このシリーズに含まれる記事
ヘルプセンターを開設し、新たに作成したナレッジベースのすべての記事(セルフサービスを提供するには - パート4:ナレッジベース記事の作成)を公開できる用意ができたので、次はサービスの開始日を設定し、コンテンツに関するフィードバック収集プロセスを構築する必要があります。また、ヘルプセンターの立ち上げでもう一つ重要なことは、ヘルプセンターが利用可能になったことをカスタマーに告知し、書いた記事を利用してもらうことです。
この記事では、次のトピックについて説明します。
ヘルプセンターの開始日を設定し、準備作業を完了する
既存のプロジェクト管理プロセスがある場合は、そのプロセスを利用して、ナレッジベースの作成作業を最後まで管理することをお勧めします。セルフサービスチャネルの立ち上げを支援する他のメンバー(「ロールとセルフサービスチームを定義する」で説明した基本チーム)と相談しながら、ヘルプセンターの開設日を設定する必要があります。
必ずしも開設日までに、必要だと判断したナレッジベースの記事をすべて作成する必要はありません。カスタマーの最重要課題と優先度の高い記事の作成に集中してください。それらを先に片付けて、できるだけ早くヘルプセンターを立ち上げましょう。
新しい記事の追加をどのようにスケジュールして管理するかは、いつもと同じく、執筆者およびレビュー担当者の空き予定や、作業量の優先順位、新製品のリリース、文書化が必要な緊急のサポート問題などの条件次第です。
もちろん開設日は、ヘルプセンターを稼働させるために必要な他の準備作業の完了に合わせて設定する必要があります。ヘルプセンターの開設までに完了が必要な主な作業は以下のとおりです。
- 記事を掲載するために必要なセクションやカテゴリを備えたヘルプセンター構造が完成している。
- ヘルプセンターのデザインとブランド設定が完成している。
- ヘルプセンターと一緒に公開する記事がすべて書かれ、レビューされ、Guideに追加され、公開準備ができている。
- Guide管理者のロールが定義され、組織内のメンバーに割り当てられている(Guide管理者の資格、エージェントのヘルプセンターのアクセス権や公開権限など)。
- その他のGuide管理タスクが完了している(「ヘルプセンターのリリースに向けて準備する」を参照)。
これらの作業を行うために、Guide管理者はヘルプセンターをセットアップモードに設定します。このモードでは、ヘルプセンターは一般のユーザーからは見えず、管理者とエージェントのみが見ることができます。準備が整い、本番稼動の時期になったら、管理者はヘルプセンターをアクティブにします(「ヘルプセンターをアクティブにする」を参照)。
- ヘルプセンターの開設日は、記事執筆以外のさまざまな立ち上げ作業の完了に合わせて設定してください。
- ヘルプセンターをできるだけ早く立ち上げましょう。必要なコンテンツがすべて揃うまで待つ必要はありません。カスタマーの最重要課題や最優先の記事を公開しましょう。
Zendesk Gatherでコミュニティフォーラムを追加する
ヘルプセンターを開設する際は、カスタマーに公開する前に、Zendesk Gatherを有効にしてコミュニティフォーラムを提供し、ユーザー同士がつながり、コラボレーションできるようにすることも検討すべきです。
Gatherでは、ユーザーが投稿できるディスカッショントピックを作成することができます。たとえば、フィードバック募集のトピックを立てておくと、ユーザーがそのトピック内にフィードバックコメントを投稿することができます。
Gatherについては、Zendeskのヘルプセンター(https://support.zendesk.com/hc/en-us/community/topics)で実際にご覧いただけます。
Gatherの詳細およびヘルプセンターでの有効化については、「Zendesk Gatherの使い方」を参照してください。
ナレッジベースのコンテンツに関するフィードバックを収集するための設定を行う
ヘルプセンターを本稼働させる前、セットアップモードの間に、コンテンツのフィードバックを受け取り、対処するための設定を行うことができます。エンドユーザーだけでなく、サポートチームのメンバーなどの社内のソースからの継続的なフィードバックを得ることができます。
カスタマーからのフィードバックの収集
コメント投稿で、ユーザーは記事に対する意見を直接述べることができます。コメント機能はデフォルトで有効になっています(記事ごとに無効に設定可能)。詳しくは「記事のコメントを無効にする方法」を参照してください。
ユーザーは主に、補足的な質問をしたり、コンテンツに欠けている部分を指摘したり、他のユーザーにアドバイスやベストプラクティスを提供したりします。記事に取り入れるべきだと思われるコメントに対して、追跡可能なフィードバックループを作成することができます(たとえば、カスタマーからの質問に基づいて、記事に新しいセクションを追加することになった場合など)。記事のコメントからチケットを作成することができます。詳しくは「ナレッジベースの記事へのコメントからチケットを作成する方法」を参照してください。
また、Zendesk Gatherを使ってコミュニティを立ち上げた場合は、コミュニティの投稿コメントからチケットを作成することもできます。詳しくは「コミュニティへの投稿からチケットを作成する」を参照してください。
