レイアウトビルダーを使用して、Zendeskエージェントワークスペースのレイアウトをチームの個々のワークフローに合わせてカスタマイズすることができます。これにより、関係のある情報を表示し、余計な情報を取り除くことで、エージェントの業務効率をアップさせることができます。エージェントは、数回クリックするだけで、すぐに目の前のタスクに集中できます。カスタムレイアウトでは、使用頻度の低いコンテキストパネルのコンポーネントを非表示にすることができます。また、コンポーネントを縦に積み重ねたり、レイアウトを4列に組むことで、利用可能な領域を最大限に活用できます。
この記事では、管理者がエージェントワークスペースでカスタムレイアウトを作成し、エージェントの業務効率の向上を可能にする一般的なシナリオについて説明します。これらのシナリオは、独自のカスタムレイアウトを作成するためのモデルとして使用できます。カスタムレイアウトを作成したら、エージェントからのフィードバックを継続的に収集し、レイアウトがエージェントのパフォーマンス向上のために最適化されていることを確認してください。
シナリオ1:エージェントの業務効率アップ
このシナリオでは、ミッションクリティカルなアプリをサイドバーから削除し、フロントとセンターに配置することで、エージェントの業務効率を改善する方法を紹介します。
社内開発したプライベートアプリがいくつか業務環境にインストールされているとします。このアプリを通じて、重要な顧客情報を引き出します。エージェントのワークフローでは、チケットフィールドに追加できる顧客情報をアプリ1で探し出し、注文情報をアプリ2に追加する流れになっています。
レイアウトビルダーを使用しない場合、ワークフローを完了させるために、エージェントは「アプリ」パネルを何度もクリックしてアプリ1とアプリ2を見つける必要があります。レイアウトビルダーを使用すると、この2つのプライベートアプリをチケットレイアウトのメイン領域に表示させることができます。これにより、クリックの回数が減り、エージェントが素早く情報を見つけて追加できるようになります。アプリを探すために「アプリ」パネルを何度もクリックする必要はありません。
シナリオ2:エージェントインターフェイスの洗練化(Enterpriseプランのみ)
このシナリオでは、異なるレベルのサービスを提供するエージェントグループ向けに、エージェントインターフェイスをカスタマイズする方法を示します。
カスタマーのARRに応じて3つの異なるサービスレベルでラグジュアリーライフスタイルを提案する多国籍企業の例です。グループ1はトップクラスのエージェントで構成され、特別な商品を要望するVIP顧客に即座にパーソナライズされたサポートを提供しています。グループ2は経験豊富なエージェントで構成され、中間層のカスタマーや卸売業者向けの商品の発送や返品を管理しています。グループ3を構成するエージェントは、主に会社のWebサイトから商品を購入するエントリーレベルのカスタマー向けにナレッジベースとセルフサービスサポートを管理しています。これらのグループはそれぞれ異なるアプリ、ナレッジベース、サイドカンバーセーションや高度なAIなどの機能を活用しています。
このような組織の場合、カスタムレイアウトとコンテキストワークスペースとを組み合わせて、エージェントグループごとに特化したワークスペースを作成することができます。
- グループ1には、ソーシャルメッセージングチャネルとソーシャルメッセージングの連絡先情報を重視したレイアウトを用意し、VIP顧客のリクエストに即座に対応できるようにします。
- グループ2には、チケットフィールド、会話ペイン、サイドカンバセーションをレイアウトに含めます。主なワークフローは、メールによるクエストをオフショアの出荷・返品チームに渡すことです。
- グループ3は、ナレッジベースセクションを中心としたレイアウトを提供し、カスタマーが購入を決定したときにWeb上で参照できる関連製品の情報をエージェントが見つけ、維持し、自動化できるようにしています。このレイアウトにより、エージェントは十分な画面領域を確保し、視認性を高めることができます。
これらの各グループは、コンテキストワークスペースを通じて独自のレイアウトを自動的に取得します。
グループ1:ソーシャルメッセージング
グループ2:サイドカンバセーション
グループ3:ナレッジベースとナレッジキャプチャー
シナリオ3:集中を妨げるものを排除
このシナリオでは、コンテキストパネルで使用されていないコンポーネントを非表示にすることで、注意散漫にならないようにする方法を紹介します。
旅行予約プラットフォームの会社を例に挙げます。この会社では、コールセンターに重点を置いていて、カスタマーから寄せられる問題の大部分を電話で処理しています。電話対応が主なので、エージェントは会話ペインをほとんど使用せず、チケットフィールドとアプリセクションのみを使用して情報を取得し、チケットを解決しています。会話ペインはチケットインターフェイスの不要なスペースを占有しており、気が散ってしまいます。
カスタムレイアウトを使用することで、コンテキストパネルの会話ペインを非表示にすることができます。こうすることで、エージェントは整理されたユーザーインターフェイスで必要な情報のみを表示する最適なワークスペースを確保できます。
シナリオ4:可読性の向上
このシナリオでは、会話ペインを設定することで読みやすさを向上させる方法を紹介します。
大手メーカーを例にとります。カスタマーからのチケットの大半はメールで送信されるため、エージェントにとってメールの読みやすさは非常に重要です。
メール中心のワークフローにおいて、エージェントに最適な読み書き体験を提供するためにカスタムレイアウトを作成し、メッセージの順序を設定することで、最新のものが会話の一番上に表示され、エディタ画面をデフォルトで最小化することができます。
シナリオ5:AI機能の統合(旧バージョン)
このシナリオでは、AI機能をワークフローの中核に統合する方法を紹介します。
エージェントが毎日何百ものチケットを処理している食品配送会社を例にとります。重要なのは効率です。カスタマーからのメッセージがリアルタイムで届くため、エージェントはできるだけ早くチケットを解決する必要があります。チケット処理に時間がかかると、カスタマー満足度と会社の成長に直接影響します。この会社では最近、エージェントを支援するためにZendeskのAI機能を使い始めました。
カスタムレイアウトを作成することで、カスタマーとの会話の横に直接AIシグナルを配置し、インテリジェントトリアージやセンチメントなどのAI機能を強化できます。これにより、エージェントはチケットに適切な優先順位をつけ、高い信頼性とスピードで処理することができます。