メッセージング会話において、セッションとはエンドユーザーとエージェント間でリアルタイムに交わされる対話のことです。メッセージングセッションを終了することで、エージェントは、リアルタイムの対話が不要になったセッションを終了してワークロードを管理し、新しいリクエストに対応するためにキャパシティを解放することができます。
- カスタマーから必要な情報はすべて得ていますが、サポート担当者には、チケットを終了する前に対応が必要な後処理作業があります。セッションを終了することで、カスタマーが同じ会話内で議論を続けたり、別の問題を持ち出したりすることを防ぎます。
- メールやTalkなど、別のチャネルで処理したほうが適切な会話があります。
準備ができたら、エージェントのセッション終了機能を有効にします。
この記事では、次のトピックについて説明します。
この記事で使われている用語について
- 会話:カスタマーリクエストの全ライフサイクル。エンドユーザーがWeb Widgetの起動ボタンをクリックしてコメントを入力するか、またはそれ以外の方法でコミュニケーションを開始したときに始まり、リクエストに関連するチケットが終了にされた場合にのみ終了します。
- セッション:エンドユーザーとエージェントの間でオンラインチャット形式でリアルタイムに交わされる対話。セッションを終了できるのはエージェント側だけで、終了されるとエンドユーザーはメッセージングチャネルでエージェントと対話することができなくなります。各メッセージング会話で行われるセッションは1回のみです。
- チケット:メッセージングチケットは、メッセージングの会話が会話ボットから引き渡され、Supportのエージェント、グループ、またはキューにルーティングされるときに作成されます。各メッセージングチケットは、メッセージングセッションに関連付けられています。チケットには、ステータスの変更、トリガ、その他のビジネスルール、パブリック返信および社内メモなど、チケットに適用されるすべての手動および自動イベントが含まれます。
メッセージングセッションの終了をエージェントに許可した場合のワークフローの変更について
エージェントがメッセージングセッションを終了すると、そのカスタマーとやりとりしていたメッセージングチャネルは実質的にオフになり、以下の会話のライフサイクルの各側面に影響を与えます。
チケットルーティング
トリガ
セッションが終了したチケットではメッセージングチャネルが利用できないため、メッセージングトリガは実行できません。ただし、Support のトリガ(チケット > チャネル | = | メッセージングの条件を持つトリガなど)は、セッションが終了したチケットにも実行できます。
セッション終了機能を有効にすると、チケットトリガの新しいチケット条件カテゴリ(チケット > メッセージングセッション終了理由)が追加されます。チケット > チャネル | = | メッセージングの条件と組み合わせて使用することで、メッセージングセッションが終了したメッセージングチケットで実行するチケットトリガを作成できます。これらの条件は、バイパスされたメッセージングトリガを置き換える必要がある場合や、エージェントがセッションを終了したときにCSATアンケートを送信するようにしたい場合に使うことができます。
エージェントのキャパシティ
エージェントがメッセージングの会話セッションを終了すると、エージェントのメッセージングチケットのキャパシティが解放されます。エージェントのメールチケットのキャパシティには影響はありません。
チケットのステータス
関連するメッセージングセッションをエージェントが終了しても、チケットのステータスは自動的には変更されません。
カスタマー満足度アンケート
エージェントがメッセージングセッションを終了するとメッセージングチャネルがオフになるため、チケットを解決するアクションはメッセージングチャネルでは発生せず、したがって、デフォルトのメッセージングCSATトリガの条件を満たすことはできません。
カスタマイズ可能なCSAT(Suite Growthプラン以上で利用可能)を使用すると、エージェントがメッセージングセッションを終了したときに、自動的にエンドユーザーにアンケートを送信するトリガを作成できます。詳しくは「レシピ:メッセージングのセッション終了時のCSATアンケートの送信」を参照してください。
メッセージングセッション終了時のエージェント側の動作について
エージェントにメッセージングセッションの終了を許可すると、エージェントはエージェントワークスペースのテキスト入力欄でメッセージングセッションを終了することができます。
エージェントが会話のメッセージングセッションを終了すると、エージェントワークスペースで関連するチケットにいくつか変更が行われます。
- テキスト入力欄では、その会話のメッセージングチャンネルのオプションは非アクティブにされます。エージェントは、他の利用可能なチャネルからカスタマーに連絡をとることができます。
- エンドユーザーのメールアドレスがわかっている場合、テキスト入力欄はパブリック返信がデフォルトとなりますが、メールアドレスが不明な場合は、社内メモがデフォルトになります。
- セッション終了イベントがチケットイベント履歴に記録され、表示されます。
- 社内メモを使用して、エージェント同士が引き続きチケット上でコミュニケーションをとることができます。
- 関連するチケットのステータスは、メッセージングセッションのステータスには影響されません。
メッセージングセッション終了時のエンドユーザー側の動作について
エージェントがメッセージングセッションを終了すると、エンドユーザーはそのメッセージング会話では関連チケットに返信できなくなります。セッション終了後にエンドユーザーがメッセージングチャネルに新しい返信を入力すると、その返信は会話ボットの新しいインタラクションとして扱われ、新しいメッセージングセッションが始まリ、その結果、新しいチケットが作成されます。
エージェントがメッセージングセッションを終了した場合、エンドユーザーには自動的に通知されません。エンドユーザーを混乱させないよう、エージェントへの指示として、会話が終了すること、そして、新しい返信を行うと新しいメッセージング会話とチケットが発生することをエンドユーザーに伝えるようにするとよいでしょう。スムーズに伝達できるよう、管理者がマクロを作成して、定型のメッセージをそれに含めることもできます。