このシリーズに含まれる記事

  • はじめに:セルフサービスチャネルの要素
  • パート1:セルフサービスコンテンツのプロジェクト計画
  • パート2:セルフサービスコンテンツの構造計画
  • パート3:作成すべき記事の決定
  • パート4:ナレッジベース記事の作成
  • パート5:ヘルプセンターの立ち上げ
  • パート6:セルフサービスの基本メトリックのトラッキング
  • パート7:ナレッジベースの管理と改善
現在のプランを確認
Suite Team、Growth、Professional、EnterpriseまたはEnterprise Plus

ヘルプセンターが稼働したら(「セルフサービスを提供するには - パート6:ヘルプセンターの立ち上げ」を参照)、ヘルプセンターの利用状況、記事の有用性、セルフサービスの提供状況などを把握するために、セルフサービスに関する主要なメトリックのトラッキングを開始してみましょう。

この記事では、次のトピックについて説明します。

  • セルフサービススコアを計算する
  • Googleアナリティクスとヘルプセンターの連携
  • Exploreでのヘルプセンターアクティビティダッシュボードの使用
  • オートリプライのアクティビティ

セルフサービススコアを計算する

ヘルプセンターの成功は、さまざまな方法で測定することができます。もちろん、ヘルプセンターの利用度を監視する方法もあり、月間で何人の閲覧者やユーザーがいるかをチェックできます。新しいセルフサービスチャネルの利用促進を推し進めることで、利用件数が増えるはずです。

また、同じ期間に作成されたチケットの数と、ヘルプセンターの利用者数を比較することもできます。これは、「セルフサービススコア」と呼ばれています(「セルフサービス率」や「チケット削減率」とも呼ばれる)。

セルフサービススコア = ヘルプセンターのユーザーセッションの総数 / チケットのユーザーの総数

上の式から、たとえば、セルフサービスを利用して問題を解決しようとするカスタマーの4人に1人がサポートリクエストを送信しているという、4:1などの比率が得られます。ここでのセルフサービスの成功は、比率が大きくなることで示されます(たとえば、40人のユーザーのうち1人だけがチケットを送信した場合、40:1の比率となる)。

セルフサービススコアを計算するには
  1. 「ヘルプセンターでGoogleアナリティクスを有効にする方法」の説明に従って、Googleアナリティクスアカウントを設定してGuideに接続します。
  2. Googleアナリティクスで数か月にわたるユーザーアクティビティのデータがある場合は、ヘルプセンターの訪問者セッション数の30日分のスナップショットなどを作成します。
  3. その数値を同じ期間中にチケットを送信したユーザーの合計数で除算します。詳しくは「Exploreレシピ:毎月チケットを提出するユーザーの数を確認する」を参照してください。

Googleアナリティクスとヘルプセンターの連携

ヘルプセンターも他のWebサイトと同様に、利用状況や改善が必要な箇所をできる限り細かく測定します。ヘルプセンターでGoogleアナリティクスを有効にすると、トラフィック、ユーザーエンゲージメント、その他の典型的なWebサイトのメトリックを分析することができます。Googleアナリティクスは、Zendesk以外の第三者(サードパーティ)サービスです。

Googleアナリティクスでトラッキングを検討できるメトリックには、次のものがあります。

  • 利用者数:セルフサービススコアの算出に役立つだけでなく、利用者数のメトリックは訪問者がセッション中にアクセスしたページを示し、訪問者がコンテンツにどのように関わっているかを詳しく知ることができます。
  • 平均セッション時間:平均セッション時間が短い場合、訪問者がコンテンツを利用していない可能性があります。
  • 新規セッション割合:このメトリックでは、全訪問者数のうち何人が再訪者なのか、新規訪問者なのかを知ることができます。これは、注力すべきコンテンツの種類を判断するのに役立ちます(たとえば、新規ユーザー向けに「初めての使い方」のコンテンツを提供するなど)。
  • 直帰率:ランディングページ(記事の目次が掲載されているカテゴリやセクションのページ)の直帰率が高い場合は、必要なコンテンツを提供できていないか、記事のタイトルを改善する必要があることを示しています。

Exploreでのヘルプセンターアクティビティダッシュボードの使用

ヘルプセンターのアクティビティは監視され、ExploreのZendesk Guideダッシュボードで確認できます。ナレッジベースの記事、検索、ボットとナレッジキャプチャーのアクティビティ、およびコミュニティのアクティビティが追跡されます(Zendesk Gatherを使用してコミュニティを有効にしている場合)。

