Zendeskの多くのお客様が、ゲームユーザーのサポートにZendeskを使用しています。Zendeskは、ゲームユーザーをサポートし、Zendesk Supportをゲーム用に最適に設定する方法を理解していただけるよう、そのようなお客様と密接に連携しています。
Zendeskでは、多くのZendeskのゲーム向けインスタンス、ゲームカスタマーとの会話、ゲーム会社と連携しているカスタマーサクセスチームおよびサポートチームの経験に基づいて、ゲーム向けにZendesk Supportを設定するのに役立つベストプラクティスのレシピをまとめました。
このレシピはすべてを網羅しているわけではなく、あくまで出発点としてのものです。また、Zendesk Supportを設定する方法はたくさんあり、考慮すべき変数もたくさんありますが、ここで紹介するレシピがインスピレーションとなり、正しい方向に進むきっかけになることを願っています。
この記事では、次のトピックについて説明します。
プレイヤーがサポートリクエストを送信するチャネルを設定する
チャネルとはカスタマーがサポートを依頼する手段のことです。ゲームのプレイヤーはゲームを途中で中断されるのを嫌うので、できるだけ早くプレイを再開できるようにする必要があります。そのため、プレイヤーのサポートへのコンタクト方法を複数用意するようにします。
ゲームユーザーは、ソーシャルメディアやコミュニティを通じて得られる、インタラクティブで迅速な支援を好む傾向があります。多くのユーザーや特定のゲームに影響を与える問題に対して、これらのチャネルは特に有効です。ゲーム会社のチケットの大半は、より具体的な個別の問題についての問い合わせで、メールやWebサポートフォームから届きます。
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メール。ゲーム会社でよく利用されているサポートチャネルです。しかし、ベストプラクティスとして、自由記述のメールではなく、カスタムフィールドを備えたWebフォームにユーザーを誘導し、必要な情報を前もって入手できるようにするとよいでしょう。
問題の種類ごとに、専用のサポートアドレスを設定することができます。グループごとにサポートアドレスを設定することを検討してください。たとえば、Support@yoursubdomain.zendesk.com、Refunds@yoursubdomain.zendesk.com、Abuse@yoursubdomain.zendesk.comのようにアドレスを分けてもよいでしょう。詳細については、「チケットの送信先となるサポートアドレスの追加」を参照してください。
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Webフォーム。これもゲーム会社でよく利用されているサポートチャネルです。Zendeskを使用しているゲーム会社がすべて含まれている調査レポートによると、サポートチケットの約半数はWebフォームから送られてきています。サポートチームは通常、ユーザーの問題を解決するために、ゲームのタイトル、プラットフォーム、バージョンなど、ユーザーからの具体的な情報を必要とします。このような情報を得るためにやりとりしなくて済むように、カスタムフィールドを備えたWebフォームをユーザーに提供します。
ゲームごとに、またはオンラインストアの問題など特定の問題に対して、個別のチケットフォームを設定することを検討してください(この機能には生産性向上パックアドオンまたはEnterpriseプランが必要です)。詳細については、「各種リクエストに応じたさまざまなチケットフォームの作成」を参照してください。
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X(旧Twitter)はゲームユーザーにとってアクティブなチャネルですが、Zendeskを使っているゲーム会社の大半は、会社のXを公式チケットチャネルとしてZendesk Supportに設定していません。多くのゲーム会社にはソーシャルネットワークを活発に利用している忠実なファンがいて、SNSで会話をやりとりしています。
Xを監視し、ツィートからチケットを作成する場合は、Zendesk SupportにXをチャネルとして追加できます。そして、ゲームごとにXの検索結果が保存されるように設定します。詳しくは「X(旧Twitter)チャネルの設定」を参照してください。
- コミュニティ。ゲームユーザーにとって、コミュニティは大きな意味を持ちます。Zendeskを使用するゲーム会社は、強力なコミュニティをヘルプセンターでサポートすることに力を注いでいます。活気のある、自己解決志向のコミュニティは、プレイヤー中心の文化を作り上げ、チケットを削減するために重要です。詳しくは「ヘルプセンター内にコミュニティを構築する」を参照してください。
チケットフィールドとチケットフォームを追加して、問題に関する情報を収集する
ゲーム会社として、特に複数のゲームやプラットフォームをサポートしている場合、問題の背景となる情報を事前にできるだけ多く把握することが重要です。
たとえば、チケットの件名が「ゲームがフリーズした」だった場合、ユーザーが具体的な内容を教えてくれるまで先に進めません。事前にできるだけ多くの情報を集めるようにしましょう。必要な情報をチケットで収集し、時間を節約するには、カスタムチケットフィールドを設定して必須入力として設定します。
- ゲーム(ドロップダウンフィールド)。すべてのゲームのリスト。
