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オンラインチャットからメッセージングに移行する際に考慮すべき領域の一つは、メッセージング実装の成功を測定するためにどのようにExploreを活用するかです。少し準備を行えば、メッセージングによって得られる利点をすべて享受しながら、移行によって大きな影響を受けないようにすることができます。

この記事では、選択した会話スタイルがメトリックにどのように影響するか、成功を定義する際に考慮すべきメトリック、リアルタイム監視と履歴レポートの使い分けなど、メッセージングに関連するいくつかの重要なレポートについて説明します。

この記事では、次のトピックについて説明します。

  • メトリックへのメッセージングの会話スタイルの影響について
  • オンラインチャットの会話スタイルの成功を定義する
  • リアルタイムおよび過去のデータを使用して成功を測定する

関連記事:

  • オンラインチャットからメッセージングへの移行
  • メッセージングチケットの分析

メトリックへのメッセージングの会話スタイルの影響について

メッセージングへ移行する際に、どのメッセージングの会話スタイルを実装するかは、重要な決定事項の1つです。選択した会話スタイルは、レポートで使用するExploreのメトリックに影響します。

以下の表は、さまざまなメッセージング会話スタイルと、メトリックがどのような影響を受けるかをまとめたものです。

会話のスタイル 説明 メトリックへの影響
オンラインチャット 開始と終了が明確な、1回切りのライブインタラクションです。これは最もチャットに似た操作で、会話が終わるとメッセージングチケットは解決され、自動的に終了します。Zendeskでは、最初のメッセージング移行にこのスタイルを選択し、適切であれば、その後に以下のスタイルのいずれかに移行することを推奨します。まったく移行しないこともできますし、複数のスタイルをサポートすることもできます。

オンラインチャットスタイルは、旧バージョンのオンラインチャットの動作と密接に関連しているため、オンラインチャットの測定に使用するメトリックは、メッセージングと直接比較することができます。たとえば、まだ初回返信時間が長く、一次回答によるチケット解決率が高い場合です。

詳しくは「オンラインチャットの会話スタイルの成功を定義する」を参照してください。

再オープン 複数回のライブインタラクション。これはオンラインチャットの会話スタイルに似ていますが、最初のライブインタラクションを行なった後、エージェントがチケットを「解決済み」ステータスにする点が異なります。カスタマーが新しいチャットを開いたり、再度キュー待ちさせられたり、チャットが別のエージェントに割り当てられたりせずに、同じエージェントとの会話に戻ることができるように、チケットは一定期間この状態に置かれます。

再オープンスタイルでは、チケットを再開することができるため、旧バージョンのオンラインチャットよりも、チケットのライフサイクルに関連するメトリック(リクエスタの待機時間や全体の解決までにかかる時間など)の値が増えてしまうことが予想されます。

このコンテキストにおける1つの再オープンチケットは、旧バージョンのオンラインチャットでは2つのチャットに分かれていたであろうから、これらのメトリックの増加は必ずしもパフォーマンスの低下を示すものではありません。

非同期 複数回のライブおよび非ライブのインタラクション。カスタマーは、長期にわたって、同じエージェントや異なるエージェントとやりとりをします。チケットのライフサイクルは、カスタマーが完全にサービスを受けるまで、数日から数週間になるまで延長されることがあります。

非同期スタイルは、長い期間にわたって行われ、カスタマーからの応答を待つこともあるため、チケットのライフサイクルに関連するメトリック(リクエスタの待機時間や全体の解決までにかかる時間など)は、人員配置や予測に役立つほど信頼できる指標になりません。

Zendeskの既定のメッセージングダッシュボードには、エージェントのパフォーマンスと顧客満足度の監視に役立つレポートが用意されています。詳しくは「メッセージングチケットの分析」を参照してください。

オンラインチャットの会話スタイルの成功を定義する

上述したように、オンラインチャットの測定に使用されているメトリックは、これら2つのアプローチが近似しているため、メッセージングの「オンラインチャット」スタイルと直接比較することができます。

とはいえ、チャットの処理量を増やす、カスタマーエクスペリエンスを改善する、またはエージェントのパフォーマンスを向上させるなど、組織にとって最も重要な成果に応じて、Exploreで分析可能なさまざまなメトリックがあります。

