カスタマーサポートは大変な仕事ですが、顧客の期待に応えるための基本的な要素は、実際にはとてもシンプルです。顧客からの問い合わせは、正確かつ役に立つやり方で解決されなければならず、対応が早いほど良いです。
チケットの統計を見る際に注意すべき点はたくさんありますが、中でも初回返信時間(FRT)は非常に重要な項目の1つです。FRTは、カスタマーサポートエージェントの対応状況を把握するのに役立つ重要なメトリックです。実際、Zendeskのデータチームは、FRTを短縮することが顧客満足度の向上と相関することを発見しており、これがどのようなビジネスにとっても重要な目標となっています。
FRTはもちろんチケットの量によって変動しますが、プロアクティブな戦略をとることで、ピーク時でも応答時間を最短に抑えることができます。この記事では、ZendeskのさまざまなチャネルでFRTを短縮するためのヒントをご紹介します。
この記事では、次のトピックについて説明します。
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メールチケットの初回返信時間を短縮する
Zendesk Supportでは、FRTはチケットが作成されてから、そのチケットに対してエージェントから最初のパブリックコメントが作成されるまでの時間として計算されます。チケットがパブリックコメントなしで解決された場合、そのチケットはFRTメトリックの計算に含められません。
FRTの値が上昇し始めたら、見逃さずに、次のヒントを活用して元に戻しましょう。
- セルフサービス:顧客が自分で問題を解決した場合は、FRTの値を気にする必要はありません。何から始めたらいいかわからない場合は、重要な問題を把握し、その問題に基づく記事を書きましょう。記事の内容をエージェントに周知し、エージェントが常に最新の情報を顧客に提供できるようにします。現在、オンラインで多くの顧客がセルフサービスで問題を解決するようになっており、そのニーズに応えられるよう最善を尽くすべきです。ヘルプセンターの機能を充実させ、コミュニティからの質問に素早く答えられるよう、エージェントを積極的に活動させましょう。
- 傾向または外れ値:初回返信時間の変化を見るときは、チケットの量を確認してください。FRTの上昇につながるようなチケットの急激な増加がありましたか?ExploreのZendesk Supportダッシュボードの「チケット」タブと「効率性」タブをまず確認してみてください。新製品の発売や重大なサービスインシデントによってチケットが一時的に急増したとしても、それは懸念すべき傾向ではないかもしれません。それでも、もしこのようなチケット量の急激な変化を予測できるのであれば、エージェントの増員を検討する絶好の機会となります。Zendeskでは、新製品をリリースする際には、関連する製品チームや開発者にも手伝ってもらうようにしています。
- サポートの対応時間を確認する:チケットが最も多く届く時間帯をご存知ですか?Zendesk Supportダッシュボードの「チケット」タブにある、時間別に作成されたチケットのレポートを一目見れば、顧客が必要とするときにオンラインですぐにサポートを提供できるように体制を整えることができます。24時間サポートへの移行をお考えの場合は、「フォロー・ザ・サン・モデルとは?メリットと戦略」のホワイトペーパーをお読みください。
- リアルタイムのサポート:チケットにすばやく回答できるとしても、メッセージング、チャット、電話などのライブチャネルにはかないません。FRTの中央値が1分以下だったら、どんなにすばらしいでしょうか。
- 問題と事象:何かがうまくいかないときは、新たに現れつつある問題をすばやく特定し、対処することが重要です。事態を認識していて解決に取り組んでいることを顧客にすばやく伝え、不運な状況を、顧客にとって企業とのポジティブな体験に変えるチャンスにしましょう。Zendeskでは、問題と事象のチケットタイプを広範に使用しています(このタイプのチケットの追跡用のビューとトリガもあります)。これは、影響を受けた顧客にできるだけ早く返信し、問題が解決したときに通知できるようにするためです。これは、エージェントがこれらのチケットにいち早く対応するための簡単で素晴らしい方法です。
Supportチケットの初回返信時間をExploreで測定する方法の詳細については、以下の記事を参照してください。
チャットおよびメッセージングの初回返信時間を短縮する
チャットやメッセージングのようなリアルタイムにやりとりするチャネルでは、エージェントの応答性は非常に重要です。これらのチャネルでは、FRTは秒単位で追跡され、可能な限り短くする必要があります。
以下の機能を活用することで、チャットやメッセージングのFRTを短縮することができます。
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非ルーティング時間:以下の機能により、会話がエージェントに割り当てられるまでの待ち時間が短縮されます。
- エージェントのチャットの割り当て制限を更新します。これにより、エージェントは一度に多くの会話に対応できるようになり、負荷が高くなることが予想される場合に役立ちます。
- 会話非アクティブタイマー(EAP)を設定します。メッセージングでは、タイマーの非アクティブ時の時間を短く設定して、エージェントの帯域幅を早く解放することができます。
- 営業時間を設定し、サポート時間に基づいて受信チケットボリュームの流入を制御します。
- チャットの場合:営業時間を設定する
- メッセージングの場合:営業時間と休日のスケジュール設定
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エージェントの反応時間:以下の機能は、エージェントが素早くチャットを受け付けるのに役立ちます。
- 自動受付(EAP)をオンにします。チャットの「受ける」ボタンの明示的なクリックを必要とせずに、会話を自動的にエージェントに割り当てます。
- 割り当て制限解除モードをオンにします。割り当てられたルーティング方法を使用する場合、割り当て制限解除モードは、チャットとメッセージングチャネルの両方でエージェントがキャパシティを超えてサービスを提供できるようにします。
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エージェントの入力時間:以下の機能は、エージェントが素早く顧客にメッセージを作成するのに役立ちます。
- 初回の返信用のマクロを作成して、エージェントがテキスト入力欄に入力する時間を短縮します。
- キーボードショートカットでマクロを適用します。ショートカットは、エージェントが素早くマクロを適用するのに役立ちます。
- チャットの場合:Chatでショートカットを使用する
- メッセージングの場合:キーボードショートカットを使用してマクロを適用する
- メッセージングチャネルのSLAポリシーを設定し、サポートチームがチケットの優先度に基づいてカスタマーに提供する応答時間と解決時間の目標を指定します。
チャットとメッセージングの初回返信時間をExploreで測定する方法の詳細については、以下の記事を参照してください。