、エージェントとのコミュニケーション方法によっては、別のチャネル(Facebook Messengerなど)を介してメッセージにアクセスしたときに、墨消し前のコンテンツが表示されることもあります。
- Answer Botとエンドユーザーとの間で交わされるメッセージの墨消しはサポートされていません。
- 墨消しを行う前にトリガが設定されていた場合、墨消しされたコンテンツはこれらのトリガによって起動されたチャネル(メールの会話など)で、引き続き表示されてしまう可能性があります。
- 一括墨消しはコメントレベルではサポートされていますが、チケットレベルではサポートされていません。
墨消しの提案機能を有効にして設定する
管理者は、管理センターで墨消しの提案のオン/オフを切り替えることができます。デフォルトでは、この機能はオフになっています。
管理者はまた、どのタイプのPIIを検出するか、また検出されたPIIをチケット内でハイライトしてエージェントに表示するかどうかを設定することができます。
墨消しの提案機能をオンにして設定するには
- 管理センターで、サイドバーの「 アカウント」をクリックし、「セキュリティ」>「墨消しの提案」を選択します。
- 「墨消しの提案を有効にする」を選択します。
- 墨消しの提案を自動的に検出するPIIのタイプを選択します。以下のいずれかから選択できます。
- 名または姓
- メールアドレス
- 住所
- クレジットまたはデビットカード(下4桁のみを表示)
- IBANナンバー
- パスワード
- 米国社会保障番号(US SSN)
- 銀行口座番号
- 「エージェントが提案を確認すべきタイミングを選択」で、以下のオプションのいずれかを選択します。
- チケットコメントと墨消しエディター内で提案を表示:エージェントがチケットで作業しているとき、および墨消しエディターを開いたときに、ハイライトされたPIIが表示されます。
- 墨消しエディター内でのみ提案を表示:エージェントが墨消しエディターを開いたときにのみ、ハイライトされたPIIが表示されます。
- 「保存」をクリックします。
検出されたPIIを墨消しする
管理者とチケットコンテンツの墨消し権限のあるエージェントは、墨消しの提案に対してアクションをとることができます。検出されたPIIの1つ、1つのチケットコメント内のすべてのPII、またはチケット内のすべてのPIIを一括で削除できます。
検出された1つのPIIをだけを墨消しするには
- チケットコメント内の墨消しの提案箇所(オレンジ色でハイライトされたテキスト)をクリックします。
- (オプション)PIIを墨消しする前にPIIを使用する必要がある場合は、コピーアイコン()をクリックしてハイライトされた情報をクリップボードにコピーし、必要に応じて他のシステムやワークフローにすばやく貼り付けることができます。
- 「<PIIのタイプ>を墨消し」をクリックしてハイライトされた箇所を直ちに墨消しするか、鉛筆アイコン()をクリックして墨消しエディターを開きます。墨消しエディターでは、PIIをハイライト表示したまま、コメントから追加情報を手動で選択して墨消しすることもできます。墨消しエディターでの作業の詳細については、「チケットのコンテンツを墨消しする方法」を参照してください。
墨消しされた箇所は黒い四角形で覆われます。
1つのチケットコメント内で検出されたすべてのPIIを墨消しするには
- すべてのPIIを墨消したいチケットコメントを見つけます。
- コメントの右側にあるオプションメニュー()をクリックします。
- 「ハイライトされたテキストを墨消し」を選択すると、ハイライトされた箇所が直ちにすべて墨消しされます。または「テキストを墨消し対象としてマーク」をクリックして墨消しエディターを開きます。墨消しエディターでは、PIIをハイライト表示したまま、コメントから追加情報を手動で選択して墨消しすることもできます。墨消しエディターでの作業の詳細については、「チケットのコンテンツを墨消しする方法」を参照してください。
チケットコメント内で検出されたPIIの箇所がすべて黒い四角形で覆われます。
チケット内で検出されたすべてのPIIを墨消しするには
- すべてのPIIを墨消したいチケットを見つけます。
- チケットの右側にあるオプションメニュー()をクリックします。
- 「ハイライトされたテキストをすべて墨消しする」を選択します。
- 表示された確認ウィンドウで、「ハイライトされたテキストを墨消し」をクリックします。 しばらくすると、ハイライトされた項目はすべて墨消しされます。このアクションは元に戻せません。
情報から墨消しマークを削除する
ハイライトされた箇所に墨消しする必要がない情報が含まれている場合(たとえば、実際にはPIIでない場合)、墨消しマークを削除することができます。これによりハイライト表示が消えます。
情報から墨消しマークを削除するには
- チケットコメント内の墨消しの提案箇所(オレンジ色でハイライトされたテキスト)をクリックします。
- 「無視するアイコン(X)をクリックします。
情報のハイライト表示が消えます。