インテリジェントトリアージ機能は、人工知能(AI)を使用して、エージェントや管理者の助けを借りずに、チケット対応に役立つ情報をチケットに追加するものです。具体的には、インテリジェントトリアージはAIを使用して、新しいチケットの目的と言語、カスタマーの印象を予測します。
インテリジェントトリアージを使用することで、Zendeskのチケットフィールドで目的、言語、および印象の予測および信頼度機能を有効にし、チーム用のビューの設定、トリガや自動化、Exploreレポートの強化などに活用することができます。
インテリジェントトリアージを有効にすると、エージェントワークスペースのユーザーが自動的にコンテキストパネルの「インテリジェンス」機能を利用できるようになります。このパネルは、チケットの予測される目的、言語、印象、および推奨マクロをユーザーに提示します。詳細については、「インテリジェンスで確認するインテリジェントトリアージ予測および推奨マクロ」を参照してください。
この記事では、次のトピックについて説明します。
インテリジェントトリアージの使用に関する要件
現在、インテリジェントトリアージは、以下の条件を満たす組織で利用できます。
要件の種類 | 要件の条件 |
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プラン | Support Professional以上(旧バージョンのプランは対象外) |
業種 この要件は、目的予測機能にのみ適用されます。リストアップされた業界のどれかに属していなくても、言語と印象の予測にインテリジェントトリアージを使用することは可能です。 |
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チケットボリューム この要件は、目的予測機能にのみ適用されます。 |
過去6か月間に、対応可能な言語で1,500件以上のチケットが発行されている |
チケット言語の分布 | チケットの90%以上が以下の言語であること:英語、フランス語、ポルトガル語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、日本語、ロシア語、オランダ語、韓国語、トルコ語、中国語、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、ポーランド語、アラビア語、ルーマニア語、チェコ語 |
適切なモデル適合 この要件は、目的予測機能にのみ適用されます。 |
現在の機械学習モデルがアカウントにどの程度適用されるかを判断するために、過去6か月間のチケットのサンプルで品質チェックを実行します。品質チェックでは、インテリジェントトリアージは、少なくとも30%のチケットに高信頼度のラベル付けを、少なくとも60%のチケットに信頼度「中」のラベル付けを行う必要があります。 |
限定公開への参加
Zendeskは以前、インテリジェントトリアージ機能を限定公開で提供していました。限定公開の対象となるには、以下の条件があります。
- 上記の要件を満たしていること
- 2022年12月12日より前にインテリジェントトリアージをアクティブ化していること
限定公開を利用されたお客様は、有料プランのアドオンを購入することなく、2022年12月12日以前にリリースされたインテリジェントトリアージの機能に無料でアクセスすることができます。それ以外の追加機能は、無料の限定公開の対象には含まれません。
インテリジェントトリアージについて
インテリジェントトリアージを有効にすると、チケットに以下のフィールドが新たに追加されます。
- Intent(目的):チケットの内容についての予測です。可能な値を表示するには、設定ページの「分類」タブを開きます。
- Intent confidence(目的の信頼度):目的についての予測の正確さを示します。高、中、低のいずれかの値をとります。
- Language(言語):チケットで使用されている言語についての予測です。可能な値を表示するには、設定ページの「分類」タブを開きます。
- Language confidence(言語の信頼度):言語についての予測の正確さを示します。高、中、低のいずれかの値をとります。
- Sentiment(印象):カスカマーが自分のリクエストについてどのように感じるかを予測します。非常にポジティブ、ポジティブ、普通、ネガティブ、および非常にネガティブのいずれかの値をとります。
- Sentiment confidence(印象の信頼度):印象についての予測の正確さを示します。高、中、低のいずれかの値をとります。
これらの各フィールドの値は、チケットの更新時にZendeskの機械学習モデルによって、チケット送信時の最初のメッセージの内容に基づいて設定されます。エージェントは、必要に応じて「目的」、「言語」、「印象」フィールドの値を変更することができます。
フィールドに値が入力されるとタグも自動的にチケットに追加され、トリガ、自動化、およびレポートの作成に役立ちます。これらのタグは、「目的」、「言語」、および「印象」フィールドの値を反映し、次のような構造をとります。
- intent__目的フィールドの値
- language__言語フィールドの値
- sentiment__印象フィールドの値
インテリジェントトリアージを有効にして設定する
管理者は、管理センターでインテリジェントトリアージを有効にすることができます。
インテリジェントトリアージは、有効にした後に作成されたチケットにのみ予測を追加します。インテリジェントトリアージを有効にする前に作成されたチケットは、予測値に「対応不可」と表示されます。
インテリジェントトリアージを有効にして設定するには
- 管理センターで、サイドバーの「
オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「インテリジェントトリアージ」を選択します。
- 「インテリジェントトリアージを有効にする」をクリックします。
以下の画面が表示され、「目的」、「言語」、および「印象」の予測タイプのステータスは、最初「保留中」と表示されています。しばらくすると、ステータスが「アクティブ」に変わり、インテリジェントトリアージの準備が完了したことがわかります。目的のステータスに「利用不可」と表示される場合は、目的が利用できないのはなぜですか?を参照してください。
- 個々の予測タイプを詳細に設定したり、オフにしたりするには、修正したい予測タイプの「設定」をクリックします。
- 予測タイプの設定ページで、次のオプションから選択します。
- <予測タイプ>トリアージを有効にする:予測タイプによって、自動的にチケットが分類されないようにする場合は、このチェックボックスをオフにします。
