エージェントCopilotのツールの1つである「エンティティ検出」機能で定義した固有の情報を、チケットやメッセージング会話で検出することができます。この情報を使用して、関連するカスタムチケットフィールドに入力し、自動化されたワークフローやレポートを強化することができます。
エンティティ検出は、インテリジェントトリアージの機能と似ており、カスタマーのリクエスト内で自動検出された情報に基づいてワークフローを自動化することができます。
この記事では、次のトピックについて説明します。
- エンティティ検出について
- エンティティのカスタムフィールドを作成する
- エンティティのカスタムフィールドの値を設定する
- チケットフィールドの更新動作とエンティティのハイライト表示を設定する
- エンティティのカスタムフィールドをオフにする、または削除する
- チケットまたはメッセージング会話内にハイライト表示されたエンティティにアクションを実行する
関連記事:
エンティティ検出について
カスタマーリクエストには、エージェントがリクエストを解決するために特定して対処する必要がある具体的な情報が含まれていることがよくあります。エンティティ検出は、この重要な情報を自動的に認識し、自動化されたワークフローで利用できるようにすることで、このプロセスをスピードアップし、簡素化します。
エンティティとは、商品名など、ビジネスにとって意味のある情報です。重要なエンティティごとにカスタムフィールドを作成し、特定の値を関連付けることができます。たとえば、「製品ライン」というエンティティのカスタムフィールドであれば、Camera Model A、Camera Model Bなどがフィールドの値になります。カスタムフィールドとその値は、ルーティング、自動化、レポートに使用でき、ワークフローを最適化できます。
さらに、チケット内のエンティティ値が青くハイライト表示されるので、エージェントがチケット一覧したときに重要な情報をすばやく特定できます。エージェントは、ハイライト表示されたエンティティをクリックして、関連するカスタムフィールドをハイライト表示された値ですぐに更新するか、その値をクリップボードにコピーすることができます。
エンティティのカスタムフィールドを作成すると、そのフィールドがチケットに追加されます。フィールドには、チケット内で検出されたエンティティ値に基づき、チケット更新によって値が入力されます。カスタムフィールドの更新方法を設定できます。
フィールドに値が入力されると、トリガ、自動化、およびレポートを作成するのに役立つタグも自動的にチケットに追加されます。これらのタグは、設定したエンティティ値を反映し、entity_<エンティティのカスタムフィールド名>_<エンティティ値> という構造をとります。
エンティティ検出は、インテリジェントトリアージがサポートするすべてのチャネルで動作します。一部のチャネルのみでエンティティ検出を有効または無効にすることはできません。さらに、エンティティ検出はチケットの件名、パブリックコメント、社内メモにも機能します。ハイライト表示はパブリックコメントと社内メモに対してのみ機能します。
AIを利用した予測を理解する:インテリジェントトリアージとエンティティ検出の違い
インテリジェントトリアージとエンティティ検出のどちらの機能も、ワークフローを自動化するためにAIを利用して予測を行います。しかし、この目標を達成する方法はそれぞれの機能によって若干異なり、予測に以下の2つのタイプに分けられます。
- 分類子:Zendeskのビルトインの予測機能。インテリジェントトリアージで使用します。機械学習モデルに基づいて、チケットを特定の目的、言語、センチメントの分類項目に分類します。
- 抽出子:お客様が作成する予測機能。エンティティ検出に使用します。お客様の設定に基づいて特定の情報を検出し、抽出します。
管理センターのインテリジェントトリアージの設定ページから、すべての予測を確認および管理できます。分類子が表示されるのは、「高度なAI」アドオンがある場合のみです。
エンティティのカスタムフィールドを作成する
管理者は、管理センターでエンティティのカスタムフィールドを作成できます。
エンティティのカスタムフィールドを作成するには
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「インテリジェントトリアージ」を選択します。
- 「予測を追加」をクリックします。
- 「名前」フィールドに、新しいメトリックのわかりやすい名前を入力し、「次へ」をクリックします。
- 「フィールドタイプを選択」で、「ドロップダウン」を選択します。
- 「作成」をクリックします。
エンティティのカスタムフィールドの値を設定する
エンティティのカスタムフィールドを作成したら、そのフィールドに対応する値を設定する必要があります。たとえば、「製品ライン」というエンティティのカスタムフィールドであれば、Camera Model A、Camera Model Bなどがフィールドの値になります。
値を設定するには
エンティティのカスタムフィールドを作成したばかりの場合は、ステップ3の手順から始められます。
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「インテリジェントトリアージ」を選択します。
- 前の手順で作成したエンティティのカスタムフィールドをクリックします。
- エンティティのカスタムフィールドの設定ページで、「値」タブをクリックします。
- 値をひとつひとつ手動で追加するか、すべての値を含むCSVファイルをアップロードするかを選択します。
- 値を手動で追加する場合:
- 「新規追加」をクリックします。
- チケットで検出する値を入力します。
- チェックマークをクリックします。
- CSVファイルをアップロードする場合:
- 「CSVをアップロード」をクリックします。