以下の3つのダッシュボードに表示されるデータは、ヘルプセンターやコンテンツのパフォーマンスを分析し、改善するのに役立ちます。どのデータも興味深く重要ですが、いくつかのデータは、ナレッジベースのコンテンツに変更を加える必要があることを示す良い指標となります。

ナレッジベースのアクティビティ

このダッシュボードの統計データには、作成された記事の数、記事の表示回数、および投票、受信登録、コメントの総数などが含まれます。これらのうち、記事の表示回数、投票数、コメント数は特に重要です。

  • 表示回数:ナレッジベース内の記事の総閲覧数です。これを長期的に追跡することで、表示回数が増えるのを確認します。これによって、ヘルプセンターやナレッジベースの記事の利用の促進状態を示すことができます。
  • 記事の正味投票数:すべての記事に関するすべての肯定的な投票と否定的な投票の差です。否定的な投票の数が多い場合は、記事を更新して改善する必要があることを示しています。逆に、肯定的な投票の数が多い場合は、その記事が有用であり、チケットの削減に役立っていることを示しています。
  • コメント:ナレッジベースの記事に対して作成されたコメントの総数です。記事にコメントが多い場合は、コンテンツがわかりづらいか不完全であり、カスタマーが補足質問をする必要があることを示している可能性があります。

このダッシュボードの詳細については、「Exploreを使用したナレッジベースのアクティビティの分析」を参照してください。

検索アクティビティ

このダッシュボードには、検索数、検索件数(結果なし)、検索件数(クリックなし)、作成されたチケットなどの統計データが含まれます。特に最後の3つは興味深いメトリックで、コンテンツが不足している可能性や、いくつかの記事がうまく機能していないことを示しています。
  • 結果なし:検索結果が0件だった数です。これは、ナレッジベースにないものが検索されていることを示しています。使用されている検索文字列が無意味であるために結果が出ないこともあれば、カスタマーが探している情報を提供するために新しいナレッジベース記事が必要とされていることもあります。
  • クリックなし:結果が選択されなかった検索の数です。これは、コンテンツが足りない(何かを検索したが、結果がなかった)や、ナレッジベース記事のタイトルを変更する必要がある(記事は存在するが、検索した文字列がタイトルに含まれていない)ことを示している可能性があります。
  • 作成されたチケット:チケットの作成につながった検索の数です。この統計を詳しく見ると、チケットが作成されたときに使用された検索文字列がわかります。ここでは、2つのことが考えられます。1つ目は、ユーザーは結果の出る言葉を検索したので、必要な答えを得るためにすぐにチケットを作成した。2つ目は、記事をクリックした後、何らかの理由でエージェントのサポートを必要とした。つまり記事に何か情報を追加する必要があったということかもしれません。

これらの統計データでは、使用されている検索文字列を確認することができます。ユーザーが別の用語(古い製品名や、競合他社が使用している自社とは違う用語など)を使用していたり、よくある誤字脱字が含まれていることにも気づくかもしれません。このような場合に役に立つのが、ラベルの使用です。これらの代替用語やスペルミスをラベルとして記事に追加することで、ユーザーの検索精度を上げることができます。

このダッシュボードの詳細については、「Exploreを使用したヘルプセンターの検索結果の分析」を参照してください。

ナレッジキャプチャーのアクティビティ

コンテキストパネルのナレッジベースを使用して記事を作成し、エージェントがナレッジベースのコンテンツに直接リンクできるようにしている場合、そのコンテンツの使用に関するレポートは、ExploreのGuideレポーティングダッシュボードでも利用できます。

このダッシュボードの詳細については、「ナレッジベースのアクティビティの分析」を参照してください。

コミュニティのアクティビティ

このダッシュボードの統計データには、投稿の作成数、投稿を閲覧したユーザーの数、投票数、受信登録数、コメントの総数などが含まれます。

コミュニティはユーザーがフィードバックを提供する場所でもあるため、コミュニティへの投稿を見れば、そのテーマについてナレッジベースの記事を作成する必要があることがわかるかもしれません。

このダッシュボードの詳細については、「Exploreを使用したコミュニティアクティビティの分析」を参照してください。

オートリプライのアクティビティ

最後に、セルフサービスチャネルの一部としてボットを有効にしている場合、推奨記事の提示のアクティビティを追跡することができます。

ユーザーが記事をクリックしたかどうか、エージェントの手助けなしに自力で解決した問題の数、役に立たないとマークされた記事の数などを追跡することで、記事がサポート問題の解決に役立っているかどうかを知ることができます。このデータは、セルフサービスがその役割を果たしているかどうか、チケットを回避できているかどうかを判断できる最も直接的な情報源となります。

このダッシュボードの詳細については、「推奨記事の提示のためのオートリプライ分析」を参照してください。

Powered by Zendesk