- プラットフォーム(ドロップダウンフィールド)。使われているプラットフォームのリスト。
- 問題のタイプ(ドロップダウンフィールド)。オンラインストア、プレイできない、バグなど、一般的な問題カテゴリのリスト。
- 迷惑/嫌がらせを行っているプレイヤーのエイリアス(テキストフィールド)。エージェントが問題行為を行っているプレイヤーのエイリアスを入力します。
- 迷惑行為の根拠(複数行のテキストフィールド)。迷惑行為とみなした理由をエージェントがチケットに入力します。
ベストプラクティスとして、チケットの受信通知にコミュニティへのリンクを含めてください。そうすることで、カスタマーはコミュニティにアクセスでき、同じ問題を持つ他のユーザーから助けを得られる可能性があります。それには、デフォルトのトリガである「リクエスタへの通知 - リクエスト受信」を修正し、コミュニティへのリンクを設定します。
カスタムチケットフィールドの追加について詳しくは、「カスタムチケットフィールドの追加と使用」を参照してください。
チケットフォームには、さまざまなリクエストタイプに合わせてプリセットのチケットフィールドを設定できます(この機能には生産性向上パックアドオンまたはEnterpriseプランが必要です)。これにより、複数のサポートフォームを提供できるため、プレイヤーが問題に適したフォームを選択できるようになります。
- 一般的な質問
- プレイヤーに関する情報
- 返金リクエスト
- 購入に関する問題
- パフォーマンスに関する問題
チケットフォームの作成については、「リクエストタイプに応じた各種チケットフォームの作成」を参照してください。
カスタムフィールドを追加して、プレイヤーに関するデータを収集する
ゲーム会社は、プレイヤーの購入履歴やゲーム履歴など、特定の情報を追跡したいと思うでしょう。カスタムフィールドを作成し、これらの情報をプレイヤーのプロフィールに追加することができます。
- カスタマータイプ(ドロップダウンフィールド)。タイプとしては、「熱心なファン」や「苦情の多い人」などが考えられます。
- 大口購入履歴(チェックボックスフィールド)。大口購入者を示します。「お得意様」などの名前を付けてもよいかもしれません。
- 全期間支出(数値フィールド)。プレイヤーの全期間にわたる支払総額をプロフィールで確認するのに便利です。しきい値を超えたら特別なサポート待遇を適用することを検討してもいいかもしれません。
- 出入り禁止(チェックボックスフィールド)。プレイヤーが出入り禁止になっているかどうかを示します。
- 出入り禁止の理由(複数行テキストフィールド)。プレイヤーが出入り禁止されている場合に、エージェントがその理由を入力するフィールドです。
カスタムユーザーフィールドの追加について詳しくは、「ユーザープロフィールへのカスタムフィールドの追加」を参照してください。
チケット管理のワークフローを設定する
エージェントを組織化し、チケット処理を容易にするためにグループを設定することができます。グループに基づいて、ビジネスルールを設定してチケットを自動的にルーティングしたり、ビューを作成して各グループのチケットキューを管理したりできます。
チケットを処理するグループを作成する
グループにはシンプルなアプローチをとり、グループの数を制限するように設定します。おそらく、払い戻しやクレジット、不正使用、出入り禁止にしたプレイヤーなどの特定の問題に対処するために、問題に特化したグループがいくつか必要になるでしょう。
- 一般的なサポートと高度なサポート。サポートに2段階のアプローチを提供します。おそらく、ゲームに関する一般的な問題についてのチケットがたくさん届くので、それらはレベル1のサポートエージェントが対応します。より高度で、少数のプレイヤーだけが遭遇する問題は、レベル2のエージェントに任せます。もちろん、これらのグループにもっと面白い名前を付けてもかまいません。チームの状況やサポートするゲームによっては、段階的なアプローチではなく、1つのサポートグループにした方が有効かもしれません。
- ストア。オンラインストアの購入やダウンロードに関するすべての問題を扱います。
- 返金。返金とクレジットを扱います。
- フェアプレイ。フェアプレイ、利用規約、迷惑行為の報告に関する問題を扱います。
- 開発。バグのエスカレーションを行います。このグループの名前は「バグ」にしてもよいでしょう。
グループ設定の詳細については、「グループの作成」を参照してください。
トリガを使用してチケットを自動ルーティングする
チケットを自動的にルーティングしたり、グループに割り当てたりするトリガを作成することができます。たとえば、返金を求めるチケットが届いた場合、返金グループに割り当てることができます。チケットの大半はメールやWebフォームを経由して届くため、これらのチャネルから届いたチケットにトリガを設定することを検討してください。
メールについては、サポートアドレスごとに、またはメール本文のキーワードに基づくトリガを設定します。Webフォームについては、チケットフォームを使用している場合は、選択したチケットフォームに基づくトリガを設定します。それ以外の場合は、チケットコメントでキーワードを使用して、チケットを適切なグループに割り当てることができます。
- 「チケット | = | 作成された」条件と「受信アドレス | = | <supportaddress>」条件
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「チケットのグループ <グループ名>」アクション