- 「ファイルを選択するか、ここにドラッグアンドドロップします」をクリックして、CSVファイルを選択するか、CSVファイルをフィールドにドラッグ&ドロップします。
- 「アップロード」をクリックします。
- 値を手動で追加する場合:
- 「保存」をクリックします。
チケットフィールドの更新動作とエンティティのハイライト表示を設定する
エンティティのカスタムフィールドに関連付けられたチケットフィールドを、チケットコメントやメッセージに基づいてどのように更新するか設定できます。また、チケットやメッセージングの会話でエンティティ値をハイライト表示するかどうかを設定することもできます。
チケットフィールドの更新動作とエンティティのハイライト表示を設定するには
エンティティのカスタムフィールドの値を設定したばかりの場合は、ステップ3の手順から始められます。
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「インテリジェントトリアージ」を選択します。
- 前の手順で作成したエンティティのカスタムフィールドをクリックします。
- エンティティのカスタムフィールドの設定ページで、「一般設定」タブをクリックします。
- 「検出された値でチケットフィールドを更新」セクションで、以下のオプションのいずれかを選択して、エンティティのカスタムフィールドに関連付けられたチケットフィールドの動作を設定します。
- チケットフィールドを更新しない:チケットフィールドに値は自動入力されません。エージェントは、「更新」をクリックして手動で値を入力する必要があります。
- 最初のメッセージ内の値のみ:チケットフィールドには、チケットの最初のコメント内または会話の最初のメッセージ内で検出された値が入力されます。入力されたチケットフィールドの値が、後続のコメントまたはメッセージによって自動的に更新されることはありません。
- 以降のメッセージ内の値のみ:最初に入力されたチケットフィールドの値が、この最初の値を除き、後続のチケットコメント内またはメッセージ内で検出された値で更新されます。
- すべてのメッセージ内の値:最初に入力されたチケットフィールドの値が、後続のチケットコメント内またはメッセージ内で検出された値で更新されます。
- 「チケットフィールドを更新しない」以外のオプションを選択した場合、チケットフィールドの古い値を新しい値で上書きさせるには、「既存のチケットフィールド値を置換」を選択してください。これを選択しないと、既に値が含まれているチケットフィールドは更新されません。
- チケット内およびメッセージングの会話内でエンティティを青くハイライト表示させたい場合は、「エージェントツール」セクションにある「すべてのメッセージ内でエンティティ値をハイライト表示する」を選択します。このオプションを選択すると、ハイライト表示されたエンティティに対してエージェントにアクションをとらせることもできます。
- 「保存」をクリックします。
エンティティのカスタムフィールドをオフにする、または削除する
チケットでエンティティを検出する必要がなくなった場合、エンティティのカスタムフィールドを削除することができます。削除すると、エンティティがアクティブな間に作成されたチケットであっても、すべてのチケットでエンティティ関連の情報がハイライト表示されなくなります。
カスタムフィールドは削除したくないが、しばらくの間非アクティブにしたい場合には、カスタムフィールドをオフにする方法があります。これを行うと、エンティティのカスタムフィールドの削除と同じように、すべてのチケットでエンティティ関連の情報がハイライト表示されなくなります。
エンティティのカスタムフィールドのエンティティ検出をオフにするには
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「インテリジェントトリアージ」を選択します。
- オフにしたいエンティティのカスタムフィールドをクリックします。
- 「<エンティティ名>をオンにする」の選択を解除します。
- 「保存」をクリックします。
エンティティのカスタムフィールドを削除するには
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「インテリジェントトリアージ」を選択します。
- 削除するエンティティのカスタムフィールドにマウスカーソルを合わせます。
チケットまたはメッセージング会話内にハイライト表示されたエンティティにアクションを実行する
「すべてのメッセージ内でエンティティ値をハイライト表示する」を選択すると、チケット内およびメッセージング会話内でエンティティが青くハイライト表示されます。エージェントは、ハイライト表示されたエンティティをクリックして、関連するカスタムフィールドをハイライト表示された値ですぐに更新するか、その値をクリップボードにコピーすることができます。
ハイライト表示された値が枠内で青く塗りつぶされている場合は、チケット内の関連するエンティティのカスタムフィールドにその値がすでに入力されていることを意味します。エージェントがとれるアクションは、コピーのみです。
ハイライト表示された値が青い枠で囲まれているだけの場合(枠内が塗りつぶされていない)、その値はまだエンティティのカスタムフィールドに入力されていないことを意味します。エージェントがとれるアクションは更新とコピーです。
ハイライト表示されたエンティティにアクションをとるには
- エージェントワークスペースで、チケットまたはメッセージングの会話を開きます。
- ハイライト表示されたエンティティの値をクリックします。
- 以下のオプションのいずれかを選択します。
- 更新:ハイライト表示された値で関連するカスタムフィールドの値を更新します(ハイライト表示された値がエンティティのカスタムフィールドにまだ入力されていない場合のみ選択可能)。
- コピー:ハイライト表示された値をクリップボードにコピーします。