このセクションでは、これら3つの各領域における旧バージョンのチャットのメトリックと、同等のメッセージングメトリックを比較します。これらを比較することで、チャットからメッセージングへの移行がお客様のビジネスにとってどのように機能するかを適切に評価することができます。

処理量を監視するメトリック

以下の表は、旧バージョンのチャットの処理量関連のメトリックと、それらに相当する「オンラインチャット」メッセージング会話スタイルのメトリックとを比較したものです。

旧バージョンのチャットメトリック

Engagementデータセットから

同等のメッセージングメトリック

Messaging ticketsデータセットから

チャット数

チャットセッションの数。

メッセージングチケット

メッセージングチャネルで作成されたチケットの総数。

完了チャット数

エージェントが完了したチャットセッションの数(中断したチャットと未対応のチャットを除く)。

解決済みチケット

「解決済み」または「終了」のメッセージングチケットの数。

未対応着信チャット数

着信チャットセッションのうち、訪問者がエージェントの応答なしにチャットを終了したセッションの数。着信チャットセッションとは、訪問者(エンドユーザー)が開始したチャットです。

未返信の未解決メッセージングチケット

現在エージェントからの応答がない未解決のメッセージングチケットの数。

「新規」ステータスでフィルタリング。

中断チャット数

訪問者がエージェントメッセージに応答してからチャットを退出したチャットのうち、エージェントによって応答されたチャットの数、またはエージェントに割り当てられたチャットの数。

メッセージングは、後で会話を再開することができるため、中断したチャットと直接比較することはできません。その代わりに、1日または1週間以上保留状態のメッセージングチケットを見て、「古くなった」会話を測定することを検討してください。

転送チャット

他の部門またはエージェントに転送されたチャットの数。

再割り当てされたメッセージングチケット数

別のエージェントに再割り当てされたメッセージングチケットの数。

オフラインメッセージ数

エージェントがオンラインでなかったときに残されたオフラインメッセージの数。

営業時間外に作成されたメッセージングチケット数

チケット作成時に割り当てられた営業スケジュール外の時間帯に作成されたメッセージングチケットの数。

カスタマーエクスペリエンスを監視するメトリック

以下の表は、旧バージョンのチャットのカスタマーエクスペリエンス関連のメトリックと、それらに相当する「オンラインチャット」メッセージング会話スタイルのメトリックとを比較したものです。

旧バージョンのチャットメトリック

Engagementデータセットから

同等のメッセージングメトリック

Messaging ticketsデータセットから

チャットの「満足」評価率

訪問者が評価を行ったチャットの合計数に対する、「満足」と評価されたチャットセッションの割合。

満足チケット

満足と評価されたメッセージングチケットの数。

チャット経過時間(秒)

最初のチャットメッセージから最後のチャットメッセージまでの時間(秒単位)。

全体解決時間 (分)

メッセージングチケットが作成されてから、一番最近の解決までの経過時間(分単位)。

(これは、メッセージングチケットがやりとりの完了後に解決され、終了されることを前提としています。)

チャット中の待機時間 (秒)

エージェントからの初回の返信をエンドユーザーが待っていた時間。エージェントからの返信がない場合は、エンドユーザーがチャットセッションから退出するまでに待っていた時間の合計を返します。

初回返信時間 (秒)

メッセージングチケットが作成されてから、エージェントがチケットに初めて返信するまでに経過した時間(秒単位)。

チャット初回返信時間 (秒)

カスタマーがチャットに参加してから最初に応答するまでの時間(秒単位)。

初回返信時間 (秒)

メッセージングチケットが作成されてから、エージェントがチケットに初めて返信するまでに経過した時間(秒単位)。

(チャット平均返信時間 (秒))

チャットセッション中に、エージェントが訪問者のコメントに返信するまでにかかった平均時間(秒単位)。

平均リクエスタ待機時間 (秒)

エンドユーザーがメッセージを送信してから、エージェントが応答するまでの経過時間の平均(秒単位)。

チャットのエージェントメッセージ回数

チャットセッション中にエージェントが入力したコメントの数。

エージェントメッセージ

エージェントが送信したメッセージの数。

チャットの訪問者メッセージ回数

訪問者(エージェント)がチャットセッション中に送信したコメントの数。

リクエスタのメッセージ

リクエスタが送信したメッセージの数。

エージェントのパフォーマンスを監視するメトリック

以下の表は、旧バージョンのチャットのエージェントのパフォーマンス関連のメトリックと、それらに相当する「オンラインチャット」メッセージング会話スタイルのメトリックとを比較したものです。

