Zendesk Supportインスタンスは、公開、非公開、またはアクセス制限を課すように設定することができます(「エンドユーザーのアクセスとサインインのオプションの概要」を参照)。
この記事では、「非公開」のインスタンスの設定方法について説明します。非公開のインスタンスでは、ヘルプセンターは一般公開されますが、サインインしてサポートリクエストを送信できるのは、管理者がZendeskアカウントに追加したユーザーのみとなります。各ユーザーのアカウントは、サインインしてサポートリクエストを送信する前に作成する必要があります。
デフォルトでは、非公開のZendeskには次のアクセスルールが適用されます。
- ヘルプセンターは、訪問者がサインインしているかどうかに関係なく、すべての訪問者に表示されます。
- Zendeskアカウントに登録された確認済みユーザーだけが、ヘルプセンターからサポートリクエストを送信できます。アカウントに登録済みの未確認ユーザーは、ヘルプセンターにアクセスしてパスワードをリクエストすることで、自分で自分のユーザー確認を行うことができます。
- Zendeskアカウントに登録されている確認済みユーザーと未確認ユーザーはどちらも、サポートリクエストをZendesk Supportアドレス宛にメールで送信できます。
- ナレッジベースを運用している場合、ナレッジベースへのアクセス制限は、ナレッジベースに適用されるルールに従います。詳しくは、「ヘルプセンターのナレッジベースコンテンツへのアクセスを制限する方法」を参照してください。
この記事では、次のトピックについて説明します。
「誰でもチケットを送信可能」オプションを無効にする
非公開のZendesk Supportでは、誰でも(サインインしていない訪問者でも)チケット送信できるオプションを、無効にすることができます。つまり、Zendesk Supportを使用するメンバーを完全に管理下に置くことができます。通常、非公開のZendesk Supportを設定する場合は、管理者が全ユーザーを登録します。それでも、匿名ユーザー(Zendesk Supportに登録されていないユーザー)がサポートリクエストを送信する方法はあり、そのリクエストをエージェントが承認することによって、リクエスタである匿名ユーザーをZendesk Supportに登録し、サポートリクエストをチケットとしてキューに入れることができます(「匿名ユーザーがサポートリクエストを送信した場合」を参照)。
- 管理センターで、サイドバーのメンバーアイコン()をクリックし、「設定」>「エンドユーザー」を選択します。
- 「誰でもチケットを送信可能」オプションが選択されている場合は、選択を解除します。メモ:このオプションを解除すると、Web Widget機能に影響を与える可能性があります(「Web Widget(従来版)で制限付きヘルプセンターのコンテンツを使用する方法」を参照)。
- 必要に応じて、「アカウントメール」セクションで「エージェントまたは管理者によって新規ユーザーが登録されたときにも登録確認メールを送信する」オプションを選択します。詳細については、「新しく追加されたユーザーのメールアドレス確認とパスワードについて」を参照してください。メモ:2013年8月21日以降にZendeskの利用を開始されたお客様については、Guideを有効にするまでは、このオプションを利用できません(「初めてのGuideの使い方」を参照)。
- 「タブを保存」をクリックします。
以上の設定により、ヘルプセンターのサインインウィンドウからサインアップリンクが削除されます。
つまり、Zendesk Supportにアクセスしたユーザーが自分でユーザー登録する(ユーザーアカウントを作成する)ことができなくなります。この制限は、エージェントにも適用されます。管理者がすべてのユーザーを登録する必要があります。
さらに、すべてのコンテンツの閲覧をエージェントまたはサインインユーザーのみに制限(後述の「コンテンツの利用をログインユーザーのみに制限する」を参照)している場合には、訪問者がヘルプセンターにアクセスしたときに表示されるページはサインインページのみとなり、Zendeskにユーザーアカウントを登録済みでなければ、サインインすることはできません。
非公開のZendesk Supportにユーザーを登録する
- 一度にひとりずつ手動でユーザーを登録する(「エンドユーザーの追加」および「エージェントおよび管理者の追加」を参照)。
- 複数のユーザーを一括インポートで登録する(「ユーザーおよび組織の一括インポート」を参照)。
- Zendesk APIを使用してユーザーを登録する(「Zendesk API:Users」を参照)。
デフォルトでは、ユーザーをZendeskに追加したときに、ユーザーは未登録です(したがって、未確認です)。この段階では、サポートリクエストをサポートメールアドレス宛には送信できますが、ヘルプセンター経由では送信できません。自身でユーザー登録の確認を行った場合、Zendesk Supportの確認済みユーザーになり、メールアドレス経由とヘルプセンター経由の両方からサポートリクエストを送信できるようになります。
次のセクションで、メールアドレスの確認のしくみと、ユーザーの登録時にパスワードを作成する方法について説明します。
新しく追加されたユーザーのメールアドレス確認とパスワードについて
