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ユースケースは、トレーニング不要AIエージェントと自律型AIエージェントにカスタマーの質問内容を理解させ、適切な対話またはプロシージャ(EAP)に導くための仕組みです。
ユースケースの名前と説明は、AIエージェントがカスタマーのメッセージを理解し、適切な対話に結びつけてカスタマーをサポートするために必要なコンテキストです。そのため、AIエージェントのパフォーマンスを最大限に引き出すには、明確で具体的なユースケースの名前と説明を記述することが重要です。
この記事では、以下のトピックについて説明します。
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ユースケースの説明を作成するためのベストプラクティス
ユースケースの説明を作成する際は、以下のベストプラクティスを念頭に置いてください。
- ユースケースの説明は英語で作成する。
- すべてのユースケースで同じパターンの書き出しにする(例:「Customer wants to… (カスタマーは...を求めている)」)。
- カンマ以外の句読点は使用しない。
- 推奨する記述例:Customer is looking for advice on a product or service (カスタマーは製品またはサービスの問題についてアドバイスを求めている)
- 不適切な記述例:Product / service advice (製品/サービスのアドバイス)
- 説明にキーワードを含めないこと。
- 推奨する記述例:Customer wants to schedule a collection for their return (カスタマーは返品する商品を集荷しに来てもらう日時を予約したい)
- 不適切な記述例:Customer wants to schedule a collection for their return. Keywords: pick-up, collection (カスタマーは返品する商品を集荷しに来てもらう日時を予約したい。キーワード: 返品、集荷)
- 簡潔な文(スペースを含めて120文字前後)で、カスタマーを適切な対話へ誘えるような具体的な説明を書く。
- 頭字語は使用しないか、使用する場合はコンテキストを追加すること。
- 推奨する記述例:Customer requests do it yourself instructions(カスタマーは自作用の説明書を求めている)
- 不適切な記述例:Customer requests DIY instructions(カスタマーはDIYの説明書を求めている)
- 明確なユースケースを作成し、重複しないように注意する。ユースケースが重複すると、AIモデルに混乱が生じ、悪い結果につながります。
- 世間話のユースケースや英語以外の言語と分かるユースケースを作成しないこと。
ユースケースの名前を作成するためのベストプラクティス
ユースケースの名前を作成する際は、以下のベストプラクティスを念頭に置いてください。
- ユースケース名は英語で記述する。
- 名前は短く、3~5語程度にする。
- 推奨する記述例:Username or password change (ユーザー名またはパスワードの変更)
- 不適切な記述例:How do I change my username or password? (ユーザー名またはパスワードを変更するにはどうすればよいですか?)
- 名前はできるだけ明確なものにします。
- カンマ以外の句読点は使用しない。
- 推奨する記述例:Issues with Klarna (Klarnaに関する問題)
- 不適切な記述例:Issues - Klarna (問題 - Klarna)
さまざまな業界のユースケースの例
以下の表に、さまざまな業界の最善のユースケース名と説明をまとめました。ご自身のAIエージェントで自由にご利用ください。
ユースケース名 | 説明 | インサイトとヒント |
業界一般 | ||
Refund status (返金のステータス) | Customer asks for an update on the status of their refund (カスタマーが返金の最新ステータスを問い合わせている) | |
Login issues (ログイン時に問題発生) | Customer can’t log in due to incorrect password or username(カスタマーはパスワードまたはユーザー名が間違っているためログインできまない) | このユースケースで「ログインの問題」と「パスワードのリセット」が組み合わされているのは、ログインに問題を抱えるカスタマーにとって同じような意味を持つからです。 |
Update account information (アカウント情報の更新) | Customer asks how to update personal or account information (カスタマーは個人情報やアカウント情報の更新方法について問い合わせている) | カスタマーは通常、個人情報(氏名、電話番号)またはアカウント情報(配送先住所、請求先住所)の変更を希望しています。これらのトピックが組み合わされているのは、似たような意味あいがあるからです。 |
支払い方法 | Customer wants to know what payment methods are supported (カスタマーは利用できる支払い方法を知りたい) | |
メールアドレスによる確認 | Customer didn’t receive an email confirmation for their order (カスタマーは注文確認メールを受けとっていない) | このユースケースは、お客様のユースケース(注文、予約など)に応じて調整することができます。 |
Eコマース業 | ||
Order status (注文ステータス) | Customer wants to know the status of their order (カスタマーは注文ステータスを知りたい) | |
Lost order (注文の紛失) | Customer hasn’t received their order despite delivery (カスタマーは注文品を受け取っていないが、配達は行われている) | |
Sizing enquiries (サイズに関する問い合わせ) | Customer asks about product sizing (カスタマーが商品のサイズについて問い合わせている) | これは、靴や衣類のサイズなど、商品カテゴリにより特化するものして頻繁に発生することがあります。 |
Incorrect item received (誤った商品の受領) | Customer claims they received an item they did not order (カスタマーが注文していない商品を受け取ったと主張している) | |
Return request (返品依頼) | Customer wants to return their order, or part of their order (カスタマーが注文の全部または一部の返品を要望している) | |
旅行業 | ||
Cancel booking (予約のキャンセル) | Customer requests to cancel their booking (カスタマーが予約のキャンセルを希望している) | ユースケース名と説明は統一されており、長すぎない。予約のキャンセルというユーザーの要望が明確に表現されています。 |
Changes to booking (予約の変更) | Customer wants to change the date, destination or departure for their booking (カスタマーが予約の日程、目的地、出発時刻の変更を要望している) | このユースケースは、目的地、出発時刻、旅行日程の3つの変更に対応しています。チケットの種類によっては、カスタマーは自分でこれらを変更することができますが、予約者の名前変更は代理店による対応が必要となるため、別のユースケース(下記)で対応しています。 |
Change the name on booking (予約者の名前変更) | Customer needs to change the name on their booking (カスタマーは予約者の名前変更が必要になった) | 前述の説明のとおり、このユースケースは意味あいがまったく異なるため、一般的な「予約の変更」のユースケースからは除外されており、大きな混乱を招くことなく、明確な名称と説明を記述することができました。 |
Recommendations for activities (おすすめのアクティビティ) | Customer wants to know what activities are available at their location (カスタマーは、滞在先で利用できるアクティビティの情報を要望している) | |
金融サービス業 | ||
Status of transfer (送金の状況) | Customer needs information on the status of their money transfer (カスタマーは送金状況の情報を必要としている) | カスタマーは、送金が受取人に受け取られたかどうか懸念しており、その状況を確認したがっています。このユースケースでは、送金の紛失や失敗についてはカバーされません。これらは別のユースケース(下記)でカバーされています。 |
Unsuccessful transfer (送金不成立) | Customer is concerned about a money transfer that didn’t reach the recipient (カスタマーは、送金が受取人に届かなかったことに懸念している) | 前述の通り、このユースケースは送金が行われたものの、受取人の口座に届かなかった場合をカバーしています。 |
Card activation issues (カードのアクティベーションに関する問題) | Customer expresses issues with credit card activation (カスタマーはクレジットカードのアクティベーションに関する問題を述べている) | |
Failed payment (決済の失敗) | Customer wants to understand why their card payment failed (カスタマーはカード決済が失敗した理由を理解したい) |
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