旧バージョンのチャットメトリック

Engagementデータセットから

同等のメッセージングメトリック

Messaging ticketsデータセットから

割り当て

エージェントに割り当てられたチャット対応の数。チャットセッション中は、エンドユーザーが複数のエージェントとやりとりすることもあります。各インタラクションは、個別のチャット対応としてカウントされます。

担当者ステーション

チケットを担当したエージェントの数。

チャットの「満足」評価率

訪問者が評価を行ったチャットの合計数に対する、「満足」と評価されたチャットセッションの割合。

満足チケット(満足度が高いと評価されたメッセージングチケットの数)を満足度評価済みチケットの数(リクエスタによって満足または不満と評価されたメッセージングチケットの数)で割ったもの。

チャット中の待機時間

エージェントからの初回の返信をエンドユーザーが待っていた時間。エージェントからの返信がない場合は、エンドユーザーがチャットセッションから退出するまでに待っていた時間の合計を返します。

割り当て~初回返信(秒)

最後の割り当てからエージェントの初回返信までの時間(秒単位)。

チャット対応 - 経過時間 (分)

エージェントがチャットに参加してから、訪問者またはエージェントがチャットから退出するまでの時間(秒単位)。チャットセッション中は、エンドユーザーは複数のエージェントとやりとりすることもあります。各インタラクションは、個別のチャット対応としてカウントされます。

処理時間(分)

メッセージングチケットでエージェントがエンドユーザーの応対に費やした時間(分単位)。詳しくは、「「メッセージングチケット」データセットでは、「処理時間」メトリックはどのように計算されますか?」を参照してください。

(チャット平均返信時間 (秒))

チャットセッション中に、エージェントが訪問者のコメントに返信するまでにかかった平均時間(秒単位)。

平均リクエスタ待機時間 (秒)

エンドユーザーがメッセージを送信してから、エージェントが応答するまでの経過時間の平均(秒単位)。

割り当て受け付け率

エージェント割り当ての合計数に対する、エージェントに割り当てられてかつ受け付けられた割り当ての割合。

エージェントが割り当てられたチケットの数と比較したチケットの量(チームおよび個人の過去のパフォーマンスと比較)。

リアルタイムおよび過去のデータを使用して成功を測定する

Professionalプラン以上では、リアルタイムデータだけでなく、過去のレポートデータにもアクセスできます。リアルタイムデータと過去のデータを組み合わせて使用することで、メッセージングの成果をより詳細に理解することができます。

リアルタイム監視を使用する場合(Professionalプラン以上)

選択したメッセージング会話のスタイルに関係なく、リアルタイムデータを使用して、キュー内の現在のチケット量だけでなく、現在のエージェントのステータスとキャパシティを確認できます(オムニチャネルルーティングでエージェントの統合ステータスがアクティブになっている場合)。

リアルタイム監視は、次のような質問に答える場合に使用します。

  • エージェントは現在何の作業をしているか?
  • エージェントの現在のステータスはどうなっているか?
  • 現在の未解決チケットの数は?
  • オペレーションの状況は?
  • キュー内のチケットに対応するのに十分な人員を確保しているか?
  • 優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できているか?
  • 現在のカスタマーの印象は?

メッセージングメトリックのリアルタイム監視について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

  • Exploreライブダッシュボードの概要
  • エージェントのステータスとアクティビティの確認
  • Exploreダッシュボードのライブデータウィジェット

過去のデータを使用する場合

前のセクションで紹介したメトリックのように、過去のデータを使って、会話を処理した後のチケットとエージェントのデータを分析することができます。さまざまな粒度でデータを分析することで、期待値に対するチームのパフォーマンスを確認し、改善の機会を捉えることができます。

次のような質問に答える場合に、履歴レポートを使用します。

  • 初回返信時間の平均は?
  • 先週のチケット処理量のピークはいつだったか?
  • 処理量のピークはエージェントの初回返信時間にどのような影響を与えたか?

メッセージングチケットの履歴レポートの詳細については、以下の記事を参照してください。

  • メッセージングチケットの分析
  • Zendeskメッセージングのメトリックと属性
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