また、記事への好意的または否定的な投票を監視することもできます。
サポートチームや社内の他のソースからのフィードバックの収集
Zendeskでは、公開されたコンテンツのフィードバックのほとんどは、サポートチケットで送られてきます。たとえば、前述のようにコメントからチケットを作成することもできますし、サポートエージェントが問題(ユーザーインターフェイス要素の名前の誤り、コンテンツの不足、必要な説明、スペルミスなど)に気づいたときにチケットを作成し、ドキュメントチーム(Zendesk SupportのZendesk独自のインスタンス内のグループ)に割り当てることもできます。
その後、ドキュメントに関するチケットはすべて個々のライターに割り当てられ、問題が解決されるまで追跡されます。
ナレッジキャプチャーアプリは、変更が必要な既存の記事にエージェントがインラインフィードバックを追加するためにも使用できます。詳しくは「ナレッジキャプチャーアプリを使って記事にフラグを立てる方法」を参照してください。
- カスタマーがナレッジベースの記事にコメントできるようにする。
- コンテンツの変更が必要な場合に、ユーザーのコメントからサポートチケットを作成する。
- Zendesk Supportのインスタンスにコンテンツグループを設定し、コンテンツに関連する問題のチケットをサポートチームやその他のメンバーが開いたり割り当てたりできるようにする。
- 製品の専門家やカスタマーと直接やりとりする担当者たちと緊密な関係を保ち、できるだけ多くのなフィードバックを継続的収集する。
ヘルプセンターを宣伝してセルフサービスの利用を促進する
ヘルプセンターを立ち上げた後は、カスタマーにその存在を知ってもらい、利用してもらうために宣伝を行います。そのためには、さまざまな方法でコンテンツをカスタマーに直接提供したり、ソーシャルメディアチャネルやコミュニティで宣伝を行ったりします。
開設したヘルプセンターへのトラフィックを促進するためのベストプラクティスについては、「ナレッジベースおよびコミュニティにトラフィックを誘導するためのベストプラクティス」で詳しく説明しています。以下にこの記事からの情報をまとめていますが、元の記事もぜひ併せてご覧ください。
ヘルプセンターに直接アクセスする以外にも、以下の方法でナレッジベースをカスタマーに告知することで、ナレッジベースの存在を知っていただくことができます。
- サポートリクエストの返信に含める:エージェントがサポートリクエストに返信する際に、ナレッジベースへのリンクを挿入することができます。手動で挿入することもできますが、ナレッジキャプチャーアプリを使えば、Zendesk Supportで直接記事リンクを検索してチケットに挿入することもできます(「ナレッジキャプチャーアプリを使用した記事の検索とリンク作成」を参照)。
- マクロやトリガに記事へのリンクを含める:マクロやトリガにナレッジベース記事へのリンクを追加することができます。
- エージェントの署名にヘルプセンターへのリンクを含める:エージェントのメールの署名にヘルプセンターへのリンクを追加する方法はよく行われています。
- ボットを活用する:ナレッジキャプチャーアプリにも含まれているZendeskボットは、他の多くのZendesk製品やインテグレーションでも利用できます。AIを使用して、ナレッジベースの記事をカスタマーに自動的にプッシュすることができます。たとえば、AIを使用して、サポートリクエストに対して自動でメールを返信することができます。ボットを有効にすると、自動返信メールには、リクエスタが自分の問題を解決するのに役立つヘルプセンターの記事のリストが含まれます。ボットの詳細については、「Zendeskボットを使用できる場所の確認」を参照してください。
- Webサイトに組み込む:新しいヘルプセンターへのリンクを会社のWebサイトに追加します。「BtoC(消費者向け)ヘルプセンターの例」で紹介したように、ヘルプセンターをWebサイトにシームレスに統合し、グローバルナビゲーションで簡単にアクセスできるようにすることができます。
- オンライン製品やアプリにリンクを追加する:ホスティングされたWebソフトウェアを提供している場合、ユーザーインターフェイスにナレッジベース記事へのリンクを追加することができます。たとえば、アカウント設定のページがある場合、その設定の手順を説明したナレッジベース記事へのリンクを追加できます。また、ナレッジベースをモバイルアプリに組み込むこともできます。
- ソーシャルメディアやカスタマーに直接働きかける:マーケティングチームと協力して、ツイートやその他のソーシャルメディアへの投稿により、ヘルプセンターを宣伝することができます。また、メール、ニュースレター、キャンペーンなどにナレッジベースの記事へのリンクを含めることもできます。
- セルフサービスチャネルにトラフィックを誘導する方法や、そのサービスを宣伝する方法はたくさんある。
- サポートチームは、サポートプロセスの一環としてナレッジベースの記事へのリンクをとして手動または自動で作成できる。
- ヘルプセンターとナレッジベースの記事は、企業のWebサイトやその他のオンライン製品、アプリと統合することができる。
- マーケティングチャネルを利用して、コンテンツの認知度を高める。