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メールチャネル:Webフォーム、メール、Webサービス(API)の各チャネルはデフォルトで有効になっています。必要であれば、テキスト、Web Widget、モバイルSDK、モバイルの各チャネルも有効にすることができます。メモ:通常、追加のチャネルを有効にすることはお勧めしませんが、それらのチャネルからのチケット量が多い場合は、有効にすることを検討してください。会話形式のメッセージやシステム通知、スパムの多いチャネルは、予測の信頼度が低くなります。
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メッセージングチャネル:メッセージングチャネルは、目的予測タイプでのみ使用できます。Web Widget、WhatsApp、Facebook Messengerの各チャネルは、デフォルトで有効になっています。必要に応じて、Android SDK、Google RCS、Instagram DM、iOS SDK、LINE、Slack、Telegram、Twilio SMS、Twitter DM、Viber、WeChatの各チャネルも有効にすることができます。メモ:インテリジェントトリアージがメッセージングチャネルの目的を予測するには、会話がボットビルダー内の少なくとも1つのフローを経由する必要があります。詳しくは、「回答を利用した会話ボットの構築」を参照してください。
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除外条件:エージェントによって作成されたチケットをインテリジェントトリアージプロセスから除外したい場合、「エージェントが開始したチケットを無視する」チェックボックスを選択します。
- 「保存」をクリックします。
safe_update
プロパティを使用するように設定されていることを確認し、インテリジェントトリアージのチケットフィールドが誤って上書きされないようにします。詳細については、「チケット更新の衝突を防ぐ」参照してください。インテリジェントトリアージフィールドの表示と更新をエージェントに許可する
インテリジェントトリアージを有効にすると、システムによって自動的に「目的」、「言語」、および「印象」フィールドに値が設定されますが、これらのフィールドは、デフォルトでは、チケットフォームが1つの場合にのみ、チケットに表示されます。
- 複数のチケットフォームがあり、エージェントがチケットでこれらのフィールドを見たり変更したりできるようにしたい場合は、チケットフォームを編集し、新しいフィールドをドラッグしてフォームに追加します。
- チケットフォームが1つだけで、チケットのこれらのフィールドをエージェントが見たり変更したりできないようにする場合は、デフォルトのチケットフォームを編集し、新しいフィールドをドラッグしてフォームから削除します。
- インテリジェントトリアージフィールドの値を、ExploreレポートまたはAPIでの使用のためだけに使用したい場合、フィールドをチケットフォームに追加する必要はありません。
チケットの「目的」、「言語」、および「印象」フィールドをエージェントに見えるようにすると、エージェントがこれらのフィールドの値が正しくないと判断したときに、値を更新することができます。
Zendeskの機械学習モデルは、チケットの最初のメッセージの言語、目的、および印象のみを検出するように設計されています。エージェントがこれらのフィールド値を更新する場合も、最初のメッセージに基づいて判断する必要があります。
選択可能な目的と言語の値をすべて表示する
「目的」フィールドについては、現在、インテリジェントトリアージに使用される機械学習モデルは、特に電子商取引企業とソフトウェア企業の目的を識別するようにトレーニングされています。また、目的と印象の検出機能が適用される言語は以下のものだけです。
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「言語」フィールドについては、インテリジェントトリアージにより約150種類の言語を検出できます。
目的または言語の設定ページの「分類」タブで、選択可能な目的および言語の値をすべて表示できます。
選択可能な目的と言語の値をすべて表示するには
- 管理センターで、サイドバーの「
オブジェクトとルール」をクリックし、「ビジネスルール」>「インテリジェントトリアージ」を選択します。
- 編集したい予測タイプの「設定」をクリックします。
- 「分類」タブをクリックします。
- 表示する予測タイプに応じて、リストの各カテゴリをクリックして展開し、個々の目的または言語を参照します。また、検索バーを使用して、特定の目的または言語を検索することもできます。
- 各インテントまたは言語に関連するタグを表示するには、「アクション」>「タグを表示する」をクリックします。これは、インテリジェントトリアージの条件を使用してトリガまたはビューを構築する場合に便利です。詳しくは「自動トリアージチケットのトリガの作成」および「自動トリアージチケットのビューの作成」を参照してください。
- すべての目的または言語の値および関連タグを含んだCSVファイルをダウンロードするには、「アクション」>「CSVをダウンロード」をクリックします。これは、多くのインテリジェントトリアージの条件を持つトリガまたはビューを構築する場合に便利です。
印象の値を理解する
印象とは、カスタマーが送信しようとしているリクエストに対して、カスタマーがどの程度ポジティブまたはネガティブな印象を持っているかを予測するものです。この予測は、カスタマーの最初のメッセージのテキストに基づいて行われ、次のカテゴリのいずれかに分類されます。
- 非常にポジティブ:メッセージには、強い肯定的な言葉(「すばらしい」や「完璧」など)、強い副詞で修飾された肯定的な言葉、または複数の肯定的な文が含まれています。
- ポジティブ:メッセージには、感謝の気持ちを表す語句や、肯定的な文が1つか2つ含まれています。
- 普通:メッセージには、否定的な限定詞(「少しも」や「必ずしも」など)を含まない事実の記述や、または肯定的な記述と否定的な記述が混在しています。
- ネガティブ:メッセージには、不満を表す語句や、否定的な言葉による苦情が含まれているか、同じような不満が何度も繰り返されています。
- 非常にネガティブ:メッセージには、強い否定的な言葉や、書式が強調されたテキスト、複数の感嘆符、または複数の否定的な語句が含まれています。
Zendeskの機械学習モデルは、カスタマーサービス向けに特別に調整されています。つまり、カスタマーの注文に問題があった、必要な情報が見つからない、あるいはそれに類する「ネガティブ」な状況だからといって、チケットにネガティブな印象を割り当てることはありません。その代わりに、「カスタマーがカスタマーサービスに連絡するのは、対処が必要な問題があるからだ」という前提で印象を分析するようにチューニングされています。
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