非公開Zendeskの場合のユーザー登録は、ユーザーではなく管理者自身が行うため、登録確認プロセスの実行方法については管理者が考える必要があります。そこで、「エージェントまたは管理者によって新規ユーザーが作成されたときにも登録確認メールを送信する」オプションが役に立ちます。このオプションを選択すると、管理者がZendesk Supportに登録したユーザーにはユーザー登録確認メールが届きます。ユーザーは、メールに記載されたリンクをクリックしてメールアドレスを確認し、Zendeskにサインインするためのパスワードを作成するよう求められます。これらの新規ユーザーがヘルプセンターへログインできるようにするには、各自にパスワードが必要となります。そこで、このオプションを有効にしておけば、メールアドレスの確認とパスワードの作成をユーザー自身に任せることができます。
ユーザー登録を管理者が行い、メールアドレスの登録完了メールを送信しないように選択した場合、メールアドレスの確認とパスワードについて、以下の方法で処理することもできます。
- メールでサポートリクエストを送信するときに、サポートメールアドレス(support@my_company.zendesk.comなど)宛に送信するようにユーザーに伝えます。
- Zendesk APIを使用した場合は、新規ユーザーの登録とパスワードの設定の両方を行うことができます。ユーザーのメールアドレスはAPIの
verified
パラメータを使用して自動的に確認されます。つまり、ユーザーは完全に登録され、確認されます。Zendesk APIでパスワードも同時に設定すれば、これらのユーザーはヘルプセンターに直ちにサインインできるようになります。詳細については、「Zendesk API:Users」を参照してください。 - 管理者は、Zendeskに登録したユーザーのメールアドレスを手動で確認することもできます。詳しくは、『Zendeskエージェントガイド』の「ユーザーのメールアドレスの確認」を参照してください。
匿名ユーザーがサポートリクエストを送信した場合
Zendesk Supportが非公開であっても、エージェントは匿名ユーザーからのサポートリクエストを基にチケットを作成することができます。非公開のZendesk Supportでは、匿名ユーザーからのサポートリクエストを受信すると、そのリクエストは「一時停止中のチケット」ビューに表示されます。エージェントは、このビュー内のリクエストを削除したり、回復したりすることができます。チケットを回復させると、新しいユーザーアカウントが作成され、チケットがZendeskに追加されます。詳細については、『Zendeskエージェントガイド』の「一時停止中のチケットの表示、回復、削除」を参照してください。
エージェントや管理者によって新規ユーザーが作成された際に登録確認メールを送信すると、一時停止中のチケットが回復されたときに、登録確認メールがユーザーに送信されます。ユーザーは、リンクをクリックすることで自分のメールアドレスの確認を行い、パスワードを作成してヘルプセンターにサインインします。このヘルプセンターで、サポート情報を利用したり、サポートリクエストの送信や処理状況の追跡を行うことができます。
エージェントまたは管理者によって新規ユーザーが作成された際に登録確認メールを送信しない場合、ユーザーは未確認のままとなり、サインインできません。ユーザーはチケット受領通知を受け取り、メール経由で通知に応答することができます。
エンタープライズシングルサインオン(SSO)を使用する
Zendesk SupportへのユーザーアクセスにJWTまたはSAMLを使用している場合、すべてのユーザー管理と認証は、Zendeskの外部で行われます。シングルサインオンサービスはZendesk Supportと同期しています。このため、たとえば新しい従業員のユーザーアカウントを追加すると、その従業員は直ちにZendeskにアクセスできるようになります。
SSOを非公開のZendesk Supportで使用する場合、いくつか問題が発生するかもしれません。ユーザーがメールサポートリクエストを送信したときに、非公開のZendesk Supportのユーザーとしてまだ登録されていない場合、どうなるでしょうか。そのユーザーのメールサポートリクエストは一時停止扱いになります。つまり、ユーザーが(シングルサインオンサービスを通じて同期される)Zendesk Supportにまだ登録していない場合、そのユーザーはサポートリクエストを送信することはできません。非公開のZendesk Supportにアクセスできるのは、ユーザー管理システム内の既知の正規ユーザーだけです。
また、「エージェントまたは管理者によって新規ユーザーが作成されたときにも登録確認メールを送信する」オプションは選択しません。ユーザーにはZendesk Support内で直接パスワードを設定してほしくないためです。そのような作業はすべてZendeskの外部で処理されます。
重要なのは、ソーシャルメディアのシングルサインオンはこれとは異なるという点です。ソーシャルメディアのシングルサインオンでZendeskにサインインするには、さらに手続きが必要になります。これを行うには、ソーシャルメディアのアカウントをユーザー自身がユーザープロフィールに登録する必要があります。ユーザーに代わって管理者がこの設定を行うことはできません。
コンテンツの利用をサインインユーザーのみに制限する
Zendesk Supportを非公開に設定するか、利用を制限する場合は、サインインユーザー以外は閲覧できないようヘルプセンターのすべてのコンテンツを隠すこともできます。これを行うには、ヘルプセンターにアクセスしようとするユーザーにサインインを求める必要があります(「サインインしたユーザーだけにヘルプセンターへのアクセスを許可する方法」を参照)。
すべてのコンテンツをサインインユーザー以外は利用できないよう制限した場合、ヘルプセンターの訪問者にはサインインページのみが表示されます。管理者がZendeskに登録したユーザーはこのページからサインインして、コンテンツにアクセスできます。