たとえば、refunds@<yoursubdomain>.zendesk.comに送信されたチケットを「返金」グループに割り当てることができます。
- 「チケット | = | 作成された」条件と「コメントテキスト | 少なくとも次の語句の1つを含む | <キーワード>」
- 「チケットのグループ <グループ名>」アクション
たとえば、「返金」という単語を含むチケットを「返金」グループに割り当てることができます。
- 「チケット | = | 作成された」条件と「フォーム | = | <チケットフォーム名>」条件
- 「チケットのグループ <グループ名>」アクション
たとえば、「返金リクエスト」チケットフォームで送られてきたチケットを「返金」グループに割り当てることができます。
ビューを作成してチケットを整理する
ビューは、一連の基準に基づいてチケットのコレクションを定義したものです。エージェントがグループ内のすべてのチケットを簡単に確認できるように、グループごとにいくつかのグローバルビューを設定することをおすすめします。
ゲームタイトル、共通の問題、言語など、チケットを整理してビューにまとめる方法は他にもたくさんあります。
- 「グループ | = | <グループ名>」条件および「ステータス | 次より小さい | 終了」条件
ビュー設定の詳細については、「ビューを使用したチケットワークフローの管理」を参照してください。
ヘルプセンター内にコミュニティを構築する
ゲームユーザーにって、コミュニティは大きな意味を持ちます。Zendeskを使用しているゲーム会社の多くはヘルプセンターに力を入れており、ヘルプセンターがプレイヤーサポートの大半を担っていると考えています。ヘルプセンターは、プレイヤーがセルフサービスで問題を解決したり、互いに助け合うための素晴らしい方法を提供します。
ゲームのアイコンや画像を追加して、ヘルプセンターをカスタマイズすれば、プレイヤーもリラックスして利用できます。また、コンテンツやコミュニティを整理するために、ゲームごとにカテゴリを分けて作成するとよいでしょう。
コミュニティを構築することで、プレイヤーは、ゲームに関するヒントを共有したり、問題や障害に関するヘルプを得たりすることができます。コミュニティを利用することで、多くの場合、プレイヤーはチケットを提出してサポートを待つ代わりに、迅速に回答を得ることができます。また、プレイヤーは、同じゲームをプレイしている他のプレイヤーとゲーム体験を共有することができます。
コミュニティにトラフィックを誘導するヒントについては、「ナレッジベースおよびコミュニティにトラフィックを誘導するためのベストプラクティス」を参照してください。
ゲーム会社には、大勢の忠実なファンがいるものです。最も経験豊富で助けになるプレーヤーのためのモデレータープログラムを作成することで、そのようなファンの情熱をコミュニティで活用することができます。これらのプレイヤーは、進んでコミュニティに時間を割き、ヒントを共有したり、他のプレイヤーを助けたりします。このようなプレイヤーには、特別なアバターやグッズ、チームメンバーとの直接のコミュニケーションラインなどを提供することで、貢献に報いるようにしましょう。
Zendesk Supportの機能をアプリを使用して拡張する
アプリを使用して、サポートのワークフローを合理化し、貴重な情報をZendesk Supportに取り込むことができます。
Zendesk Supportアプリを使用する
- ユーザー情報:タグ、チケットのアクティビティ、コンタクトなど、チケットに含まれるユーザーおよび組織の詳細情報を表示します。
- 関連チケットの表示:チケットの件名を分析して、他のすべてのチケットと照合して検索し、一致する語句が含まれるチケットを返します。
- サイドバー検索:Zendesk Supportのチケット、コメント、ユーザー、組織、記事をチケットから検索できるようにする機能を追加します。
- 記事検索:チケットの件名に基づいて、ナレッジベースのコンテンツを検索し、作業中のチケットに関連する記事を提示します。
- メッセージ表示:必要なテキストをチケットページに追加できます。エージェント用のチートシートとして利用し、プレイヤー層やゲームレベルなどの参考情報を表示できます。また、このアプリを使用して、サービス停止やメンテナンス予定、または一般的な問題についてエージェントに警告することもできます。
Zendeskマーケットプレイスで、利用可能なすべてのアプリを閲覧できます。
チケットにプレイヤーデータを表示するカスタムアプリを構築する
ほとんどの場合、ゲーム会社はプレイヤーのプロフィールを保存するための別のシステムを使用してます。このプロフィール情報はサポートチームにとって、より良いカスタマーサービスを提供するために重要です。Zendeskを使用するゲーム会社の多くは、この顧客情報を自社のシステムから取得し、チケットに表示するカスタムアプリを開発しています。
ZendeskのデータをAPI経由で使用して、ユーザープロフィールのデータに基づいたイベントを生成することができます。たとえば、あるプレイヤーがゲーム内で一定の購入額に達した場合、Zendeskで自動的にそのプレイヤーのプロフィールにタグを付け、ワークフローを設定して、特別な特典を与えたり、実績に応じたプロモーションを送信したりすることができます。
- パスワードをリセットする
- プレイヤーを出入り禁止にする
- 障害発生後にアカウントを復旧する
- 返金を行う
独自のカスタムアプリの構築については、このアプリのチュートリアルシリーズ「Building your first Zendesk app」を参照してください。